寝取りハーレム温泉旅行・上

「じゃあ、行ってきます」
「行ってらっしゃいダーリン、皆!お土産楽しみにしてるからね!」
アルクェイドから見送りのキスを受け、手を振って歩き出す立香。その後についていく、四人の彼の妻たち。
クレオパトラにより提案された、妻の中から数人を選んでの旅行。その出発日が今日だった。なお、発起人であるクレオパトラは仕事が忙しいとのことで不参加。いずれ立香が何かしらのかたちで埋め合わせるだろう。
行先が穴場観光地の温泉旅館ということで、マスターの意向を汲み妻の中でも穏やか・冷静なタイプの面々の中から選ぶことになった。
選ばれたメンバーの一人はアルトリア・ペンドラゴン。
聖剣を持つ騎士王。本来は遠くの理想郷に伴侶を持つ身だが、夏の熱に浮かされ立香と関係を持ってしまった彼女はあっという間に立香の虜になった。
選ばれたメンバーの一人はパールヴァティー。
聖杯戦争の関係者を依り代とした疑似サーヴァント。最高神シヴァを夫に持つ身ではあるものの、その人格は依り代の少女と混ざり合いどちらの元の人格とも微妙にズレたものとなっている。豊満な肉体を持て余した彼女が、信頼を寄せるマスターに身体を委ねるのにそう時間はかからなかった。
選ばれたメンバーの一人は浅上藤乃。
現代の超能力者であり、抑止によってサーヴァントとして選ばれた人間。本来は家庭を持っているが、サーヴァントとしての肉体は学生の頃のもの。順調に信頼関係を築き、姉弟のようであった二人の関係は程なくして男女のそれとなった。
選ばれたメンバーの一人は両儀式。
藤乃と同じく超能力者であり、抑止によってサーヴァントとして選ばれた人間。家庭を持っているが肉体はそれより若い頃のものであるのも同じ。肉欲を持て余し、空気に当てられて立香と交わり、やがて彼の妻となった。
「パールヴァティーとこうして並んで歩いていると、貴女の依り代となった少女のことを思い出します。まさか同じ男性の——それも、彼以外の——妻として再び会うことになるとは。……失礼、貴女の人格は女神としてのそれに近いのでしたね」
「いえいえ、お気になさらず。昔話に浸りたくなることは誰だってありますよね……あれ、アルトリアさんはサクラがマンションに来たことはご存知ないのでしたっけ?」
「何と、そうなのですか?その、ここ最近は旅行先での食事に気を取られていまして……奇妙な運命もあるものです。戻ったら挨拶をしなければ」
「……まさかと言えばオレもだな。浅上と同じ男の妻になって、一緒に旅行とか。アイツとよろしくやってる方のオレが見たら腰抜かしそうだ」
「私も、こんな風に式さんと仲良くなるだなんて思いませんでした。意外でしたけど、なんだか嬉しいです」
談笑しながら歩く四人の美少女とそれを率いる一人の青年という図は本来非常に目立つものだが、魔術的な細工により怪しまれることはない。堂々と惚気話をしながら歩くことさえ可能である。
ちなみに、万が一関係を尋ねられた場合の配役はアルトリアが遠縁の親戚、パールヴァティーが親戚の桜、藤乃が姉、式が妻である。妻の座は公平にくじで決めたもの。当たりを引いた式が小さくガッツポーズをしたのを立香はしっかりと見ていた。
「そうだ皆さん、最近夜の方はどうですか?」
にわかに、パールヴァティーがそう尋ねた。周囲に聞かれることはないとはいえ、白昼堂々猥談を始めようと言うのだからさすがに立香は驚いた。
「パールさん?ちょっと、恥ずかしいんだけど……」
「へえ、まだ恥の感情とかあるんだ?結構な数の奴が野外プレイしてるって聞いたけど」
「それとこれとじゃ恥のジャンルが違うと思います」
僅かな嫉妬を込めて式が立香を揶揄う。別に自分もしたい訳ではないが、ティータイムやら酒の席やらで惚気話を聞かされ続ければ思うところが無いわけでもなかった。
「とはいえリツカ、私たちは貴方の妻ですから。長旅になります、話題がそちらに向くのは避けられぬことかと」
「そうなの……?」
アルトリアの語ることは事実である。基本的に、立香の妻たちの会話の話題といえば真っ当な惚気と夜の惚気が大半を占める。場に立香が居ると大抵すぐ甘い空気になるため、彼が妻たちの女子会の様子を知ることは今の今まで無かったが。
立香が呆けていると、藤乃が彼の前に回り込んできた。愛らしい笑顔に、かすかな嗜虐心をにじませて。
「ふふ。ねえ立香さん、藤乃は少し意地悪をしたくなってしまいました。普段はあなたが藤乃に意地悪をしているのですから、少しくらい、ね?」
止めようとする立香の口に指を添えてウインク。色事に長けた玉藻前直伝のテクニックである——彼女からすれば、他の女に共有してもアドバンテージを失わない小技ではあるが。とはいえ、同じ技でも使い手が変われば効果も変わるもの。
女を知らぬ少年のように頬を染める夫を見て、満足げな表情で藤乃は語りだした。
「皆さん、アビゲイルさんはご存知ですか?
