「悪縁」

「悪縁」


※麦わら、ハート同盟再結成後ヘルメス探しに来た時の話、まだ戦いにはたどり着けない💦

バギー出てきます。キャラ崩壊注意!正史ロー=“ロー”で表記しています


(“ロー”視点)

麦わら屋達との同盟を再度結んで数日、ニコ屋が見つけた文献に乗っていたヘルメスが有ったとされる島、その島が有った海域へと船を進めていた。今はサニー号と並んで潜水しているポーラタング号の中だ。最初は作戦なんかを決める為に再びサニー号に乗ったが……

麦わら屋がでかい海王類を釣り上げて船を沈めかけるわ、それをさらにバカでかい海王類に食われて怒ってぶん殴りに行って海に落ちるわ、バカでかい海王類にビビった鼻屋に突撃されて俺も落ちそうになり身代わりに適当な樽と入れ替わったら「あれは俺の酒だ」とゾロ屋にキレられるわ……半日で頭が痛くなってきたのでやめた。降りる際トニー屋に気遣わしげに胃薬と頭痛薬を渡されたからその前に自分達の船長をどうにかしろと言ったら「ごめんな。ダメに効く薬はまだ作れてないんだ」と言われたクソっ

(相変わらずだと思ったが変わらな過ぎだろう。仮にも四皇だぞ)

しかし、うちのクルー達との相性はそこそこに良いようでペンギンと黒足屋が一緒に料理をしたり、トニー屋に薬の調合を教えて貰っていたり、ナミ屋とベポが自分たちの行ったことのない海域について話していたり、イッカクがニコ屋にヘアアレンジをしてもらって顔を綻ばせていたりと時々船を浮上させては交流が行われていた

そんな事を思い返しているとナミ屋から通信が来た

「トラ男くん、ロビンの言っていた海域に入ったわ。海の上には何も……あっ待って!遠くに船が見える……あれは海賊船?」

ウソップー!とナミ屋が鼻屋を呼ぶ声がする

「おう!見えた!あの海賊旗は……バギーんところの船だ!」

「バギー?」

何故そんな奴がと思いながら船を浮上させる。目に縦線が入った赤い鼻のドクロ確かに道化のバギーの旗をつけた船がそこにいた。どうやら向こうも気づいた様子で何やら喚いている。船の距離が縮まりようやく声が聞こえ始めた

「テメェ!なんで俺の行く先々に現れやがんだ麦わらァ!!!」

「なんだ……バギーか」

「よーし!!フザケんな!四皇になっても相変わらず生意気なヤローだな!!!このスットンキョーが!!!」

途端に甲板が騒がしくなる。というかなんだバギーかってまた話を聞いてなかったのか麦わら屋は……ん?……待てあの麦わら屋が普通に名前を呼んでるだと!?

1人衝撃を受けている間も2人の言い合いは続いていく

「テメェな!誰のお陰で今があると思ってんだあぁ!?頂上戦争で誰がオマエを助けてやったと思ってるんだよ!!!」

「そりゃぁ……トラ男とジンベエ」

おいこっちを指さすな。俺を巻き込むんじゃねぇ

「トラ男だぁ?あー!テメェは頂上戦争でいきなり命令してきやがった馬の骨!」

「死の外科医“トラファルガー・ロー”だガネ、麦わらと海賊同盟を組んでカイドウ、ビッグマムを倒したってあれだけニュースになってたのにもう忘れたんだガネ!?」

俺がなにか言う前に3のような髪型をした男が説明をしてくれている。まだあっちはまともそうだと思いながら取り敢えずは本題へと話を戻さなくてはならない

「赤鼻屋……」

「あぁ!?誰の鼻が赤くてデカくて丸いだァ!!!」

「そこまで言われてないガネ」

早速失敗したようだ。麦わら屋の知り合いはどうしてこうも面倒臭い奴らばかりなんだ

「えっと道化屋はなんでこの海域に?」

「なんでんな事教えなきゃならねぇんだ」

「俺ら捜し物してんだよ。この辺に居んならなんか見つけなかったか?バギー」

「探しもんだァ?ははーんテメェらもあのデマに踊らされてきた口か辞めとけ辞めとけここにお宝なんざぁなかったぜ?」

道化屋が大袈裟にやれやれと息をつく。お宝という言葉にヘルメスかもしれないとつい身を乗り出す

「おい、お宝ってなんの事だ!お前達は何を聞いてここに来た!」

「だからなんでテメェはそんな偉そうなんだクソガキ!」

「何か事情がありそうだガネ。宝はなかったんだからそうカッカせず教えてやればいいガネ」

「チッ……ここに古代兵器にも並ぶお宝があるって話を聞いたんだよ。もう沈んじまった島に眠ってたんだと。それで泳ぎの得意な奴らを集めてわざわざ来たってのに見つかったのはこの玩具みてぇな天球儀1つだ」

