天の杯に空の色を

天の杯に空の色を


───遠慮なく私に頂戴? ね、マスター♪


───痛覚共有の呪い『死痛の隷属』(まあ死までは共有しないんだけど)、これの共有先を藤丸立香へと変えたその日の夜。

わたし……クロエ・フォン・アインツベルンはリツカと身も心もひとつに繋がった。


───


「んっ…」


肩を掴んできたマスター……リツカと最初に交わしたのは、触れるだけのバードキス。そこから互いの身体を抱きしめて、ゆっくり、じっくりと舌を絡ませていく。


「んっ♥ ちゅぷっ♥ ぷふぅっっ♥♥♥」


リツカとのディープキスなんて戦闘中何回もしてきたけれど、こういうシチュエーションでは初めてだ。だからなのか、いつもより興奮する。


「はぁっ…♥ ぁっ…♥ 美味しぃ…♥」

「クロ…」

「…ん…♥ …もう、そういう顔しないの。わたしのご主人様でしょ? わたしは元の世界に帰ったオリジナルとは別のクロなんだから、遠慮なく自分の女にして良いのよ? どんな命令でも絶対服従しちゃうんだから」

「…じゃあ。ひとつだけ命令するよ。…そんなにオレのことを好いてくれるなら、たまに言ってる主人と奴隷じゃなくて、オレと夫婦になってほしい」


割と予想外の一言だった。思わず吹き出してしまう。


「ぷっ、あはは……なによそれー! イリヤにも手出してるのにそれは最低でしょー!?」

「…ごめん。でもオレは二人が好きなんだ。だから…」

「ああもう、落ち込まないの。否定しようって訳じゃないから。…正直、嬉しいの。リツカがわたしの手をとってくれたのが」


そう言いながら衣服を脱ぎ捨て、リツカのズボンを下ろしにかかる。


「だから、いっぱい気持ち良くしてあげる」


パンツごとズボンを下ろすと、リツカのおちんちんが視界を占拠した。

自分の吐息が熱くなっているのを感じる。これは、すごいものだと直感で分かった。


「…いただきます…♥」


可愛げの欠片もない凶悪な亀頭にキスを捧げ、そのままリツカのおちんちんを根本まで飲み込んでいく。


「んぐ♥ んぷっ♥ ぅぷ♥ ぐっ♥」

「く、ろ…! ぁっ…!」


恥ずかしいし、苦しい。けど、リツカが気持ち良さそうな顔で感じてくれてる。嬉しい。嬉しくて、フェラチオにも一層熱が入ってしまう。

そして、リツカは程なくして絶頂した。


「んうっ♥ んぷっ♥ …ごくっ、ごきゅっ……ぷはぁっ♥」


ドロドロで、苦い。けど……美味しい魔力。


「素敵…」

「…クロ? 大丈夫?」

「え? あ、ごめんなさい。相性最高過ぎて放心してただけだから。…じゃあ、次はお待ちかねの本番。リツカの精子、ここに、ね?」


くぱぁっ♥ とおまんこを開いてみせる。誰にも許したことのない女の聖域を、リツカに捧げるために。


「…良いんだね」

「うん。わたしの心配なんてしないで、気持ちよくなって?」


リツカの鈴口とわたしの膣口が近づき、ぷちゅっ♥ とキスをした。

そして───。

───膣内から発せられた痛みと共に、わたしは乙女から女になった。


「あぁ゛っ♥ ぁッ♥ はじ、めて……捧げちゃった…♥ リツカだけの女になっちゃったぁ♥♥♥」


純潔を失った証たる、一筋の赤い血が見える。


「痛くない?」

「痛い、けど……動いて、良いよ」

「でも…」

「…実はね? 痛覚共有の術式弄る時、共有先とのえっちで感じる快感を増大させちゃう術式も仕込んだの。だから、痛いは痛いけど気持ち良さで相殺されてて……きゃっ」


リツカが体勢を少し変えた。…いつでも中断できるような体勢から、腰を動かしやすい体勢に。


「っ…シちゃうの、リツカ? わたしのこと抱いて、恋人にしちゃう? お嫁さんにしちゃう?」

「そりゃ、するよ。ここまで来たら。クロの全部、オレのものにする」

「…嬉しい…♥」


自分が馬鹿になっていくのが分かる。だって今のわたしは、これからリツカに与えられる暴力的な快楽のことしか考えられない。

リツカの腰がゆっくりと前後し始める。

最初は優しい動きだったけど、それはすぐ激しい律動に取って代わった。


「クロ、クロ! これ良い! ナカ凄く良いッ!」

「リツ、カぁ♥ わたしもっ♥ わたしもリツカのおちんちん好きッ♥♥ ううん、リツカのおちんちんだけじゃないっ♥ リツカのぜんぶがすきぃッ♥♥♥」

「オレも、クロの全部が好きだよ!! ぅっ、ふぅ…!!」


わたしを抱きしめるリツカの腕や、そこから伝わるリツカの体温、そしてリツカの汗の匂いや息遣いの全てがわたしの中の雌を疼かせる。

相性抜群を通り越して最高とすら言えるリツカのカリ高おちんちんが、リツカ以外の男への想いを全部掻き出そうとわたしの膣内をぞりぞり擦ってくるのが分かる。

…バカね。ここにいるわたしははじめからリツカだけのものって、何度も言ってるのに。


「クロ…! クロッ…!」

「イイよっキてぇッ♥ わたしの奥にリツカの白くて熱い精子ぶちまけて恋人マーキングしてぇッ♥♥ わたしをリツカのお嫁さんにしてぇぇッ♥♥♥」

「!!! クロッ!! 好きだぁッ!!!」

「ァ゛ッ♥ ア゛アァぁぁぁッッ♥♥♥」


体重をかけたリツカ渾身のピストンで、ずどんと肉欲の衝撃が走ったその瞬間。


どびゅ! びゅッ!! びゅ! びゅ! びゅぅッ!!


白くて熱い、リツカの愛が放たれた。勢い良く発射されたそれは子宮全体を焼き尽くし、「おまえはオレだけのものだ」と言わんばかりにその存在を主張してきた。

わたしを力強く抱きしめて、膣内に一滴残らず愛を注ぎ込もうとするリツカの姿はかっこいいと思う。イリヤの言う通り、リツカはかっこいいお兄さんなのだと再確認できた。

永劫に続くかとすら思われた射精が終わり、リツカのおちんちんがゆっくりと引き抜かれた。


「ぁ…は…♥ わたし、正真正銘リツカだけのものになったのね…♥」


わたしの認識は割と初期からそうだったとはいえ、リツカもそれを疑うことがなくなったのは喜ばしい。


(…そういえば、わたしから魔力を吸うことはあっても、こうして誰かから魔力を注がれることってあんまりなかったな。状況は違うけど、“あの時”のイリヤと同じようなことしてくれたのね、リツカは。ふふ、嬉し…)

「クロ、ちょっと良い?」


リツカの声に思考を中断する。…見ると、リツカのおちんちんは再び臨戦態勢を整えていた。


「……(絶句)」

「その、二回戦お願いします…」

「…もう、あれだけ気持ち良く暴れたっていうのに、わんぱくなんだから。…分かったわ。今日はとことん付き合ってあげる。せっかくの初夜なんだからね…♥」


…イリヤや、いつか来るであろうミユも交えた4Pも良いけど、二人きりでえっちするチャンスを逃すこともない。だから、あの二人のことは一旦おいておこう。

今はもっともっと、おちんちんとおまんこを通じてリツカと繋がっていたかったから。

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