「ええ、フォーリナーの。
「彼女の服、とてもかっこいいなあ、と、前々から思っていて。
「いえ、普段の服でも水着でもなく。
「彼女風に言うなら『悪い子』のアビゲイルさんの服です。
「……うーん、皆さんも立香さんと同じ反応ですか。
「ともかく、そういう訳で……ハベトロットさんにお願いをして、作っていただいたんです。
「それを着たところを立香さんにお披露目したら、とても激しくされてしまいまして。
「それはもう、獣のように。
「本音を言うと、もう少し丁寧に愛でていただきたかったです……すぐさま押し倒されて貪られてしまったので。
「さすがに私が着るには布面積が少なすぎますし、普段より強く求めてもらえないかなあと、薄々期待していたのも確かなのですが。
「……え?さすがにそれで立香さんを責めるのは酷、ですか?
「布面積の問題ではない……?
「そ、そうなんですか……?
「いえ、贅沢なことを言っているとは思っていたのですが……そういう話でもない、と。
「ええと、では、その」
眼を泳がせていた藤乃はそこで一旦言葉を切り、立香の耳に唇を寄せて囁いた。
「『悪い子』の藤乃に、お仕置きしなければなりませんね……♡霊基に紐付けしてありますので、いつでも着替えられますから。是非とも、この旅行中に♡」
「……魅力的な提案だけど。折角の新しい服を碌に褒めてあげなかったのも確かだし、トントンってことでいいかな?お仕置きじゃなく、普通に、さ」
「っ、もう♡そんなことを言って、また私に意地悪をしてしまうのでしょう?ズルい人」
そのまま口づけを交わすのではないかというほど甘い空気を垂れ流す二人を、アルトリアが咳払いして現実に引き戻した。
「……嫉妬を通り越して温かい気持ちになりますね。
「さて、次は私で構いませんか?
「最近の営みで印象に残っているのは、姉上との3Pですね。
「どちらがよりリツカを満足させられるかという話になり、後は売り言葉に買い言葉と言いますか……。
「勝ち誇った顔でパイズリを見せつけられたので、密着ベロキス対面座位を見せつけてやりました。
「胸が小さい方が、互いの鼓動が伝わるほど密着して抱き合える、というのを彼女は理解していないようでしたので。
「その他にも三人で舌を絡ませあったりWフェラなど色々……後半は勝負の体を成していなかったように思いますが。
「あの時はリツカから引き分けの判定が下されましたが……正直なところ、どうだったんですか?
