愛しき本懐

愛しき本懐


「ふぅ...……そういえばお前の乳の下のそれ、読み込めるのか?」


「はぁっ…はぁっ…!んぇ…?は、はい...少々お待ちください…」


事後の余韻に浸り、幸福感に酔いしれる私にお客様は低い声音で問いを投げかける。

聞かれたのはおっぱいの下のバーコード。

これは勿論読み込む事が可能だ。

だが、可能であれば出てくる情報はお見せしたくない。

そんな余計な事を考えていたからだろうか。

起き上がって答える私は、気づけばそれを表に出してしまっていた。


「こちらの機器で、私に関する情報の閲覧が可能でございます…」


「なんだ、随分と消極的じゃないか。」


「ぁ…!も、申し訳ありません!」


お客様は寛大にも、私の無礼を気に止めずに取ってきた端末を受け取られた。

私はあまりの自分の至らなさに辟易する。

先の一瞬、反省より先に私は鞭打ちや腹パン等のお仕置きをされるかと期待してしまったのだ。

お客様は研修の時の方々とは違う。私は出産娼婦であり、お客様はもてなされる存在。

この場は決して、私の為にあるのではない。あってはならないのだ。

猛省する私を他所に、お客様はバーコードを見せるように顎で指示をされた。


「かしこまりました。」


私はがに股に姿勢を変え、呼吸を整え、おっぱいを持ち上げる覚悟をする。

今の私のおっぱいは少し触るだけで簡単に甘イキしてしまう様になっていた。

大きさを含む容姿は出産権オークション終了後から止めていただいている。

お客様に落札時の状態のまま私の身体を提供するためだ。

だが、006番さん曰く、おっぱいは放置すると更に大きくなる段階まで来ていたらしい。

代わりに一時的とは言え、感度を上げるしかなかったのだとか。


「…すぅ…はぁ…では、イキます…!」


故に、お見せする際の作法で標準的な乳首吊りをすると───


「ふっ…ん、ぎゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ...…!!!」

「んふぅ…!ふっ、ふ…んんんぅ…!!!」


この様に、絶頂から下りてこれない状態が続くのだ。

身体は跳ねながら仰け反り、おマンコとおっぱいからはまた汁が迸る。

血流が顔を赤くし、汗が全身から吹き出る。

あちこちから体液を撒き散らすものだから、部屋はまた雌臭くなってしまった。


「!…うーん、バーコードは、どこだろうな~?」


その様子を見たお客様は、どうやら私のこの姿でもう少し遊ばれる様だ。

嘲りのある間延びした声で、仕草はより緩慢なものにされている。


「い”!?う”うぅぅぅぅぅぅぅぅ…!!!」


クリトリスに感じた強烈な快楽。お客様は私のクリピアスを弄って遊ばれていた。

ただでさえおっぱいで感じているのに、それまで弄られたらもう堪らない。

私はがに股の姿勢を崩しそうになる。


「俺が見つけるまで、姿勢はそのまま崩すなよ?」


だが、お客様はそれを赦さない。

私は、これが先の無礼への罰なのだと悟った。


・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・


「はぁー…はぁー…はぁー…!」


ベッドに腰掛けるお客様の足元に倒れ伏し、息も絶え絶えな私。

お客様の攻めは凄まじいものだった。この方はよく女を抱かれているのだろう。

女の泣き所を熟知し、的確なタイミングで、適切な力加減で、ひたすらに喘がされた。


「ふむ…便利屋、ねぇ…」


私のミルクが入ったコーヒーの良い香りが漂ってくる。

お客様は漸く読み取られた私の情報を閲覧されていた。

それも、最も見られたくなかった”過去情報”をだ。


「それで、何でお前はこれを見られたくないんだ?」


「ぇ…?」


「…お前の顔を見て心情をある程度察せねば、俺は何度毒殺されてただろうな。」

