心堕ちて、魂も堕ちて

心堕ちて、魂も堕ちて


――あぁ、どうか願うことならばもう一度あの方に出会える日が来ることを。

――一日、愛し合いたい等と我が儘は言いません。ほんの一刻、僅かな愛を語り合える時間を私達にください。

――それが駄目なら一目見るだけでも、ほんの一言語り合えるだけの時間でも構いません。だから、どうか……また彼と、ラーマとまた出会えますように。


……そんな願いを胸にシータが召喚されたのはカルデアという組織であった。

正確に言えば、カルデアに所属する人類最後のマスター、藤丸立香のサーヴァントとして召喚され、彼や自分と同じように召喚されたサーヴァント達と共に人理を救うべく、レイシフトと呼ばれる過去の時代への跳躍を繰り返して特異点修復を行うというのが、今の彼女の使命だ。

特異点では様々な……それこそ人理に反する事象が発生し、時には第三特異点のように世界そのものが変貌する場合や第四特異点のように街一つが霧に閉ざされる等、異常事態が発生するのが常である。

故に彼女は人理の危機……世界の危機にあるというのに期待していることが一つあった。

離別の呪い、それは彼女の夫であるラーマが敵対していた魔猿バーリを騙し討ちで殺した際、彼の妻によってかけられた呪い。

それによりラーマとシータは共に喜びを分かち合うことが出来ず、生前でもまた彼女が魔王ラーヴァナに攫われた際、民衆から不貞の疑いを向けられ、彼はやむを得ず、シータを追放した。

それはサーヴァントになった今でも有効であり、ラーマとシータは英霊の枠を共有し、同時に召喚されることはないという形で固有の制約を課せられているのだ。

最も、そのお陰でシータはラーマとしての側面を持ち、サーヴァントとしては高い戦闘能力を持っているのだが……閑話休題。

ともあれ、人理が不安定であるということはそれは自分達に課せられている呪いも不安定であるということ。ならば特異点にてラーマが召喚され、自分がそこへレイシフトできる可能性も0ではなく、一縷の望みを託して、立香と共に特異点修復の旅を続けていた彼女であったが……。


「はぁ……」


彼女には一つ、悩みがあった。

それは自身に掛けられている離別の呪いについてではなく、もっと単純な問題……彼女のマスターについてだ。


「……ふふっ♥それでですね、マスターときたら結局、朝まで夜伽を続けてしまいまして♥」

「全く……マスターの好きものにも困ったものよねぇ♥朝が辛くなるのは自分なのに、私達全員を喜ばせようと必死になるんだもの♥」

「あはは、妻としては嬉しいけど、サーヴァントとしては困るよね。私も朝の当番じゃなかったら参加してたんだけど……」

「ふふっ♥旦那様は数多くの雌を娶り、寝取ることのできる唯一の雄ですから♥そういう時は我々、キャスター組がこう……みこーんと何とかするので」


食堂にてシータとは少し離れた席で会話を行っているのは同じようにカルデアに召喚されたサーヴァント……いや、少し違う。

彼女達はシータと同じように生前、夫を持っていた身でありながら第二の生として立香の妻になることを選んだ者達。

自分達のマスター、藤丸立香はというとそういう体質なのか、あるいは本人の性質か普通の女よりも人妻……正確に言えば、恋人や夫、思い人がいる女を引き付けやすい性質がある。

英雄の女、それも人妻ともなれば悲劇の末、夫と離別した者も多く、今こうして立香について語り合っているのはブリュンヒルデにクリームヒルト、ブーディカに玉藻の前と一人を除いて見事なまでに全員が夫と悲劇の別れを告げた者達ばかりであった。


「……」


キャスター組が張った認識阻害の結界の効果により、カルデアの職員や他のサーヴァントがいる前で堂々と立香との逢瀬を語る彼女達だが、これには一つの欠点がある。

それは思い人のいる女サーヴァントには効果を持たないという限定的なものであり、同時にそれは彼女達の罠であった。

立香に心身ともに堕とされた彼女達は夫の為に、何人もの女を囲んでいるというのに満足できていない自分達の夫を満足させる為、会話に興味を抱いた彼好みの人妻を、不貞仲間を増やす為に罠を張っているのだ。

……最も♥


「んっ……♥」


今、自分を襲っている衝動はその罠とは何にも関係がないのだが。

召喚されて暫く経つが、このカルデアはシータにとって毒といっても過言ではない。

夫であるラーマと引き離され、もう何年も、何百年も男を知らぬこの身体は性の匂いを嗅いだだけで発情し、女達が所構わず性臭を撒き散らすここは着実に彼女の理性を削っていた。

何よりも♥


「シータ、ここに座っていいかな?」

「……ま、マスター♥その、よろしいんですか?席は他にも相手ますし、妻と食事を……」

「いや、今日はシータと一緒に食べたいんだ。何というか……どうにも避けられてる感じがしてさ、せっかく会えたんだし仲良くしておきたいなと思って」

「そう、ですか……♥」


……一番不味いのはマスターだ♥

人妻特攻、いや寝取り適正とでも言うべきか。伴侶や恋人を強く思っている女性ほど、彼に対しては抗い難い魅力を感じ、たった一人で世界の命運を背負うその姿を見て支えたいと思ってしまい、その運命を共に歩みたいという願望を抱いてしまう魔性の魅力♥

