奥様は女子高生(仮)
「そういえば僕苗字変わったんです」
そう目の前で話す男___女はコビー
どういう因果なのか輪廻転生を繰り返し再びこいつとめぐり逢い今は同級生として一緒にいる
周りはほとんど、なんなら麦わらの一味やトラファルガーにも記憶があるがこいつには過去の記憶はないらしい。 前世では悲惨な目に沢山逢いすぎたため神様が今世では幸せに生きて欲しい、そんな気持ちとかだろう そんな事を思いながら目の前の上官__今では同級生で相変わらず親友の話を聞いた
「苗字が変わった?」
「はい」
そんな事を話すコビーはなんだかとても嬉しそうで
どうやら両親が離婚したとかでは無いらしい
じゃあなんだ?
「実は僕」
「ティーチと結婚したんです」
……なんて?
言われた意味が分からなかった 結婚 結婚……
「はァ?!??いやまてその前に結婚の前に相手!!!なんて言った!!!」
「えっなんですかいきなり大きい声出さないでくださいびっくりするなぁ だからティーチ、」
「なんだァコビーお前結婚したのか」
「あっルフィさん!はい僕結婚したんです!」
まさかの発言に今世でも麦わら帽子を被っている、今は首に掛けているだけのルフィが後ろから来た
いや気づいたら知ってる面々が周りに(距離離れているが)いる 一味で今世でもつるんでるナミやニコ・ロビンなんかはコビーを可愛がっていて今でも相手の所に殴り込みに行きそうな雰囲気だ はっきりいって怖い
「で、お前誰と結婚したんだよ」
「ティーチ、マーシャル・D・ティーチです」
「なので僕の名前もマーシャル・D・コビーになりました!」
そんな事を左手の薬指に光るものを見せながら話すコビーはとてもとても嬉しそうで、ただ周りの空気は一気に氷点下まで下がった
___それにコビー本人が幸いにも気づかないまま
マーシャル・D・ティーチ 通称黒ひげ
前世では海賊四皇として名を広げ、またコビーを幾度となく誘拐監禁性暴力拷問洗脳etc…………数え切れないほど悪業を繰り返した 結果として海軍が捕まえ処刑したのだがそれは過去の話 今は都内の大学に歴史学の准教授として働いているとの事、同じく記憶持ちの白ひげの奴ら曰く「あいつに昔の記憶は一切ない」との事だが…………
まさか過去に誘拐したものとされたもの、両者がお互い記憶無しの状態で再び巡り会って誰にも知られないまま結婚までいくなんて
「どういう事だよ………」
思わずヘルメッポは頭を抱えた
14歳の時図書館で取ろうとしてた本が届かなくてそれを取ってもらった それだけなら良くある
だがその数週間後に電車内でお尻に違和感がある、変だなって思ってたらいきなり「何お前ェ痴漢してんだ」って騒ぎが起こって助けてくれた だから多分これは運命なのだと その時から交流が始まって(今思えば一方的にだけど) 16歳の時に「俺は仕事柄そんなに外に出ねェ 来たきゃ来い」って合鍵を貰った そして今 17歳
「ただいま!!」
「おう、おかえり」
今では素敵な素敵な旦那様だ
必要な手続きはまだ済ませてないしティーチが「結婚するとは言ったが正式なものはお前ェが18歳になって高校を卒業、進学もしくは就職してからだ」って言うからそれは納得したし今は通い妻という立場だけどもうほぼ結婚してるようなものだ。だからヘルメッポやルフィへの説明も正確には「になります」が正解なのだがどうせこのまま結婚する未来って分かりきっているので断定しちゃっていいのだ
なぜなら
「ねぇ昨日布団の上綺麗にしたのにまた資料でいっぱいになってるし台所コーヒーの袋があるじゃないですかぁ!」
「悪ィ」
「あと洗濯物はしまってないし……まぁそれはいいか今日は晴れてるし」
そんな事でティーチは自分の事にまるで興味ないというか研究に熱が入るとそれしか目に行かないので周りの事は全部僕がやっているのだ