「一番興奮したのがWフェラとその後のザーメン受け渡しレズキスだったから正真正銘の引き分け……なるほど。
「妻同士の接吻というのは、それほど殿方の興奮を煽るものなのですね。
「これは良いことを聞きました、共有しておきましょう……おっと、列車が到着したようですね」
猥談しながら移動しているうち、いつの間にやら駅のホームに着いていた。スローな旅をモットーに在来線での移動を選んだ一行だったが、実際の所一分一秒でも長く夫を占有したいという思いが理由の七割である。厳密には四人による寡占なのだが、それでも普段よりずっと競争率は低い。
旅行シーズンは外れているため、車内はかなり空いている。下調べ通りボックス席のある車両だったので席を確保。式とアルトリアが立香をはさんで座り、その対面にパールヴァティーと藤乃、という席順である。
一息ついたところで、パールヴァティーが猥談を再開した。
「式さん、先に話しても大丈夫ですか?」
「ああ。正直、何話すかまだ決まってないしな」
「では、お言葉に甘えさせて頂きます。
「一番印象に残っているのは、依り代の少女……サクラと一緒に抱いてもらった時のことですね。
「私だけでなく、ドゥルガーとカーリー、春日局さん、それからカーマ。
「サクラを依り代にしている彼女たちも一緒でした。
「お恥ずかしい話、マスターに発情しているサクラを見て私たちも火照ってしまいまして……カーマだけは、私たちだけズルいということで参加してきましたが。
「これほどの大人数なら、ちょっとぐらい優位に立てるんじゃないかななんて思いましたけど……。
「実際は食べ放題バイキングといいますか、食べ比べセットといいますか。
「カーマは特に羨ま……ひどい目にあっていましたね。
「ほら、姿を変えることが出来ますから……その分私たちより多く貪られていました。
「それで私たちへの責めがおろそかになるわけでもないのが、マスターの凄いところですよね。
「身体は私、それから春日局さんが一番サクラに近いので、三人の弱点は同じなのか確かめるように突かれて。
「サクラも同じようにナカの天井と、それから喉の奥も弱かったのですが……元旦那さんとの営みでは、口は前戯でしか使っていなかったそうで。
「それを犯すように扱われたものですから、羨ましいくらいの乱れ様でした。
「カーリーとドゥルガーは、胸をティッシュ代わりに使われていましたね。
「大きさは一番大きい姿のカーマと同じくらいだと思うのですが、マスターを堕落させるという名目で煽って抱き潰されるのが基本のカーマと違って、あの二柱は従順に奉仕するタイプですから。
「単にティッシュになるだけでなくパイズリでも奉仕して、匂いが取れなくなりそうなほど谷間に精液を貯めこんでいましたね。
「霊体化すれば問題ないのでしょうけど、滅多なことではそうしないと思います。
「私が二柱の立場だったなら、当分は自らを慰めるためにもそのままにしておきますから。
「最後には全員平等に、しっかりと密着して子宮に種付けして貰いました。
「サクラは人間なので、妊娠してもおかしくないのですけど……『子どもは欲しいけど、出来たら暫くお預けになっちゃいますし……贅沢な悩みですよね、えへへ』と笑っていました。
「私たちサクラを依り代にしたサーヴァントと相性が良い以上、大本のサクラ本人ともそうなのは当然の帰結なのですけれど……それにしても見事な堕ちっぷりでした。
「ふふ、そのうち彼女たちとも旅行に行きます?
「今回私が選ばれたので、当分先になると思いますけど」
「ひーふーみーよーいつむー……7Pって、マジかおまえ。
「相変わらず絶倫だな、まったく。
「さて、話すとしたら……フザけた恰好させられた時かな。
「セイバーのオレが逆バニーとかいう胡乱な衣装着てマスターとシやがった所為で、オレにもコスプレしてくれってせがまれてさ。
「昔カルデアで酔ったマシュが着てた、デンジャラス・ビーストとか言うやつ。
「あんまりコイツがしつこいもんだから、一回だけって約束で着てやったんだけど……その一回を余すことなく堪能された。
「結局何時間続けてシてたんだっけ?お陰で酒の席で散々詰られた、一人で独占しすぎだってな。
「おまえが逃がしてくれなかったなんて言ったら火に油だろ?
「そういう意味でも、二度とコスプレはしてやらないからな。
「は?
「着てくれたらあの時よりもっと激しく?
「……別に、興味ないな。
「あの時だって、ただ乱暴で、大して気持ちよくなんか——動画?
「ちょっ、それは駄目だろ!?
「認めなかったらここで再生するって、いや、ぐっ……!
「……分かったよ、気持ちよかった!
「これまでにないくらい求めてもらえて正直嬉しかったし、頼まれたらまた着てやらんでもない!
「……はあ、これで満足か?
「そこまで言えとは言ってない?
「うるさい、いいだろ別に。
「ここまで来たらほとんど誤差だ。
「って言うか、再生したらどっちみち俺が感じてたのバレるだろ。
「自分の口で認めさせるのが興奮する?
