女帝と節分

女帝と節分

無敵ロイヤルキャンディ

『今日は節分、カイゼリンは福あんに遊びに来たみたいね』


カイゼリン「邪魔をするぞ拓海」

拓海「いらっしゃい、ってカイゼリン!?何か用でもあったのか?」

カイゼリン「いやエルレインからここに来れば美味いものが食べられると聞いてな。手土産は……コレでどうだ?」

拓海「エルちゃんのぬいぐるみ……いいのか貰っても!?」

カイゼリン「ああ、お前なら欲しがるだろうと思ってな。丁度カバトンのも終わった事だし」

「ありがとう、大切に飾らせてもらうよ。まあ大したもてなしは……ああ、今日は節分だから恵方巻きなら出せるぞ」

カイゼリン「恵方巻き?なんだそれは」

拓海「海苔で酢飯と魚介や卵などをを巻いて食べる料理だ。今ゆいとリムで準備してる」

カイゼリン「ノリにスメシ……?よく分からないが、有難く頂こう」


〜◇〜


ゆい「カイゼリンの分も出来たよー」

リム「ねえゆい、節分は歳の数だけ豆を食べるのよね?」

ゆい「……そうだけど、別に気にし過ぎなくていいからね?リムちゃん1つで終わるから恵方巻きに響かない分なら食べても大丈夫だよ」

リム「ありがとうゆい」

カイゼリン「私は……いや流石に豆だけで300以上食べられないぞ」

ジェントルー「そんな時はこれを使えばいいトルー」

拓海「うわぁいきなり出てくるな!」

リム「何それ?ブンシンシャドー?」

ジェントルー「やよいから情報提供して貰ったナルシストルーが作った『コドモニナ〜ルマークⅡ』だトルー。やよい達が食らった初代は強制的に園児並になってたけどこれは銃のツマミで調整する事で年齢操作も可能トルー」

ゆい「これでカイゼリンを子供にするんだね?」

ジェントルー「その通りトルー。取り敢えずゆい達と同じ14歳にして……えい!」

カイゼリン「いや待て別に私は許可した……うわぁ!?」

あの時の姿


カイゼリン「本当にあの時の姿になってる……!」

リム「カイゼリン可愛いじゃない!」

拓海「ちなみにこれはどの位で元に戻るんだ?」

ジェントルー「大体1時間位と聞いたトルー」

カイゼリン「……出来ればずっとこの姿でいたかったな」

リム「カイゼリン?」

カイゼリン「私の300年に関してはお前達も聞いた事があるだろう?スキアヘッドに利用され、存在しない恨みと愛を植え付けられた、言ってしまえば虚無の時間だ」

ゆい「カイゼリン……」

カイゼリン「父上もエルレインももういない……いやエルレインは今はいるようなものだがお前達のいう一番星に謝罪すら出来ていないんだよ私は。今何をするのかが大事とはいうが、失ったものが多過ぎるんだ……」

拓海「スキアヘッドのヤツ……ソラ達に浄化されたとは聞いたけど俺はまだ許せねぇよ…」

リム「過去があまり無い私とは別の悩みね。過去はあるけどその中身が無いなんて……」

ジェントルー「……ごめんなさいトルー」

カイゼリン「いやこちらこそ善意でやってもらったのに変な空気にしてすまない。恵方巻きを頂くとしよう」

ゆい「……カイゼリン、恵方巻きは毎年ある方角を向いて無言で食べ切ると縁起がいいっていうんだよ?今年は東北東みたい」

カイゼリン「おまじないの類いか、いいなそれは」


『その後、ゆいちゃん達は恵方巻きを無言で食べ切ったわ』


カイゼリン(出来ることなら、暗くて何も無いトンネルの先で出逢えたかけがえのない友たちと、これからもいい関係を築けられるように……)

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