守られた物に手を出すという事は

守られた物に手を出すという事は


「遊びに来たよ⭐︎」

自室で仕事をしていると扉が勢いよく開き知った顔が入ってくる

「なんでここにいるんですか!?曲がりなりにもトリニティのお嬢様でしょう!」

言っては部下には悪いがウチは元不良が多い そんなところにお嬢様が来れば変な噂が立ってもおかしくない

「暇だったから⭐︎」

「622さんのお友達って聞いたから案内したんだけど…」

扉の後ろでツヅルが申し訳なさそうに声をだす

ため息をしながらツヅルに客用のお茶菓子の用意を頼み、ミカさんには

「後少しで仕事がひと段落するので待っていてください」

と言って仕事に戻る

その間彼女は私の仕事をのぞいたり、お茶菓子を持ってきたツヅルと先生の事などを話していた

そして仕事がひと段落つき…

「…どこか出かけましょうか?」

そう告げミカさんを連れて部屋を出る

…よく考えたら私こういう時どこ行けばとかわからないな

「で 私に聞きにきたと」

「しょうがないじゃんか 私にファッションとかお菓子の店とかわかると思う?」

そう聞くとコエは笑いながら納得しここが前にサクラコと行って美味しかったとかこのアクセサリーショップとかいいんじゃないかなどを教えてくれた

ちなみにこの間は金田と吉田に彼女の相手を任せておいた あいつらなら大丈夫 多分!


そして準備が整いお出かけ

二人で様々なところを巡りながら話をする

そしてコエに教えてもらったスイーツショップでお菓子を食べている途中

「アリウスではどんな生活だったの?」

と聞かれた

私は大人からの暴力の事・親友や仲間の事・夢があった事などを話した 彼女はただ頷いていた

「辛くないの?」

そう聞かれた時 彼女の目には悲しみとも取れる感情があった

確かに親友の事などは今でも思い出せば辛い けど今は守るモノもそれを守る力もある

「辛くないといえば嘘になります ですがあの子に報いる為にもみんなの為にも生きていきたいと思ってますよ」

と答えた それを聞いて彼女はまた明るい顔を見せる

「次の店行きましょうか」

そう告げてまた別の店に行く事にした


そうして最後にアクセサリーショップに立ち寄る事にした

「アクセサリー好きなんですね」

なんとなくそう答えると彼女は

「そうなの⭐︎あっコレとか似合いそう」

そう言って彼女はとあるペンダントを差し出す それは翼を広げた鳥に青い装飾が施されたものだった

正直ファッションとかはよくわからない私だがそれがいいという気持ちがあった

「…じゃあコレ買いましょう 2つ同じ物を」

「えっ?」

私の発言に少し驚く彼女

「まぁ二人初めてのお出かけ記念という事で」

そう告げて二つのペンダントを持ちレジに並ぶ 何故か彼女は恥ずかしそうだった

「ではまた会いましょう 今度は事前に連絡してくださいね?」

「うん!またね」

そうして帰路に着く 首にはペンダントを着けながら


その夜ペンダントを仕舞い布団に入ると携帯がなる モモトークには「大事な物だからここにしまったよ⭐︎」という文章と一枚の写真が送られてきた



そこからお互い忙しい為か出かけてというのはまだ出来なかったが連絡を取り合っていた

ある時彼女から「あのペンダント無くしちゃった」「せっかく買ってくれたのにごめんね」という連絡が来た

あの大切な物を入れていた箱をどこかに忘れたというのだから不思議なものだ

「大丈夫ですよ もし見つからないのであれば協力して探します」

と返事するとしばらく待った後「大丈夫 自分で探すよ!」と返ってきた


やはり心配になった私は直接会う為トリニティを訪れた すると

「あの魔女の焦った顔見た?」

「見た見た 必死になってたよね」

という会話が聞こえた

その会話の主を探し聞き耳を立てるとどうやらミカさんは無くしたのではなく盗まれたようだった しかし彼女らを問い詰めてもはぐらかされるだけだろう

私はその場を離れ電話をかける

「もしもしコエ?ちょっと友達の為にも手伝って欲しい事が…」


ミカさんに「案外単純なところにあるかもしれませんよ?」と連絡をいれ行動に移す

彼女らを監視しながらコエの到着を待ち、そしてコエが到着した後は人気のない場所に行ったのを確認してから連れ去る

拠点の防音付きの一室に連れて行き彼女らを降ろした後

「聖園ミカから盗んだ物はどこにある?」

と一度は優しく聞く

彼女らは状況が飲み込めていないようだったのでもう一度聞くとギャーギャーと喚き始めた 正直めんどくさいので要件を伝える

「どこにある?なんで盗んだ?」

今度は少し強めに聞くと彼女らは

「魔女に天罰を下して何が悪い!」「あの魔女が何をしたか」など自身を正当化する発言ばかりを口にする

そんな彼女らの一人を蹴り上げ、もう一人には口に銃を突きつけ話す

「アンタ達がいかに正しいかなんて興味ないから 興味があるのは盗んだ物がどこにあるか それだけだよ」

突然の暴力に怯える彼女らから離れる

「まぁ話したくなかったら別にいいよ 話したくなるまで聞くだけだから でも早く話した方がいいとは思うな」

そう告げて私は部屋の電気を消し、扉を閉めた


後日 ミカさんの宝箱が見つかったので彼女に「公園のベンチにありましたよ 今度会う時にお渡ししますね」と宝箱の写真と一緒に連絡をした

何があったのかは気づいてるかもしれないけど彼女はとても喜んでいた 

「…友達は大事にしないとね」


あっ大丈夫ですよ 盗んだ2人に関しては無事五体満足で生きてます ただ思い出すと叫び出す程度にはやりましたけど 因果応報 目には目をってやつです

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