「おまえ、大概変態だよな……今更だけど」
恥ずかしいと言っていたのはどこへやら、積極的に式を揶揄う立香。多くの妻を満足させる性豪の彼である、場の空気がそちらに傾けば自然女殺しの顔を見せる。
と、四人全員が惚気たところで立香の腹が鳴った。気づけば太陽は中点を過ぎている、腹が減るのも道理。ピンクの空気も弛緩し消え失せたので、一行は駅弁を広げ昼食をとることにした。
「久しぶりだな、こうやって電車の中で食事するの」
「かつての現界でもそういった機会は無かったので新鮮です。……ところでリツカ、その唐揚げを分けてもらえたりは」
「いいよ。はい、あーん」
「んむっ。……ふむ。味は料理を得手とする方々のそれには及びませんが、決して悪いわけではありません。移動中の食事というシチュエーションも加味すれば、食事体験としては高級店のそれにも並ぶかと」
「ピクニックもそうですけど、普段とは違う場所で食べる食事はなんだか美味しく感じますよね。はい、マスター。口を開けてください、卵焼きをどうぞ」
「ありがとう、パールさん。……うん、美味しい」
「弁当の卵焼きって貴重価値があるよな。弁当屋のでもなきゃ単なる既製品だけど、妙に美味く感じる」
「やはり一個しか入っていないのが重要なのでしょうか。ショートケーキの苺も特別感がありますよね。……あら、このコロッケ美味しい。立香さん、一口いかがですか?」
「ありがと、藤乃さん」
そんな調子でおかずをおすそ分けしたり食べさせあったりと、いちゃいちゃしながら食事をした一行。
ごちそうさまでした、と手を合わせ片付けると、到着まではあと小一時間ほど。
「まだ少し時間がありますね。旅館でするプレイ、決めておきますか?」
「いいな、それ。どうせ暇だし。えーと、部屋に露天風呂ついてるんだっけ?贅沢だな……ま、変態のおまえ的には使わない手はないだろ?あとは……大浴場は混浴みたいだな」
「旅館と言えば浴衣ですし、着たまま……といきたいところですけど、汚れちゃいますよね」
「その点は抜かりなく、姉上から痕跡消去用の魔術道具を頂きました。まあ、次回の旅行のメンバーになるよう口利きしろと言われてしまいましたが」
「最終的には立香さんの意思が最優先ですからね。そういえば、旅館の売店は何時まで?」
「夜の十時までみたいです。近くにコンビニがあるので、マスターの水分補給や夜食は問題ないと思いますよ」
「……おいおい、もう勃起してるのか?確かに、自分の女たちが顔つき合わせて夜の計画立てるなんてのは興奮するシチュエーションだろうけど、そろそろ到着だぜ?認識阻害の魔術があるとはいえ、勃てたまま町歩くのか?」
「そんなに心配するのなら、式さんが抜いてあげたらどうです?立香さん、喜ぶと思いますけど」
「心配なんかしてない。……そうだな、むしろまともに歩けないくらい勃起させてやるか」
言うや否や、式は立香の耳をれろと舐める。
「おまえ、前戯だと結構受け身になってくれるからな。優位には立てるうちに立っといたほうがいいだろ?」
(本番だと負けるのが前提みたいな物言いですけど、気づいてないんでしょうか、式さん)
「あら、楽しそうですね。絶対にバレませんから、勃起したままでも問題ありませんし……私もイタズラ、しちゃいましょうか♡」
「では、私も便乗させていただきます」
パールヴァティーは靴を脱ぎ、蒸れたタイツ足を立香の股間に差し向ける。
アルトリアは式と同じように耳を舐め、立香の腕を抱き寄せる。
「あらあら……一人ぐらい、立香さんの味方をするべきでしょうか。そうですね、私と触れている間はいったん責めを止める、とかどうでしょう?」
「役得狙ってないか?浅上に触れ続けて離れなかったりインターバル挟まずに触れたりするのはルール違反ってことにするからな……んれ」
「責めに耐えて旅館に辿り着けばリツカの勝ち、耐えきれず街中で精を吐き出してしまえばリツカの負け、でどうでしょう……んっ」
「マスターが勝てば、そのまま昂ったものを藤乃さんにぶつけて……よいしょっ。私たちが勝てば、そうですね……全員から言うことを一つ聞いてもらう、とか」
「じゃ、それで決まり。れろ……ほら、もうすぐ着くぞ。ちゃんと歩けよ?」
藤乃に手を引かれて立ち上がり、前かがみになって歩く立香。
