小鳥と兎

小鳥と兎


とある夜のお話…

ミヤコ「RABBIT1、対象の屋敷に潜入しまし…おや?」

ホシノ「よーし、侵入成功。後は手筈通りに…ん?」

「「……」」

サキ『どうしたRABBIT1、敵に見つかったか?』

ハナコ【どうしましたか1号さん?何か見つけましたか?】

ミヤコ「…相手の情報を持ってますか?」ボソッ

ホシノ「…屋敷の地図ある?」ボソッ

スッ

ユキノ『どうした?何があった?』

ヒナ【1号、返事して】

ミヤコ「…RABBIT及びFOXへ連絡です。対象がクロだと判明しました。これより鎮圧に入ります。RABBIT3、4はヘリで上空で待機。RABBIT2はFOX1と正面、FOX2、3、4はそれ以外の個所から逃走する組織のメンバーを拘束してください」

サキ『はぁ!?』

ホシノ「もしもし~6号7号、屋敷の地図手に入れたからそっちに送るね~。それで見たらわかると思うけど隠し通路の出口、潰しといて~。私はちょっと制圧してくるから」

ハナコ【えっ?ホシノさん!?】

ユキノ『待て、RABBIT1!たった一人で制圧するつもりか!』

ヒナ【…本当に一人で大丈夫?】

ミヤコ「問題ありません」

ホシノ「安心して~」

「「強力な助っ人がい(まし)たから」」


数分後

ドガーン!

ドドドドドドドドド

ボス「おい!たった二人をなんで止められないんだ!?」

部下A「二人とも頑丈な上にすばしっこいんです!」

ボス「例の部屋に誘い込め!四方から集中砲火だ!」

ホシノ「うんうん、教えたことを今でも覚えていておじさん嬉しいな~」

ミヤコ「そちらも、牢屋生活で腕がなまってないようで何よりです」

ホシノ「うへぇ~、言うようになったね~。そっちこそ料理ばっかりで腕なまってない?」

ミヤコ「安心してください。おかげさまで料理は大好評です!」

ドーン!

ボス「今だ撃て!」

ズドドドドドドド

ホシノ「甘いよ!」

カンカンカンカン

部下A「やっぱ硬い!?」

ダッ!

ミヤコ「ハァ!」

部下A「跳んだぁ!?」

ジャリン

ボス「シャンデリアに乗っただと!?」

ドドドドドドドドド

部下B「ぐぁ!?」

部下C「ぎゃあ!?」

部下D「だぁ!?」

部下A「シャンデリアの上から…」

ホシノ「おっと、上ばかりに気を取られていいの?」

部下A「しまっ!?」

バンバン

部下A「ぐはぁ!?」

ボス「おのれ…二階の奴らはシャンデリアの奴を撃て!それ以外は下だ!」

ズドドドドドドドジャリン

部下E「クソッ!シャンデリアを盾にしやがって…」

部下F「おまけにシャンデリアを足場に別のシャンデリアに跳ぶとか…」

部下G「サルかお前は!」

ミヤコ「サルではありません」

ドドドド

部下E「あぎゃあ!?」

部下F「のぁっ!?」

部下G「二階に…ぎぎゃっ!?」

ミヤコ「ウサギです」

ズドドドドドドド

部下H「速い!?」

部下I「おまけに当たっても意味がない!?」

部下J「詰みじゃんこんなの!」

ホシノ「よくわかってるじゃん」

バンバンバン

部下H「ひぎゃ!?」

部下I「いだっ!?」

部下J「後ろ…にぎゃ!?」

ホシノ「悪事に手を出した時点で、詰みなんだよ」

ボス「わ、私の部下が…全滅…」

ホシノ「どうする?諦めて投降する?」

ボス「…フッ、フハハハハハ!」

ホシノ「?」

ボス「この程度で終わったとでも!」ポチッ

ゴゴゴゴゴ

ホシノ「!…地面が」

ガシャン!

ミヤコ「穴…いえゲートですか…」

ボス「その通りだとも!本来は取引先に渡す商品だったのだが致し方ない!」

ホシノ(まぁ、今回の強襲理由はその取引先(先に潰した相手)から手に入れた情報からだけどね)

ボス「見るがいい!ゲートからせり上がってくるその雄姿…」

ドドド!ヒュー…ガシャーン!ドガーン!!!!

ボス「…はぁ?」

ミヤコ「…自慢の商品はシャンデリア一発で壊れたようですね」

ボス「…はぁあああああ!?」

ミヤコ「?どうかしましたか?」

ボス「えっ!?いや普通、姿現す前に破壊する!?そこは姿が現れて起動してから攻撃してよ!常識的に考えて!」

ミヤコ「?いえ、普通は起動する前に破壊しますよね?常識的に考えて」

ボス「えぇ…」

ホシノ「…どうする?諦めて降伏する?」

ボス「…ええい!ロマンの解らないやつめ!」ガチャリ!

ミヤコ「!それは…」

ボス「…喰らうがいい!」

ヒュー…ドガーン!!ドガーン!!ドガーン!!ドガーン!!

ボス「どうだ!この部屋に隠していた特製のグレネードランチャー!威力は通常の約…」

バン

ボス「…えっ?」

ホシノ「…気は済んだ?」

ボス「…えっ、無傷…全弾喰らって…えっ」

ホシノ「改めて聞くけど、どうする?」

ボス「……降参します」


数十分後…

ホシノ「よし、全員拘束完了。いや~、戦うよりこっちの方が疲れるね~。さて…」

ミヤコ「…はい、すみません。調子に乗りました」

サキ「当たり前だ!急に一人で鎮圧するって言われる身にもなってみろ!」

ユキノ「空井隊員の言うとおりだ。きっちり始末書を書いてもらうからな」

ホシノ(1号)「いや~。自分に対する説教じゃないとはいえ、あの雰囲気は苦手だな~」

ヒナ(6号)「…だったら安心して」

ホシノ「…何が?」

ハナコ(7号)「うふふ、貴女もお説教だからです」

ホシノ「…うへぇ~。」

ユキノ「…最近は無茶な戦闘方法は控えていたと思ったが」

サキ「いったい何考えるんだ!」

ヒナ「…本来だったら私も強襲に加わるはずだったんだけど」

ハナコ「なんで急に一人でなんて言い出すんです?」

ミヤコ「…それは」

ホシノ「…だって」

「「師匠(弟子)にいい恰好を見せたかったので(から)…」」



…これは、他愛もない日常の一つ。

蛇がいなくなった今、偶々出会った小鳥(師匠)と兎(弟子)の、

ちょっとしたお話(見栄っ張り)。

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SSまとめ

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