大遅刻除夜の鐘

大遅刻除夜の鐘


そろそろ馴染みとなった白い部屋に、謎のミッションが掲げられていた。

『108回突かないと出られない部屋』

「……」


相方は相変わらずの景虎。2人でそれを仰ぎ見て、顔を見合わせた。

「ナニで、ナニを」

「指示が不正確ですね」

部屋の中には除夜の鐘もなければ、杵も臼もない。となれば、やはり。

「やっぱり、ナニでナニを、でしょうかね?」

俺の心を読んだかのように景虎が言った。

「作成者はバカなのか?」

悪態をついても状況が変わるわけではない。ため息ひとつ、景虎を抱き寄せた。

100回イけとかに比べればずっと楽だ。さっさと終わらせてしまおう。

「その義務的な感じ、イヤですねぇ」

「シチュエーションを大事にするなら、もうそもそもこの部屋自体が情緒がないんだよ」

「情緒……ですか。たとえば?」

「ベタなところで夜景の綺麗なホテルとかオーシャンビューとか」

「晴信って、ロマンチストですよね?」

「黙れ」

余計なことしか言わない口を塞いで、ベッドに押し倒す。

尾骨から背中を撫で上げると、それだけでぴくんと身を震わせて、目に情欲の色が浮かぶ。

「ふ…相変わらず」

ベッドでは子猫のように従順だな。

言いかけて慌てて飲み込む。

景虎の理性が機能しているうちに余計なことを言って蹴飛ばされてはたまらない。

口付けて、舌を絡める。

「ん……っ」

鼻にかかった吐息が漏れる。

唇を離すと、名残惜しそうに舌を伸ばしてくるのは無意識か? まったく、可愛いことをする。

「口吸いが好きだよな、おまえ」

「……ええまあ。晴信が一所懸命にちゅうちゅうするのが可愛いので」

「それはおまえの方だろ」

可愛くねぇなあ。

と呆れながら、もう一度唇を重ねた。「ん……っ」

歯列をなぞり、上顎を舐めると、ぴくりと震えて鼻を鳴らす。

そのまま舌を絡めて吸い上げる。

「ふ、ぁ……」

口の端から唾液がこぼれていくのも構わずに、何度も角度を変えて口付ける。

唇を離すと、つぅと糸が引いて切れた。

「は……ぁ」

潤んだ瞳で見上げてくる景虎の額に、そっと口付ける。

「可愛い」

「ば、ばかじゃないですか?」

途端、耳まで真っ赤になった。

動揺したように視線を泳がせて言う姿が愛らしい。だいぶ情緒が育ってきているようだ。

それにしても、いつもは暴れ馬のような天災のような女のくせに、こういう時ばかり可愛いのは反則だろう。

ああもう、本当にどうしてくれよう。 俺は乱暴にシャツを脱ぎ捨てると、首筋に噛み付いた。

「ん……っ」

痛みか、くすぐったさか、景虎が身を捩る。

構わずに吸い付いて痕を残すと、白い肌の上に赤い花が咲いた。

「ふ……」

満足げに微笑むと、今度は胸に手を伸ばす。服の上から撫でるとすでにそこは固く主張を初めていた。

やわやわと揉みしだき、先端を爪で弾く。

「にゃっ」

びくんと体が跳ねる。その反応を楽しむように何度も繰り返すと、次第に硬さが増していった。

「ふぁ……あ、ああっ、もう、服のうえからじゃ、なくて」

「直接触って欲しい?」

聞くと、こくこくと頷く。

素直な反応に気を良くして、俺は手早く景虎の服を脱がせた。

下着も取り払ってしまうと、白く滑らかな肢体が現れる。その美しさに思わず見惚れた。

じっと眺めていると、恥ずかしいのかもどかしいのか、景虎が身をよじる。

「いいからっ早くしてくださいよぅ……」

涙目で訴えられて、苦笑するしかない。まったく本当に情緒のないやつだ。

「はいはい」

苦笑しながら、胸を口に含む。舌で転がすとびくんと身体が跳ねた。

「んぁっ!」

途端に高い声で鳴き始める景虎に、思わず口角が上がる。もっと鳴かせてやりたくなって執拗に責め立てると、その度に甘い声が上がった。

しばらくそうしていると、ふいに髪を掴まれる感触があった。顔を上げると、荒い息で潤んだ瞳の景虎がいた。

「も……はやく……」

もう我慢できない、というように腰を押し付けてくる。

「はいはい」

苦笑して下肢に手を伸ばすと、そこはもうすっかり濡れそぼっていた。割れ目をなぞり上げると、また甲高い声を漏らす。

「にゃぁあっ!」

そのまま中に指を差し入れると、待ち望んでいたかのようにきゅうっと締め付けてきた。

ゆっくりと抜き差しを繰り返しながら解していくうちに、どんどん柔らかくなっていくのがわかる。頃合いを見て二本目を入れると、少し苦しそうにしながらも受け入れてくれた。ばらばらに動かして内壁を擦り上げると、その度に中が収縮して指を締め付けてくる。

