悲しみを超えた愛(前編)

悲しみを超えた愛(前編)


 

IF大和ワイ君ハーレムルート


須美 ⇔ 大和ワイ ← 園子 + 銀 の描写があるため閲覧注意




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 俺の目の前で少女が腰を振っていた。

 

「すごいっ♡ これっ♡ どんどん気持ち良くなってるっ♡」

 

  顔に感じる彼女の熱い吐息。

 

「はっ♡ はあっ♡ んっ♡ んんっ♡」

 

 その豊満な肢体は美しく、目を離すことすら許さない。

 

「あっ♡ すごいっ♡ いいっ♡ 気持ち良いわ♡」

「……須美っ……」

「好きよ……♡ 大和ワイ君♡」

 

 俺の剛直を飲み込む蜜壺の快楽に侵されて、俺の方からも進んで腰を突き上げる。


 ——どうしてこうなったのか。

 

 ——これは……俺が全てを失い、大切な物を再び得た物語だ……。

 



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 俺は勇者だった。

 神樹様に選ばれた少女達と共に勇者として、この地を脅かす敵——「バーテックス」——と戦い続けた。3体のバーテックスが一度に現れた際には死を覚悟したが何とか全員無事に生き延びることもできた。全てが狂い始めたのは新たな勇者システムとして「満開」が実装されてからだろうか。大量のバーテックスの群れを追い返すために何も知らずに満開を使った代償として須美は両足の機能を、園子は左目の視力を、銀は左耳の聴覚を、そして俺は当時の俺自身そのものと言っていい「大和魂」を失った。訳も分からず2度目の満開を使った際にようやく俺たちが満開の代償に気付いた時には遅く、須美は俺たちと共に過ごした記憶を失っていたのだった。俺は戦えない須美を守るべく満開を使った。繰り返し使い続けた……園子や銀が何度も止めようとするのを振り切って……。

 結果、俺を待っていたのは日常生活を送ることができなくなるほどの深刻な後遺症だ。

 後悔がなかったといえば噓になる……それでも俺は初恋の少女——須美——を守りたかった……。

 

 

 

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「そろそろ来る時間か……」

 

 片目のモノクロに映る視界で枕元に置いてある時計を見て俺は呟いた。

 

 「瀬戸大橋跡地の合戦」と呼ばれるようになったあの戦い以降、四国を攻めるバーテックスは鳴りを潜めていた。神樹様のお声を聴いた巫女曰くしばらくは大丈夫だという話だが抜き差しならない状態なのは火を見るよりも明らかだろう。現に中学に上がって早々に園子や銀は勇者候補の少女達と勇者部という部活に入ったと聞かされている。そして俺は現在、寝たきりの状態で大赦からは生き神として祀られていた……。

 

 コンコンと響くノックの音と共に待ちわびていた友人達が俺の横たわる部屋へと入ってきた。

 

「大和ワイ君、おはようなんよー」

「いやいやもう夕暮れも近いし、今晩はだろ園子さんや……」

 

 園子と銀は俺がまともな生活を送れなくなってからもほぼ毎日やって来てくれた。勇者部の活動で疲れているだろうにわざわざ放課後にまでやってきては学校や部活での面白い話をしたり、本を読み聞かせてくれたり、俺が暇を持て余さないようにと色々な物を持って来たりとしてくれた。毎日来てくれるのはありがたいが、負担になるようなら頻度を減らしてもいいと言いかけた際に見た彼女たちの顔が悲痛に染まるのを見てからの俺はこの話題を出すことは無くなった。

 

「それでゆーゆがねー……」

「そこで風さんが5杯目のお代わりをして……」

 

 楽しい時間は過ぎるのも早いといわんばかりに過ぎていく。

 

「なあ、もう帰る時間じゃないか……?」

「「っ!!」」

 

 帰る際は俺が言い出さないと二人は帰ろうとしない。帰るのが遅くなってしまうからと大赦の人間に車で送り迎えをするようにと今の俺の権力で押し通したがそんなものは気休めだ。

 

「うん……じゃあ帰るね……大和ワイ君」

「……明日も来るからな」

「ああ、ありがとな……また明日」

 

 二人を見送って、ああ……また長い夜の始まりだと感傷に浸っていると急に扉が開いた。

 

「園子……?どうしたんだ、忘れ物か?」

 

 部屋に入ってきたのはさっき帰ったはずの園子だった。俯いているせいか表情は見えないがどうしたんだろうか?

 

「ねえ……大和ワイ君……」

「どうした園子、何かあったのか?」

 

 思いつめた様子の園子に俺はできるだけ優しい声で応えた。

 

「エッチなこと……しちゃおっか」

「……はっ!……おま、何をっ!」

 

 そう言うやいなや園子は急に衣服を脱ぎだし、下着姿になる。薄紫色のそれは同年代と比べて少し大人びた園子に似合っていて俺の喉が興奮でゴクリと鳴った。園子は顔を耳まで真っ赤にしながらも、いまだ未成熟ながらも美しい身体を俺に見せつけた。

 

「やっぱり少し恥ずかしいんよ……でも大和ワイ君になら平気……かな?」

「そ、園子、お前何考えて、ふ服着ろ、早く……」

 

 彼女の身を案じる言葉を言いながらも、俺はその姿から目を逸らせずにいた。

 

「ふふっ……やっぱり大和ワイ君も男の子なんよ……すけべ♡」

「すけっ!……いや俺はちがうからな…うん」

 

 今更ごまかしても遅いだろうに取り繕うようにした俺のいる寝台に上ると、園子は動けない俺のズボンをゆっくりとずらしていく。そのままパンツまで脱がすと目を輝かせた。

 

「ふぁあ……♡ 男の子のってこんなふうになって……!」

「待て待て待て、まずいからっ、止まれって……!」

 

 文字通り手も足も出ない俺は園子に為すすべもなく下半身をひん剥かれて、一物をじっくりと観察されていた。俺……もうお婿に行けない……なんて馬鹿な考えが浮かぶ中、園子はゆっくりと俺のに手を伸ばした。

 

「へー……こんな感触なんだ……結構柔らかい?……どう大和ワイ君、気持ち良い……?」

 

 園子の柔らかい手に一物が包まれて俺は恥ずかしさで頭が爆発しそうになりながらも違和感に気づいた。

——気づいてしまった……。

 

「んー……これってまだ勃起してないよね……もしかして緊張してる?……あっそうだ、じゃじゃーん私からの大サービスなんよー♡」

 

 そう言った園子は片手でブラを僅かにずらして乳首をさらした。桃色の綺麗な乳首だと思う。園子ほどの美少女がこんな姿を晒したら大抵の男は勃起間違いなしだろう……そう、健常者だったなら……。

 

「うそ……大和ワイ君……まさか……!?」

 

 気づかれた……そうだよな、園子にバレないわけがない。

 そうだ……今の俺には性欲がない。


 ——散華によって失ってしまったんだ……。

 

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