御巫かみごろし

御巫かみごろし


自分の一生とはなんだったのか

フゥリはそんなことを考えながら最後の舞を披露する

珠の家の御巫として教え込まれた舞を完璧にやりとげると万雷の拍手がフゥリを称える

すると天から光が差し込み、蜜柑を思わせる甘い香りがふわりと漂うと、金色の装飾に身を包んだ黒髪の美しい女性が降臨する

「素敵な舞でした。わたくしはオオヒメ。豊穣を司る神です」

謂われずともフゥリを含めた人々にはわかっていた

あたたかな雰囲気とやさしい声色ながらも浮世離れした神々しさは、人々の心に自然と敬意を抱かせる

彼女こそ伝承の御巫であると確信させる

フゥリの表情は険しいものへと変わる

これからオオヒメの依代となってフゥリとしての個は消える 

「恐れることはありませんよ。さあ、身を委ねて」

オオヒメはフゥリの頭に手をかざす

オオヒメの手が触れた瞬間、フゥリはあたたかな光に包まれる

それは次第にフゥリの肉体と溶け合っていく

「もう終わりなんだ」

フゥリは誰にも聞こえないような声で呟いた

フゥリとしての意識が薄れ、身体も自由に動かなくなる

稀代の才能をもつと持て囃されたフゥリもオオヒメという大きな存在の前ではちっぽけなものだった 

「もう考えなくていいんだ。自分がなんなのかなんてつまらないことで」

フゥリはすべてをオオヒメに委ねることにした、これで自分の役目は終わったのだと

……そのはずだった

「ここはどこ?」

フゥリはなにもない真っ白な空間でひとり佇んでいた

「私、さっきまで舞を踊ってて……それからオオヒメ様に……」

「ここはわたくしの精神世界」

オオヒメはフゥリの耳元でそっと囁いた

「っ!どこにいるの?」

フゥリが慌てて見回すと目の前にオオヒメが浮かんでいた

「ここではわたくしがこの目で知って体感したものが形になります」

すると景色は天御巫の闔へと変わる

先程までフゥリがオオヒメを降臨させるために舞を踊っていた場所だ

「あなたの意識はわたくしのなかでいまでも息づいているのです。少し前に頂いたおまんじゅうという食べ物もありますよ」

オオヒメはどうぞと饅頭をフゥリに差し出す

「は、はい」

フゥリは戸惑いながらも断るのも悪い気がしてそれを食べると飽きるほど見知った味が口の中にひろがる

「わたくし、はじめて知りました。人はこんなに美味しいものを食べるのですね」

オオヒメは目を輝かせてフゥリを見つめる

フゥリにとっては何の変哲もない饅頭もオオヒメにとっては食べることそのものがはじめであるらしく、なんとも楽しそうだ

「1つ聞いてもいいですか?」

オオヒメはもじもじと身を捩らせる

「はい」

「おまんじゅうをたくさん食べたらなんだかお腹が苦しくなって、お尻から込み上げてくるこの感覚は一体?」

オオヒメは不安そうな顔をフゥリに向ける

「あっ……それは……」

この日よりオオヒメとフゥリによる精神世界での奇妙な共同生活がはじまった

オオヒメは好奇心が非常に旺盛で現実世界で気になったことを度々フゥリに尋ねたり、楽しいと思ったことを精神世界の中でフゥリと分かち合った

「「誰も同じじゃない♪それこそが生きてる意味だから♪」」

歌を歌ったり

「オオヒメ様?これは王手ですよ」

「あっ、そうでした……これはわたくしの負けですね。フゥリは強いですね」

将棋を指したり

「フゥリとお揃いの衣装を着てました。似合っているでしょうか?」

「もちろんです。とても似合ってますよ」

「では一緒に」

2人で舞を踊った

珠の家ら御巫としての運命ではなく純粋に楽しむために

