心の闇を露呈するヤンデレニセルフィ漫画 感想

心の闇を露呈するヤンデレニセルフィ漫画 感想





時間をかけて細かく丁寧に作られたニセルフィたちの世界 涙が出ます。本当にお疲れ様です。この労力や時間や愛こそが絶対的なホンモノなのでしょう。見れて良かった……  自分の好きなキャラをこんなに好きになってもらえて、しかも性癖も合致してるのは紛れもない奇跡だと噛みしめています。どう言葉を選ぶべきか吟味したのもあって遅れました。溢れる愛をありがとうございます。グラスの描き方もとても好きです。美味しそうなのが伝わってくる。そのサイズのグラスでロックで飲んだらそりゃ酔うよな ヤンデレくんは酔ってしまいたい気分だったのかなって想像しました。


今回クソデカ感情が爆発したのでまずはこの神絵そのものの感動ポイントを話させてください。もうとにかく影の付け方が癖で癖で…影だけで首筋のなだらかな隆起が表現されてるのすごすぎる…線画で描くとはまた違ったリアルな雄みにくらくらします。ヤンデレは誰かを能動的に愛するので男性ホルモン強そうなんだよな…えっちだ…吹き出しの色が変わっていくところ最強に不穏でヤンデレ感マシマシで手を叩いてしまいました。これまで冷静だったヤンデレが困り眉で目をかっ開いて汗まみれなのも余裕の無さが表れていて悶えました。そこから「おれのものっつー確証が」で覚悟キメた顔がエロすぎてもう何回も見返してます。口に酒?が付着してるのもいい…!全体的にセリフと情景の切り取り方がオシャレで見てて楽しすぎました。グラスをアップにするところとか、割った瞬間の顔が見えないところとか…時間をかけて悩んで計算してくださったんだな…って分かる…感動…だからこそヤンデレが輝いてるんでしょうね やっぱりこの愛はホンモノだ…!!


ヤンデレの独白を聞いて「まさかとは思いますが、この『恋人』とは、あなたの想像上の存在にすぎないのではないでしょうか。」って一瞬思い浮かべてしまうのは私が意地悪だからでしょうか。ほらヤンデレって付き合っても無い人のことを恋人認定してくる時があるから…でも「物好きだよな」って言ってるあたり相手からぐいぐい来られて手放せなくなったパターンでしょうね。一応付き合えてるのに不安がついて回るニセルフィは可哀そうでどうしようもなくていいぞ!!そしてこんなにドロドロになるまで闇を煮詰めてなお、「愛なんて言える程お綺麗なもんじゃねェ」すなわち、愛を綺麗なものだと認識していることに、「彼は本来もっと純朴な人間だったのではないか」とやるせない憶測が駆け巡り、執着とはかくも不可逆なものなのかと頭を抱えました。公式の「海賊にズルいもヒキョーもあるか」というセリフからはニセルフィが海賊をダーティーなものとして定義し、その定義に沿って行動していることが推測できます。彼は自分自身を定義できない反動で、他の概念の定義化にこだわり、それから外れたものに混乱するのではないでしょうか?だからホンモノなどという曖昧なものを追いかけ続け、ヤンデレ個体は綺麗じゃない感情を愛と呼べずに苦しんでいるのではないか?そう思いました。「愛なんて言える程お綺麗なもんじゃねェ」の一言にここまで考えさせられてしまったのです。大好きなセリフです。ヤンデレ個体に「愛は本来綺麗なもの」と教えてくれてありがとうございます。私は多分、「それも愛だよ」と背中を押してしまうと思うので…そしたらこんな、溶けた氷がカランと音を立てるような心の揺れや変わりゆく物悲しさは味わえなかったと思うから。



また、グラスを割って普通に戻るのも無性に怖くて好きです。宇宙人が人の皮被って生活している恐怖があります。私はヤンデレが外向きの顔してる時があんまり描けないのでありがたい限り。それでも「怪我したら神父のとこ」という図式が出来ているのには心からほのぼのしました。クリスチャンは隣人愛を叩きこまれているので世話焼き体質だと思います。そうであってほしい。ただし隙あらば伝道しようとしてくるので手当しながら「全知全能の主は分け隔てなく大きな愛をくださるぞ」みたいな感じで諭すかもしれないですね。



皆勤賞のプロトタイプも愛おしくてなでなでしたくなる。ドライなプロトタイプですが、彼はポケモンでいうイーブイであり可能性の生き物なので彼がどん引きするヤンデレ個体もかつては自分と同じ存在だったのです。というか現パロやCP0などの前提から違う個体以外はほぼプロトタイプの進化系なので…彼は一番普通で一番遠いところにいるようでその実全部の個体にもっとも近いところにいるのです。人生を振り返って「あの時ああいう選択をしていたら」と思ったことはありませんか?プロトタイプの世界は、そんな見えるはずのない疑問の答えが目の前で動いている世界なのです。あるいは未来の自分の姿かもしれません。いやそれであんなにさらっとしてるの本当にメンタル強いな…公式ニセルフィの「ルフィのニセモノ頑張ってたら本物が現れてその本物相手に手作り感あふれるゴムゴムのムチ取り出せてぼこられてそれでも虚勢を張る」というくそつよメンタルムーブが大好きなので、あなたの描くプロトタイプからそれを摂取できて命が助かっています。変わりゆく自分って怖いのにね。もう二度と戻れない過去って怖いのにね…ほんと偉いよ




私自身はそこまで強くあれません。推し無しに乗り越えた過去の辛い夜が怖くて仕方ないし、かといって進み続けることも怖くて仕方ありません。例えば冒険自体は船で引き返せばすぐに終了できますが、一度海賊を味わった自分というのは変えられないのです。でも、もし他に戻れない人がいるのなら、これほど頼もしいことはないでしょう。

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