少女の陥落
藤丸立香のマイルーム。夜の静寂に包まれているはずのそこは今、少女の吐く荒い息と充満する性臭によって、これ以上ない程落ち着かない空間と化していた。
「はーっ♥ はーっ♥ はーっ♥ …っ…は、ぁあん…♥」
ベッドの上に、四肢をだらしなく放り出した全裸の少女がいる。白濁に塗れた少女は仰向けのまま、開かされた股間からザーメンを流し続けていた。
彼女の名はカレン・C・オルテンシア。ギリシャ神話の愛神エロースと、ローマ神話の愛神アムールの疑似サーヴァントだ。
そんなカレンを貪り尽くしたのは、やはりというべきか藤丸立香だ。
結論から言おう。───カレンは、立香を弄ぼうとして返り討ちに遭った。
カレンはまず、テンションの上がったゴッドカレンやデビルカレンの姿で立香をわからせようとした。男に身を捧げて悪魔を祓う彼女の日常……その延長として、数多の人妻を堕としてきた立香の女性関係を矯正しようとしたのだ。
しかし、結果は惨敗。カレンはわからせ返しを喰らい抱き潰され、無様な雌声を上げ続ける羽目になった。もうこの時点で負けているようなものだったが、カレンに対する報復はこんなものでは終わらなかった。
法悦の海に溺れたカレンに令呪を使った立香は、二臨……要は素面の彼女をも抱き潰した。神の側面……「アムールはともかく、エロースの側面まで出ていたのだから仕方ない」という言い訳すら許されない形で、カレンは完全敗北したのだ。
「しら、ない…♥ こんなのっ…♥ しらないぃぃい…♥♥♥」
立香がカレンに与えたのは、これまでの人生でカレンが知らなかったタイプの快楽だった。
それ即ち、エロース。カレンが否定しながらも、その実本当の意味では知らなかったものだ。
しかし、それも仕方のないことだろう。被虐霊媒体質ゆえに『愛し合うセックス』と無縁だった彼女が、エロースの一端しか知り得ないのは当然ですらある。
「…カレン、満足してもらえた?」
立香がカレンの顎をくいっと持ち上げ、その唇にキスを落とす。それだけでカレンは胸をときめかせてしまう。
「ッッッ♥♥♥ …し……主の愛に比べればまだまだですが…♥ …はぁ、ん…♥ え、エロースに耽溺するのも、中々悪くはない……ですね…♥」
…カレンがAランクで保有する鋼の信仰スキルには、恐怖・魅了・Buster攻撃に対し耐性を発揮する効果がある。
しかし今、スキルの魅了無効効果にはある注釈がついた。『藤丸立香は除く』という注釈だ。それに伴い、スキルランクにもマイナス補正が追加された。…立香の前でだけ働く補正が。
───つまり、つまりだ。鋼の信仰は、真実の愛を知った瞬間フォンデュのように融け落ちたのだ。
この熱い夜以降、カレンは立香に抱いた想いのままに、彼の守護天使として公私問わないサポートを行うことになるが、それはまた別の話…。
───
〈クラススキル弱体化〉
鋼の信仰:A
自身に〔恐怖〕無効状態を付与
自身に〔魅了〕無効状態を付与
自身のBuster攻撃耐性を少しアップ
↓
鋼の信仰:A-
自身に〔恐怖〕無効状態を付与
自身に〔魅了〕無効状態を付与(藤丸立香が発動させたものには無効▼)
自身のBuster攻撃耐性を少しアップ
〈スキル強化〉
魔力放出(愛):A
自身のQuickカード性能をアップ(3ターン)
自身のArtsカード性能をアップ(3ターン)
自身のBusterカード性能をアップ(3ターン)
自身のNPを増やす(最大20%)
敵単体のチャージを減らす
↓
魔力放出(性愛):A+
自身のQuickカード性能をアップ(3ターン)
自身のArtsカード性能をアップ(3ターン)
自身のBusterカード性能をアップ(3ターン)
自身のNPを増やす(最大50%)▲
敵単体のチャージを減らす
マスタースキルのチャージを2進める▲