女装で、致すだけ
光源が最低限ともされ、ベッドに横たわる男に跨る男。股を大きく開き、黒いドレスを出来るだけ自身のモノにつけさせまいと、強張るようにたくし上げている。跨っている男、アーサーは依然任務で着ていた黒いロングドレスを纏い、黒髪のウィッグも付けた女装の姿。両手には白いレースの手袋をつけ、下履きは女性もののシースルーの箇所が多い凝った刺繍のショーツと白いガータベルトベルトを身に着け、ベルトで留められたニーソックスを履いている。
「…あの、その、…絶対にドレス汚しちゃうと思うですよ…ん、ふ…」
腰をゆっくりと落とし、下品ながに股をしながらずりずり、とコノエの怒張したものを臀部にこすりつける。息を荒く、余韻の混じった吐息をこぼし、腰をヘコヘコとこする様は淫猥な情婦と言える。
「貰ったのだろう。…だったらドレスを落とすんじゃないぞ、『汚れるだろう』?」
ぺチリ、とコノエがアーサーの足を小さく叩く。腰を下ろせ、という合図だ。
「ば、ひゃ…ん、ぅうううーーーっ…ふっか、ぁ…」
ローションを塗られたアヌスへとゆっくりと、挿入し…根元に差し掛かった途端、ぷちゅん、と泡音が鳴る。
挿入していくたび、息苦しさを覚えるも、その息苦しささえアーサーにとっては快楽であった。押し広げられる、普通なら異物でしかないものがアーサーの意識を狂わせ、ビリビリと小さな電流を流す。
男であり、同性に抱かれることが気持ち良くなってしまったからだ。コノエによって、教え込まれ、調教され、コノエなしではまともに気持ちよく快楽を得られないほど、身体がつくられてしまう。自身で慰めても、物足りなさがいっぱいになり、発散すらままならない。
根元までくわえ込めばひくひくと、アーサーの怒張した先端、亀頭から透明な潮を吹きだす。軽い絶頂を起こしている。中に圧迫感を覚えるも、気持ち良さが先になり惚けた顔を浮かべでもいた。
ホロホロと生理現象で涙がこぼれるが、かまうことなく息を荒げ自身を落ち着かせる。
「ん、ふ…んっ、んっ…ぉ、ぉおっ…んぅうっ、んぅ、…」
ずるうぅ、と半分ほど抜いては押しこむように腰を落とす。肌と肌がぶつかる音に、ローションの泡音と水音ではしたない音がこぼれ出ている。
慣れた仕草で腰を動かし、しごいていく。時々、腰をグリグリと半回転させては、不規則さを入れて気持ち良さを上げていった。
「良い格好だな。ほら、頑張って」
「は、ぁ…んぅぅー、ふぅ…んぅー…ぉ、ほ…これ、むひ…えっぐられ、めくれ、てぇ…」
それでもやはり、快楽は容赦なく襲い掛かり服越しでも解るほど乳首を膨れ上がらせ、だんだんと腰の動きも滑らか…、淫猥じみてくる。男にしては色気があり、今の格好から女と錯覚してしまいかねないほど、はしたなく嬌態をさらけ出した。
亀頭からダラリ、と粘り気のある先汁を垂らし、さらに口元からもよだれを垂らす。軽めの化粧をしてはいたが、とっくに汗と共に剥がれ落ちてしまっていた。
コノエはただじっと、動くことなくアーサーの嬌態を目に焼き付けている。
「ん、ん…ふ、ううぅっ…ぉ、っひ…こひ、止まんな…気持ちよく、させない、とぉお…んぅう…ぉ、ぉおっ」
たん、たん、と先ほどよりペースを上げ、腰を叩きつける。
「へっへっ…んっひ、…へっへっ…ひ、ぐ……ありょーひゃ、ぁ…ありょー、ひゃ、…」
うわごとのようにコノエを愛称で呼び続ける。腰を動かし、ペースを上げていくにつれ徐々にドレスを付けさせまいと、背を伸ばしていたのが胸元近くまで下がっていく。クモのような姿勢を取り、片腕をドレスが落ちないようかき上げ、残った片腕を支えとしている。
「はっ…ん、ぉ、ぉ…ぉっ、ん、…ふぅ、ぅうう…ぁ、りょーひゃ、さん…きもち、いい?」
「最高だよ。…そろそろ、動くぞ」
「え?…まっ、んひぃい、いぃんっ…ん、ぐ、ぉっおっおっ、ぐぅう…ぉおおっ」
グン、と上に突き刺さる重い感触が、アーサーの奥へと響く。ごつん、と前立腺を小突き、根元から一気に突き上げたのだ。ローションのおかげですんなりと奥へと入り込み、抽出と挿入を繰り返すたびにアーサーの視界は白んでいき、もう片腕で支えることが出来ないくらいに、押し寄せてくる快楽で力が抜けていった。
腰を掴まれガツン、ガツン、と重く強いもので叩きつけられる。
アーサーは同じ男でありながら、コノエの怒張したものと腰使いが、たまらなく好きであった。一番奥へと入り込み、熱く固いので無理矢理広げられ、えぐられる。