オオヒメが楽しいと思うもの一つ一つはフゥリにとっては決して目新しいものではない

だが、フゥリもオオヒメといると不思議と新鮮な気持ちでそれを楽しむことができた

 遊んでいるオオヒメの姿は童のようであり、彼女が神であることを忘れさせてしまうほどに無邪気なものでフゥリは次第にオオヒメに愛おしさを感じるようになっていた

しかしフゥリは神であるオオヒメにそんな想いを抱くことは許されないと自らに言い聞かせてその想いを必死に抑え込んだ 

「オオヒメ様、ついに最終回ですね」

「そうですね。彼らの戦いを見届けましょう」

オオヒメとフゥリはアニメを視聴していた

それは内気な高校生がある日絶対に解けないと言われたパズルを解いたことで出会ったもう一人の自分との物語

ハレのお気に入りの作品でありフゥリに薦めていたが、こういったものは所詮子供騙しの作り話とフゥリは興味を持つことはなかった

だが、オオヒメはこの物語をいたく気に入り、当初はオオヒメに付き合って渋々といった様子で視聴していたフゥリも物語に惹ひかれていった

『ぼ、ぼくは弱虫だから。ぼくにとってキミは目標だった。キミみたいになりたくて。ずっと』

『お前は弱虫なんかじゃない。ずっと誰にも負けない強さを持っていたじゃないか。優しさって強さを俺はお前から教わったんだぜ、相棒。戦いの儀を受けてくれたお前の勇気が、俺の進むべき道を示してくれたんだ』

『もう一人の僕』

『もうオレはもう一人のお前じゃない。そしてお前は誰でもないお前自身……』

物語はついにフィナーレを迎える

楽しみにしていたがいざ終わりを迎えるとなると少し寂しさを感じる

『これは、特別なファラオの物語ではない。誰にでも物語はあり、それは、光の中に完結する物語だ。そして、ぼくの物語は始まったばかりなんだ』

「終わりましたね……オオヒメ様!?」

フゥリはオオヒメが涙を流していることに気づく

「この物語の結末を見届けることができてよかった」

オオヒメは涙を拭うとフゥリに向き直る

「ありがとう、フゥリ。わたくしと一緒にいてくれて」

「そ、そんなお礼なんて……私は……」

オオヒメの言葉にフゥリは胸が熱くなるのを感じる

「フゥリをはじめて見たとき、とても辛そうだった。わたくしにはそれが何故なのかわかりませんでした」

御巫がオオヒメの依代となることは最高の栄誉であり、それは『あたりまえ』として根付いていた

しかし、フゥリはそうではなかった

『あたりまえ』と自分の意思との板挟みに苦しんでいた

「だからわたくし、フゥリのためになにかしてあげたいと思ったのです」

「だからオオヒメ様は私を……」

オオヒメが精神世界でフゥリと遊んでいたのは自身の好奇心のためだけでなくフゥリのためでもあった

「ですが気づいてしまいました。フゥリの苦しみの根本はわたくしであり、わたくしはフゥリから未来を奪ってしまった。これまでわたくしがしてきたことは本来はフゥリだけのものでなくてはならなかったと」

オオヒメは悲痛の面持ちでフゥリを見る

「それは違いますよ」

フゥリは静かに首を振る

オオヒメを見つめる眼差しからは一切の後悔や恨みが感じられない

「たしかに辛いこと、悲しいこともありました。でもそれ以上にオオヒメ様は私にたくさん楽しいことを教えてくださいました」

そんなオオヒメの手をフゥリはそっと握る

「私はこれまで自分は不幸なのだと思っていました。みんなにとっての『あたりまえ』を受け入れることのできない自分がおろかなのだと。でもそれは違った。私は諦めていただけだったんだと今は思います」

