復讐王妃バーヌマティー設定

復讐王妃バーヌマティー設定


【クラス】アヴェンジャー

【真名】バーヌマティー

【外見】長い黒髪を一つに編んで花の髪飾りをたくさんつけている。体型は第三再臨カーマの胸を少し控えめにしてお尻を少し大きくした感じ。しかし全ての再臨での露出は少ない。全ての再臨段階において、ドゥリーヨダナの再臨に適応した色の服を着ている。第三再臨では炎のオーラを纏っている。

【パラメーター】

筋力:C 耐久:C 敏捷:B 魔力:A+

幸運:B

宝具:B(第一・第二再臨)/EX(第三再臨)

【クラススキル】

復讐者 EX:自身の被ダメージNP獲得量22%をアップ/自身を除く味方全体<控え含む>の弱体耐性を12%ダウン【デメリット】

忘却補正 EX:自身のクリティカル威力を15%アップ

自己回復(魔力) EX:毎ターンNP5%獲得

【固有スキル】

クルの王妃 EX:自身に魅了無効状態を付与

⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎ EX:自身に(やけど状態の際に攻撃力10%アップ+クリティカル威力10%アップ宝具威力5%アップ+やけどで受けるダメージが500増加する状態)を付与

⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎ EX:自身にやけど・毒・呪いダメージを受けた時にHPが最低1残る状態を付与

【キャラクター詳細】

バーヌマティーは、インド古代叙事詩「マハーバーラタ」における主要登場人物の一人・ドゥリーヨダナの妻である。

自身のみを妻とする条件でドゥリーヨダナの妻となった彼女は、約束通り唯一の妻として夫に愛された。クルの王妃となった彼女は、息子と娘に恵まれ、元気な義弟たちと愛らしいその妃たちに慕われ、愛息子の妻として義理の両親に可愛がられ、夫の親友とも交友関係を築き、幸せな日々を送っていた。

しかし、彼女の幸せは夫が引き起こしたクルクシェートラの大戦争とともに終わりを迎える。彼女の息子も、義弟たちも、無二の友も、そして最愛の夫も、この戦争で殺されたのだ。

戦後、屍に溢れ、獰猛な野犬が蔓延る大地で太腿と顔を潰されたドゥリーヨダナを発見した彼女は、ただただ嘆き悲しむばかりであったという。

【プロフ1】(第一、第二再臨)

身長/体重:175cm/60kg

出典:マハーバーラタ

地域:インド

属性:混沌・悪 性別:女性

夫が青年だった頃に使っていた棍棒を持ってきた。

【プロフ2】(第一、第二再臨)

カリンガの王女であったバーヌマティーは、婿選びの儀式においてドゥリーヨダナではない人物を選んだ。これに怒ったのがバーヌマティーの美貌に惚れ込んでいたドゥリーヨダナである。この時すでに彼の任命によりアンガ王となっていたカルナの協力を得たドゥリーヨダナは、輿入れ先の国へ向かっていたバーヌマティーを略奪し、己の妻とした。このような経緯で結婚が決まったのだが、バーヌマティーはどういうわけか、自身以外に妻を娶らないとドゥリーヨダナに誓わせるほど彼の魅力に囚われてしまったようだ。

【プロフ3】(第一、第二再臨)

その後、彼女は息子ラクシュマナ、娘ラクシュマナーを出産し、クルの王妃として夫であるドゥリーヨダナとともに玉座についた。パーンダヴァの長兄ユディシュティラには劣る王であったものの、決して悪政を敷くことのなかった夫ドゥリーヨダナの妻として、王妃として、献身的に彼を支え、愛していた。

しかし、ドゥリーヨダナのパーンダヴァへの嫉妬と憎悪により、クルクシェートラの戦争が起こる。

娘ラクシュマナーはクリシュナの息子に嫁いだため敵になってしまい、息子ラクシュマナはアルジュナの息子アビマニュに殺された。友であるカルナはアルジュナに殺された。99人の義理の弟たちと夫はビーマに殺された。その後、夫の死を嘆いた彼女がどうなったから明らかになっていない。

なお、言うまでもないが彼女の息子ラクシュマナとラーマの弟ラクシュマナは別人である。

【プロフ4】(第一、第二再臨)

◯麗姫のカリスマ:C

彼女の美しさに由来するカリスマを示すスキル。

バーヌマティーは、婿選びの際には多くの王族が集うほどに美貌がインド全域に知られていた。聞き覚えがある者もいるだろうが、これはギリシャ中の英傑が美女ヘレネの求婚に集ったこと類似する。ゆえに彼女は、自身の美貌で男を惑わす可能性が大いにあったと考えられる。もし、他の男の妻となっていたら、彼女の美貌により一国が傾いていたかもしれない。