左右から式とアルトリアが自らの腰を抱かせながら淫語を囁き、後ろからはパールヴァティーがその豊かな胸を押し付けるように抱き着いてくる。
このままではそう遠くないうちに限界が訪れると悟った立香が藤乃に視線で助けを訴えると、手を二人の腰から剥がし優しく包み込んだ。
「はい、休憩です。皆さんも離れてくださいね」
「はーい♡マスター、大分顔が赤いですね。これはひょっとすると、ひょっとしたりします?」
「こいつ、割とマゾなところあるよな。普段はオレらのこと抱き潰すのが基本だけど……メイヴとかシェヘラザードとか、経験豊富な奴相手だと受けに回ることもあるらしいし」
「旅行というシチュエーションも上手く作用したのでしょうか。さて、そろそろ休憩終わりかと」
「はーい。立香さん、頑張ってくださいね♡」
「っ、うん……」
藤乃が手を放し、三人が再び立香を取り囲む。
「はい、それじゃあ我慢再開です♡私のおっぱいどうですか?」
「歩くのが辛いのであれば、もっと強く掴んで構いませんよ?もう少し手を下にズラせば、あなたに育てられてしまったお尻もあります」
「セミラミスから聞いたけど、囁く時は声を低くすると反応良いらしいな。この中だったらオレが一番低いけど……はは、どうやら本当みたいだ。ほら、オレの声に集中しろ」
「ふっ、ぐ、あっ、きゅ、休憩っ」
ほんの数十秒で限界を迎えた立香。思わぬ好感触に三人は色めき立つが……そこで予想外の事態が起こった。
休憩のため立香から離れ、藤乃が近づいた瞬間——絶頂寸前で足元のおぼつかなかった立香が転び、自然、藤乃が受け止めるかたちになり。正面から女性特有の匂いや柔らかさを食らった結果。
「あ゛っ、ぐ、でっ——あっ、うっ」
「あっ……」
立香は完全に限界に達し、藤乃に抱き着きながらがくがくと腰を震わせ精液を漏らした。
息も絶え絶えの立香の頭を、藤乃は優しく撫でる。
「よしよし、大丈夫ですよ―……藤乃が受け止めてあげますからね―……」
「ぅ、藤乃さん……」
「……悪い、マスター。ちょっとはしゃぎすぎた」
「ああ、いや、大丈夫だよ式ちゃん。嫌だったらちゃんと言ってるから」
「式ちゃんはやめろ。なんで浅上は藤乃さんでオレは式ちゃんなんだ……ほら、下脱げ。せめてもの詫びだ、奇麗にしてやる」
脱げ、と言いつつ自分で立香の服を脱がせる式。精を吐き出し終え僅かに萎んでいた男根を咥え、舌で精液を舐めとっていく。
「……っ、式っ、また勃っちゃうから」
「ん……ふう。何か問題あるか?嫌ならちゃんと言ってくれるんだろ?」
「……無い、です」
「正直でよろしい。奇麗になったし、続きは部屋に着いてからな。下着が濡れてるけど、それぐらいは我慢しろよ」
「……落ち着いたところで、私からも謝罪を。加減を見誤ったようです」
「ごめんなさい、マスター。私もテンションが上がっていたみたいで、つい」
「なにも謝らなくても……その、良かったというか、責められるのも割と好き、だから」
「もう、立香さん?そんなことを言われると私まで意地悪したくなってしまいますよ?」
「はいはい、どうせ気づかれないとはいえ街中だからな、ここ。オレが言えた義理じゃないけど、これ以上盛るのはやめとこうぜ。そろそろ旅館のチェックインだし」
一行は旅館へと向かう。……藤乃は立香と腕を組みながら。胸の谷間で腕を挟むようにしているので、立香の勃起が治まることは無かった。
「五名で予約している藤丸です」
「藤丸様でございますね、少々お待ちを……こちら、星の間の鍵でございます。それにしても皆さん美人ですねえ、ご家族?」
「はい、家族と親戚で……」
「姉の藤乃です♡」
「あら、やっぱりお姉さんだと思ったわ、雰囲気が似てますもの。それにしてもお若いのねえ、そちらのお姉さんは?」
『式さん、配役は覚えてますよね?せっかく私に勝ったのですからきちんと、ほら』
「……つ、まの、式、です」
「あらあら、顔を赤くして……あっと、ごめんなさいね、年を取るとすぐ世間話ばかりしちゃって。ご案内いたしますね」
仲居の老婆の世間話により口に出して妻を名乗らざるを得なくなった式。決まった時は内心喜んでいた割に本番でこの調子なので立香は内心かなり昂った。
