御主人様サンジ×えっちの時だけ御主人様呼びになる系メイドルフィ

御主人様サンジ×えっちの時だけ御主人様呼びになる系メイドルフィ


メイドパロ、御主人様サンジとえっちの時にだけ御主人様呼びしちゃうけど普段はタメ口呼び捨てな新人メイド♀ルフィの話






今日から入ることになった新人です、とメイド長に紹介された少女はおれと同い年かもしくは年下であるようにすら思えた。櫛でといたのだろうが上手く纏まらなかったのであろうあちこみ跳ねている黒髪に、目の下の傷跡、動きやすいようにと三分丈のブラウスや丈が短めのスカートが隠してはいない肌には幾つかの青痣や色素沈着した赤が散っている。こちらを窺うような上目遣いの黒く大きな瞳は暗く陰っていた。


「あの、今日からここで、あ、こちらで、はたらくことに、えぇと、はたらかせて、いく、いたき……いただく、ことに、なった、モンキー・D・ルフィ、です、ごしゅじんさま」


敬語を使い慣れていないどころか言葉を発することすら久々のように思えるあまりにたどたどしく弱々しい声音に、この少女が『何処』から来たのか、または来させられたのか、恐らく聞いてはいけないことなのだろうとおれは何となく悟ってしまった。





随分昔の夢を見た。

悪夢程では無いが心地良いものでもなかったのは確かだ。けれど内容は曖昧で薄らと靄が掛かっている。スッキリしない気分を無理矢理晴らすべくさっさとカーテンと窓を開ける。快晴、湿度も低め。風も強くない。今日も良い日だ。

軽くベッドメイクをした後、クローゼットから服を取り出し身に付ける。ネクタイを締めたそのタイミングを見計らったかのようにノックもなくバン、と扉が跳ね返る程の強さで開かれる。


「サンジ~っ!朝だー!起き、」

「おう、もう起きてる」

「あーっ!今日こそおれが着替えさせるつもりだったのに!」

「お前ネクタイ結べねェだろうが」

「んな事ねェぞ!ゼッサン練習中だ!」


えへん、と胸を張ったのと同時に大きく空いた胸ぐりからぽよんと揺れる胸が見えて思わず覗き込みそうになるところを何とか堪えた。


10年前に屋敷にやってきた時からこの新人メイド、ルフィの服装はほとんど変わっていなかった。

動きやすいようにと切られた三分丈の袖、長いと踏んだり何かに引っ掛けたりするからと詰められ膝上辺りにまでのスカート。仕事の内容だって、皿洗いも水拭きも洗濯も才能が無く、ろくに任せられることがないからいつまで経っても新人の肩書きが取れないまま。噛むし言いづらいといつのまにか敬語も敬称もとっぱらったルフィは最早メイドの中でも使用人と言うより友人のような扱いになっていた。

その証拠に、今ルフィが任されている仕事は朝おれを起こすこととベッドメイク、着替え(但しルフィが来る頃にはおれが自分一人で済ませていることが殆どではあるが)それに軽い庭掃除くらいと滅多に居ないが潜入者の退治くらいだろう。それ以外の時間はほぼおれの周りにいることが多いのは、そうしておけばおれの機嫌が良くなるとメイド長にバレているからだ。


「早く朝メシ行こう!今日のオムレツはなー、トマトが入っててんまかったぞ~!」


よくよく見れば口の端に卵の欠片を付けたままくるくるとおれの周りを周り美味しさを体全体で表現するルフィが跳ねる、その口元を拭ってやりながらおれはダイニングへと足を進めた。





「ん……生地が少し柔らかいか……?溶かしバターを5g減らすべきだったか」


誰もいないキッチンは自室と並んでおれの根城とも言える。朝昼晩とその他お茶菓子を作る時以外なら自由に使っても良いと料理長から許可を貰ってからというものここはおれのオアシスとなっていた。使用人の真似事をして手を汚すなと誰に言われようがおれは料理が好きだった。

例え僻地の城に軟禁されていようが親父から疎まれていようが第四王子という肩書きだけでこちらからどれほど歩み寄ろうとしても殆どの使用人達は怯え、おれの機嫌を損ねれば首が飛ぶとでも思っているかのように全ての要求は叶えられる。キッチンを貸し出して貰えるのも、材料を使うことを許可されるのも。


「おっ、サンジ!またんまそ~なもの作ってんな!」


匂いに誘われてかひょっこりと顔を出したルフィは今まで裏庭で草むしりでもしていたのだろう髪や頬に葉っぱが着き土汚れで塗れていたのでキッチンに入ってくれるなと手で制止する。


おれの『お気に入り』のルフィが追い出されていないのも。


「今から焼き上げるところだ、……夜、食わせてやるよ」


特別な『約束』をする時に使う、屋敷の誰もが知ってるその文句に、ルフィは満面の笑みを零してひらひらと掌を振った。





誘いの切っ掛けでしかないとはいえマカロンはたった三口で全部ルフィの口の中に吸い込まれていった。相変わらずの大食漢に呆れ、感嘆しつつ触れるだけのキスをする。生クリームとメレンゲの甘さが唇にまだ残っていた。