フゥリは自身が持つ御巫としての才能を呪うとともにすべてを諦観していた

神の依代になるための人生などつまらないだけだと

しかし、オオヒメはそんなフゥリが気にもとめなかった一つ一つの小さな出来事を全力で向き合って楽しんだ

オオヒメに対していい感情を抱いていたとは言い難いフゥリともわかり合おうと努力をした

そんなオオヒメの真っ直ぐな生き方にフゥリは惹かれていった

「私が生きていた世界は私が思っていたよりもずっと美しかった。それを気づかせてくれたのはオオヒメ様です」

「そう思っていただけたのなら嬉しいです」

オオヒメは嬉しそうにはにかむと、もじもじと指を何度も組みかえる

「その……フゥリはわたくしに感謝をしているのですよね?」

「はい」

「なら……その、お願いをひとつ聞いてもらえますか?」

フゥリが頷くとオオヒメは意を決したように口を開く

「わたくしの頭を撫でてください」

「えっ?」

あまりに突拍子もないお願いにフゥリはキョトンとしてしまう

「現実世界で子供が『おてつだい』というものをして『いいこいいこ』というものをしてもらっていました。わたくしもそれをしてもらいたくて同じように『おてつだい』をしようとしてもみなさまは『オオヒメ様にそのようなことをさせるわけにはいきません』と断られてしまうのです」

