恋の始まり

 恋の始まり

8歳差ルウタたまらんマン

「はぁ… …… はぁ…」


ここ最近、ウタの様子がおかしい


エレジアでの事件が無事解決し、ルフィの助けもあって立ち直ってくれると思っていたのだが…


「はぁ………」


フーシャ村に帰ってきてからというもの、頬を少し赤らめため息ばかりをついている


赤髪海賊団の皆が声を掛けても上の空、常に考え事をしているのかマキノのバーのカウンターでボーっとしているだけだ


「大丈夫なのか? ウタのやつ」


「おれが診たが特に異常は無かったぜ?」


「…… お頭 帰ってきてからずっと冷や汗ばっかかいてるが大丈夫か?」


「いや… 大丈夫だ…」


顔を青ざめ汗を流し続けるシャンクスがそこにはいた


「あんたがそのトットムジカってやつを歌いそうになったわけでもないのになんなんだよ…」


「……… 限界だ ウタに直接聞く」


「待てベック! 頼む! 待て!!」


シャンクスが引き止めようとするも周りの全員に抑えられる


「なんだってんだお頭! 皆が何か聞こうとすると引き止めやがって! いい加減おれらもウタが心配なんだよ!」


「やれベックマン! 行っちまえ!」


「止めろ! 待て!! 行くな!!!」


「おいウタ… どうしたんだ最近 なんか変じゃないか…?」


「あっ… ベック… …… 実はね… どうやったらルフィとずっと一緒にいられるかを考えてたの…」


「……ほぉ?」


「エレジアを出てから… ルフィのことを考えると胸がキューッとして… なんだかポカポカして… ずっとルフィのこと考えちゃうの… これって変なのかなぁ…?」

 

\オォ〜〜…?/


「何もするな “ベック”!!」


「そいつぁお前… “恋”だろうな…」


「恋…?」


「ウタ お前ルフィに恋してんだ」


「恋… してるのかな…?」


\オォーー!!!/


「あぁ…!!」


シャンクスが膝から崩れ落ちた


「しかしあのルフィにねぇ…」


「だって… ルフィはわたしを2度も救ってくれたんだよ…? 好きになっちゃうよ… こんなの…」


(とんでもないお人好しだからなあいつ… 何も考えずにウタを助けただけだろうが… まぁ言うのは野暮か)


「なぜだ…! 子供はパパを好きになるもんじゃないのか…!!」


「お頭… ちょっと気持ちわりぃぞ」


「しかし大丈夫かウタ?」


「へ? 何が?」


「ルフィの奴にはマキノがいるんだぜ?」


ベックマンの一言に、皆の視線がマキノに集まる


「そうだ! マキノがいるじゃないか! なんたってルフィの幼馴染だもんな!! いやぁ〜残念だったなウタ! マキノにはかてそ「あの〜 ルフィとはそういう関係では無いので…」…………」


シャンクスは… 真っ白になった…


「ほんと? それ本当なのマキノ?」


「えぇ 村の人は囃し立てたりするけど… ルフィとは普通の幼馴染よ」


「そうなんだ… えへへ♥」


「良かったなウタ」


「応援してるわ ウタちゃん」


「ありがとうマキノ! ねぇベック! どうやったらルフィとずっと一緒にいられるかな?」


「んー… そうだ あいつに一発こう言ってやれ」


「?」


「『わたしと結婚しろ』ってな」

 

「!」


「!!!」


シャンクスが意識を取り戻したようだ


「あいつは見るからに色恋を知らなそうだ 下手なことするより直球勝負のほうがいいだろ」


「結婚…!」


「おれたちは海賊だぜウタ? 欲しいもんは何がなんでも奪い取る ルフィの心も奪い取っちまえ」


「わたしは海賊…! ……わたし、ルフィの所に行ってくる!!」


晴れやかな表情でウタは駆け出した


「! 待て…! 待てウタ!」


「おっと! そうはいかねえ!」


周りの船員たちが再度シャンクスを抑え込む


「止めろお前ら! ウタが取られちまってもいいのか! おれたちの家族だぞ!!」


「いいじゃねぇかお頭! ウタの人生だ!」


「ルフィも悪いやつじゃねぇ! 安心して送り出してやろうぜお頭!」


「離せお前たち!! 失せろ!! おれはウタを止めなければいけないんだ!!」


「へへっ… また楽しくなりそうだ」


「ふふっ… そうですね」


―――


今日もルフィは釣りをしていた 

今日は釣果があがっているようだ


「ししし 大漁大漁 今日は良い日だなぁ」


「ルゥーーーフィーーー!!!」


「ん…? …ウタか?」


「ハァ…! ハァ…! ルフィ!!」


「ど、どうしたウタ…?」


「わたしと… わたしと結婚して!!!」


「・・・ ハァー!!??」


ルフィの受難はまだまだ続く…

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