しかし、パーンダヴァ共通の妃ドラウパディーが彼女以上の美女であるとされたため、バーヌマティーは傾国の美女とはならなかった。

ゲーム内性能:味方全体の攻撃力をアップ(3T/10%~20%)+Buster性能をアップ(3T/10%~20%)

◯夫への献身:EX

彼女がドゥリーヨダナのみを夫として一途に愛したことを示すスキル。

インドネシアに伝わった「マハーバーラタ」では、バーヌマティーはアルジュナの恋人とされている。しかしこのバーヌマティーにはそのような事実はなく、ドゥリーヨダナの唯一の妻として、夫に忠実であり続けた。

ゲーム内性能:味方単体にNPを付与(20%~30%)+毎ターンNP獲得状態を付与(3T/10%~20%)+自身のNP獲得量をダウン(30%)【デメリット】

◯200人の姉:EX

彼女の夫ドゥリーヨダナには99人の弟がおり、彼らには妻がいた。唯一の妹ドゥフシャラーには、夫ジャヤドラタがいた。つまり、バーヌマティーには100人の義弟と100人の義妹がいることになる。

生前は王妃であるため精神的支柱となることしか出来なかったが、カルデアに召喚され戦闘能力を得た彼女は、夫の霊基に内包される義弟たちと、⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎義妹たちのために先陣を切って戦う。

……にしては、スキルの効果が物騒なのだが。

彼女曰く、夫のドゥリーヨダナが水を凍結させる魔術を使えるのだから、自分だって多少魔術の心得はある、とのこと。じゃあその神性特攻は……聞かない方がいいみたいだ。

ゲーム内効果:自身にやけど特攻状態を付与(5T/20%~30%)+呪い特攻状態を付与(5T/20%~30%)+神性特攻状態を付与(3T/50~100%%)敵全体にやけど・呪い状態を付与(5T/1000)+自身にやけど状態を付与(5T/500) +対粛清防御を除く防御強化無効状態を付与(3T)【デメリット】

【プロフ5】(第一、第二再臨)

【宝具】

『王妃の縁軍(ジャイ・カリンガ)』

ランク:B 種別:対軍宝具

レンジ:1~25 最大捕捉:100人

ジャイ・カリンガ。

カリンガの勝利、同時にカウラヴァの勝利を意味する。

カリンガの王女であるバーヌマティーがカリンガ軍を一時的に召喚する宝具。

ドゥリーヨダナは霊的に同一存在である繋がりを利用して弟たちを呼び出しているが、妻であるバーヌマティーは自身がカリンガの王女であり、そのためカリンガ軍がクルクシェートラの戦いでカウラヴァ軍として参戦したという縁を利用して呼び出している。時々彼女の無二の友カルナも呼ばれてやってくる。

ドゥリーヨダナの弟たちと異なり、カリンガ軍に名を馳せた勇将はいないが、神話の大戦争でアルジュナと勇敢に戦った戦士たちであるため、並の敵であれば苦労せず倒すことができる。

スキル「200人の姉」同様に付随する効果が物騒だが、彼女曰く、自分が魔術でなんかこう、うまいことやっているようだ。

ゲーム内性能:Buster宝具

敵全体にやけど・呪い状態を付与(5T/1000)+延焼・呪厄状態(5T:OC200%~400%)を付与+かなり強力な攻撃〈OC150%~200%〉+自身のHPを2500減らす【デメリット】

【プロフ6】(第一、第二再臨)

※絆5、最終再臨まで強化で解放

彼女は謎多きサーヴァントである。

「マハーバーラタ」において、バーヌマティーはカリンガの王女であり、ドゥリーヨダナの妻であり、ラクシュマナ、ラクシュマナーの母である。それ以外に特筆すべき逸話は存在しない。ドゥリーヨダナとの結婚の経緯がドラマチックであるだけである。

また、彼女が魔術に長けているといった逸話も、神やそれに準ずる存在と敵対した逸話も存在しない。

本来ならば幻霊にすぎず、サーヴァントとして成立し得ないはずだが、アヴェンジャーとして召喚された彼女は存在が不安定になることなく、ドゥリーヨダナやカルナと骰子ゲームに勤しんでいる。彼女のスキルには、魔術的素養がなければ行使できないはずの効果が、大英雄が持っていてもおかしくない効果がある。

彼女の正体は何なのだろうか?