そのたびに、男でもしてはいけない下品な嬌声を上げてしまっていた。アーサーを知る親しき者たちが見れば、驚愕し…恥ずかしさから目を逸らしてしまうだろう。もっとも、コノエがそれを許すつもりも無いため、来ないであろう事柄だが。
その痴態、その嬌声を一心に見て、聞き入れるコノエの顔は愉悦に満たされた笑みを浮かべていた。可愛いよ、気持ちいいか、など簡単な言葉を使って、アーサーの本心、気持ちを引き出させる。アーサーは閉じなくなった口を開けながらよだれを垂らし、鼻水も垂れているほど顔は見せられるものではない。
淫猥な水音と泡音が、下品なまでに部屋に響く。
どちゅん、どちゅん、と肌同士が強くぶつかる音。アーサーの気持ち良さげな嬌声。セックスなんて生ぬるい、と錯覚する。
「ひゅきっ、でふ…んぅうっ、ぉ、ぉ、ありょーひゃ、ありょーひゃぁっ、ぉおっ、ひゅきっ、だいひゅきっ、んっひぃいっ」
「私も愛しているよ…っ、ほら、もっと締めろ」
「は、いぃいんっ」
「はぁーっ、ぐ…名器、とはこのことだな…は、つ…絞られる…」
チカチカと、コノエの視界が点滅する。それは怒張したものから伝わる快楽に、めまいであった。
「らひて、らひて…たっぷり、とぼくの中に、ぃいっ…ありょーしゃの、ザーメン、ザーメンだひてっ」
明け透けた媚びた声だが、コノエにとっては妻の可愛いおねだりに過ぎない。男であっても、アーサーはコノエにとっての大事で可愛い妻で、甲斐甲斐しい片翼。
仕事から夜の下の世話まで、一心に受け入れる。元は考えが一緒だったのが、いつの間にか夢中になって、手を出すのが思いのほか早くなった。自らの手で、アーサーを好みに仕立て上げ、時としてアーサーがコノエを気持ちよくさせようとする健気さを見せたりもした。
背中からゾワゾワと這いよる気持ち良さ、尿道から伝わり射精感がどんどんと迫っている。アーサーもコノエが射精するのを感じ取ったのか、リップグロスの剥がれ落ちた唇を舌で舐めずる。顔を真っ赤に染め、息を荒げ、心から嬉しそうに笑みを浮かべている。
「もう、男には戻れないようだな。…良いさ、それでこそ私の妻だ」
「んぇ?」
「なんでもない」
その一言共にどちゅん、と一気に奥へと挿入すればアーサーは間抜けな声を上げる。
「ぉ、ぉっありょーしゃ、…ん、ぅ…ちゅぷ、…へふ…んぇぇ…れうれる…」
コノエはアーサーの熱烈なキスをされながら、本当にこれが好きだなぁ…と心に秘めながら楽しんでいた。
「んぷ、…ちゅぅう、ちゅる…んふ、れぇろ…ちゅ、ちゅ…ふうぅ…ぁ、ぁんっ」
どんどんとペースが上がり、射精感がすぐそこまで来ている。アーサーは息を荒げ受け入れる姿勢で、まだか、まだかと待ち望み…。
「んんぅううーーーぅううっ…ぉおーー…お、ぉお…ぉ、ぉぉ………」
パクパク、と金魚のように口を相手は閉じてを繰り返す。同時にびゅる、びゅるとアーサーも射精し、コノエの腹部を精液でべっとりと汚していく。ドレスの方はと言えば、ところどころ、少ないが精液が付いてしまいっている。
黒いドレスだからか、白い精液がくっきりと目立ってしまい洗わないといけない。
「ぁはー…ぁ…ぁはー……んっぐ、…まだ、でへ…んぉおお…ぉおー…」
ぶぴゅー…、ぶぴ、ぶぴ、と下品に長々と噴き出すような射精音。
がっしりと腰を掴まれ、勝手に抜かないように固定。だが、アーサーは抜く気は無いようでぐりぐりと、腰を回し、小刻みに上下に動かす。コノエはこの、と憎たらし気にナニカを言おうとしたが、言い切る猶予も与えられず、腰を浮かし射精を続ける。
「ぁ、ぇひ、ぇっひ…はぁー…ぁ、…ぅ…はぁー……」
尿道に残った精液を搾り取り、途切れ途切れの呼吸を繰り返す。絶頂の長く、もどかしい余韻がじんわりとアーサーに包み込んでいく。
「は、は…アリョーシャ…えへへ」
「アーサー」
「はぁい…えひ」
「私はまだ満足できていない。いいな?」
ぐるり、とアーサーをゆっくりと体勢を変えるように押し倒す。顔を含め耳も真っ赤に染め、とろり、と蕩けきった顔を浮かべていた。汗にまみれ、髪にも汗が染み込んでいるためか、肌に張り付き艶めかしさが一層際立つ。
ごくり、とつばを飲み込む音。
コノエの言葉を理解出来たようで、両手を大きく広げだす。
もう、男という特徴は身体つきだけで…コノエの見下ろす先には、一匹の雌犬が出来上がっていた。
「…いっぱい抱いてくださいね、あなた♡」