そんな相手と会話を重ね、背中を預け合い、命を預け合えば……当然、惹かれてしまうに決まっている。


(ラーマ、ラーマぁ……♥淫靡な私をどうか許して♥マスターの姿を見ただけで、雌の本能全開で子宮をきゅんきゅんさせちゃう私をどうか許して♥)


彼の姿を見た瞬間、自分の最愛の夫への謝罪を思い浮かべながらも子宮を疼かせてしまう。

あぁ、駄目なのに……♥あの人とは離れてしまっているのに……♥こんな本当の不貞を願うなどあってはいけない筈なのに♥私は今、彼のことを求めている♥

幾つもの特異点を潜り抜けて、時には人の子としての悩みを持ち、その双肩にかかった人類の命運に押し潰されそうになる彼の姿を見る度、夫のことを忘れて運命を共にして支えたくなる。


「ご、ごめんなさい。私、食欲無いので……失礼します」


だが、駄目だ。自分はシータ、コーサラの王、ラーマの妻であり彼と運命を共に歩むと決めた者。

例え、仮初の生であろうと、第二の生であろうと、自分は彼のことを裏切れない。ましてや人理が不安定になっているこの状況で、彼とまた出会える可能性がある以上、本当の不貞を行うわけには。


「……あっ」

「っと、大丈夫?」


シータが足早にその場を去ろうと立ち上がった瞬間、足が縺れ、地面に倒れそうになるのを立香が支える。

彼女の小さな体を、まるで壊れ物を扱うかのように優しく抱き留められ、何度も女達と愛し合ったのだろう淫靡な甘い香りと彼の持つ濃厚な雄の香りが鼻腔を満たし、無意識に体が反応してしまう。

………あぁ、これはダメだ♥


「……ます、たー♥これからお暇でしょうか♥その、宜しければ……わたくしの部屋に来ませんか?♥この間のレイシフトで良い茶葉が手に入ったんです♥良ければ一緒にお茶をしませんか?♥」

「別に構わないけど……いいの?シータはなんだか俺のことを遠ざけようとしてたように思えるんだけど」

「遠ざけようとだなんてそんなっ♥わたくしはマスターのサーヴァント♥そんなこと一度たりとも思ったことありませんよ♥ただ……♥」

「ただ?」


駄目だ、これ以上は言ってはいけない♥言ってしまったら戻れなくなると理解しているのに、口は止まってくれない。

だって仕方が無いじゃないか。ラーマは私よりも地位と名声を選んだ、それが仕方がないことだとしても私の不貞を否定することなく、ただ追放した。

……いや、それは名声や地位の為ではなく、本当は守るべき民達の為であることは分かっている。でも女としての私は♥


「ただ♥マスターの素晴らしさを理解していなかっただけです♥過去の夫に固執し、あれは仕方がないことだったのだと自分を誤魔化して、必死に何年も孤独に耐え、女を抑えつけて……♥でもマスターと出会ってしまったからもう無理です♥」

「シータ……それって」

「はい♥私は貴方の、藤丸立香のことが好き、大好き♥心の底より、貴方のことが好きなの♥もう、抑えることなんてできないわ♥私のことを愛して、あの人から奪い去って♥私のことを立香の色に染め上げて♥」


普段の貞淑な口調ではなく、素の少女らしい砕けた口調で思いを告げると、シータは立香に抱き着いて人目も憚らずに唇を重ね合わせる。

舌を絡め合い、秘めていた女を解放させ、貪るように愛し合う。

ただの口づけなのに、それはとても情熱的でシータのラーマへの思いは一瞬で立香への恋心に掻き消され、まるでコップの中の水に落としたインクのように愛欲に染まっていく。


「んっ……ふぅっ♥ちゅっ、んぢゅ♥れる、れろぉっ♥んひぃいっ♥ま、ますたぁっ♥すき、しゅきぃ♥好きすぎてキスだけでイッちゃったぁ♥ちゅば、れろれろぉ♥ちゅき、もっときすして♥わたしのことを愛して♥」

「当たり前でしょ、シータの気が済むまで今日は愛してあげる。それよりも」


流石にこの場でおっ始めるのは色々と不味いだろう。

キャスター陣による魔術の効果によって自分達の行為が他の職員に見られていないとしても、流石に匂いまでは誤魔化せないし、何より他の妻達の目が色々と怖い。主に愛欲的な意味で。


