意地
スレ>>135の概念から生み出されたタイホくんとムスメちゃんの話…と言うよりそれを見守るメロレン姉貴の話です
「やっぱりここが…いやあの子だったらもう行ってるよな…」
ガイドブックの項目に○と×をつける。
その繰り返し。
そんなに悩むなら彼女に直接聞いたら?と言うと姉さんには僕の意地は分からないんだよ、と返される。
弟が頭を捻っている姿をみるのはこれが初めてではない。
アカイトリノムスメ──。
超良血の箱入り娘。
お嬢様、と言う言葉を形にしたらこうなるのだろう、と言わんばかりの出自を持つ…弟の恋人である。
彼女の話は人伝て…ほぼ弟伝てでしか聞いたことはないが、…弟がこれだけ熱を上げるのだから良い子なのだろう。
だからこそ、相応しい自分でありたいのだろう。
それが彼の「意地」と言うヤツなのだろう。
しばらく、時間が流れた。
私は、思い違いをしていたのかもしれない。
このああでもない、こうでもない、と悩み続けるその姿は。
何も特別な姿じゃない。
長く弟とは一緒に居たつもりだったから、分かった気になっていた。
良血のお嬢様だから、ではない。
同世代のライバルだから、でもない。
ただただ、彼女に喜んで欲しい。
それが、彼の「意地」なのだろう。
彼女はタイトルホルダーの、大切な恋人なのだから。