「幕間 ムジカのメイク」

「幕間 ムジカのメイク」


「お化粧をしたい?」

「「「「うん!」」」」

ナミやロビン、それに遊びに来ていたペローナ、カリーナ、アンと一緒に仲良く女子会をやってる時にミライ、ムジカ、ララ、セカイは仲良くそう言ってきた。

「あんた達急にどうしたの?」

ナミが珍しい事もあるんだなと思いながらそう訪ねた。ウタが基本的に最低限の薄化粧しかしない影響なのかミライ達はそう言った事に興味を示していなかった。

するとララが新聞のとある記事をナミに見せてきた。

「世経?・・・何々、アラバスタの香水と化粧・・・これで女性の魅力アップ・・・あ~ビビがナノハナの香水を紹介してるのね」

その記事には笑顔で自分の国の名物を紹介してるビビの写真があった。

「香水もやった事ないし、化粧もやった事無いけどやってみたい!」

「「「うん!」」」

「皆、そんなに若い内からやらなくても・・・」

「良いんじゃない?中々ない機会だし、やってみても」

「私も賛成です!」

「たまにはこういうのも良いんじゃねぇか?」

カリーナ、アン、ペローナの3人が乗り気になり、ナミやロビンも意外に乗り気になったのでウタはそんな事しなくてもカワイイのにと内心思いながらもやってみることにしてみた。



◯◯◯

「それじゃ、私達は6人でミライ達は4人だけどどうやって分ける?」

「あら?完全に分かれるの?」

「どうせだったら誰が1番ミライ達の魅力をより上げられるのかやってみたいじゃない」

「ララ・・・ペローナお姉ちゃんが良い」

「私か?よし、可愛いくしてやるぞ!」

「やった」

「私はナミさんとロビンさんが良い!」

「あら?ミライは私達をご所望のようね」

「ミライ〜ママは〜?」

「ママをビックリさせたいから今日はいいかな」

「そっか、それならしょうがないかな」

「セカイ、ママが良い!」

「よし、セカイは私が可愛いくしてあげるね!」

「ボクはカリーナさんとアンさん!」

「ムジカちゃん、可愛いくしてあげるからね!」

「私達に任せて下さい!」

こうしてわりと良い感じに分かれる事が出来た。


◯ミライ

「それじゃ、ミライは何かやってみたい化粧とかある?」

「えと、その私全然知らないので」

「まぁ最初は誰でもそうね・・・何かイメージみたいなのは無いかしら?」

「う~ん、あ、でも!大人っぽい感じが良いです!」

「大人っぽい感じか・・・」

「えと、そう!お淑やかな人・・・日和さんみたいな!」

ミライは大人っぽい感じのイメージとしては落ち着いてる女性として日和の事を云うとナミとロビンは大体の方向性が分かった。

「という事は薄化粧に口紅とかをやって・・・」

「少し付けまつ毛もやる?」

「やってみましょ」

ナミとロビンは方向性を話し合い、ミライはどんな風になるのか楽しみだった。



◯ララ

「それじゃどんな風にするかイメージあるか?」

「ペローナお姉ちゃんみたいな感じ」

「私みたいな感じ?」

「うん!」 

ペローナはそう言われると嬉しかったが少し難しいと思った。まだララは3歳。そもそも化粧云々はまだ全然早いしやるとしても薄化粧位で終わらした方が良い。自分のゴシックファッションはそう云う意味では真逆を行っていて悩んだ。

