天使が頭の輪っかに首突っ込む遊びして抜けなくなって悪戦苦闘する話

天使が頭の輪っかに首突っ込む遊びして抜けなくなって悪戦苦闘する話


 

「ミシェルちゃん、ミシェルちゃん、今日もかわいいね♡」

「あっ、うん。アンジュちゃん。ありがとう……?」

 

ここは、天界にあるプライマリースクール。そこへ、今日も(アンジュ曰く)美少女天使ミシェルと、変態天使アンジュは登校していた。

 

「ん? ミシェルちゃんシャンプー変えた?」

「なんでわかったの?!」

「わかるよぉ。ミシェルちゃん博士になりたいもん」

「なにそれぇ」

 

ミシェルは若干引くも、ぼっち(アンジュ曰く、美少女すぎて高嶺の花だから)少女なので、大切な友達に「キモい」とは言えない。

 

「ミシェルちゃん、しゃがんで」

「? うん」

「えいっ」

 

アンジュは、ミシェルのつむじへと突っ込んだ。

 

「え?!」

「はあ~、いい匂い」

「何やってるの?!」

「いやあ、もっと堪能したくなっちゃって」

 

数分間、二人はこのままだった。ミシェルはなんだか恥ずかしくなって半泣きになり、アンジュはずっと深呼吸していた。

 

「スーハー」という呼吸音しかない空間を破ったのは、十分堪能したのでつむじから顔を離そうとしたアンジュだった。

 

「あれ? あれれ?」

「ぐすっ……どうしたのアンジュちゃん」

「顔が……ミシェルちゃんのヘイロー(天使の輪)にはまった」

「え」

「どうしよう、とれない」

 

ヘイローには二種類ある。実体のあるタイプと、ないタイプだ。これは人間でいう一重二重ぐらいの差しかない。

今問題なのは、アンジュは実体のないタイプで、ミシェルは実体のある、幼女の顔がちょうどはまるサイズのヘイローだったということだ。

 

「まあ、一生このままでいっか。チョウチンアンコウのオスとメスみたいに、一心同体で生きていこうね♡」

「嫌だよ!!!」

 

さすがにミシェルも叫んだ。

 

「え、抜けないの……?」

「うん、無理」

「ええ……どうしよう」

 

ミシェルは泣き出した。

 

「な、泣かないで! ここからじゃ泣き顔が見えない!」

「ううっ……!」

 

アンジュが勢いつけて顔を後ろに引っ張るも、見事にハマっていて抜けない。その勢いで、アンジュのうえにミシェルが倒れこんだ。

 

(いったた……。って、え?! ミシェルちゃんが、私を押し倒している?!?!)

 

アンジュは興奮しすぎて失神した。

その場には、ミシェルの嗚咽が響いていた。

 

その後、なかなか二人が登校してこないことを心配したスクールの先生天使が、道端で妙なことになっている二人をみつけて保護し、祝福(悪魔が使えば魔法と呼ばれる)でヘイローハマっちゃった問題を解決したそうな。

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