「えっと……その、わかりました。そういうことなら」

フゥリは戸惑いながらもオオヒメにゆっくりと手を伸ばす

「それではいきますよ……」

フゥリがオオヒメの頭を撫ではじめるとオオヒメは幸せそうに目を細めた

オオヒメの美しい黒髪は驚くほどやわらかく、手触りもよくてずっと触れていたくなるような撫で心地をフゥリに与える

「はふぅ……これはとてもよいものですね」

「オオヒメ様かわいい……はっ!?すみません!」

思わず出てしまった言葉にフゥリはたじろぐ

「いいのですよ。フゥリの素直な言葉のほうがわたくしにはとても嬉しいのですから。もっと撫でてもらえますか?」

「そ、それではもっといきますよ……」

フゥリが撫でる速度を速めるとオオヒメはますます気持ちよさそうな表情を浮かべる

 フゥリもオオヒメの髪をすくように撫でるととても幸せな気持ちになると同時に邪な感情が湧き上がる

慈悲深く神秘的な美しさを持ちながらも無邪気で愛らしい一面をもったオオヒメ

そのオオヒメに対してフゥリは友情以上の感情を抱きつつあることを自覚していた

「ありがとうございます。もしよろければ『はぐ』というものもお願いできますか?ハレとニニがやっているところを見てとても気持ちよさそうだったので」

オオヒメは無自覚に劣情を誘うかのように両手を広げて上目遣いでフゥリを見つめる

「わ、わかりました。では失礼しますね」

フゥリはオオヒメを優しく抱きしめるとオオヒメもフゥリを優しく包みこむように腕をまわした

蜜柑を思わせる甘い香りがフゥリの鼻腔を掠めると同時にオオヒメの体温がフゥリにも伝わり、柔らかい感触はフゥリがこれまでに感じたことのない心地よさだった

「温かいですね、フゥリ。わたくしずっとこうしていたいです」

優しき声、慈愛に満ちた眼差し、フゥリの中に温かなものがこみ上げると同時に反比例するかのように邪な気持ちが高ぶる 

彼女を自分だけのものにしてしまいたいと

「オオヒメ様……」

フゥリは抱擁をとくと、そのままオオヒメの肩に手を置いくとゆっくりと顔を近づける

「フゥリ?」

オオヒメはきょとんと首を傾げる

彼女はなにも気づいていない

そんな純真な彼女にいまから自分がしようとしていることを考えるとフゥリの心は大きく痛んだ 

しかし、それ以上に心を占める感情に抗うことはできなかった

「んっ」

唇と唇が重なり合う

フゥリにとってもはじめての口付けは甘酸っぱいものであった

「フゥリ……これは……?」

オオヒメは顔を真っ赤に染めて手で口を覆う

「オオヒメ様……」

フゥリはオオヒメを押し倒すともう一度唇を重ねる

今度はより深く、舌を絡ませながら何度も何度も貪るように唇を求める

「んんっ、あふぅ……急にどうしたんですか?」

「オオヒメ様、私はあなたのことが好きです。愛しています」

「わたくしもフゥリのことは大好きですよ?」

フゥリの好きとオオヒメの好きの意味は異なる

それがフゥリには憎たらしくてしょうがない

オオヒメが神かどうかなんて関係ない

いま自分の持っているものから幸せを掴み取る

フゥリがオオヒメとの出会いで知ったことだ

「私の好きはあなたと同じものではないのですよ」

そう言うと、フゥリはオオヒメの首筋に舌を這わせる

「ひゃっ……あふっ……くすぐたいです……」

首筋から耳へと舐め上げていき、耳に吸い付くとオオヒメは小さく声を漏らす

その反応に気をよくしたフゥリはオオヒメの服の中に手を入れる

「ひゃあん!?どこを触って」

「オオヒメ様、我慢しなくてもいいんですよ」

フゥリは手をオオヒメの大きく膨らんだ胸へと這わせる

「んん……ふぅぅ……」

柔らかい乳房や固くなった先端を指で捏ねるとオオヒメの口から声が漏れてしまう

「オオヒメ様、気持ちいいですか?」

「は、はい……フゥリにこうされるのも悪くないです……」

拒絶されないことをいいことにフゥリはオオヒメの乳房を撫でながら淡い乳首に舌

なめずりをする

「そ、そこ……あまり舐めないで……おかしくなりそうです……」

「大丈夫です。オオヒメ様はおかしくなんてないですよ」

フゥリはオオヒメの乳首に吸い付くと口の中で転がすとビクビクと反応を示すオオヒメに気をよくしたフゥリは空いた手でもう一方の乳首を指で捏ねる

フゥリは酔いしれていた

触れることさえ畏れ多いオオヒメの美しい身体を自らの手で欲望のままに弄ぶさまに

フゥリが止まることはない

フゥリは既に己のすべてをオオヒメに捧げている、失うものなどなに一つないのだから

「オオヒメ様もお願いします」

フゥリも服を捲り乳房を露出させて舐めてほしいと意思表示をする

「していただけばまた『いいこいいこ』をしてあげます」

「本当ですか?わかりました……んっ、ちゅぷっ……んん……」