「それで?悲しいからか?今が惨めだからか?正直に言ってみろ、俺は咎めん。」


私は内なる心を指摘されて驚く。

ここに来られるお客様は誰も彼もがすごい。何かしらの才能を持っておられる。

そう考えると私の様な下賤な存在を使って頂けているのが光栄で、同時に申し訳なく思う。

いや、だからこそ私はお客様に報いなければならない。

そう思って心の内を詳らかに、正直に申し上げることにした。


「恥ずかしい、からです。」


「…ほう?」


お客様の目に好奇の光が宿る。

私は緊張して鼓動は早鐘を打つが、構わずそのまま続けた。


「私は教育を受けるまでの18年間を、人様のフリをして生きていました。」

「路傍の石にも劣るこの私が、です。ずっと、無礼を働き続けていたんです。」

「挙句の果てには課長なんて役職を与えられて、喜んでいました…」

「その、勘違いしていた過去の姿が…消し去りたい私の恥、なんです…」


「…今のお前は、どうなんだ?」


「まだまだ経験も出産数も足りない私ですが、少しはマシになれたと思っております。」

「こうして皆様に使って頂いて、赤子を産んで、役割を実感して…」

「管理され、使い潰される私の本懐を遂げさせて頂けていることに、心から感謝しております。」


「ク、クク…!そうか…!」


お客様は酷く嬉しそうにその表情を綻ばせる。

すると、私は角を掴まれ持ち上げられた。


「ひぎゅうううううううう!?!?!?」


ゴムに近い感触になった角がぶにぶにと伸び、脳が快楽で焼けていく。

脳にほぼ直結しているだけにその強さは他と比べるべくも無く、一切の慣れも感じない。

私は歯をガタガタ言わせながらも食いしばり、必死におっぱいを別方向に向けて腰を引く。


「ご…お”…!ひ……ぐっ……!!!」


向きを変えた途端、吹き出すミルクと愛液。

傍から見ると無様で滑稽な体勢は、お客様にかけてしまわないためだ。


「お”…おぉ…!はぁっ…はぁっ...!」


少ししてやっと快楽の奔流が収まりだし、絶頂から下りてきた。

思考の乱れを何とか収め、目の前のお客様を見る。

すると、お客様は───


「んむぅっ!?」


私の唇を奪っていた。


「むぅ、あっ…!ちう、にちゅ、じゅず…ぁむ…んぅ...!!」


絡まる舌と舌。

その様子はさながら、のた打つ蛇が如く。

それは、私にはあまりに衝撃的だった。

ディルドやおチンポ様を咥えた時の様な荒々しいものではなく、這い回る様なそれ。

1度も味わったことの無い、”初めて”のキス。


「っぷぁっ!イッ…グぅぅぅぅぅ……!!!」


お客様の唾液が私に流し込まれ、お客様もまた私の唾液を啜る。

角を掴まれている以上、そんな気は毛頭無いが逃げることはできない。

口内も性感帯化して頂いている為、私は堪らず絶頂する。

そして全身の力は抜け、無礼にもお客様に倒れかかってしまった。


「ふぅ…。おっと、腰が抜けたか417番。」

「シリコン製の歯にキスで絶頂とは…お前は本当に俺を悦ばせてくれるな?」


生涯することは無く、願ってはならない事。

それが今、現実となっていた。


「お、おひゃふさまぁ…!?わ、わらひ、ろうしたら…!?」


私の口はおチンポ様を咥え、ザーメンを啜るためにある。

舌はザーメンを味わい、お客様の身体を綺麗にお掃除するための雑巾。

喉マンコはおマンコが埋まってる時の代わり。

だからこそ信じられなかった。

今回は前戯も無しでフェラチオもイラマチオもしていない。

毎日寝床で自動清掃されているから清潔な状態ではあった。

だが、私如きにキスだなんて畏れ多くて堪らない。

どうすれば贖罪できるのか、その一心で私は酷く狼狽する。


「落ちつけ。」


「んひぅ!?んおお”ぉぉ!?!?」


お客様の低いお声が触れ合っている肉体から伝わり、脳と子宮を震わせる。