そう言って取り出して見せたのは手のひらサイズの変わった形をした天球儀、真ん中に青い不思議な宝石のようなものを宿すそれはローから聞いていたヘルメスの特徴と一致する

「道化屋、その天球儀…どうするんだ?」

「あ?まぁ玩具みてぇなもんだが、細工は綺麗だからなぁ売ったらちったぁ金になるかと思ってな」

「トラ男、あれがそうなのか?」

麦わら屋の質問に頷く。最悪略奪も考えなくてはならない。何時でもRoomを展開出来るように気を張る

「なぁバギーそれ譲ってくれよ。必要なんだ」

「はぁ!?何言い出すんだ麦わらぁ!海賊が手に入れた宝をそう易々とやるかってんだ!」

「でもそれ宝じゃねぇって言ったじゃねぇか。要らねぇならくれ。俺達にはどうしてもそれがいる」

麦わら屋がド直球で譲れとごねる。そんなもので貰えるわけないだろうと思うが道化屋はなにやら考えている様子だ

「お宝に興味のねぇお前がそんだけ欲しがるんだ。これには何かあんだな?それを教えるなら考えてやらなくもねぇ」

こうして驚く俺と、3の髪型の男を他所に話し合いが行われることとなったのである

(バギー視点)

「なるほどな……」

麦わら達の話を聞いたところによるとこのヘルメスとやらは異世界に行くことが出来て麦わら達はそっちの世界に仲間を助けに行きてぇということだった。それがほんとだとすりゃあとんでもない宝だ。玩具だなんてとんでもねぇ……だがそれをしっかりと理解し使いこなせるスポンサーが一体何人居るだろうか、ヘルメス本体を売ったところで眉唾話として買い叩かれるのが目に見えていた

「話はわかった。仲間を助けるのに必要だってんなら貸してやろうじゃねぇか」

「ホントか!?しししっやっぱお前良い奴だなぁ!」

麦わらが嬉しそうに笑顔を向けてくる

(そんなに真っ直ぐな笑顔を俺にむけんじゃねぇ〜こんな俺を簡単に信じちゃいけねぇよォ)

「ただし!条件がある。その異世界とやらに俺様も連れてけ!」

「は?」

トラファルガー・ローとかいう麦わらの連れが目を丸くする。横でギャルディーノのやつも驚いた顔をしていた。

コソッ

「ななっ何言い出してるガネ、麦わらたちの話聞いただろう?相手はあのドフラミンゴだガネ!?」

焦ったように忠告してくるギャルディーノにニヤリとした笑みを返す

「まぁ落ち着けドフラミンゴとやり合おうなんざぁ考えてねぇよ。実際一度は倒してる上にそっから更にパワーアップして、カイドウすらぶっ飛ばしてんだ。そっちは麦わら達に任せときゃあいいのさ。俺様の狙いは……ドフラミンゴが溜め込んでいるであろうお宝だ」

「お宝?」

「異世界だぞ?こっちでは他の誰かに掘り起こされちまってる宝も向こうなら残ってるかもしれねぇ。それに何より向こうのドフラミンゴは捕まってねぇつまり、武器輸出で稼いだ金を城にがっぽり溜め込んでるかもしれねぇってことだ。そいつをいただくのさ」

「そう上手くいかないと思うガネ……」

「そう思うならテメェは残りゃあいいじゃねぇか。宝を持って帰っても山分けしてやんねぇからな」

「わかったガネ。好きにすればいいガネ。クロコダイルのボスに怒られても知らんだガネ」

呆れたようにため息をつかれるが知ったことか。がっぽり稼いでくりゃあクロコダイルも文句は言えねぇさ

「さぁ!どうする麦わらァ!俺様も連れてくのか連れてかねぇのか!」

「いいぞ?」

「おい麦わら屋!」

「手伝ってくれるってんだからいいじゃねぇか」

トラファルガーは反対だったようだがため息と共に諦めたようだ。麦わらは人の話聞かねぇからな

「よし!決まりだな。感謝しろ麦わらぁ!その戦俺様も手を貸してやろうじゃねぇか!この四皇道化のバキー様がなぁ!ぬあっはっはっはっはっ」

「よっ流石キャプテンバギー!」

部下たちに印象づける為にも殊更手を貸すことを強調して宣言してやる。途端に始まるバギーコールに気を良くしながら俺は麦わら達と異世界への出立を決めた



悪縁もひとつの縁これが吉と出るか凶と出るかはモイライの紡ぐ糸のみが知る……断ち切られるのは己が命運か悪魔の呪縛か……

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