家庭菜園ウタ
どこまでも続く青い海
果てしなく広がる明るい空
そんな中、次の島へ向けて記録指針(ログポース)をたどるメリー号は危機的状況に陥っていた。
「腹減った…」
「黙って魚でも釣ってろ」
すなわち何度目になるのかわからない食料危機である。
「ギィ…」
「ありがとうウタちゃん…」
ナミさんのみかんの木に触発されて植木鉢で育てていたわずかな食材が一味をギリギリで生き延びさせていた。
夜な夜な冷蔵庫を漁ろうとするバカ達(稀にノリで混ざるウタも含める)との攻防の末、見事に食料はスッカラカンになってしまったのだ。
「しかしルフィ達がウタちゃんの作った保存食を盗み食いしないのはどういうわけだ?冷蔵庫は漁るのに」
「キィ?」
そういえばルフィは頻繁に食堂に盗み食いしようとするけど、干し野菜なんかの保存食に手を付けることはない。作りかけのは勝手につまんだりするけど…。
「保存食は勝手に食ったら駄目だとわかってんなら食料盗み食いするのもやめろっての」
サンジ君の愚痴に付き合いながら手伝いをしてると
『ニ"ャーッ』
「四日ぶりのメシだァ!」
「メシだァ!」
「逃がすんじゃねえ!確実に仕留めろ!」
…おおぅ。
海獣が出たからか飛び出して捕獲に行っちゃった…。