そして同時に、アナルには指が3本突き込まれ、そのまま抱きかかえ直された。

思わず汚い喘ぎ声を上げて悶絶してしまう。

そんな私を見たお客様は、アナルから指を抜いて私を抱き締める。

そして、少しほくそ笑むと語りだされた。


「俺に寄る女は皆、打算的で弱かった。」

「その上、何奴も此奴も親父と俺の地位と財産目当て。表だと皆、娼館でもそうだ。」


「ふぇ…?」


「ふっ、まあわからんなりに聞き流しておけ。俺が言いたいだけだ。」


そう語るお客様の横顔は、笑っているのに少し悲し気だった。

お客様は私の頭部を優しく撫でながら言葉を続ける。


「俺はな、姦計も何も無しに女を抱き潰したいんだ。」

「抱くこと自体は跡取り作りの為に幾度と無くしてきた…だが、ダメだった。」

「顔合わせから行為に至るまでのおべんちゃらとアピールで何度萎えた事か。」

「そのくせ、抱いてやればすぐに潰れ、挙句の果てには人権だとか慰謝料だとかを宣う始末だ。」


「それは…」


「正直に言おう。俺は普通の女には辟易している。」

「恋だの愛だのも知らんしわからん。最早興味も無い。」


「…」


ああ、この方は寂しいのだ。そう察するのに時間は要らなかった。

自分自身ではなく、自分を取り巻く物を通して見られるのはとても辛い事だ。

だからこそその心を癒してさしあげたいが、私ごときに一体何ができるのだろうか。

そう考える私に、お客様は驚くべきことを仰った。


「だが、お前は違う。」


「え…?」


呆ける私にお客様は言葉を投げ続ける。

それらは、あまりにも嬉しいものばかりだった。


「全てを奉仕と出産に捧げた心身。」

「聡くありながらも付随する物を見ず、俺だけを見ているその姿勢。」

「俺の愚息がここまで昂り、子を産ませたいと俺に思わせたのはお前が初めてだ。」


「っ!?も、勿体ないお言葉…!身に余る光栄です…!」


頭の中はもうパニックだった。あり得ない。あり得るはずが無い。

こんな言葉、私以外に向けているに違いないのに。

でもこの部屋には他に誰もいない。胎の中にもまだいない。

故に、自分に投げかけられているとしか判断できなかった。

そんな私の心に、お客様はトドメの一撃を放たれる。


「それに俺が全力で使って持つのも…恐らくお前だけだ。」

「故に俺はお前に子を産ませたい。…いや、お前でなくてはダメだ。」

「今後ここに来る時、俺は必ずお前を指名しよう。その代わり───」

「俺の相手をする時は、全身全霊を以て俺を愛せ。」


「─────」


明確に、この417番だけを求めるその言葉に、心が震える。

ああ、私は今、この方に奉仕をしたい。この方の子を孕み、産みたい。

この望みは義務から来るものではない。肉欲から来るものでもない。


「こ、この私で…よろしいのですか…!?」


「そう言っている。」


その言葉がおマンコや子宮、乳腺は勿論のこと、私の胸の奥にまで浸透していく。

昔の私の、少女だった鬼方カヨコの残りカスまでもが喜びの声を上げている。

この感覚が何かはわからない。だが、これだけはわかる。

私は今、自身の役割にこれ以上ない程のやりがいと喜びを感じているのだ。


「それとだが、俺とお前の子は全て買い取ってやろう。」


「ほ、本当ですか…!?」


「ああ。お前の子は実に都合が良い。」

「俺の血を引きながら他家との面倒なコネクションを築かなくて済むからな。」


「なんと…なんとお礼申し上げればよろしいのでしょうか…!」

「ありがとう…ございます…!!」


産んだ子の買い取りを、この方は約束してくれた。

土下座をしながら目じりには思わず涙が滲む。

常々思っていたのだ。私なんかの血が入ってしまった子が可哀想だと。

下賤な私が母など、誰に言っても恥ずかしい事だから。

だが、この方はそれすら受け入れて下さったのだ。