本人の言うとおり、あまり信用しすぎない方がいいのかもしれない。



「バーヌマティー」の第三段階以降のセイントグラフは封印されています。

『カウラヴァの女』クリア&最終再臨まで霊基再臨すると幕間の物語に開放される「霊基解放クエスト」をクリアすることで解放されます。



【真名】バーヌマティー〔復讐王妃〕

【キャラスター詳細】(第三再臨)

彼女の正体は、復讐王妃バーヌマティー。彼女はただのバーヌマティーではなく、ドゥリーヨダナの99人の弟たちの妃を習合し、義母ガーンダーリーと義妹ドゥフシャラーの底知れぬ怒りの感情を奪い取り自身のものとして成立したサーヴァントである。

夫たちが殺された理由をヴィシュヌの化身クリシュナにより知らされ怒りに燃えるバーヌマティーは、幸か不幸か聖杯を発見してしまった。その聖杯の力により、前述の通り復讐王妃と成り果てた彼女は、アシュヴァッターマンの夜襲により寡婦となったパーンダヴァの女性たちを虐殺した。彼女を止めようとした神々をも呪殺し、パーンダヴァ五王子を追い詰めた。

【プロフ1】(第三再臨)

身長/体重:175cm/60kg

出典:マハーバーラタ、イベント「カウラヴァの女」

地域:インド

属性:混沌・悪 性別:女性

99人の義妹たちは、普段はバーヌマティーの霊基の中で過ごしている。

時々バーヌマティーに霊基の主導権を渡してもらい、カルデアを満喫しているらしい。

【プロフ2】(第三再臨)

彼女の存在は、クルクシェートラの戦争、ひいては「マハーバーラタ」に語られる一連の出来事を、悲劇を巻き起こした神々への怒りの象徴である。大地の女神が大地を踏む人間の多さに苦言を呈したことを発端として、人口削減機構として正しくない者たちを戦争へと導くドゥリーヨダナら百王子が創られ、彼らを倒す英雄としてパーンダヴァ五王子が誕生した。

アルジュナは大戦争において最も悪を為した者は自分であると思い、ビーマは幼い自分が百王子を図らずも傷つけてしまったから戦争になったと考えているが、それは大きな間違いだ。彼らが対立し、百王子が悉くパーンダヴァに殺されることは、神々にとっては予定調和にすぎなかったのである。

これを知ったバーヌマティーは怒りに呑まれた。愛する夫が殺されるべき男として創られたという事実が、神々にとっての都合のいい道具として扱われたことが彼女を復讐の道へ走らせたのである。

【プロフ3】(第三再臨)

彼女は宮殿に戻った後、亡き夫の部屋にあるビーマの等身大の鉄製人形を怒りのままに打ち砕いた。その中にあった聖杯を、彼女は躊躇うことなく手に取り、神々とパーンダヴァへの復讐を願った。

義姉たるバーヌマティーがパーンダヴァへの復讐心に満ちていること悟った99人の義妹たちは、自分自身をバーヌマティーに差し出した。彼女たちも、夫と息子を殺したパーンダヴァを憎んでいたのである。

その後、彼女は義母ガーンダーリー、義妹ドゥフシャラーと会い、二人の怒りの感情を我が物とした。バーヌマティーは、怒りの感情を抱え続ける苦しさを知っており、特にドゥフシャラーは復讐を望んでいないことを察していた。復讐という発露の機会なき怒りは、愛する義妹ドゥフシャラーを苦しめるばかりだと思ったバーヌマティーは、姉心で彼女から怒りを奪ったのだ。

ガーンダーリーから怒りを奪ったのも、老齢のガーンダーリーの身を案じたためである。この盲目王妃が出来るパーンダヴァへの復讐は程度が知れていた。実際、「マハーバーラタ」でガーンダーリーが行った復讐が、彼女の目を覆うベールがずれた時に見えていたユディシュティラの足の親指を焼いたことと、クリシュナに一族滅亡の呪いをかけたこと程度であることから伺える。

こうして復讐王妃と成り果てたバーヌマティーは、聖杯の魔力と併せて神殺しを成し遂げるほどの力を手に入れた。カルデア一行が特異点に着いた時には、神々はヴィシュヌとシヴァのみが彼女の怒りの炎から逃れており、パーンダヴァは五王子と妻ドラウパディー、母クンティー、アルジュナの孫を妊娠しているウッタラー王女のみが生存している状態だった。