「こちらが星の間でございます、どうぞごゆるりと。お食事は予約時のままでございましたら19時にお持ちいたしますが、変更いたしますか?」
「大丈夫です」
「失礼しました、では後程」
老婆が襖を閉め去っていく。
「さて……式」
「っ、なん、だよ」
「どうしてさっき照れたの?」
「うぐ……いや、そのだな。改めて口に出すとなると、認めるというか噛み締める感じが、ちょっと」
「式さんは純情というかなんというか……私だったら笑顔ではっきりと言えますけど、立香さんの妻だって」
「オレの柄じゃないんだよ、そういうの」
「じゃあなんでじゃんけんに参加したの?」
「……おまえ、怒ってる?」
「別にそういうわけじゃないけど。でも気になるなあ」
「はあ……一人だけ妻を名乗れる機会があって、それを自分から蹴るのは、その……嫌だった。いいだろ、わた……オレだって、お前の、その、妻、なんだから」
「……可愛いなあ式は、本当にもう」
「あっちょ、コラ……!いきなり盛るなっての!」
「リツカ、昂るのは構いませんが少々我慢したほうが。まだ旅館ならではの行為など一つもしていないのに潰してしまっては勿体ないでしょう?」
「注意の仕方もっとあるだろ……」
「とりあえず、私飲み物とお菓子買ってきますね」
「あ、じゃあオレも行くよ」
ということで、売店に向かったパールヴァティーと立香。そこで意外な人物を見つける。
「あれ、虞……先輩?」
「立香じゃない。何してるのよこんなとこで」
「オレは皆と旅行に。先輩もですか?」
虞美人。立香の先輩であり、かつては項羽の伴侶、そして今は立香の妻の一人。珍しいことにマンションには住まず方々を渡り歩いている、彼女の性分なのだろう。
「そうよ、この辺に美味い蕎麦屋があるって聞いて。向こうのインドの女神以外だと一緒に来てるのは誰?」
「アルトリア……青いセイバーのアルトリアと式、藤乃さんです」
「いっぱいいる中で特にシンプルなのと、変な眼の娘と、妙な眼の娘ね」
「たぶん先輩が思い浮かべてる人で合ってます」
「ふぅん……何日ぐらい滞在するの?」
「二泊三日で、明日は昼間観光に行って明後日に帰ります」
「そう。気が向いたわ、部屋教えなさい」
「え、それって」
「いちいち言わせるんじゃないわよ、女の扱いが上手いんだか下手なんだか」
「あはは……オレたちは星の間にいます。じゃ、また後で」
「マスター、買うものは決まりましたか?」
「うん。それと、今そこで虞先輩と会ってさ。部屋に来るって」
「あら、素敵な偶然ですね。それじゃ、お会計済ませて早く戻りましょうか」
「ただいまー。あ、先輩。もう来たんですね」
「どうせ部屋にいても一人だもの。素泊まりだから食事の時間も気にしなくていいし」
「なるほど。あ、そうだ先輩。移動中、皆それぞれオレとの夜の話してたんだけど、先輩も話してくれます?」
「は?イヤよ、私に何の得があるわけ?」
「ほら、先輩マンションに住んでないから他の皆との関わりが薄いじゃないですか。この機会に親睦を深めてほしくて」
「だからってやり方ってモノがあるでしょ……せめてもう少し頼み方を考えなさい」
その言葉に、立香は顎に手をやって考え。数秒して、虞美人に近寄り、こう囁いた。
「オレの妻なら、他の妻とも仲良くあってほしいからさ。駄目かな、虞」
「……やればできるじゃない。最初からそうしなさい」
立香から顔を逸らし、ぶっきらぼうにそう告げる虞美人。彼女の顔に赤みが差しているのは誰の目にも明らかだった。
「最後に立香と寝たのは、数か月前マンションに寄った時ね。
「そんなに間が空いて耐えられるのかって?
「あんた達が色ボケすぎるだけでしょうに。
「……まあ、溜まるのは否定しないわ。
「今更自慰で満足できるはずもないし。
「立香の方も私を抱くのは久しぶりだから、かなり激しくされたわ。
「大して変なプレイとかはしてないけど……組み敷かれて名前を呼ばれるのが一番クるわね、求められてる感じがして。
「あとは……口での奉仕を促されるのも、ゾクソク来て嫌いじゃないわね。
「そうね、まぐわい以外だと一番好きと言っていいかも。
「顔にペニスを押し付けられて、匂いを堪能しながら口で愛撫して、立香が感じてくれているところを見て。
「あんた達も似たようなこと思ってるでしょ?
