雑翻訳版
※帝国語は非常に難解な言語であるため、誤訳の存在も予想されます。ご了承ください。
「…………喉が、乾いているの。とても」
私は現在非常に喉が渇いており、このままでは以降の会議に差し支える状態にあります。知っての通り私は茶席を囲むのが少々難しい状態にありますが、どうやらここにはあそこのポットに淹れられた紅茶以外の飲料物が存在していません。無理に飲んで戻してしまってはいけませんし、唐突に毒味役の用意を申し出るのも些か角が立つかと思います。なんとかできませんか?
「……!」
あれ、本当だ…うちの側近だったら「飲み物を用意しておいてくれ」とだけ言っておけば「場の雰囲気を崩さず、毒物混入が困難なもの。ミネラルウォーターのボトルでも置いておきましょう」ってところぐらいまで汲み取ってくれるんだけどなあ。やっぱり他の人に頼んだら駄目か。気をつけないと。
「申し訳ありません。すぐに何かお飲み物をお持ちします。何かご希望のものは––––」
ごめんなさい!命令系統に食い違いがあったみたいです!すぐに何か持ってきますね。何がいいですか?
「マグダレーナ・ウォラギネラ王妹殿下。お飲み物をご所望ならテーブルの上に挿れたての紅茶がございますが?」
人の目の前で人様のボーイフレンドをパシリ扱いとはいいご身分だな。お前自分がお兄ちゃんのお情けで要職に置いてもらってるだけのアホペットである自覚とかないんか?え?飲み物ならそこにあるから勝手に取れアホンダラ
「…………」
急にしゃしゃってきて何言ってんだこいつ。私のど渇きすぎてもはや痛いしあんまり喋りたくないから無視でいっか…話して楽しい相手でもないし
「……耳にも問題がおありのようですね」
目と頭だけじゃなくて耳も悪いってもう救いようないですね
「一任します」
もう飲めるならなんでもいい…
「かしこまりました。すぐにご用意いたしますので、今しばらくお待ちを」
本当にごめんなさい!すぐ持ってきますね!
「でも、ユーゴー……!」
あなたがホイホイ言う事聞くからこのボケがつけ上がってる側面もあると思うし、いい加減厳しく言ってやった方がいいと思うの。別に言うこと聞いて得があるわけでもないし…
「……高貴なる方がそれをお望みならばお応えするのが我々の責務だ」
助かってる妹様を見ると私がたすかるので、いる(鋼の意志)
「……兄君の部下を小間使いのように使うのはおやめになったら如何ですか?」
本当にいい加減にしてくださいね。相手の優しさや立場の弱さにつけ込んで図々しく甘えるとか何様のつもりですか?
「喧しいのは嫌い。あれが命令を欲していたから与えてやったまでのことでしょう?オマエこそ、個人間の会話に勝手に割って入るのは不調法だと教わっていないのかしら」
兄の七光とかじゃなくて、個人的に何かあったら頼ってくださいねって言われてるんだもーん。というかお前、人間関係にまで口を出すのは友人に許されている権利の域を超えてるんじゃない?どの口で何様のつもりとか言ってるの?
「今回ばかりはラエンネックに賛成だな。陛下のご威光があるうちはその態度でもいいのかもしれないが、そんな事ではこの先苦労するぞ」
陛下ぶっ殺した後に困って頼られても嫌だし、さっさとまともに自立した人間としての精神を身につけて欲しいんだが
「なんだよお前入ってくんなよ」の顔
生まれてきた事自体何かの間違いみたいな人に援護されても私の正当性が担保されるどころか減る一方ですが
お前さあ。私は可愛い可愛い愛息子の顔に免じて見なかったことにしてやってるだけでバレても庇いはしないけど?
「……不思議だな」
不思議だなあ
「今の言い方はまるで、陛下のご威光が途切れる時が来るのを予期しているかのようだ」
今の言い方はまるで、陛下のご威光が途切れる時が来るのを予期しているかのようだなあ。どこ情報なんだろう。気になるなあ。
「お待たせしました。どうぞ」
これで初手の失点をカバーできるかどうかは微妙ですけど好物を用意したので許してください!どうぞ!
「大儀でありました」
100点…♡