オオヒメはフゥリの乳房に口づけをする

本能に突き動かされたフゥリのものと違って慈しむように舐め上げていく

「はふう……オオヒメ様……ああ……」

あのオオヒメが自分の乳首を舐めている

自分の言葉に従って

自分に撫でてほしくて

征服感と背徳感、快感がフゥリの心を満たしていく

「いいこいいこ」

フゥリが頭を撫でればオオヒメは目を細めて喜びを顕にする

こんなこと許されていいのだろうか

オオヒメは慈愛の心をもってフゥリを肉の器としてではなくフゥリ自身を見てくれてたにも関わらず彼女の無知を利用していることを

「ちゅ……はむっ……ぺろ」

だが無垢な瞳で健気に奉仕をするオオヒメの姿はそんな葛藤でさえも煮え滾る欲望で霞んで消えてしまう

「ありがとうございますオオヒメ様。とても気持ちよいです」

「そうですか?それはよかったです」

オオヒメは慈愛に満ちた微笑みを浮かべる その微笑みにフゥリは心を締めつけられ、同時になにかがフゥリのなかで弾けた

「オオヒメ様……私、もう」

フゥリは手をオオヒメの下半身へと伸ばしていくと腰布をずりさげる

「きゃっ!」

オオヒメは悲鳴をあげて反射的に秘部を隠す

かつては排泄の方法すらも知らなかったオオヒメであるがフゥリから知識を得ることでそこはみだりに人に見せてはいけないものだと理解している

「 オオヒメ様、見せてください」

「なにを言っているのですか?そこは見られて恥ずかしい場所だとわたくしに教えてくれたのはフゥリではありませんか」

オオヒメはフゥリの言葉に困惑していた

しかし恥ずかしそうに身を捩らせて秘部を隠すオオヒメの姿はかえってフゥリの興奮を高める結果となる

「はい、そうですね。ですがここは強い絆を育むうえでとても大切なところです。私はもっとオオヒメ様と仲良くなりたい。オオヒメ様に私では釣り合えませんか?」

フゥリは自ら秘部を曝す

すでに愛液でぐしょぐしょに濡れぼそったそれはフゥリがどれだけオオヒメに興奮していたかを物語っている

「そんなことはありません。わたくしにとってもフゥリは大切なお友達。わたくしももっとフゥリと仲良くしたいです」

オオヒメはおずおずと自らの秘部を隠していた手をどける

オオヒメの慈悲につけいった卑怯な方法であるのはわかっている

しかしそれでもフゥリには止まることができない

間近で見る秘部の佇まいは何人の目にも触れられず、何者にも染められていないまさに禁断の果実と呼ぶにふさわしい

「ありがとうございます。とても綺麗ですよ」

「フゥリにそう言ってもらえるのならなによりです……」

それでも羞恥が勝るのか顔を赤らめるオオヒメはフゥリにゾクゾクとした興奮を感じながらそこに手を伸ばす

「んんっ……ああ……」

初めて触られる感覚にオオヒメは嬌声をあげる

「痛かったら言ってくださいね」

フゥリは優しく割れ目をなぞりながら前後に擦る

しばらくすれば愛液が指に絡みつき卑猥な水音を響かせる

「っ!んあっ……こんな感覚は初めてです。ですが痛みはありません。むしろ気持ちがいいです」

フゥリはオオヒメにさらなる快楽を与えようと太腿の内側に手をかけて顔を埋める

「それではフゥリが汚れてしまいます」

「オオヒメ様に汚いところなんてありませんよ」

そういってフゥリは秘部を舐めすすり始める

「はあ、フゥリ!?そこ、そこは……だめ」

フゥリは割れ目を舌でなぞり、突起を口に含みながら音を立てて吸い付く

「んんっ……ふああっ!フゥリ!フゥリぃ!」

快楽に身を捩らせるオオヒメの姿に興奮したフゥリの責めはさらに激しさを増す 

口いっぱいに広がる蜜はフゥリをどこまでも昂らせる

「もう、だめです。わたくしのなかで……なにかが……ああっ」

オオヒメははじめて感じた絶頂の兆しに身震いする

しかしそれを本能的に察知したフゥリはピタリと舌の動きを止めて顔を離す

「フゥリ?……わたくし、なんだか変です。切なくて、もどかしくて……おかしくなっています」

オオヒメは恥じらう余裕すらないままヒクヒクと秘部を疼かせフゥリに懇願する

「どうかしましたか?」

フゥリは敢えてわからないフリをしてオオヒメに問いかける

「お願いですフゥリ……わたくしをもっと気持ちよくしてください」

「どうやってですか?」

フゥリはわざといじわるに聞き返す

「それは……さっきフゥリがわたくしを気持ちよくしてくれたように……ええっと?なんと言えばいいのでしょう?」

「オオヒメ様、あそこはおまんこというんですよ」

「そ、そうだったのですか。では、わたくしのおまんこをフゥリの舌でペロペロと舐めて気持ちよくしてほしいです」

「っ!!!……わかりました。いっぱい気持ちよくなってくださいね」