「……何よ。
「あっさり口にしたから驚いた?
「ああ……まあ、立香に堕ちる前の私のイメージのままならそうかしらね。
「別に、あの方が嫌いになったわけじゃないわよ。
「ただ、こうも心を預けられる止まり木ってのもそうはいない訳。
「そういう星の下に生まれたのかなんなのか、男の英霊が呼ばれる気配は微塵もないし。
「あとは、まあ……なんだかんだと言って、寂しかったのかしらね。
「立香に出会う前と後じゃ、旅をするにも心持ちが全然違うもの。
「そう考えると、あんたに会えて良かったわ。
「ふふ、そう。
「……ええ。虞も、貴方をお慕いしております」
急激に惚気の方向性を転換し、立香と二人の世界に入った虞美人。四人が見ているのも気に留めず、啄むようなキスを繰り返している。
と、コンコンとノックの音が鳴った。慌てて立香が時計を見ると、いつのまにか19時になっている。
「お食事をお持ちしました、入ってもよろしいでしょうか」
『あら、食事?私は一応霊体化しておくわね』
『うん、お願いします』
「大丈夫です、入ってください」
仲居の女性が手際よく配膳し、あっというまに豪勢な料理が卓の上に並んだ。
「失礼します」
「ありがとうございます。……うわ、すっご」
「早速頂きましょうリツカ、早く食べねば食材や料理人に失礼です」
アルトリアが涎を垂らしながら促す。暫しの間、一行は旅館の料理を堪能した。
「いやあ美味しかった。さて、食休みしたらお風呂にしようか」
「大浴場もありますが……部屋の露天風呂にしたほうが何かと都合がいいでしょう」
「魔術的な隠蔽はありますけど、ちょっと気が引けますものね」
「しっかし、部屋に露天風呂とか随分高い部屋を選んだものね。ま、あんたらのとこは社長やらCEOやらがぞろぞろいるし当然でしょうけど」
というわけで数十分後。立香の眼前には非常に贅沢な光景が広がっていた。
絶世の美女たちが、その魅惑的な肢体を惜しげもなく晒している。
「おお……皆が一斉に裸になるの、すごくいい眺めだ」
「エロ親父みたいなこと言わないでちょうだい……と思ったけど、うん。確かにこれはいい眺めね」
「皆リツカの妻に相応しい身体ですからね。私は……まあ、胸はそれほど育っていませんが」
「たいていのヤツは前より大きくなってるよな、特に尻」
「立香さんはお尻を揉むのが好きですからね。男の人からすると、行為中手持ち無沙汰な時触りやすいところにあるのでしょうか」
「確かに、キスする時とかも揉まれること多いですね。おかげでどの服でもお尻が目立つようになってしまいました」
「で、それ見て立香が興奮すると。永久機関ね」
そんなことを話しながら、脱衣場から露天風呂へ移動する一行。最高級の部屋だけあり、露天風呂もなかなかに広い。
「では、立香さん。誰が貴方の身体を洗うか、選んでいただけますか?」
「うーん、そうだな、じゃあ……せんぱ、じゃなくて。虞、頼んでもいい?」
「——ええ、承りました。それでは失礼します、立香様」
虞、と呼びかけられた彼女は纏う空気を“先輩”から”妻”のそれに切り替え、奉仕を始める。
先ずは普通に洗髪を始める。丁寧に、立香がリラックスできるように。
「かゆいところはありませんか?」
「大丈夫、力加減もいい感じ」
一通り洗髪を終え、ボディーソープを手に取る虞美人。手の平で泡立てるとそれを自らの乳房に塗りたくり、立香の背中に押し付けていく。
「お背中から洗わせていただきます。ありきたりな奉仕で恐縮ですが」
「そんなことないよ、すごく……興奮する」
「そう言っていただけると嬉しいです」
乳房で立香の背中を洗う虞美人。時折漏れる声には、単に身体を動かしているが故のもののみならず、乳首が擦れて出る喘ぎ声も混じっている。
少しすると慣れてきたのか、後ろから抱き着くようにしていた腕を上下にズラし片方は立香の乳首、もう片方は立香のペニスを触り始める。
耳に荒い吐息を流し込まれながらの責めは効果覿面で、早くも精液が上り詰める。