「う~ん、ちょっと難しそうだが・・・よし口紅を少し暗い赤にしてそれから口紅が目立つように少しだけ肌の色を白く・・・」

「にへへ・・・」

ペローナは悩みながらも下手に弄らない最低限で済むように調整しながらやり始めた。


◯セカイ

「さてセカイはどうなりたい?」

「お化粧!」

「まぁまだ早いからやっぱりそうなるよね・・・う~ん、でもセカイは流石に早すぎるし下手にいじるのも嫌だし・・・そうだ!セカイ、髪型を変えよう!」

「かみ?」

「うん!セカイはそれだけで可愛いくなるよ!」

「本当?やってやって!」

「よし!さて・・・セカイはどんな髪型が似合うのかな?」

セカイの年齢を考えてウタは髪型の方を変える方に進めた。



◯ムジカ

「それじゃムジカちゃんはどうなりたいのかな?」

「何かイメージとかある?」

カリーナとアンはムジカにそう聞くとムジカは1枚の写真を懐から出した。

「ボク、こうして欲しい!!」

「「えっ?」」

ムジカの出した写真にはとある人間が写っていたがカリーナもアンもまさかの人を出されて固まった。

「え?ムジカちゃん!流石にそれは止めた方が良いって!」

「そうだよ!それにその化粧はかなり特殊だよ!?」

「これやって!ボクはこれがいい!!」

ムジカは絶対にそれ以外は嫌だと意思表示をしたのでカリーナとアンは本当に予想してなかったメイクをやり始めた。

皆がメイクを始めてるとそこにルフィとフランキーがやってきた。

「あれ?皆何やってんだ?」

「ん?ミライ達がお化粧したいって言ったからやってるのよ」

「へぇ〜」

化粧なんて全くの縁のないルフィは実に淡白な返事を返した。いつも通りといえばいつも通りだが近くで聞いていたミライとしてはあまりにもいつも通り過ぎて少しムカッとなった。

「もう〜、そんな返事しなくても良いじゃん。後でパパ達にも見せて上げるからね!」

「おっ、なんか良く分かんねぇけど楽しみにしてるぜ」

「アウ、面白そうじゃねぇか、ちょっと待ってろ簡単なセットを作っていてやる!」

「おう、頼むぞフランキー!おれも手伝うぞ!!」

ルフィとフランキーはそう話し合ってると外に出て準備を始めに行った。

「あ、別に私が絵でやるのに」

「ミライは今日は魅せる人よ、準備は皆に任せましょう」

「そうよ、ルフィをビックリさせましょう」

「・・・はい!」





◯◯◯

暫くすると外では思ったよりも大事になっていた。最初は麦わらの一味だけで終わるはずが遊びに来た赤髪海賊団とキッド海賊団、そしてクロコダイルから逃げてきたバギーと又もや勝手にやってきたサボとわりと大所帯になっていた。

「いやぁ、ミライ達が化粧とは・・・やっぱし大きくなっていくんだな・・・うぅ、涙が出てきた・・・」

「何泣いてんだよハデバカ野郎が!?こういう時は大笑いして大きくなった事を喜べ!!」

「バギー・・・そうだな・・・よし、一杯くれ!」

「やるわけねぇだろアホ!」

「何だと?ってそれはおれの酒だろうが!!」

シャンクスが酒を飲みながらミライ達が化粧を楽しそうに始めてると知って少し涙を溢していた。近くで酒を飲んでいたバギーは辛気臭くなりそうなシャンクスにそう言い飲んでるとシャンクスは酒を貰おうとしたが断られたので喧嘩を始めた。

「皆、待たせたわね!ミライ達の準備が出来たわよ!」

『おぉ~!!』

そうこうしてるとナミが笑顔でそう宣言しに来た。ロビン、ウタ、ペローナ、カリーナ、アンと皆も終わると舞台の前に来たがカリーナとアンは他の皆と違って少し微妙そうな顔つきになっていた。