【プロフ4】(第三再臨)

◯亡き夫に捧ぐ愛:EX

「夫への献身」の名で隠蔽されていた力。バーヌマティーら百王子の妃たちは、夫の死後も夫を愛していた。それは、彼女らがバーヌマティーと習合し、サーヴァントとなってからも変わらない。彼女の怒りと嘆きは、夫を愛していたからこそ生まれたものだからである。

ゲーム内効果は変化なし

◯復讐王妃:EX

「200人の姉」の名で隠蔽されていた力。彼女の復讐王妃としての力の真骨頂。

100人分の悲しみと嘆き、102人分の怒りの化身と呼んでいい存在であるバーヌマティーは、怒りの炎と貞淑な妻のみが使える霊的な力、そして神々を、パーンダヴァを呪う力を自在に使いこなすことが出来る。

サーヴァントとして召喚された彼女にとっては、マスターの敵こそが焼き尽くすべき、呪い殺すべき敵であるため、敵を選ばず当スキルの対象と出来る。

ただし、神性を持つ敵に対しては殺意が増す。もう神々の身勝手に振り回されるのは真っ平御免なのだ。

なお、この時の彼女は怒りの炎だけでなく、特異点での生前の彼女を生きながら焼いた、ドゥリーヨダナを火葬する炎をも纏っている。そのため自身もやけどをするし、回避や無敵といった防御系スキルは無効化してしまう。

ゲーム内効果は変化なし

怒れる王妃:EX (固有スキルの⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎だったもの)

アヴェンジャーとして召喚された彼女は、常に夫の仇への怒りを燃やしている。

アシュヴァッターマンと異なる点は、力の源にある。アシュヴァッターマンの力の源は怒りだが、バーヌマティーの力の源は夫への愛である。アシュヴァッターマンが理不尽な世界に怒るのに対し、バーヌマティーは夫への無惨な仕打ちに怒る。

また、アシュヴァッターマンが常に怒りながらも理性的であるのに対し、バーヌマティーは普段は冷静だが一度怒りに呑まれれば理性を失ってしまう。こうなると、バーヌマティーは敵と定めたものを殺し尽くすか、ある程度攻撃を受けた上で最愛の夫か無二の友の声を聞くか、どちらかの条件を満たすまで止まらない。

盲目王妃の愛:EX(固有スキルの⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎だったもの)

ガーンダーリーはバーヌマティーが自身から怒りの感情を抜き取る際、102人分の怒りを背負う義娘(むすめ)の身を案じ、一瞬だけ目隠しを外して義娘(むすめ)の顔を見た。ガーンダーリーは盲目の夫への献身により、目に特別な力が宿っていた。そんな彼女に見られたバーヌマティーは、わずかながら状態異常に対する耐性を得ている。

ちなみに、バーヌマティーが時々目からビームを放つのもガーンダーリーの影響である。

【プロフ5】(第三再臨)

『母・妻・娘の怒りと涙(シトリー・パルヴァ)』

ランク:EX 種別:対軍宝具

レンジ:100 最大範囲:レンジ内全て

シトリー・パルヴァ。

復讐王妃バーヌマティーに集合された100人分の悲しみと嘆きを、102人分の怒りと混ぜて出力して攻撃する宝具。「マハーバーラタ」において、戦争で父、夫、息子を失った母、妻、娘の様子が語られる「女性の巻」の名を冠している。

習合した99人の義妹たちを一時的に顕現させ、100姉妹総出で敵を呪い殺す。バーヌマティーのみ、ガーンダーリーとドゥフシャラーから奪った怒りの力を、夫に殉ずるために己の身体を燃やした火葬の炎と併せて昇華させて敵を燃やし尽くす。

特異点においては99人の義妹たちを解き放ち好き放題に呪いを振り撒き、怒りの炎で焼き散らかさせていた。しかしカルデアに召喚されたバーヌマティーは自身は敵を燃やすことに専念し、呪いは義妹たちの担当にしている。これは、夫であるドゥリーヨダナに味方を統率することの大切さを説かれたためである。

復讐にも効率が大切であると、復讐に成功しつつ失敗した王妃は学んだのだ。

時々アシュヴァッターマンが攻撃に参加している理由は、バーヌマティーが彼に対して負い目を感じているように、アシュヴァッターマンもドゥリーヨダナの妻である彼女に重責を負わせてしまったことを気にかけているためである。二人で共有できる怒りは、共有しているのだ。一人で抱える怒りも、二人で分ければ怒りの苦しみは半分になるだろう。

