天の中心で、愛を叫ぶ。

天の中心で、愛を叫ぶ。


※あにまんワンピカテ特有(特有か?)の概念、死者達の現世観戦から着想をば。

※これからSBSでメンバーの家族関係判明したらここの独自設定吹っ飛んでまうけどまぁ良いか

※ほんまこの作者センスないわぁ・・・






私の名前はネフェルタリ・コブラ。こんな成りだが一国の国王だった者だ。


ようやく我々ネフェルタリ家の進むべき道が分かったことに安息するもつかの間、口封じも兼ねて政府要人(君を守るためだ、ぼやかすのは許してくれたまえ)に暗殺されてしまった。死に際だというのに革命軍の彼を巻き込むような形にしてしまい申し訳ないことをした・・・

さて、今私は所謂「あの世」とやらにいる。私の治世では本当に多くの血が流れてしまったから地獄に行くものとばかり思ってはいたが、何故か私はここにいる。どういうことかは分からないが、私にはまだ墜ちる前にやることがあるのだろう、と一応の結論を出した。

早逝してしまった妻と再会の喜びを分かち合ったり、あの反乱の最中でも忠誠を近い、殉じてくれた者等に感謝の意を伝え。ここでも色々とやるべきことは多いのだが、何よりも大事なのはやはり、これだろう。


ビビ「ルフィさんがそんな事するわけないでしょう?!だから「世経」は嫌いなのよ!!」


(良かった・・・無事でいてくれたか)


勝手に残してしまった大切な国民と部下、そして愛娘を見守ることだ。特に娘のことは心配だったが、今は「世経」本社で無事に保護されているのを天界から見た。緊張がほぐれたからかどっと疲れがでたような気がしたが、一先ずは何よりであろう。また、表向きでは(事実上とそうだといっても差し支えない状況だったかもしれないが)出奔する形で海賊に転身した彼も今は落ち着きを取り戻している。仲間に恵まれたようだ。

・・・見たことのない者が二人ほどいるが、彼等は確か「四皇」とその右腕ではなかったのだろうか・・・?まぁ円満であることに変わりはないだろうが大丈夫なのだろうか・・・


といえども、ずっと一人で見るのも寂しいものだ。生前はお忍びでスポーツの試合をよく部下や友人を連れてこっそり観に行った私だから、共にしてくれる人を欲してしまう。そんな事を考えていると妻からの紹介があり、どうやら“麦わらの一味”の親族や縁者の皆々方もここに来ているから会ってみるのも良いとのこと。彼等は皆快活な人間だったそうで、何度も助けられたという。今日は(あの世に時間の概念があるのかは分からないが)この面々で集まることになっている。


コブラ「いやはや、遅れてすまない」

エース「お、来た」


待ち合わせ場所となった「現世の泉」 (曰くここから下界の状況がわかるらしい。映像電伝虫のようなものだろう)には既に全員集まったていたようだ。初対面同士の方々も多く、改めて紹介しあうことになった。それにしても妻は全員と面識があるというのだから彼女の交友関係の広さには度々驚かされる。生きていた時もそうだった。チャカと面識を得たのも彼女の人脈によるものだ。


