子悪党初夏、満点の星の下───血に染まった同胞の死体の前に 私は立っていた。呪詛師の凶刃に倒れた哀れな屍 側から見ればそう見えるかもしれないしかし現実は少し違う───この屍は私自身が作り出したのだ同胞を手にかけた裏切り者、それが私 慈島 桜という人間だ同胞の苦痛に歪む顔、呪詛師の下卑た笑み全てを鮮明に覚えていて尚、私は「生」の優越感に浸っている私は今、この世を生きているこの薄汚れた世界を、薄汚く藻搔いて生きている私は、死ぬまで薄汚く「生」を謳歌するそれが私 慈島 桜という人間だ