怪物ごっこ、英雄ごっこ
スヨーダナ時空
カリ化ドゥフシャーサナと現地ビーマ
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腹に刺さった槍が引き抜かれる。
俺は倒れるように崩れ落ちた。
「あーあ、負けちまったか……ごめんなスヨーダナ、ヴィカルナ」
「……おい。一つだけ聞かせろドゥフシャーサナ」
「なにビーマ。そろそろ消えそうなんだけど」
「なぜあの村を助けた」
「村?あー……まずあの時は大地がやべーのもスヨーダナのことも知らなかったし。あと……言わなきゃダメ?」
「ダメだ」
「ダメかあ。……せっかくサーヴァントになったんだから、やってみたかったんだよ。英雄ごっこ」
「……」
ビーマが黙ってしまったので俺も気になっていたことを聞くことにした。
「なあ俺も聞きてえことがあるんだけど」
「……なんだ」
「どうしてお前俺があの村ぶっ壊したのなかなか信じなかったんだ?血を被った怪物が村人の死体の前にいたんだぜ?思いっきり現行犯だっただろ俺」
「決まってんだろ。……人殺しの怪物はあんな悲痛な顔しねえんだよ」
「そうか。……ははっ怪物ごっこも英雄ごっこもどっちも下手だったんだなあ俺」
足の感覚が消えていく。
退去が始まったのだろう。
「次はもっと違う仕事がいいなあ」
そう呟いて俺は消えた。