初恋
記録が仕分けされて飾られた展覧会で際立って輝くそれは…
グレートアイが注視にする人間。
今思うと最初はそれだけ、成熟されていない。昔に死んだ偉い人を記憶して自分が物知りだとでも思っているの?あなたは、その方たちのゴーストに会っただけ。そんなのつけ刃でしかない。わたしが保持する記録の方が勝っているはず…
恋愛小説で交わされる愛の言葉や映画のラブシーンを目に焼き付け、そこに空想力を加えて耳年増のあなた。
わたしはなんだか気になって低俗とされるその愛触を調べて夢想の空に羽ばたいて心で体感した。でもあなた、タケルにされたい。みだされたい。みたしたい。
「ふぅ~タケル、驚いた」
うなじに、湿り気のある風を後ろから不意打ちで吹きつける。
もし降り掛かったら唇を奪う
もし振り返らなかったら背中を押し倒す
「びっくりしたよ」
驚きながらも全てを受け入れるその笑顔が尊い、やっぱり大好き。