であるのならば、私も応えなければ。


「承知いたしました…!」

「今の私は貴方様だけを愛する、貴方様だけの愛玩具です…!」


「良い子だ。」


伝わってくる体温と雄の匂いが、心地いい。

私を抱きしめる逞しい腕が、とても愛おしい。

頭を撫でるそのゴツゴツとした手が、安らぎをくれる。

何と幸せな感覚なのだろう。

気づけば私は、また新たに言葉を紡いでいた。


「少し前にこの胎は、注がれる程に多胎妊娠をしやすくなる様、調整して頂いております…」

「故に私は…貴方様の子種で、もっと孕みとうございます…!」


「全くお前は…!」


“愛しいお方”は再度獰猛な笑みを浮かべ、私の身を貪り始める。

そこからのセックスは、これまでとは何かが違った。


「ふっ…ふっ…ふっ…ふっ…!」

「どう…ですかぁ…?んぅっ…!ふぉっ…!」


「良いぞ、その調子だ。」


私は愛しいお方の上で、雌犬らしく舌を出しながら腰を振る。

自分の一番感じる部分を抉る様に、釘を打つ様に激しく。

もちろんおチンポ様が気持ちよくなるのが最優先だ。

打ち付けられる私の尻からのばぢん、ばぢん、という音。

同時に聞こえるぐじゅう、ぶじゅう、と溢れる愛液の中をおチンポ様が泳ぐ音。

これまでと同様であるはずなのに、今日はその快楽の質がまた異なった。

いつもの快楽は理性を焼き尽くす様で、荒々しくドマゾの私を責め立ててくれる。

だが今はそれに加え、快楽が脳をぐずぐずに溶かして自分の中身が混ざる様だった。


「ふっ…ふぅっ…ふっ…!あ…!膣内で大きく…!」


「出すぞ…!」


「はい…!私も、もうっ…イキますぅ…!」

「ん、んんっ、ひぅぅぅぅぅ…!!!」


何度目かはもう数えられなくなった膣内出し。

胎の中がまた更に重くなり、熱が伝わってくる。

身体が溶ける様な快楽が、今度は胎の中から広がる。

全く意図していないが、おマンコはおチンポ様に縋り付く様に絡みついていた。


「ほら、いい加減下の口を離せ。…可愛い奴め。」


「ふ、ふみまへぇん…!」


引き抜かれる途中にもしつこく食いつき、じゅ、じゅぞ、みちゅ、と音を立てる。

さながら、おマンコでバキュームフェラをしている様だった。

その後も体勢を変え、嗜好を変え、セックスは続いていく。


「ごれぇ…!ふ、深ぁ”っ…!深すぎまずっ…!!」


「この後に及んでっ、誘い倒すお前のっ、責任だろうが…!」


膝裏に通された腕と背中にある愛しいお方の胸板に体重を預ける駅弁ファック。

その手は勿論、頭に付いてるクリトリスである角を握って頂いている。

一突きされる毎に飛び散る雌汁にミルク。

おチンポ様は子宮どころか内臓まで突き上げていた。


「お”ぶっ!?はぁぁ…はぁぁ…はぁぁ…!!」


「どうだ?染みてるか?」


「はいぃ…!痛くて気持ちいいの、子宮の卵巣にまでしっかりと染みましたぁ…!」

「全然治りますからもっと強ぉい腹パン、くださぁい…!」

「ごお”っ!?!?」


ボテ腹の時にはできない外から子宮を圧し潰す腹パン。

痛みは子宮の細胞の一つまで形を認識させる。

少しするとマゾヒズムによって痛みは快楽に変わり、形のわかった子宮に響き渡る。

まるで、子宮を愛撫されているかの様だった。


「っ…かっ…!…ひゅっ…!!」


「首輪で呼吸制御も良いが、やはり首は自分の手で絞めるに限る…!」


ゆっさゆっさと揺れ続け、ピアスも揺れて更に気持ちいいおっぱい。

窒息感に満ちながら力強く、そして乱暴にバックから突かれる。

私の脚は愛しいお方の身長に到底及ばず宙を彷徨い、子宮までおチンポ様で串刺しだ。

そして、愛しいお方の両手は私の首を締め付けているため、全体重が首とおマンコにかかっていた。


(死ぬっ!死ぬぅぅぅぅ!!)

(でも死んでいい!!こんなに気持ちいいなら、私死んでもいい!!!)


