微笑んだアースが悪い
誓って、私はキタサンブラックの情欲を煽っているつもりはない
ただ自然に微笑んだだけだ
キタサンブラックの言うように危険物を見せびらかしたりはしていない。彼女は何か勘違いしている
キタサンブラックに熱っぽい乙女のような視線を向けたりもしていない。絶対にしていない
興奮した様子のキタサンブラックが私の身体を捉える
いつの間にか条件反射で身体に電流が走り何らかの準備を始めてしまうようになった
熱い舌が私の唇を割って入り込み口腔内を蹂躙していく
キタサンブラックが私を使って奏でる湿ったメロディで頭蓋の内側が一杯になる
力強い腕に腰と臀部を固定されるともう身動きが取れなくなる
膂力の差ではない
舌で粘膜をなぞられる甘い感触が、キタサンブラックが私を求めてくれている実感が反抗の意思を猛烈な勢いで削いでいくからだ
効率的に私の意志を折ると、臀部に添えられた手は指の腹で尻尾の付け根を擦る
甘い電流がビリビリと尻尾から背筋を駆け上がって上半身を震わせる
胸の奥が切ない
私の尻尾は私の意思に反して嬉しそうに離したくないという風にキタサンブラックの腕に絡みつく
キタサンブラックの唇が離れた瞬間寂しさを感じてしまった
蠱惑的なヴェーゼは代わりに首筋に落ち、私は思わず
毒が染み込むように快楽が首から心臓を通り、全身に運ばれていく
腹の奥で一回転し、太ももの内側に滞留し力を奪う
私はたちまち立つことができなくなるが、それを見越したようにキタサンブラックの手は私の臀部を支える
流れるように私の身体は横抱きに抱えられる
キタサンブラックは私を抱えたながら、目の前で一部始終を晒していたカノープスのメンバーたちにお辞儀をして歩き出す
道すがら、すれ違う学園の生徒たちが例外なく私たちを……いや、きっとキタサンブラックを振り返り顔を赤らめているのが見える
こうして抱えられることにもすっかり慣れ、この小さくも力強い手が支えてくれることに安堵し心地よいと感じてしまっている
下腹部と心臓から交互に熱が鼓動し、甘いしびれが肌を粟立たせ脳をとろかせる
肉体がこれから起こることを期待してしまっていることを認めざるを得ない
そしてキタサンブラックはやはり自分の部屋に私を運び込んで――――
わっしょい♥わっしょい♥わっしょい♥わっしょい♥わっしょい♥