なんかこれだけいうと家政婦とかメイドとか言われそうだけど
「コビー」
「なんで……っん……はぁ♡」
「いつもありがとなァ」
「別に僕が好きでやっているので気にしなくていいんですよ それより大学の研究大詰めなんでしょう?やらなくていいんですか?」
「いや 今はいい」
「えっどういう………ぎゃっちょっとどこ触ってるんですか!まだ16時です!!まだご飯すら炊いてないです」
「ゼハハハ!!お前ェ見てたらヤリたくなった 良いだろ」
全くもって情緒も欠片もなんも無い だがこんなんで良いのだ お互いが充実しているのだから
だから
「お気に召すまま僕を食べてください 旦那様 でもつけるものはつけてくださいね」
そんな事を言って気を失うまで愛し合うのであった
一方 学校の保健室
「おいなんでコビー屋と黒ひげ屋が付き合ってあまつさえ結婚してるんだ今すぐ吐けさもなくば刺す」
「待て待て待て!!!俺も知らないさっき聞いた!!だからその物騒なもの今すぐしまえ!!」
あの衝撃的な発言………コビーは「でも高校卒業までは通い妻なんです」って重要ワードを言い忘れ
「あっいけないスーパー寄らないと」
「おい」
「じゃあヘルメッポさん、ルフィさん!また月曜日!!」
「お、おうまた月曜」
そんな「黒ひげと結婚したという」超重要発言を残しコビーは規定通りに着用した制服を翻しながら学校を出た
そして残されたヘルメッポと教室にいた過去の記憶持ちの奴らはフリーズ後、同じく因縁があったトラファルガー・ローのいる保健室へ駆け込んだ
____そして今
「何故どうしてそうなり結婚となった???黒ひげ屋があいつに何してどんだけ傷を与えたのかお前も知ってるんだろ??なぁ」
「知ってるし分かってるからその物騒なものしまえ!!」
と物騒なもの……ただのボールペンを首に刺される1歩手前までの状態になっている
「にしてもコビーがねぇ。ロビン何か聞いてる?」
「いいえ、ナミが聴いてないって事は私も聞いてないってことよ」
「確かに」
ここ女子2人の情報共有どうなってるんだ 男どもは戦慄した いや今はいい
「黒ひげにもコビーにも俺たちみたいに前の記憶?はねェんだろ?だったら良いんじゃねぇか」
とルフィはあっけらかんと言うがそうは周りが許さない
「馬鹿ね!!今後どちらかが思い出した時に悲しい思いするのはコビーなのよ!黒ひげ側が思い出した時はどうなるか分からないしコビーが思い出しても辛い思いをするそれがどんなに嫌な事か分かってんの?」
「えぇ〜〜〜」
白ひげ側からの報告によると今のところ記憶が戻っている様子もその素振りもない
だいたいここにいる奴らは元々記憶があった状態で今世に生を受けた、もしくは小さい時に戻ったと聞くがほんと何がきっかけで戻るか戻らないのが怖いところだ
「………とりあえずコビー屋に関しては金髪屋お前が目を離すな 絶対にだわかったな」
「ハイハイわかりましたよ てかその呼び方やめてくれませんかね」
「断る」
過去に助けてくれて匿ってくれた事からヘルメッポとは違うコビーに対して過保護な部分がローにはある
それが今回良くない方向に作動したのだろう
「防犯ブザーつけるか?クソ……言いくるめてGPSつけるか?」
「おいやめろあいつに変な事するんじゃねぇ」
とりあえず今は見守り、何かあったら即引き離し対面謝絶という形で治まったがヘルメッポはコビーが記憶の有無はともかく今世で楽しく一人の女性としての幸せを謳歌してればいいのではないかと1人思っているのであった。
だが土日挟んだ月曜日___項や肩に噛み跡鬱血痕と「いかにも黒ひげに抱かれて気持ちいことしました」っていうコビーが登校してきて「実は記憶戻ってんじゃねえかあの野郎」「やっぱGPSつける絶対にだ」と一波乱起こるのはまた別の話