「あら?カリーナ、あんたどうしたの?」

「いや、ムジカちゃんがちょっとね・・・」

「かなり独特でした・・・」

「??まぁ、私達も自分達がやってあげた化粧以外知らないからどんなのか皆に判断して貰いましょう」

「「あ、うん」」

ナミの言葉に2人は歯切れが悪い返事を返して近くでそれを聞いていたウタはムジカは一体どういうメイクになったのか気になった。

一方、舞台裏でもムジカのメイクを見てミライ達がギョッとした顔になった。

「どうしたの皆?」

「ム、ムジカ・・・それで本当に良いの?」

「やり直したら?」

「良いのこれで!」

「ムジ姉、それが良いの?」

「うん!!」

自身満々なムジカにミライ達は何も言えなくなった。



◯◯◯

『よ~し、司会はこのおれウソップがさせてもらうぜ!!それじゃ行ってみよう!!皆のお姉さんでしっかり者!ミライの登場だ〜!!』

ウソップの司会で盛り上がるとステージに付けられた幕の奥からミライが出てきた。薄化粧に赤い口紅で付けまつ毛もして髪型はいつものウタのような丸輪っかではなく全て下ろしていた。それはどこかもう少し歳がありそうな大人っぽさが出ていた。

「おぉ、ミライカワイイよ!」

「おっ、髪を下ろしたんだな!それはわかるぞ!!」

ウタの反応は思ってるよりも好反応だったがルフィはまぁいつも通りの反応でミライはズッコケそうになった。

「もう!他にも色々とあるでしょ!?」

「フフッ・・・ミライ、大人っぽい女性はこのくらいじゃ動揺しないわよ」

「え?うぅ〜」

ロビンにそう言われると大人っぽく見せたいミライは出来る限りいつも通りの顔つきに戻した。

「なんか姉ちゃんっぽくなくて変な感じだ」

「うっさいわよマスト!」

だがそれはマストの何気ない一言で完全に無くなった。

「カワイイぞミライ!」

「良いぞミライ!!」

「ミライちゃん!!ハデに良いぞ!!」

そしてシャンクス、サボ、バギーの騒がしトリオのいつもの行動にミライは顔を赤くし始めた。

(うぅ、じいじ達の馬鹿!)

