天の杯を塗り潰す
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ハワトリアにおいてろくな思い出を作れなかったクロのため、最後の一週間で立香が考えついた「アーチャー霊基で水着だけ拝借」作戦。
その作戦によりクロは編集地獄から開放され、バカンスをしっかり満喫することができるようになった。
───しかし。立香をして「ガチガチの仕事モード過ぎてちっとも楽しくなさそう」「絆の証である痛覚共有を赤の他人に弄くられた気がして良い気がしない(霊基第三の形状変化を指して)」というアヴェンジャー霊基から開放された反動は、予想以上に大きかった。
───
「そこっ♥ そこイイッ♥ リツカお兄ちゃんのイケメンチンポすごいっ♥ それもっとしてぇ♥♥♥」
クロのヴァギナが、立香のペニスを対面座位で咥え込んでいる。…そう。邪魔者や思考のノイズが全て消えたクロは、タガが外れてしまったのだ。
「っ…はっ……クロ…! そろそろイ、く…!」
「うぁッ♥♥♥ あ、ァ゛アあああ゛ッ♥♥♥♥♥♥♥」
ペニスが最奥に突っ込まれると同時にクロが絶頂し、全身を震わせながら射精を受け入れる。快感に喘ぐその姿は、紛れもなく“女”のそれ。…元の世界では誰も触ることをしなかった蕾は、立香の手によって花開いていたのだ。それも、水着を得る遥か昔に。
「きもちいいっ♥ リツカおにいちゃんのちんぽきもちいいのっ♥♥♥ とんじゃうっ♥♥♥ しろうおにいちゃんへのきもちとんじゃって♥ きょうだいとしてしかすきになれなくなるっ♥♥」
「いっそ、跡形もなく吹き飛んじゃえば良いんだ…! そうすればオレだけのクロでいてくれる!! ほら射精すよ!!」
褐色肌を上気させたクロの膣内に、立香の白濁が注がれる。“お兄ちゃん”のものではない遺伝子が、クロの子宮を征服していく。
魔術的避妊はしているが、もしそれがなかった場合は精子の群れが卵子を集団レイプし、なす術なく受精・着床させることだろう。…クロが孕む赤ん坊は、立香の遺伝子を受け継いだ子なのだ。
「“お兄ちゃん”のじゃなく、オレので妊娠させてやる…!」
「ああぁんっ♥♥♥」
クロの小さな身体がベッドに沈む。密着種付けプレスの体勢で、七回戦目が始まった。ひび割れた聖杯は、藤丸立香の腕の中でひびを塞がれ、藤丸立香にだけ都合の良い聖杯として完成しつつある。
…クロを貪る立香もまた、夏の熱気にあてられてタガが外れていた。例年なら抑えられただろうが、今年はクロ絡みで許せないことが多々あったためブレーキよりアクセルが優先されていたのだ。何なら、A・Aやモルガンとまともにバカンスを過ごせない状況にも大いに不満があった。そんな立香がハワトリア最後の一週間でした振る舞いは、後に某映画になぞらえて『火の7日間』と呼称されることになるのだが、それはまた別の話である。
「やっぱり、リツカお兄ちゃんのチンポすごいぃ…♥♥ かわいそうな元の世界のわたしの分まで、いっぱい愛してぇっ♥♥♥」
「…嬉しいこと言ってくれるよ、ほんと…!」
「あひぃぃっっ♥♥♥」
…天の杯を塗り潰す夜は、まだ終わらない。
結局立香とクロの夜は、セックスを通じた霊基第三の痛覚共有再上書きが完了するまで続いたという。
───
「ところで、オレは露出度から刻印の形状に至るまで通常のビースト衣装のが好きなんだけど、クロはどう思う?」
「…そっちはリツカお兄ちゃん専用ってことじゃ、ダメ?」
「…まあ許すよ」
「あぁんっ♥」
…この後通常衣装でもしこたまヤった二人であった。