エース「まずおれか。えーと、 “麦わらの一味”船長モンキー・D・ルフィの兄、ポートガス・D・エース・・・です。よろしく」

くいな「皆様初めまして、霜月くいなです」

ソラ「ヴィンスモーク・ソラです。これからよろしくお願いします」

オスカー「モネがお世話になってます、父のオスカーです」

パパファルガー「トラファルガーです、どうも」

メアリ「メアリ・ドレークです。よろしく」

イヨ「イヨです。夫と娘がいつもお世話になっております」

カール「カールです。アルベルの父です」

コブラ「ネフェルタリ・コブラです。皆々様、これからどうぞよろしく」


※オスカー:有名な画家クロード・モネの幼少期の渾名。オスカー・クロードから洗礼を受けたことから。らしい。

メアリ:海賊フランシス・ドレークのお母さんの名前。

イヨ:日本の旧地名で女性っぽいの探した結果。愛媛県。

カール:トランプのキングのモチーフの一人、シャルルマーニュ大帝(フランス語)のドイツ語読み。


コブラ「しかし、アルベル君もまた随分と大きいですね」

カール「故郷でも背の高い方でして。よく私に愚痴を言っていました、周りが狭くて 頭をぶつけてしまう、なんてね」

パパファルガー「うちのローも成長期になると急に背が伸びまして。一時は成長が止まったので心配してしまいましたが、すくすくと育ってくれて何よりです」

オスカー「これウチの娘は身長高い方って言えるのかな」

エース「まぁルフィもギア5になればデカくなったりするから細かいこと考えたらキリねぇし」

イヨ「そうですよ、旦那なんてあれでも人間のサイズ超えてないんですから」

「「「「いやそれはおかしい」」」」


すぐに打ち解けた。というか思いのほか皆個性が強い。会話の途中で急に寝たり酒が回ると暴れ出したり惚気話が止まらなかったり自己嫌悪に襲われたり(これに関しては皆で慰めたが)と正直王宮にいた頃と大差はない。


オスカー「そういえば、ネフェルタリさんは・・・」

コブラ「あ、あぁ。チャカは私の元直臣でして。知っている方もいるとは思いますが、「七武海」クロコダイルの下にいたのですよ」

エース「・・・内通?」

コブラ「表向きはそういうことにしておいで、スパイを引き受けてくれたのです。クロコダイルが逮捕された後はスキャンダルがばらまかれて国にいれなくなってしまい、恩人のルフィ君達の下に世話になることになったのです」

メアリ「潜入って怖いですよね・・・いつバレてしまって殺されるか分かったものじゃないですから」

コブラ「ドレーク君もでしたね・・・確か新聞で見たな、「SWORD」の一員だったとか」

メアリ「スモーカー君にもヒナちゃんにもセンゴクさんにもルフィ君にもロー君にもチャカさんにも本当に大事にして頂いて!息子のことをどうかこれからも・・・!」


違いといえば押しが強いことだ。王宮の面々はいつも一歩引いた立場で私と会話していたので、私も慣れていたからかつい反応が疎かになってしまう。ビビもここまでグイグイとは来ない。まぁ彼等彼女等への愛情が本物であるという証左だろう。心温まると友に非常に失礼ながら微笑ましく感じた。


エース「ルフィは手がかかっただろ?あいつは大丈夫なんていうが兄貴のおれには大丈夫じゃないってわかるんだ」

コブラ「そうだな、確かに彼のような身内がいたら手を焼いたかもしれないな・・・しかし羨ましいな。彼ほどに自由を楽しみ、人の心を尊ぶ者は会ったことはなかった」


くいな「ゾロはね、真っ直ぐ過ぎる。だから一度でも折れてしまったら、それでおしまい。それがちょっと怖いの」

コブラ「真っ直ぐ過ぎる所以、か・・・彼の太刀筋そのもののようだな。そこには一つの無駄も、迷いもないように見えた。そう簡単に折れはしないだろうな、あの刀は」


ソラ「サンジは口は悪くなってしまいましたが本当に優しい子なんです。他の子供達もきっと分かってくれていると思いたいのです」

コブラ「うちの専属コック達も、彼には本当に親切に手取り足取り教えて貰った、と喜んでおりました。ご兄弟もいずれ、貴女が抱いているような彼の暖かさを喜ぶ日が来ますよ」


オスカー「いやーウチの娘はホント知的好奇心が強くて。チャカさんともよく楽しそうに議論してるの見るんですよ」

コブラ「一応それなりには学んでいるので彼女も満足してくれているのならばと思うのですが・・・・・・アラバスタの学力と知力が試されている気がする・・・・・・チャカ、精進は一生ものだぞ・・・」


