妄想SS

妄想SS


ダイススレオリキャラ

近親BL3P本番なしSS

1スレしかなかったのにぶっ刺さった


元スレ

【🎲・閲覧注意】ここだけこの2人が兄弟

・クロコダイルと百計のクロが異母兄弟

・母親同士で百合CPだったとこに挟まった貴族の父

・二年前に病気で弱ってたとこをクロに介錯されてる

・鰐+黒×父…の雰囲気まで



窓一つない部屋の壁は真白く、足元の絨毯は厚く柔らかい。座り心地のいいソファもシックな色合いのティーテーブルも、この部屋にあまり似つかわしくない大きな寝台も、けして安い品ではないのが分かる。

知っている、あるいは覚えていると言った方が正しいであろうことを男は理解していたが、その事実を飲み込むに飲み込めないままだった。

「おい」

不機嫌さを隠すこともなく声をかけてきた男のことだって、知っている、あるいは覚えていると言った方が正しい。絶対に会うはずもないのに。

「てめぇがこの妙な部屋の主か?」

「いいや」

答えて、相手を眺め返す。艶のある黒い髪は後ろにぴっちりと撫でつけられている。訝しげに彼をを睨む鋭い眼差しも顔を横断する縫い傷も覚えがあった。

「部屋で寝ていて目が覚めたらここにいた。どうしてこんなところにいるのかなんざ皆目見当も付きはしない……あんたもそうかい、サー・クロコダイル」

名を呼ぶ。彼は悪名高い大海賊。偉大なる航路の一角でクロスギルドなんてものを始めた恐ろしい男だ。けれど悪名ならば、名を呼んだ男だって知れていた。最弱の海だけで通じるものなので比べるべくもないし、五年前に捨てたものだが。

「ふむ……では情報交換と行こうか。何処の誰だかは知らねぇが、どうやら同じ穴の狢らしいからな」

何処の誰だか、というフレーズにちくりと痛む傷がある。それを表には出さない。

ほんの最近まで気付きもしなかった間抜けなのだから。

「そうしよう。あぁ、名乗っておこうか、おれは」

一瞬、名を口に出そうとして止めた。この男の前で名乗るべくもない。

「……クロ。東の海のちんけな元海賊だ。今は陸に」

いる、と続けようとした声を近付いてくる足音に気付いて飲み込んだ。部屋にはソファが三つ並んでいた。ここにいないもう一人の誰かは自分たちより先に目覚め、抜け出していたのだろう。部屋には扉が二つ。とってつけたような片開きが一つと部屋によく馴染む両開きの扉がある。その扉が勢い良く開かれた。

「やぁやぁ!起きたかい可愛い吾子たち!向こうにクッキーとお茶があったよ!」

銀の盆に菓子とティーセットを乗せて、重たい扉を蹴り開いてきた男。貴族然とした服装に、モノクル。艶やかな黒髪には少し白いものが混じっている。黙っていれば品のある精悍な男だが口調と雰囲気がそれを台無しにしていた。

二人はこの男のことを知っている、あるいは覚えている。反射的に叫んだ。

「父様っ?!」

「は~い!父様だよ~!」

かちゃん、と盆を置いた男とテーブルを挟んで向かいにいる男へクロコダイルは交互に視線を送る。

「これが、クソ親父なら……『クラハドール』か?」

信じられないと言わんばかりに目を瞬かせる姿にため息を一つ。

「……名乗る気はなかったが、そうだよ、『兄様』」

「そして我は二人の父様だよ~! あ、このクッキー覚えがある!

吾子クロコダイルがよく作ってたやつじゃないかい?懐かしいねぇ~。

吾子クラハドールもこれ好きだったろ、お食べお食べ」

気の抜ける口調の男がポットから茶を酌んで二人の前に押し出す。

「……成程、夢か」

「んあ?」

クロは出されたカップを手にして、口をつける。そう考えれば納得がいった。

「おれが家を出た後、家はごたついたらしい。ごたついた末にド田舎のぼろい別荘に押し込まれていたこいつに会いに行ったのが二年前」

「うんうん、嬉しかったなぁ、吾子クラハドールが元気そうで」

機嫌よく笑う父親の姿を鼻で笑う。自分はなんて都合のいい夢を見ているのか。

「死にかけてるのにへらへら笑っててムカついたから、介錯してやった」

「そうそう。首の横をスパッとね。上手だったね、痛くなかったよ」

左手で自身の首を掻き切るような動作をする父に目を細める。自分たち兄弟と亡き母達の前での彼はいつだって笑っていた。外では良からぬことを幾度となく繰り返す冷酷非道な男だと知って驚いたものだ。猫被りの上手さはこの男から自分たち兄弟に、しっかりと受け継がれたらしい。

「そうそう、それでね。実は我は昔悪魔を助けたことがあってさ~。死ぬときに一個だけ好きな夢を見せてあげるって言われたことがあるんだ。だから我は願ったんだ『吾子たちと仲良くできる夢にしてほしい』って」

でも悪魔ってだめだね、凄い解釈をしてきたと言葉が続く。

指さした先、いつの間にか両開きの扉を塞ぐように看板が打ち付けられていた。


【近親セックスしないと出られない部屋】


茶を飲んでいたクロコダイルは盛大にむせ、それから眉間のしわを深くした。確かに最近女を抱いていないが、だからといってこんな形で欲求が夢に出るとは。

数十年前置き去りにした父と弟との近親……? そこまで倫理に悖ることを考えたことはないはずだ。

「で、悪魔曰くこの夢は夢だけど、死にかけた我と、元気に生きてる吾子達の意識を一つの夢の中に押し込んでるから、夢だけど夢じゃないんだってさ」

だからね、と悪魔よりも悪魔じみた顔で男は笑った。


「三人で『仲良く』しよう? 我、仲良しの二人に挟まれたい!」

「誰がするかァクソ親父ッ!」

二人の声がぴったりと重なる。そのまま両者にそれぞれ頬を殴られながらも

やっぱり仲良しだねぇと笑う男の血を引いていることを、兄弟二人は

恐らく人生で一番悔やむこととなった。







この後なんだかんだめちゃくちゃセックスしてへらへら笑いながら

「じゃあ地獄で吾妻たちに怒られてくるね~二人とも元気でね~」と

父上が扉を開いたところで目が覚める。

クロコダイルもクロも最悪な夢を見た…って顔を洗いに行ったら

首筋に父上が残したキスマークが残ってて夢だけど夢じゃなかったオチ。


百合の間に挟まる系クソ親父、息子たちの間にも挟まってくれ。

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