「あー、これすごく良いっ……も、射精そうっ」
「私が受け止めましょうか?それとも他の者に?」
「虞っ、口で、お願い」
「はいっ♡」
恋する乙女のような表情で微笑んだ虞美人は背後からの責めを止め正面に回り、立香の注文通りその口でペニスを咥える。愛する人に下品な顔を見られても構わない、むしろ見られたいとでも言わんばかりに、その端正な顔を歪め全身全霊で口での奉仕を行う。瞬く間に立香の限界が訪れた。
「うあっ、射精るっ……!」
「んごっ、ん~~~~~っ♡」
快感のあまり、手近にあったもの——虞美人の頭——を掴み、思い切り股間に押し付ける立香。喉奥に強烈な射精を叩き込まれ、虞美人は悦びと快感で絶頂した。
「あっ、ご、ごめん虞……!」
「けほっ、だっ、大丈夫です、旦那様。むしろ、いつもこのようにしてくださっても……♡」
蕩けた瞳でそう言って、お掃除フェラを開始する虞美人。ゆっくりと奥まで咥えこみ、吸い上げるように引き抜いていく。
「これで奇麗になったかと。さ、湯舟の方へ参りましょう、皆さん待っておられますから」
射精直後で気が抜けている立香に肩を貸し、湯舟へと連れて行く虞美人。
「あ、来ましたね。虞美人さん、交代大丈夫ですか?」
「ええ、どうぞパールヴァティー」
「ありがとうございます。よいしょっ……まだまだ元気ですね、流石はマスター。
「そのまま楽にしていてくださいね、胸でしてあげますから」
「んっ……えへへ、こうしてマスターにパイズリしてあげるのも何度目でしょうか。
「私、随分上手くなりましたよね。
「こうやって、両腕で締め付けて……。
「ゆっくり、焦らすみたいにっ……。
「ふふ、今のマスター、とっても素敵なお顔です♡
「普段はあれだけ私たちをハメ潰すくせに、ちょっぴりマゾで、どっちかと言うと早漏で、でも絶倫で……♡
「式さんや藤乃さんが意地悪したくなってしまうのも当然です♡
「好きです、大好きですマスター♡
「もうイキそうですか?
「なら、ラストスパートです!
「締め付けを強めて、動きも速めて……。
「思いっきり、私で射精しちゃいましょう♡
「せーの、びゅ~っ、びゅるるっ、びゅくびゅくびゅく~っ♡
「あはっ、おっぱい飛び出して私の顔にもかかっちゃいましたね。
「元気で良いことです、んっ……。
「はぁ、美味しい……♡」
顔にかかった精液を拭って舐めとり、恍惚とするパールヴァティー。と、立香のそばに、アルトリアがずいと近寄ってきた。
「リツカ、その……先ほどから、身体が火照って仕方ないのです。
「シキとフジノは閨で奉仕したいとのことで譲っていただきましたので、その。
「私を、思い切り犯してくださいますか……♡
「皆が奉仕しているのを見るだけで、すっかり濡れてしまって……。
「ですので、前戯は必要ありません。
「貴方の赴くまま、気のすむようにハメてほしいのです。
「岩に手をついてこちらに尻を……ああ、立ちバックの姿勢ですね。
「露天風呂でヤる時の定番……なるほど。
「では……どうぞ♡
「あ゛っ、お゛っっっ♡
「これっ、欲しかった、ですっ、リツカのチンポォ♡
「はっ、おくっ、突っ、ごめんなさっ、もう、イッ、あっ、はあ~~~~っ♡
「だめっ、リツカっ、わらひ今、イッて、イッてますっ、むりっ、むりっ♡
「ひぁあっ♡
「はひっ、嘘でしゅっ、嘘つきましたっ♡
「もっと突いてっ、こわれるくらいっ、おかひてくらはいっ♡
「あっ、いくっ、またっ、しゅごいのくるっ、あっ、はあ゛っ♡
「これっ、すきっ、いっ、て、るうっ、ときに、されるのっ、しゅきっ、だいしゅきぃっ♡
「ひあっ、出るって、だめっ、だめじゃないけどっ、だめですっ♡
「いまっ、ざーめん注がれたら、ほんとにこわれっ、あ♡
「あっ、は、ああっ、~~~~~~っ♡
「おく、どくどく、でてる……♡
「しゃせい、ながっ、あっ、だめ、これっ、よいんでっ、~~~っ♡
「っ、はっ、ああっ♡
「りつか、だいすきです……♡」