幕間の物語 俺の知ってる水着と違う

幕間の物語 俺の知ってる水着と違う


カルデア・廊下


リュージ「うーん、ええ朝や。今日の午前中は素材集めに着いていかなアカンから早めに朝メシ食ってちょっとだけ体動かしとこかな。にしてもここ最近はぐっと気温が下がったなぁ。風邪引かんようにせんと」

???「あの!リュージさん!少しよろしいでしょうか?」

リュージ「ん?どないしはったんですかジャンヌさ…ん………」

ジャンヌ「はい!………」ジー

リュージ「あの、ジャンヌさん…やんな?なんでこんな寒い中水着を…?」

ジャンヌ「………はり…」

リュージ「ジャンヌさん?聞いてはります?」

ジャンヌ「やっぱり!貴方からはお姉ちゃん、もといお兄ちゃんの力を感じます!」

リュージ「は?なに…なんて?」

ジャンヌ「私には分かります。この圧倒的なお兄ちゃん力、あなたただのお兄ちゃんではありませんね?」

リュージ「圧倒的なお兄ちゃん力って何?いや俺に弟は…はっ、まさか…」

ジャンヌ「例えば大家族の長男...または反抗期の弟を持つお兄ちゃんのようなオーラを感じます!」

リュージ「めちゃくちゃ具体的やんけ!くそっ、今は愛の魔術は発動してないはずやしこの前の双子特異点はもう解決したのになんでや…!」

ジャンヌ「隠そうとしなくても良いのです。きっと貴方の前では誰も彼も貴方を兄と慕うでしょう。きっとマスターも貴方のお兄ちゃんパワーの前を前にしては手も足も出ないはず…さあ!貴方もマスターのお兄ちゃんになりましょう!」

リュージ「お兄ちゃんがゲシュタルト崩壊するー!しかもなんか水着やし!この人怖いわ!ボンドー!リツカちゃーん!助けてぇ!!!」

???「焼却天理・鏖殺竜”フェルカーモルト・フォイアドラッヘ”!!!」


ドォォォォン!!!


リュージ「うわぁぁぁぁ!!!???なになになに!?」

ジャンヌ「この攻撃は…!」

???「ちっ…当たってないじゃない…」

リュージ「ジャンヌオルタさん…?なんでこっちも水着…?」

ジャンヌ「こら!カルデア内での戦闘は禁止ですよオルタ!お姉ちゃんはそんな悪い子に育てた覚えはありませんよ!」

ジャンヌオルタ「こっちだってアンタに育てられた覚えなんかないわよ!」

ジャンヌ「そんな…なんてことを言うんですかオルタ!姉妹として共に過ごしたあの夏の日を忘れたのですか!」

ジャンヌオルタ「そんな日々なんか無いわよ!いい加減私と同じ顔で奇行を繰り返すな!新人に私まで頭おかしいやつだと思われるのは心外なのよ!」

ジャンヌ「なっ…!頭がおかしいは言い過ぎですよオルタ!今のはさすがのお姉ちゃんも怒りましたよ!」

ジャンヌオルタ「ふん!さすがの聖女サマも怒り心頭ってわけ?いいわよ、掛かって来なさい。今ここでアンタをボッコボコにしてそのイカれた頭を矯正してあげる!」

ジャンヌ「今ここで戦おうとするのは辞めなさいオルタ!シミュレーター内でならいくらでも相手にするのでそこまで我慢しなさい!」


バタバタバタ………


リュージ「………………なんやったんや今の」



カルデア・食堂


リュージ「ってことがあってな?2人ともこないに寒いのに水着やし、ジャンヌさんはあんな性格じゃなかった気がするんやけど」

リツカ「あー…うちの姉なる者がご迷惑をおかけしました…」

リュージ「あ、姉なる者って何…?」

リツカ「それを説明するためにはまずなんで水着なのか説明する必要があるんだけど…」

リュージ「嘘やんそこ関連あんの?」

マシュ「カルデアでは毎年夏になると一部のサーヴァントの方々が水着を伴ってのクラスチェンジを行うのが定番になっているんです。またそれなりの規模を誇る微小特異点が生成されるのも恒例行事のようになっています。原因のほとんどは水着になったサーヴァントの方々の誰かなのですが…」

リュージ「それ水着にさすのやめた方がええのんちゃう?」

リツカ「でも勝手に水着になってるから止めようがないんだよね」

リュージ「えぇ…さっきクラスチェンジ言うてたけどそんな簡単に出来るもんなんか?」

マシュ「別側面としてクラス違いで召喚されることはよくありますが、クラスチェンジとなるとなかなか無いことかと…」

リツカ「でもカルデアでは日常茶飯事だよ」

リュージ「なんかカルデアも大変やなぁ。でもなんで水着になったらジャンヌさんがあんなんになってまうんや?」

マシュ「それは…どういう訳か、水着を着るとほぼ例外なく普段より陽気で開放的な気分になってしまうんです…中でも陽気さが過ぎて暴走気味になってしまう方もいらっしゃって、ジャンヌさんはその内の一人という訳です」

リツカ「ようはテンション爆上がりしちゃった結果ああなっちゃったってこと」

リュージ「どういうこと?」

リツカ「ちなみにオルタの方は厨二病が発症してオタクになったよ」

リュージ「なんで???」

リツカ「さぁ…で、その後はオルタに助けられたんだっけ?」

リュージ「そういえばそういう話やったな。まあ助けられたっていうか勝手に喧嘩になって2人でどっか行ってしもたって感じやけどな。でも助かったんは事実やしジャンヌオルタさんには後でお礼言っとかんと」

リツカ「そしたら今までに乗った馬の話をしてあげればいいんじゃないかな」

リュージ「え、そんなんでお礼になるん?」

マシュ「ジャンヌオルタさんは創作活動がご趣味ですから、きっとリュージさんと愛馬のお話は創作意欲の良い刺激になるかと!」

リュージ「ふーん…二人がそう言うんやったら間違いないか。また今度会った時に話してみるわ」



後日

カルデア・食堂


リュージ「…これで一通り話し終わったかな。どうやった?」

ジャンヌオルタ「め………」

リュージ「め?」

ジャンヌオルタ「めちゃくちゃいい話じゃない!ちょっとマスター!次の本の構想を思いついたわ!早速ネタ会議よ!」

リツカ「まだ冬だよオルタ」

ジャンヌオルタ「何言ってんのマスター!同人作家は年中戦場なのよ!入稿前だけ頑張ればいいとかそういう話じゃないの!それにネタはいくつあってもいいんだから!できる作家は出来る時にやっておくものなのよ!」

リツカ「ぬわー!担いでいかないでよオルター!」

リュージ「…行ってしもた。もしかしてお気に召さんかったかな?」

マシュ「いえ、ジャンヌオルタさんは創作意欲が高ぶるとああやってマスターとネタ会議をするのが定番の流れなので、リュージさんのお話はジャンヌオルタさんの琴線に触れたのだと思います。なので心配しなくても大丈夫ですよ」

リュージ「そっか…なんか自分の話がこうやって人に影響を与えるのってちょっとむず痒いけど嬉しいな」



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