宣伝広告
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「え、えぇと…『コレ』着るの…?」
フーシャ村の酒場の店主マキノは弟のように思ってるルフィから送られてきた荷物の中身を見て困惑していた。
事の発端は二週間前のお昼のフーシャ村
プルルル!プルルル!
夜の開店に備え掃除の準備をしていたマキノは酒場に設置している電伝虫がなってるのに気づき、受話器をとった。
「はいこちらPARTYS BARのマキノです!」
「おっ!やった繋がった!久しぶりだなマキノ!オレだよオレ!」
突然オレオレ詐欺みたいなことを言い出した電話主の声を聞き、マキノは懐かしさを感じた。
「その声、もしかしてルフィ?」
「そうだよオレだよ!」
「ルフィ!よかったぁ!元気にしてる?」
その声が2年前に旅立ったルフィだと分かり目を潤ませながらマキノは喜んだ。
なんでも航海中、暇すぎて電話帳をパラパラとめくっていたら(その様子を一味たちは驚愕しながら見ていた)たまたまマキノの店の番号を見つけ、ダダンと並び母親のような存在だった彼女のことを仲間たちに話していた際に元気な声を聞かせてやれということになり電話をすることになったそうだ。
それから二人は長電話でいろいろ話し込んだ。今までの冒険のこと、エースのこと…マキノが母になったこと…そして生きて元気にしてたサボに会ったことを…
「ところでマキノー?なんか元気なさそうだけどどうした?」
「え?」
話してる最中マキノの声が元気がないことを察したルフィが尋ねる。
「えぇ、実はね…」
ここ最近、世界が荒れてる影響か不明だが、深刻なほどではないが客の入りが以前より減ってるのだという。新メニューを考えたり新しいお酒を購入するなどしているが、うまくいってないとのことだ。
「…そうだ!オレも仲間と相談してみるよ!いろいろ世話になったから役に立たせてくれ!」
「え⁉︎でも…」
突然のルフィの提案にマキノが驚く。
「いいっていいって!任せてくれって!」
「…フフ、そうね。じゃあお願いしようかしら?」
やる気になってるルフィの声を聞き、マキノは了承するのだった。
そして二週間後
仲間たちの人脈で届いた荷物を受け取ったマキノは荷物についていた封筒を開けて中に入ってた手紙を読む(封筒の中にはナミに叱られ同封されてた宝払いの分のお金も入っていた)。
仲間たちと話し合った結果、宣伝が大事だとされ、マキノが村で有名な美人だと聞いたフランキーから酒場にあるようなビールを持った美女のポスターで宣伝して店の知名度を上げることが大事だと提案され、それで話がまとまったそうだ。
「ポスターかぁ…私がモデルなら雇うこともないし…やってみるかな?」
少し顔を赤らめながら、マキノはお店のためだと決意して衣装が入ってるという箱を開けた。
「え、えぇと…『コレ』着るの…?」
そして冒頭に至った。
そこに入っていたのは上半身が水着でぴちぴちの女物のジーンズの衣装とカウボーイハットと胸元を紐で止めた服と短いミニスカートというセクシーな衣装が入っていた。
仲間の女性たちが着ていた服を貰ったらしい。
「あ、あの子…その子たちとどういう関係なのかしら…////」
弟分の少年の貞操を心配しながら二つの衣装を手に持ち、1時間ほど悩んだマキノであった。
その後…
「マキノさーん!撮影準備できましたー!」
「あ、はーい今行きます…!」
ゴア王国でそこそこ有名なポスター会社と雇われカメラマンシャシン・トーリマス氏に依頼して撮影が行われた。
「はい!ビール持って…もっと笑顔で…(パシャパシャッ!)はいOKです!素敵ですよ!」
「あ…はいありがとうございます////」
「では今度はこのポーズで…」
ポスターは村や王都の酒屋や建物の壁などに貼られ、店主目当ての大量の客がマキノの店に殺到することになるのだった。
マキノは気恥ずかしかったが、店は盛況で生活に余裕が生まれて子供の新しいおもちゃや今後必要になる勉強机などを購入することを考えていた。
その際、ルフィからの電話があり
「かっこよかったぞマキノー!」
と褒められ、頬を赤くしながらも嬉しく思うのだった。