意外な遭遇〜空から降って来た男

意外な遭遇〜空から降って来た男

通りすがりのSS大好きおじさん


【グランドライン-ジャヤ】空島に向かう為にこの島に訪れた麦わらの一味一向は空島について、及びに向かい方の方法を知る為に各地情報収集をしていた。ルフィ、ゾロ、モネの3人もその一環で街の中、【モックタウン】にて情報を収集していたのだが空島の事を聞くなり爆笑の渦に呑まれ、出す拳の見つからない喧嘩なので無抵抗を続けボロボロになりながらも街を後にし、船に帰還しているところだった。

「2人とも大丈夫なの?あなた達の丈夫さは知ってるつもりだけれど。少し冷やしておくわね?」

雪の能力で傷に応急処置を施すモネ、少し染みるのか2人は痛がる。そこに。

本日ジャヤの天気…晴れ、後一部、“人”。ヒュウウウウ…ズドオォン!!!

「「「⁉︎」」」

いきなりの出来事に3人は混乱する今朝も空から巨船が降ってきて大パニックだったが今回で2度目だ、さらに…

「…⁉︎なんだこの穴の形…⁉︎人の形してねぇから?」ルフィが穴の形について指摘する。

「馬鹿言ってんじゃねぇ!お前じゃあるめぇし、何よりデカすぎる!そもそも生きてるはずがねぇ!石像かなんかじゃねえのか⁉︎」ゾロもそう指摘するが

「あら、巨人族の2人を忘れたのかしら、グランドラインじゃ巨人族は珍しくないのよ?でも流石にこの深さができるほどの高さから落ちたんじゃ、死んでるでしょうけど」

3人の中では死んだことになっている穴の主。すると…

「あ〜、頭痛え、死ねねぇモンだな、中々…ロジャーは上手くやったよ…」と穴の中から傷ひとつなく全くの無事で人が出てきた。まず注目するのはその巨体、そしてはちきれんばかり筋肉を搭載した五体だ。7mを超す見上げんばかりの巨躯。一振りであらゆるものを薙ぎ倒さんばかりの金棒。脇腹に刻まれた大きな“十字傷”。そして何より水牛や鬼を彷彿とさせんばかりの巨角、あまりの情報の多さにゾロとモネは呆然としていた。しかし船長のルフィは違った。

「おめぇ!なんで空から落ちてきて無事でいるんだ!?その角は何だ!?本物か!?スッゲー!」と目をきらびかせながら大男に近づく。

「ルフィ!不用意に近づくな!まだ敵かどうかも…!」(コイツ…強え!)

そう警戒を促すゾロだが、ルフィは我関せずに歩み寄る、それを見た大男は、

「…何だテメェら、何者だ?此処ぁ何処だ」と当の本人も状況を少し飲み込めてないらしい。

「俺はルフィ!海賊だ!此処はよ、ジャヤっつうとこなんだとよ!それよりお前!今空から降ってきたよな!お前なら空島の生き方とかわかんじゃねえのか!?」と何も考えてないように見えて、起きた事実を見つめ男が空から降ってきたことから空島の事を何か知っているのではないかと感じたルフィ。

「そうかルフィ…聞いたことねぇ名前だな、懸賞金は?」と先ほど酒場で出会った男から同じ質問をされるルフィ。

「なんだまたか、此処にいる奴はみんな聞きに来るなぁ、まぁいいけどよ、3000万だ!」そう言い切ったルフィだがそれに対し男は

「ウォロロロロ!3000万だとぉ!?嘘つくんじゃねぇ!テメェみてえな奴がそんな金額な訳あるかよ!流石に低すぎんだろうが」と馬鹿にするような態度をとったように見えたルフィはカチンときて

「嘘じゃねぇ!何なんださっきのやつといいヨォ!俺は嘘なんかつかねぇ!」と言い放つルフィ、すると

「事実だ、テメェは3000万ぽっちで収まる器なんかじゃねぇ、すぐに億を超えてくるだろうな、まぁ目安はわかった…で、空島だったか?確かに空島へはすぐに行けるが…別にお前らを連れてってやる義理なんざねぇからなぁ…」そう言い渋る男に対してルフィは

「連れてってくんなくていいよ、俺たちは自分の足で空島に行くんだ!おっさん空島への行き方知ってたら教えてくれよ!どうしても生きてぇんだ!」そう迫るルフィに男は何かを感じたのか。もしくはその“麦わら帽子”に何かを感じたのか。真剣な眼差しになった

「ウォロロロロ、威勢のいいガキだ、そういう奴は嫌いじゃねぇ。だが海賊だっていうんなら情報をタダでくれなんてのは虫が良すぎやしねぇか?“ギブアンドテイク”と行こうぜ?俺は情報を与える、その代わりお前らは何かを俺に差し出せ、部下になれとはいわねぇ、そうだな、酒でもありゃいいが」そう提案を出す男にルフィは

