後悔する時間もない
「ヤッベー…やり過ぎたなぁ」
渋谷上空。一人の青年が浮かびながら崩壊した街を見下ろしていた
「後でめぐちゃん先生に怒られそうだな〜」
(…あ、めぐちゃん先生封印されたんだっけ)
術式が中途半端に覚醒したせいで暴走してしまい、とりあえず渋谷の中心が更地になった
「そういや傑どこだ?なんか呪霊は居たけど…一回降りるか」
「…これ俺がやったんだよな…?戦ってると気付かねーもんだな」
地上に降りると出力最大「蒼」で派手にぶっ壊したせいで瓦礫の山が出来ている。元の渋谷の面影は何処にもない。
「ん?あそこに居るのって…」
ふと、残っている建物の間から見覚えのある人物が見えた。あそこに居るのは…
「硝子と…傑だ!」
安心したのも束の間。家入がこの渋谷に居ると言うことが不安を煽る。戦うのは得意ではない。しかも、両手が空いていないから尚更危険だ
(硝子一人?!不味くね?)
不味いと思い走り出し近づいていくと呪霊が見えた。
(!!硝子気付いてない!!?)
「五条?」
呪霊が少しずつ近づいていく
「硝子!危ない!」
咄嗟に声を出す。それと同時に呪霊の攻撃が家入の顔の一部を左目ごと吹っ飛ばした
「〜ッ!!!痛…!」
「大丈夫か!?」
「大……な…わけ…無…だろ……」
こういう時どうすれば良い?そんな事を考えながら、呪霊を蒼で祓う。まだなんとか喋れているのだから助けられるはず…
「反転術式は?!」
「ゔぐ…」
反転術式は使えないようだ。こんな時反転術式が他人に使えればと考えるが、それよりも今出来ることを探そうと周りを見る
(あそこに居るのは…)
「新!!」
「五条君?!」
「硝子が…!」
新の術式なら助けられると思い声を掛ける。
(酷い怪我やな…)
「分かりました五条君!術式を施して連れて行きます。助かる可能性は0じゃないですよ!…0じゃないだけですからね?」
「…あんがと」
「助けられんくても俺のせいにせんといてくださいよ!」
硝子が連れて行かれるのを見ながら考える。もう死んでいてもおかしくは無いけど、せめてでも最善の行動を取れたのか?そう思いながら倒れている人物に目を移す
「…あ、傑起きた?」
おしまい
オマケ