オオヒメが性器の名前を口にしたことにフゥリは言い表せない背徳感と興奮を覚えた フゥリはオオヒメを絶頂に導くために再び顔を埋める

「あああっ!」

秘部全体を包み込むようにしゃぶりつくとオオヒメの腰はビクビクと大きく震えて跳ね上がれば、愛液の分泌は激しさを増してフゥリの口や鼻を濡らしていく

「あん、はあ……フゥリの顔が!?」

「ちゅっ、じゅる……んむっ」

心配するオオヒメであったがフゥリは意に介すそぶりするみせず、むしろオオヒメが悦んでくれた証であるとして心地よささえ感じていた

「もう、だめです。わたくし……ふああ!!」

オオヒメは腰を大きく浮かし、背中がのけぞらせた

フゥリは絶頂を迎えたオオヒメを見届けると秘部から顔を離して起き上がる

「どうでしたか?気持ちよかったですか?」

フゥリの問いかけにオオヒメは答える余裕もなく放心している

「もっと気持ちくなりたいですよね?」

「!?」

オオヒメの身体がビクリと跳ね上がる

この上があるのかと信じられない様子であった

「その代わり一つ約束してください。もし守らないと……」

「守らないと……」

オオヒメは震えた声で言葉を返す

「オオヒメ様のこと嫌いになっちゃいます」

「そんな……」

フゥリから……否、他人から初めて向けられた拒絶の感情にオオヒメは動揺を隠せない

「そんな悲しい顔しないでください。大丈夫です。オオヒメ様は『いいこ』ですから必ず守れます」

フゥリは言いようもない高揚感で満たされていた

神と依代という枠を超えた関係が構築されようとしているのを肌で感じていた

これまで以上にオオヒメと深く結びつくことができると

オオヒメもまた心の奥底で歓喜していた

これまでみなかったフゥリに

彼女から与えられるであろう新たな地平に心踊っていた

「オオヒメ様にとっての1番は私で、こうやってオオヒメ様と触れ合っていいのも私だけだと。他の方に頼まれたりしても決してしてはならないと誓ってください」

「はい。フゥリの言う通りにします……だから、わたくしのことを好きでいてください」

オオヒメは身も心もフゥリに委ねる宣誓を行う 

「ありがとうございます。オオヒメ様大好き」

「わたくしもですよフゥリ」

最初と変わらない言葉の熱量

それに反して物理的な距離だけが狭まる歪な光景

フゥリはそこから目を背けて自分の欲望に従うことを選んだ

「さあ、一緒に気持ちよくなりましょう」

「はい、お願いします」

フゥリが松葉を崩すかのように脚を広げると、オオヒメもまたフゥリの指示に従い同じ動作を行うとこで、2人の秘部は口づけを交わす

「このまま……くっついたまま動くと気持ちいいらしいですよ」

フゥリが腰を動かして秘部をこすりつけると、オオヒメも真似をして腰をくねらせる

「んっ!フゥリ……これが気持ちいいのですか?なんだかゾクゾクします」

フゥリとオオヒメは互いに触れ合う感覚を共有しながら快楽に溺れていく

「ああ……フゥリ。これ、とっても気持ちいいです」

「んあっ、オオヒメ様からこんないやらしい音が……」

より強く互いの存在を感じようと密着すれば既に溢れていた愛液はにちゃにちゃと混ざって糸を引く

「はあ、はあっ……フゥリ。わたくし、また……」

オオヒメが腰を浮かせるとそのまま小刻みに動かして絶頂を促す

「オオヒメ様、最後は一緒に。私たちは一心同体なのですから」

次の瞬間2人は同時に身体を震わせた

愛液が交じり合い互いの性器を汚しあう光景にオオヒメとフゥリの興奮はさらに高まっていく

2人は求め合うように唇を重ねる

強い征服感と幸福感にフゥリは浸っていた

「「あっあああっ……!!」」

 最後に二人は揃って、高らかに嬌声をあげると絶頂に達した

「ありがとうフゥリ。あなたと出会えてよかった」

「私こそ、オオヒメ様がいなければ今の私はありません」

フゥリとオオヒメは微笑みあいながら、そっと抱き合った

余韻が冷めきらない肌を、慈しむように撫でる

「フゥリは楽しかったですか?」

「…………はい、もちろんです!」

フゥリが即答できなかったのは身体よりも思考が冷める時間が少しだけ早かったからだ

刹那の感情だけですべてを割り切ることはフゥリにはできなかった

「そうですか……それではまた」

オオヒメはほんの一瞬だけ悲しそうな顔を見せると現実世界に意識を集中させる

「…………」

オオヒメは無知ではあるが、フゥリ以上の時を生きている

フゥリが抱えている罪悪感に気づいていたのかもしれない

そして知識を得ることに貪欲なオオヒメはいずれ真実に気づく

本当の意味で自分とそしてオオヒメと向き合う日が来ることをフゥリは予感していた

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