実験:S-B 担当者:M・B

実験:S-B 担当者:M・B

小スカ

S-B(以下:対象)対象の収容カプセル内に無色透明のアメーバ状生物(以下:A)を投入した。

Aは対象に興味を示し、床部を這って接近する。対象はAを認識したのち視線を外さない。担当者の姿が視界内にあるにも関わらず対処の指示が下されないことから警戒心は薄く、Aの接触を許す。

Aは対象の脚部に向かって触腕状に肉体を伸ばし、15秒ほどで対象の頸部へ到達する。対象は口唇とその周囲を刺激され開口、Aを口内へ迎え入れる。Aは対象の咽喉へ到達。対象が反射的にAを歯で切断、節食した。(注:本実験後に行われた対象への聞き取り調査によればAは無味であった)

Aは全体の約5%を摂食されたが対象から逃げることはなく、対象の下肢にまとわりついたまま留まる。

5分経過。外見上の前触れなく対象が尿失禁する。対象の平均尿量のおよそ3倍を排出したが、大半をAがその場で吸収した。Aの体色が薄黄色に変化したのち活性化。対象の排出器官を探るような動作を始める。

担当者の判断により対象にAの鎮圧命令を下し、Aはカプセル内に体を散乱させたのち焼却された。

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