「さあ、またくれてやるからしっかり乳を出せよ…!」


「っ…!っ…!!~~~~~♡♡♡♡♡」


またもや胎の中で熱が広がると同時に、私は我慢を強いていたおっぱいを解き放つ。

そして出てきたのは白い濁流。

乳腺を舐める様に刺激しながらミルクはじゅうう、じゅうう、と音を立てて噴射された。

床一面が真っ白になり、私の思考もまた真っ白になっていく。


「ふぅ…素晴らしいぞ417番。俺は今、満足感を覚えた。」


私の首から離される両手。

支えを失った私は力無く目の前のミルクと愛液の海へ飛び込む。

そして、べちゃ、という音とともにわたしはケツを上げたままうつ伏せに倒れ伏した。


「げほっ、ごほっ、げほっ、げほっ、はひゅぅぅぅ…ひぅぅぅぅ…」


至上の幸福感の中で事ここに至り、漸く私は理解した。

私に足りなかったものはご奉仕する相手への”愛”。

教育で教えられた出産娼婦の理想の心得。

何となく理解した気になっていたが、私は何もわかっていなかった。

セックスをしたい、産みたいという欲する心。

下賤な私の雌としての本能の発露だと思っていたそれは、理性の延長にあった。

そして今、お客様を愛することで遂に本能もそれを欲した。

このセックスは、理性と本能の成したい事が遂に一致したセックスだったのだ。


(ありがとうございます…お客様、主様ぁ…!私は本当に、幸せ者です…!)


そうして私は、幸福感に包まれた中で気を失った。


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「…お前のおかげもあるとは言え、417番は本当に化けたな。」


「ふっ…ふっ…!は、いぃ…!アレは私の集大成、ですからぁ…!」


006番は愛する男の上で跳ね回る。

全てを彼に捧げる006番の至福の時間。

リオやミレニアムへ恨み骨髄に徹する彼女が、復讐をしに行かない最大の理由だ。

男は006番との情事の最中、会話を続ける。


「だがそれ以上に、第5世代出産権の種付けの時から評判が跳ね上がった。」


「ええ…愛を、覚えたので、しょう…!」


「相手はあの国の議長だったか。これでまた太客が増えるというものだ。」


男は乱交用の会場の監視カメラの映像を見てほくそ笑む。

その映像には沢山の男の中心に娼婦達が溺れている姿が映し出されている。

中でも他の追随を許さない大きさのボテ腹を抱え、輪姦されているのが417番だった。

胎の中の胎児の数はなんと8。

二日の延長までして犯し続けたあの議長の入れ込み様が如実に現れており、少し笑えて来る。


「買われると、手間暇が、んあっ!、やばいんですけどねぇ…!」


「それを含めた金額設定だろう。柱まで買ってもらっているんだ、我慢しろ。」


「はぁい…」


417番は遺伝子レベルで調整されているため、子どもにもそれが遺伝してしまう。

また、遺伝子調整は絵具を混ぜる様なもので、一度付与したものを外したりはできない。

個体差もあるというのに、その子どもが社会生活を送れる様に別のものを足して打ち消し合うのはとても骨が折れるのだ。

調整するのは006番が管轄する研究所の役目。

要するにとても忙しくなることを意味していた。


「残りの十数年内に417番の血統個体を量産し、他拠点のための仕入れも最小限にしよう。」

「ありがとう、417番。一度はお前に煮え湯を飲まされたが、今は感謝すらしている。」


「…適正があったとは言え、私の貢献も忘れないで下さいね?」


「もちろんだとも。」


ベッドサイドテーブルに置かれた端末からは、417番の痴態が流れ続ける。

ボテ腹を揺らしながら、どこまでも淫靡に媚び、腰を振り続ける。

ボテ腹と乳との間や羽すら使って剛直を扱くその姿を。


『ぐぼっ、ぐぼっ、ぐぼっ、じゅぞぞぞぞ…ぷはっ、あぁん…!!』

『皆様ぁ…!もっと私をぉ”っ…!使ってぇ…!犯してぇ…!』


その姿は、どこまでも幸せそうだった。

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