『初っ端から好反応だなミライ!よし次はミステリアスな雰囲気が似合う、カワイイ甘えん坊のララだ〜!!』

これ以上やるとミライが爆発すると判断したウソップがちゃんと仕切ってララを呼んだ。幕が上がるとララが出てきた。

少し暗いめの赤い口紅にそれが目立つように白いめのファンデーションをして服をゴシックにしていた。

「キャ〜ララ、カワイイよ!!」

「おぉ、凄いなララ!でもそんな服あったか?」

「私の子供の頃の服を貸したんだ。サイズがあって良かったぜ!」

「ペローナお姉ちゃんありがとう」

「ほ、褒めても何も出ねぇぞ!」

ペローナはララにお礼を言われたのか照れていた。

「おっ、良いじゃねぇかララ!」

「あぁ、似合ってるぞ」

「本当?良かった・・・」

キッドやキラーに言われるとララはより嬉しそうに笑った。

「カワイイぞララ!」

「よし、おじさんがちゃんとアルバムに残してやるからな!」

「いや、寧ろこれを世界中に!!」

「いい加減止めろてめぇら!ネガティブ・ホロウ!」

騒がしくしてるシャンクス達にペローナはネガティブホロウを食らわせると3人ともネガティブになって沈んだ。

『よ~し、それじゃ次はムジ・・・ん?どうしたんだララ?』

「ムジカは最後が良いって」

『そうか?なら次は姉妹の末っ子にして不思議っ子のセカイだ〜!!』

ウソップがそう仕切ると幕が上がって元気よくセカイが走ってきた。

セカイは化粧はせずに髪型だけを変えていた。その髪型は三つ編みで髪の毛には造花の髪留めが多くされていた。

「セカイの髪の毛凄いな!」

「うん、すごいね!」

「フフン、どう!?セカイ凄いでしょ!」

ルフィとライトがセカイの髪型にビックリしてると隣でウタがドヤ顔をしていた。セカイに似合っていて他のメイクをした皆も感心していた。

「セカイには下手に化粧しなかったのね」

「うん、流石にまだ早いすぎるし」

「でも良く似合ってるわよ」

「セカイはああいうのが合うんだな!」

「ママ、キレイ??」

「うん!凄い綺麗だよ!!」

「やった!!」

ウタに言われるとセカイは幸せそうに飛び跳ねるたりして喜んでいた。

「おぉ、セカイカワイイな・・・」

「写真を取らねぇと」

「よし、ハデに任せとけ」

「こいつら懲りてねぇのかもう1回・・・」

「いや、今度はおれ達がやるからやらなくて良いぞ」

ネガティブホロウを食らわせたのに復活しようとしてるシャンクス達にペローナはもう1回やろうとしたがその前にベックマン達赤髪海賊団が来て3人を拘束した。

『よし、それじゃトリを飾るのは辛いもの大好きなイタズラっ子!ムジカだ〜!!』

ウソップがそうやって言うと幕が開いてムジカが出てきた。

「え?」

「ん!?」

「な、なんだ!?」

「えぇ!?」

ウタ、ルフィ、マスト、ライトはそのムジカの化粧を見て驚いた。

「はぁ!?」

「あらあら・・・」

「えぇ!?嘘だろ!?」

『マジか』『え!?』『あれって』『完全にアレだよな』

ほとんどの面々がその化粧を見てあ然となっていた。なぜならムジカがやったのはメイクはメイクでも"ピエロメイク"だったのだ。メイクをやったカリーナとアンはこの反応を見てやっぱり説得をしっかりとやれば良かったと思った。

「あれ?」

ムジカは皆の反応が悪いとわかると涙が出そうになった。自分が一生懸命考えてやったのに上手く行かないので泣きそうになった。


そんな様子を誰も知らない場所で見ていた存在がいる。それは以前ミライの姿になって現れた存在で今のムジカを見て嘲笑っていた。

「所詮、私達はそいつらとは違う・・・早く一緒に1つに戻ろう・・・」



ムジカが泣き出しそうになってきた。周りの面々もそれが分かると励まそうと動き始めると予想外の反応が来た。

「無茶苦茶良いじゃねぇか!」

「え?」

「凄え似合ってるぜムジカちゃん!」

「ほ、ホント?」

「おう!ハデに良いじゃねぇか!!」

皆が何かをやる前にムジカのピエロメイクを絶賛した者がいた。バギーだ。自分と同じピエロメイクが嬉しいのかバギーは本心でムジカのピエロメイクを良いと言っていた。

「や、やった!!これおじちゃんの写真を見てやったんだよ!!」

「何本当か!?そんなにおれ様が好きな・・・」

「ううん、ピエロのメイクで他にいい写真がなかっただけ」

「そんな!!??」

「フッ、残念だったなバギー」

ムジカの何気ない一言に分かりやすく落ち込むバギーにシャンクスは挑発した。

「あ、何だと?てめぇはんじゃムジカちゃん達に写真を持って貰ってんのかよ!」

「勿論だ、皆持ってるよな!?」

『持ってないよ』

「そんなバカな!」

「てめぇの方がおれ様よりも酷い結果じゃねぇか!けど、本当に似合ってるぞムジカちゃん!」

「カリーナお姉ちゃんとアンお姉ちゃんが頑張ってくれたんだ!」

「ムジカちゃん・・・そりゃ当然よ折角カワイイんだから可愛くしないと!」

「頑張ったかいがありましたね!」

カリーナとアンがムジカに言われて嬉しくなると徐々にその場の空気も良くなってきた。すると先程までの空気が嘘かのように明るくなってきた。



「何よあれ・・・さっきまで上手く行きそうだったのに・・・あの赤っ鼻許さない」

それを遠くから見ていた存在はその光景を見て顔を歪めていた。そしてムジカを見ながらもあの場で心からムジカに良いと言ったバギーを睨んだあと消えた。




「?・・・ムジ姉??」

誰もそれに気づかないと思われたが人並み外れた見聞色を持つセカイだけその存在が消えた方向を見ていた。

そしてムジカと同じ気配を感じた事に首を傾げた

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