悪魔の実
ここだけゾロがルナーリア族Part2の145※閲覧注意
※【ここだけゾロがルナーリア族】のスレより
※ゾローリアの更にIFネタ
※ファンタジスタした幼少ゾロがキングに拾われ百獣海賊団所属√
※幼少ゾロはくいなと約束する前
※くいな生存&麦わらの一味√
※CPはゾロ×日和
※IFネタの派生⇒百獣√
※キャラエミュが微妙
※文才なしの駄文
※捏造設定あり
※それでも良い方のみ、お読み下さい
「うがァ゙ー!!しつけぇーんだよ!!!!なんなんだよ!?!?」
目の前に置いた悪魔の実に殺気立ちながら、物凄く“いやそう”な顔をしたワイルドが叫び声を上げていて。
カイドウさんの前では、基本的に大人しい(※百獣海賊団比)っていうのに、珍しいな。
「……ひよっこワイルドが荒れてんな」
八つ当たりされない様に小声で呟けば、首を傾げながらジャックが口を開き。
「…荒れてるというより、少し引いてる様な…?」
確かに…と納得する。
殺気立っているが、少し腰が引けてる気もする。
その時、何故か疲れた様な雰囲気を出すキングが話しかけてきて。
「……ワイルドが悪魔の実を見つけたのは、知ってるだろう」
そりゃあ、今あるし…。
……ん?見つけたのは4ヶ月以上前じゃなかったか?
「最初は侍に渡し、2度目は百獣海賊団の真打ちに、3度目はワノ国の民に、4度目はそのままワノ国の海に流して、5度目は斬り刻んで偉大なる航路の前半に…6度目はおれとワイルドで燃やし尽した…んだが…」
淡々と、淡々と説明をされる。
「おい、まさかとは思うが…」
説明が進むにつれて、おれの顔も引き攣るのがわかった。
「今、ワイルドの目の前にあるので7度目だ…ははは、はぁ……流石に笑えん」
無理矢理に笑おうとして失敗し、溜息を吐くキング。
疲れた様な雰囲気はその為かよ…。
「それは、おれでも引きます」
スン…と真顔で答えるジャック。
おれもそうだよ。
7度目って何だよ。
「おおぅ…毎度、同じ悪魔の実ってことか?」
引きながらもキングに問いかけてみれば、無言で頷かれて。
マスクから覗く目が酷く虚ろになってやがる…。
おれも同じ事が起きたら、そうなるだろうと思ったので、絡むのを止めた。
「………」
「カイドウさん?」
無言でいたカイドウさんに声をかければ、難しそうな顔をして口を開いた。
「…昔、“ロックス”で聞いた事があるな…世界政府が血眼になって探してる悪魔の実の1つで、その悪魔の実の能力者になった存在は消されるとか」
カイドウさんの語る内容に、耳を疑った。
世界政府が直々に消そうとする存在なんざ、空白の100年を調べようとする奴だけだと思ってたが…。
「っ!?…そ、れが、ワイルドが持っている悪魔の実だと?」
背に灯してる炎が揺らぐ程に感情が揺らいでるのか、カイドウさん全肯定男なキングがカイドウさんに詰め寄る。
「聞いただけだ。確信はねぇが…その実は、動物系“幻獣種”だとよ」
難しそうな顔をしたままカイドウさんは首を振り、確信がないと言うが…その声音は確信している時の声音で。
「…悪魔の実の意思、ですか」
カイドウさんの話を聞いていたジャックも、複雑そうに声を出した。
まぁ…喰っちまえば確実に世界政府が殺しにかかってくると分かってるのに、末っ子枠のひよっこに喰わせたくはねぇだろうよ。
おれでも喰わせない。
「……ワイルド」
カイドウさんは出来るだけ刺激しないようにか、ワイルドへ静かに声をかけて。
「……ナニ?カイドウサン…ハヤク“コレ”ケシタイ」
滅茶苦茶瞳孔が開いてる状態で、しかも片言でワイルドは答える。
うわぁ…カイドウさんにこの対応って事は、重症じゃねぇか。
「熱息で消してやるから、落ち着け」
熱息かぁ…なら、大丈夫だろ。
「……ほんと?」
おれが思った様にワイルドもそう思ったのか、首を傾げてカイドウさんに確認する…というより、念押しじゃねぇの?これ。
「本当だ」
「…わかった」
真っ直ぐワイルドを見ながらカイドウさんが頷けば、渋々といった感じでワイルドは落ち着いた。
取り敢えず、一件落着だな。
よし、お汁粉を飲むか!!
数日後…。
「……ガル゙ル゙ル゙ル゙ゥ゙…」
そこには、背には漆黒の翼があり、黒い模様に青みがかった濃灰色の体躯を持つ…3〜4mを超える程の大虎が床に伏せながら唸り声を上げていて。
ただ…かな〜り機嫌が悪そうに尻尾を床に叩きつけて、床が一部凹んでいた。
「いや、本当に何があったんだよ…」
そう呟いてみたものの…ワイルドの姿が見えない以上、何があったかは明白で。
普段はちみっこいのに、虎になるとデカいんだな…。
………。
……………。
…………………え゙、マジで??
どうしたものかと、キングのカスとズッコケジャックを見れば…。
「………あたまがいたい」
「キングの兄御!?!?」
養い子を大層可愛がっているキングが頭を抱え、戦闘時は兎も角普段は炎を消さないっていうのに炎が消えていて…翼も力無く垂れ下がってやがる。
しかもジャックはジャックで、そのキングの近くでテンパってやがるし。
「こりゃあ…悪魔の実に選ばれちまったと考えるしかねぇだろう……海の上に行って、全力の熱息で消し飛ばしたんだがなぁ…」
カイドウさんは引っ掻き傷がついている手を見ながら、複雑そうに黄昏れてやがるし。
本当に、どうするか…。
…それにしても。
カイドウさんの全力の熱息で消えずに戻ってくるって。
というか…カイドウさんの手についてる引っ掻き傷って、もしかしなくても…??