「酒か!ゾロ!酒渡すけどいいか!」とゾロに提案するルフィ

「あぁ!?そりゃ俺の酒だぞルフィ!ったく、後でテメェの肉代から引いとくぞ!その酒代!」と渋りながらも酒樽を明け渡すゾロ、どうやら道すがら買ってきたらしい。

「わりい!これだけしかねえけどいいか!?」

「ウォロロロ、ちと足りねぇが、まぁいいだろう酒は酒だ」そういうと樽ごと酒を飲み始める男、すると空島について話し始めた。

「空島の行き方は、まぁおおよそ3つあるんだが、まぁお前らは俺や金獅子の野郎と違って飛べねぇだろうから自動的に残り二つの方法になる。ひとつ目は【雲の最果て】って所から空島から空島へと通うルートだな、だがこのルートは確実に何人かは死んじまう、全員で辿り着くのは無理ってことだ。オメェ、こっちは選びたくねぇだろう?」

「当たり前だ!俺は全員で空島にいきてぇ!」

「なら取れる手段はたったひとつ、このルートは全員死ぬか辿り着くかの二つにひとつだ、かなり危険だが。まぁビビリやしねぇよな?オメェも海賊を名乗るんならよ」グビグビ

「おう、でどうやっていくんだ、そのルートは!?」

「さぁな、俺はそのルートを使ったことがねぇ、船ごと飛べばいいだろう、そこまで親切してやる気はねぇ、答えはてめえで見つけろ。“俺達”も自分の方法で“ひとつなぎの大秘宝”を探してんだ。誰かから聞いて得た物に価値があると思うか?」そう質問を投げかける男に対しルフィは満面の笑みで「ない!」と答える、無意味で無価値の冒険など海賊である以上誰もしたくないのだ。

「ありがとうな!おっさん!いろいろ教えてくれてよぉ!いつかまた会おう!」

「ウォロロロロ!あぁ、早く“俺達”のところまで上がってこい、麦わらぁ!テメェならすぐに上がってこれる!ウォロロロロ!!」そういうと男は森の奥へ消えていった。

「いやー。いい奴だったなー、さっきのおっさん、行き方も大体わかったしよぉ!しっしっし!」笑いながら船への帰路を進むルフィ達一向、次の瞬間…ビュウウウウ!

「「「⁉︎」」」

凄まじい突風が起きたと思いきやそこには伝承上で語られる龍の姿があったのだ、特徴的な“十字傷”を宿した龍が、つまりはそういうことだったのだ。

「…あのおっさん、能力者だったのか…道理で、空島へも行けるはずだ」何処か納得したゾロ。するとルフィが

「あのおっさん、次も会ったら仲間にしよう!空を飛べる龍に変身出来て、いい奴だ!今度あったら絶対仲間にする!」そう言い放つルフィに2人は(またはじまった…)と言わんばかりの表情だ、ひとまず情報を得た3人はこの事を仲間に伝えに船に戻るのであった。

場所は変わり此処はグランドライン後半の海、別名“新世界”そこにある一つの島【ワノ国-鬼ヶ島】此処ではある海賊団がナワバリとして支配していた。そして今、その船長が戻ってきたのだ。

「戻ったんすかカイドウさん。その様子だと…またダメだったみたいだが」そう言うのは横にも縦にもでかい大柄の男

「あぁ“クイーン”か、全くだが、奴隷と武器の方は問題なさそうだが、赤い石の方はどうだ?見つかりそうか?」そう言い放つのは前日までジャヤにいた大男である。大男、カイドウが放った言葉にもう1人の大男、クイーンは

「またスカだったらしい、今“ジャック”から連絡が入った、今こっちに戻させてる」と肩をすくめ言う。

「探索の範囲を広め、隅々まで探せ!リンリンのババアに先を越されるわけにはいかねぇ!海賊王になり“ひとつなぎの大秘宝”を先に見つけるのは俺達、百獣海賊団だ!」ウォォォ‼︎

【百獣海賊団-船長-“百獣のカイドウ”】ドン‼︎

「カイドウ様ー!こちら本日の記事になっておりまーす!」と元気な声で言うのは目元に目の模様の紙を貼った小柄な人だ

「バオファンか、こっちに回せ」そういうとカイドウは新聞を取り上げ読み始める。

「…クロコダイルが海軍本部大佐に負けた?んな訳あるか、政府の馬鹿どものいつもの手だろ、こんなの手配書の金額の変動で察しがつくんだよ、…ん?ウォロロロロ!やはりそうだったか!あの覇気で3000万はねえとは思ったが…それに側にいた剣士も初頭で6000万か…コイツらはもっと上がってくるな…ウォロロロ…早く上がってこい!麦わらぁ!ウォロロロロ‼︎」えらく上機嫌なカイドウに首を傾げる一同。その手元には2枚の手配書。

【“麦わらのルフィ”1億B】

【“海賊狩り”のゾロ6000万B】

男はいつか来る開梱を目にし酒を煽るのであった…


Report Page