心の奈落
「コレで………5人目」
【空は曇り、雨が降り注ぐ】
「冷たい…………………」
奪い、奪われ、奪う側になったのは因果と呼ぶべきだろうか
私には確信できる…これは運命だと、だが私は止まらない道を選んだ。
止まれなくなったのだ。
いつまでも憎み、いつまでも怨む…
愛しい一真を奪った貴様らが憎い
そして私は皆を裏切った…愛を捨てて、涙も枯らした……
いや、私は誰を愛していた?そもそも愛とはなんだ?
何故私は泣いている?
……こんなものただのパーツでしかない、しかも不要物の類。
今の私は心を奈落に落とした復讐鬼だ、堕ちてこそ奴らを引きずり込める。
さて…教えてやろう、いや、思い知らせてやるのだ
「これは“怒り”だ…愛する彼女を奪った貴様らの血をここで根絶やしにする!」
怨み続けよう、憎み続けよう、生き続けよう…怒りが潰えぬように……
そして私は狐花紫を…梅花椿も捨てた、私は……
“奈黒純花だ”
かくして、世界に怨みと憎しみだけの存在が産まれ、産声を上げた