復讐
トリニティにこんなニュースが報じられた
「水族館で飼育されていたマグロが美食研究会に攫われた」
は? それが私の第一声だった テレビに近づき続きを観る
「当時居合わせた人によると “どう食べるかが楽しみですわ! 刺身かしら?焼き魚かしら?!”などと発言していた とのことです」
後の内容は入ってこなかった 呆然としていると 一通のメールが届いた
「貴方から寄贈していただいたゴールデンマグロを守れなくて申し訳ありませんでした」
攫われたマグロは 私が元々飼っていたものだった
まず 墓を建てた 何かしていないと感情に押しつぶされそうだった 建てている最中 埋めるモノが無いことに気づき そこで初めて私は泣いた
水族館には行かなかった あの子が居ない水槽を見たくなかった
先生がやってきた 何か言われた気がしたが覚えていない
やることがなくなった どうしよう どうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう
───美食研究会 あの子を殺したゲヘナのクズ共
そうだ 復讐をしよう あいつらに復讐すればきっと────きっと?
まぁ良いや 復讐しよう
1人目は金髪の女だった マグロはもう食べられていた
「よくも私のマグロを殺したな」と言ったら
「貴方のマグロだったんですね ご馳走様でした 美味しかったです♪」と返された
────ぶっ殺してやる
今まで自分の口から出た言葉は全て嘘だったんじゃ無いかと思えるくらい腹の底からでた本音だった
殺したというより解体した感覚だった
2人目は赤髪の小さめな女だった
切り刻んで殺した 刺身のように
3人目は白い髪の豊満な女だった
叩いて殺した ネギトロのように
最後は長い髪をした銀髪の女だった ニュースで見たことがある顔だった おそらくリーダーだろう
命乞いをされた気がするが 覚えていない
ただ殺した
私の復讐はこれで終わった
ここから先のことは考えたく無い 家で寝たかった ユメの中でならあの子に会えるかなと、そう思った