ゲーム内性能に変化なし

【プロフ6】(第三再臨)

特異点において、バーヌマティーはカルデアのマスターに同行していたサーヴァントであるカルナを前に怒りを露わにした。この時の彼女の主張は、カルナが生きていればドゥリーヨダナは死なず、カルナが戦争に初日から参加していれば百王子は死ななかったというものである。

(カルナはカウラヴァの総司令官であったビーシュマと仲違いし、戦争の10日目にビーシュマがアルジュナに倒されるまで戦争に参加しなかった)

カルナはドゥリーヨダナの永遠の友であるため、バーヌマティーが彼を信用するのも理解出来る。だが、どうして彼女は怒り狂ってカルナを攻撃したのか。それを知るためには、バーヌマティーの結婚について知る必要がある。


バーヌマティーは、本来はドゥリーヨダナではない男性と結婚することになっていた。しかし、婿に選ばれなかったもののバーヌマティーに惚れていたドゥリーヨダナは、この時既にアンガ王であったカルナの協力を仰ぎ、バーヌマティーを略奪した。バーヌマティーの婿に選ばれた王も、婿選びに参加し無念にも選ばれなかった他の王族も二人を攻撃しバーヌマティーを取り戻そうと躍起になったが、カルナが彼らを退け、輿入れのために馬車に乗っていたバーヌマティーを連れ出し、ドゥリーヨダナに引き渡した。

これを聞けば、バーヌマティーがドゥリーヨダナを愛することに疑問を抱くだろう。しかし、バーヌマティーは当時をこう回想する。

「クシャトリヤの女として正しく在ることを求められて、父親や兄弟の言いつけで好きでもない男を指名して、このまま私は流されて生きていくんだなって諦めてたのよ。でも、カルナに抱えられて戦車から脱出させられて、私の人生は変わるんだって希望が持てたの。カルナに運ばれてた時は、どうなるのか不安だったけど……ドゥリーヨダナの妻になって最初の夜に、聞いたのよ。一度は他の男を選んだ上に、別の男に運ばれた私を妻にしていいのかって。そしたら夫はこう言ったわ。『わし様のカルナがわし様の妻に手を出すはずがなかろう! お前はわし様の妻として、わし様に尽くすことだけを考えていればよいぞ、バーヌマティー』ってね。フフ、嬉しすぎて私以外の女を絶対に妻にするなって言っちゃったわ。……本当に、嬉しかった。ドゥリーヨダナの妻になってから、私の人生は幸せに満ちていたのよ」

こういった事情があって、バーヌマティーはドゥリーヨダナを一途に愛する忠実な妻になった。その後、バーヌマティー略奪の件を聞き戦いを仕掛けてきたジャラーサンダ王を、カルナが退けた。ジャラーサンダ王は、後にビーマが大乱闘の末にクリシュナの助力によりようやく倒したほどの実力の持ち主だが、荒々しく戦うカルナの前には敗れ去った。バーヌマティーのドゥリーヨダナの唯一の妻という立場は、カルナによって与えられ、カルナによって守られたも同然となった。

これにより、バーヌマティーのカルナへの信頼は絶対的なものとなり、彼女はカルナを無二の友と呼ぶようになった。カルナもバーヌマティーを友の妻として尊重しており、両者の関係は良好だった。


だからこそ、彼女はカルナの死を嘆いた。

カルナの黄金の鎧と耳環を奪ったインドラ神に怒った。

カルナの車輪を沈めた大地の女神を憎んだ。

そして、夫を遺して死んだカルナすら恨んだ。


彼女はカルナがパーンダヴァの異父兄であることと、彼がクンティーにアルジュナ以外とは戦わないことを誓ったことをクリシュナに知らされるまでは、カルナさえ生きていれば夫ドゥリーヨダナが死ぬこともなかったと本気で信じていた。故に特異点の復讐王妃バーヌマティーは、カルデアのカルナを見て怒り狂ったのである。

「お前さえ生きていれば、私の夫は死ななかったのに! 私の夫を捨てて死んだわね!」と。

既に神々の意図を知っていた彼女は、たとえカルナが生きていたとしても夫の死は避けられないことを知っている。それでも、八つ当たりせずにはいられなかった。

バーヌマティーの幸せには、夫ドゥリーヨダナと二人の子供たち、99人の義弟とその妃、義妹ドゥフシャラー、盲目の義両親はもちろんのこと、恩人にして無二の友であるカルナの存在も不可欠だったからだ。

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