「部屋に行こうか、ここじゃシータのことを満足させられないだろうし」

「はいっ♥早く行きましょう♥私のことを本当の意味で、マスターのモノにしてください♥」

「分かった。それじゃあ急ごうか」

「きゃ♥」


これから行われる淫靡な宴に胸を膨らませながらシータを抱き上げると、そのままお姫様抱っこをして食堂を出た。


・・・


シータの個室にて。


「お゛っ♥すごぉ♥マスターのおちんぽ、すきぃ♥こ、こんなの知らない♥ラーマなんかのおちんぽとは比べ物にならない♥好き♥すきぃ♥」


まず最初は正常位でシータのことを責め立てる。

よく行われる、それこそ何十、何百回と夫と愛し合ったのだろうこの体位で藤丸立香という雄の素晴らしさをその身に刻み付け、上書きする。


「シータのおまんこ凄く締め付けてくるね。そんなに俺のちんこいいか?」

「はひっ♥こんなのはじめてぇ♥ますたぁの極太カリ高おちんぽが、私の奥にずっぷりぃ♥♥私のおまんこが貴方に征服されているんだってしっかりと感じるわぁ♥こんなの知っちゃったらもう戻れない♥♥戻りたくない♥♥」

「それは良かった、それじゃあ一発目出すよ」

「んひぃぃいぃいい♥♥射精てるっ♥熱いのいっぱい出てるのぉおお♥♥こんなの無理、耐えられない♥膣内射精されてるだけなのにイキっぱなし♥♥イクッ♥イグゥウウッ♥♥♥」


どっびゅ!びゅるるるぅぅぅうう!!シータの幼い膣内へ立香の規格外の吐精が行われる。

一瞬でまるで妊娠したかのように腹が膨らみ、結合部からは溢れた精液が漏れ出し、シータは何度も何度も絶頂した。


「ここまで濡れているんだし、少し本気出しても大丈夫かな?」

「ひゃっ!?♥ま、マスター、この体勢は……ちょっとぉ♥♥まるで獣同士の交尾のようで恥ずかしひぐぅううっ♥♥」

「ん?何か言った?」

「な……なんでも、ありません♥♥すごっ♥すごすぎぃ♥♥簡単に奥まで届いてるっ♥子宮、押し潰されてる♥♥好き、この体位も好き♥♥」


抜かずの二発目はシータをベッドの上に組み伏せてのバック。

両手でベッドシーツを握り締め、尻を突き出しながらの雌犬のポーズを取らせ、その小さな体を蹂躙していく。


「お゛っ♥♥ん゛おぉぉおおっ♥こ……これ、すごい♥♥ごつん、ごつぅんって♥突かれる度に頭の中で火花散っているみたいに気持ちいい♥♥」

「殆どの動物が交尾する時の体位だからね。気持ちよくない筈がないし、何よりこれなら確実に」


どっちゅ♥と子宮におちんぽが突き刺さり、シータの体が弓なりにしなる。

そしてまた立香は腰を引き、今度は一気に叩きつける。それを何度も繰り返し、徐々にスピードを上げていくと、シータはあっという間に限界を迎えた。


「いぎゅ♥いぐう♥♥い゛ぎましゅう♥♥♥イグ、イグイグイグイグゥ♥♥イグゥゥゥゥゥウウウゥゥゥゥ♥♥♥

ぶしゃああっ♥と潮を吹き、シータは盛大に果てると立香もまた彼女の中に大量の精を解き放った。

二度目だというのに薄くなる気配は感じさせず、寧ろ一発目よりも濃く、熱く、大量であり、この身が霊体でなければ確実に孕んでいたことだろう。


「……確実に孕ませることができるんだろうけど」

「はぁはぁはぁ♥に、肉を持たぬ我が身が恨めしいです……♥生の体があれば、立香の子供を妊娠できるのに……っ♥貴重な子種がこんなにも……勿体ない♥♥」


恨めしそうにシータは膨らんだお腹を撫でながら、立香のモノから溢れる白濁を見つめ、ごくりと喉を鳴らす。

どうせ孕むことができぬのならいっそのこと胎ではなく、腹で受け止めるべきか等と考えを巡らせるが。


「それじゃあ次は騎乗位でやってみようか」

「はい♥喜んで♥ラーマが喜ぶ程度の拙い腰振りですが、どうかお楽しみください♥♥」


そんなことよりもまずはマスターのことを満足させるのが第一だ。

たった一人で彼の性欲を受け止めきれるなど、愚かなことは考えていないが、それでも彼の妻として夫を満足させられるように努力しなければ。


「しゅき♥ますたー、だぁいすきぃ♥♥あいしてるの♥あんな愚かな男のことを想っていたのが間違いだったわ♥♥これからは貴方の妻としてぇ♥この生を捧げますっ♥♥だからどうか、私のことを愛して♥いっぱい射精して♥貴方の愛を刻み付けてぇぇええぇぇぇぇ♥♥♥」


びゅるるる!びゅるるるる!!びゅるるるるる!!!何度も何度も、抑え込んできた性欲を解放させたシータはマスターの欲望(カーマ)を受け止め続ける。

何百発、何千発と膣内から溢れた精液の海で自室が沈んでしまうほどにシータは愛され続け、その心も、魂すらも完全に立香のモノとなり、堕ちてしまった。


(ああ……幸せ……♥こんなに愛してもらえたんだもの、もうあんな男に未練なんて何もないわ……♥♥これも全ては貴方が私を選んでくれなかったせい♥♥例え、同じ時代に召喚されようが、カルデアに貴方が召喚されようが私は立香のモノ♥♥♥だからどうか……)


もう二度と、彼と顔を合わせる日が来ませんように……♥

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