コブラ「ロー君のお陰で彼等は安全に航海できている。これも貴方の教育あってこそです、Dr.トラファルガー」

パパファルガー「いやぁ、この前ロシナンテさんからもそう褒めてくれたんですよ。私も果報者です」


コブラ「ドレーク君、彼は本当に正義の心が強い。あの反乱の日も、満身創痍ながらに我が国民の救助を手伝ってくれました」

メアリ「そう言って頂いて本当にもう~~~~!!!! (感極まって言葉が続かない。というか号泣しっぱなしでえらいことに)」


コブラ「成程、一族の秘密を守って、ですか。彼の忠誠心と報いる精神は、まるで貴方達の気高さを体現しているようだ・・・申し訳ない、何も知らず」

カール「気にしてはいませんよ、私達も貴方のような人に分かって頂けただけでも嬉しいものです」


コブラ「彼も子供とは苦労したのですな・・・親というのは大変ですな。私も、一人の父として彼と一献酌み交わしてみたかった」

イヨ「ま、亭主は本当に不器用な人でしたから。私が死んでなかったら、ああもこじれなかったんかなぁ・・・」


人の子たるもの、そして動物というものは、必ず親がいる。血縁上だけだとしても家族がいる。特に我等人の子というものは、血縁に重きを置く点において希有な生物だ、と聞いたことがある。一人一人の物語には、必ず愛してくれる者が残してくれた何かがある。


火のように暖かく、燃えるような情熱。

絶対に逸れず、直向きに進む力。

誰も取りこぼさず、向き合う優しさ。

知と冷の中に混ざる家族愛。

本懐を忘れなかった最後の生き残り。

父が見失った正義を取り戻すと決めた決意。

悲劇を繰り返すまいとするために全てを焼き払おうとした覚悟。

戦乱の中で忘れられなかったかつての希望。


(私は、ビビに、彼に、何を託せたのだろうか)


生き残った彼等は、果たして無事にこの時代を乗り越えることができるのか。はたまたこの地で会うのかもしれない。変わり果てた姿を見てショックを受けるかもしれない。不安は尽きない。いっそ始めからからやり直したい気分にもなりそうだ。しかし、それでも。必死にしがみつく姿と、その心からの笑みを見ると。安心してしまうのだ。

彼等に何を託せたのかは分からない。だが、それでも一筋の希望を見つけてくれたら。あの仲間と共に。


パパファルガー「そろそろお開きですな」

ソラ「今日は皆さんに会えて良かったです!」


エース「ルフィーーーーー!!!」


解散の時刻が近づき、各々が荷物を片付け始めた中で、エースが泉を通して下界の弟に向け叫んだ。皆がどうしたと思いエースを見つめる。


エース「ちゃんと風呂は入った方が良いぞーーーーー!!!!」


何か伝えたかったことがあるのかと思えばこれである。


エース「・・・色々伝えたいことはあるけどよ、結局これにしたんだ。アイツ、昔から風呂に入らなかったから臭いって周りから言われてたし。「綺麗な方が良いぞ」ってマキノとダダン、世話になってた人にも一緒に叱られたのが懐かしくてな、つい」


フフ、と誰かの笑みがこぼれた。それを親心と呼ぶのか家族愛と呼ぶのかは分からないが、彼の言うとおり結局はこんな一言に落ち着くのだ。


くいな「迷うなーーーー!!!!!」

ソラ「生まれてきてくれて、有り難う!」

オスカー「今日も可愛いぞーーーー!!!」

パパファルガー「好き嫌いせずに食べるんだぞーーー!!」

イヨ「たまにはヤマトにも電話かけてやってなーーー!!!・・・難しいやろうけど」

メアリ「ずっと大好きよーーーー!!」

カール「気高くなったな、アルベル。そして“キング”」


コブラ「ビビ、ペル、イガラム、カルー、チャカ・・・


仲間の印、ゆめゆめ忘れるでないぞ」


今の私にはこんなことしか言えないが。皆が前を向くことを信じて。


メアリ「皆、聞こえたかしら」

パパファルガー「多分聞こえてないなぁ」


ドラゴン「😊」


(成程、君は聞き取ってくれたか・・・彼等のこと、よろしく頼むぞ)


・・・その後身振り手振りで伝言を伝えようと奮闘するドラゴンくんちゃんがいたりいなかったり。













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