孤独

孤独


鳥籠


アリスは『訓練』を終えて部屋に戻るとそのまま倒れるようにベッドに沈む。痛みは既にないが体が重く感じる。先ほどのモモイの姿が脳裏に浮かぶ。全てを諦めたかのような目、アリスはそんな目を見るのが辛かった。

(別の世界のモモイでも、モモイには笑って欲しいです。…でも)

そう、アリスは何も出来てない。何故この世界にいるのか。どうやったら元の世界に戻れるのか。戻れたとして…どうするのか。自分の状況すら何もわからずにベアトリーチェの命令に逆らい続けても何も改善しない

仰向けになり、手を伸ばす。しかし、伸ばした先は何もなく虚空を切るだけだ。そこには自分の相棒の武器はない。一緒に戦った仲間達もいない。孤独である事実が、心細さがアリスの体の重みだけを伝える

…今日はもう寝てしまおうか。そう考えていると

コンコンコン

部屋の扉を叩く音が聞こえた。それはアリスがここに来てから久しく聞いてなかった音でアリスの体が飛び跳ねる。慌てて服を整えて扉を開けると、そこには1人のガスマスクをつけた少女が立っていた

「話が、したい」



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