「ん、ふ、サンジのくち、うめぇなぁ、おれすきだ」

「ばか、そりゃキスが上手ェって言うんだよ」

「ちゅ、んむ、あれ? そう、なのか?……ふぁ♡」


キスをしながらブラウスのボタンを外せば、使用人の中で、いや、屋敷の中で誰よりも多い食事量に比例して大きく含んだ胸がまろび出て、風呂は入ってきてはいるだろうが洗い方が雑なのか代謝がいいのか少し汗混じりのルフィの甘い体臭が鼻腔を擽った。出会った頃はまな板も同然だったそこが随分と成長したものだと感激しながらも下半身にも手をやる。太腿をわり開ければ、色気も何も無い変なキャラクターや動物がプリントされていた綿の下着ではない、つるりとした滑らかなサテンが指を誘う。じっとりとした汗とはまた別の湿った体液の香りが漂ってくる気配すらした。


「サンジ……♡」


ここから、何が始まるのか何をされるのか。まだ何も知らなかったルフィは、もうどこにもいない。おれが強請れば全てを与えられるように、ルフィも強請ればおれが全てを与えてくれると分かっているのだ。


「はぁっ♡んぁッ♡あっ、ひぅうッ♡あぅっ♡んふぅ♡んんんっ♡♡♡」


おれ以外を受け入れたことなんてないそこはおれにとても従順で、指を差し入れただけでも悦んで汁を滴らせ、先端を割入れるだけで大きく震え歓迎するかのように奥へ奥へと滑らせる程だった。熱く柔らかな肉壷は、ストローク毎に歓喜に震えてはおれを包んで吸い付いてくる。正常位で手を握り、キスをしながらゆっくり腰を一、二回動かす。それだけでおれ達は例えようもない幸福と快楽に溺れ、ルフィは数度の絶頂を迎え気をやる。

一目見たときからこの少女を手離したくないと思ってしまった程におれ達は運命の相手だったに違いなかった。最悪なことに、身体の相性もあまりに良すぎてしまった。


「ルフィ、ルフィ……」


元々食欲に弱く性に関する経験が皆無だったルフィは快楽に酷く弱かった。下半身どころかシーツにまで愛液を飛ばす程に気をやったルフィの頬を軽く叩いてやると、ぼんやりと靄がかかった瞳がこちらを見返してくる。良かった、意識はある、ととりあえず一旦物を抜こうとした時にだった。


「ごしゅ、じんさま、」


嬌声をあげすぎたからじゃない。あの頃、喉と舌を使い慣れていない頃のようなルフィのあまりに弱々しい声に、おれは思わず動きを止めた。


「だめ、んふぅっ♡だめですぅッ♡だめ、んぁ、ごしゅじんさま、ら、めえっ♡」


だめ、と言いながらルフィの脚はおれの腰に絡みついてはおれが抜くことを許さない。刺激に甘い声をあげながら、その目は遠い昔に飛んでいる。今のルフィは入ったばかりの新人メイドだ、記憶が混濁しているのか意識がぶっ飛んでいるのかとにかくルフィであってルフィじゃない。抜かなくてはいけない、と分かっている、分かっているのに身体もその奥もおれを飲み込んで味わい尽くそうと蠢き、ダメ押しとばかりにルフィの脚はぐいぐいとその先へと強請る。


「ご、しゅじん、さまぁ♡」


天真爛漫で友達みたいにおれにまとわりつくルフィの騒がしくも朗らかな声じゃない。耳元で、ウィスパーボイスの囁き声が、する。





「サーンジ! ……なにへこんでんだ? 」


あの後濡れたタオルで身体を拭いてやれば割とすぐに復活し、いつもの口調に戻ったルフィは情事の残り香と共に自分が何を話していたのか綺麗さっぱり忘れているようだった。忘れているのならそれでいいんだ、と流し、2人でベッドに倒れ込む。

もう日を跨いだ頃だろうか。新人メイドは朝が早いから本当はメイド達の部屋に帰した方がいいのだろうがルフィがどうしてもと言って聞かないのでいつも2人で眠ることにしている。勿論これも、屋敷の誰もが知っている公然の秘密だろう。この屋敷の間の小さな世界でだけで許されている、当然と成されていることがあまりに多いのは今更だ。半ば諦めてさていたが。


ごしゅじんさま、とルフィが気を半分飛ばしている時に口走るそれは、この屋敷に来てから叩き込まれたものに違いなかった。今では強制されることはないとはいえ、この屋敷にいる限りルフィはいつまで経ってもこの家に縛り付けられたメイドのままで他の肩書きを得られないのだ。そう、おれさえも。頭の奥に刻み込まれた『ごしゅじんさま』なんて他人行儀なそれを、掻き消すにはどうすればいいのだろう。案は、ずっと前から頭の中にあった。


「……なぁルフィ」

「ん? なんだ? 」 

「おれと2人きりで、この屋敷を、この国を出ねェか? 」


意を決して見つめたルフィは、世界中の全ての花と星を集めたって足りないくらいにきらきらと輝いていて、押し潰すようなハグと顔中に降ってくるキスに目を瞑ってしまったおれが、もしかしてこのセリフは遠回しのプロポーズなのではないかと気づくのは少しあとの事だった。


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