「にゃ、あ、ああっ」

景虎は必死にシーツを掴んで快楽に耐えている。その姿はとてもいじらしいけれど、同時に加虐心を煽るものでもあって。俺はわざと感じるところを避けながら指を動かし続けた。

「にゃっ、なんでぇ……っ?」

涙目で訴えてくるのを聞き流してさらに続けると、やがて耐えきれなくなったのか腰を揺らし始めた。無意識なのかそうでないのかはわからないが、その動きに合わせて指を出し入れしてやると甘い声が上がる。

「ふにゃ、あ、ああんっ」

ぐちゅぐちゅといやらしい水音が響く。その音にすら感じてしまっているのか、景虎は腰を浮かせて喘いでいた。

そろそろいいかと思い指を引き抜くと、名残惜しそうに中が絡みついてくる。それを無視して自分のモノを取り出すと、入り口に押し当てた。

「いくぞ?」

耳元で囁くと、こくりと小さく頷くのが見えたので一気に貫くことにした。熱い粘膜を押し広げて侵入していく感覚に身震いする。奥まで挿し込むと景虎の中はいっぱいになって苦しそうに嬉しそうに身悶える。

掲示を確認すると、107になっていた。

マジか。本当に俺ので景虎の奥を突けってか。考えたヤツマジで頭沸いてんだろ。

そんなことを考えている間にも、景虎はきゅうきゅうと俺を締め付ける。

「一回イっとくか?」

下腹部を強めに撫でてやると、それだけで中がきゅんと締まった。

「や、やだ、晴信のでイきたいです」

ふるふると首を振って訴える姿は健気で可愛いのだが、それは無理だ。

「このままじゃ苦しいだろ?」

さらに押して撫でてしてやると、ナカと外と両方からの刺激に耐えきれず、景虎はびくびくと身体を痙攣させて達した。

「にゃぁあぁああっ!!」

同時にぎゅうっと締め付けられる。

快楽をやりすごしてから抽挿を開始すると、途端に嬌声が上がった。

「にゃっ!あぅ……ああんっ!」激しく打ち付けるたびに結合部から蜜が飛び散りシーツを濡らしていく。その水音を聞きながら何度も抜き差しを繰り返す。

「にゃぁ、あ、ああっ」

もはや意味のある言葉を発することもできずに喘ぐばかりの景虎の腰を掴んで引き寄せる。そのまま最奥まで穿つと、一際高い声を上げて達した。同時に中が激しく収縮する。搾り取るようなその動きに逆らわず俺も欲を放った。どくんどくんと脈打ちながら吐き出される熱を受け止めている間も、景虎はぴくぴくと身体を震わせていた。

「ふにゃぁ……」

余韻に浸るように蕩けた表情を浮かべているのを見て思わず笑みが漏れる。

ずるりと引き抜くと、それにも感じたのか小さく声を上げた。

「ん……っ」

とろんとした目でこちらを見つめてくるので、頭を撫でて口付ける。舌を差し入れると向こうからも絡めてきたので応えてやる。しばらくそうしていると満足したのかようやく解放してくれた。

さて、カウントはいくつになった?

そう思って壁に視線を向けると、108だった。

「……あ?」

さっきは確実に減っていた。

なのにまた108に戻っている。

「おい、景虎。どういうことか分かるか?」

「108は煩悩の数、ですから…んっ」

「108回出せって?でもさっきは射精してないのに減ってたぞ、ほら」

柔らかくこなれた女陰の奥まで挿し込むと、カウントは107になる。間違いない。

「ん、にゃあぁぁ、まだ、ダメぇ…っ」

さっきの余韻がたっぷり残っていた景虎は、奥をぐりっとしただけで達した。

「ふにゃぁあっ!あ、あぁ……っ」

その瞬間、カウントが108に戻る。

「煩悩…煩悩ね」

達して、煩悩に負けてはいけないということなのか。つまりこれは、108回奥を突きながら達してはいけないという、そういうミッションらしい。

「おい、景虎。そういうことだから、なるべくイかないようにがんばれよ」

「そ、んなの、むりですぅ……」

「無理じゃない。できるだろ?」

言いながら抽挿を再開すると、景虎はまた甘い声を上げ始めた。

「にゃぁんっ!あぅ……っ」

きゅうっと締め付けてくる中を容赦なく擦り上げる。奥を突くたびにびくびくと震える体を押さえ込んで何度も繰り返すうちに、景虎の限界はすぐに訪れた。

「ダメだ」

今にもイきそうにびくびくしているのを感じて、動きを止める。

「景虎、イったらダメだって言っただろ」

「や、いじわるぅ……」

涙目で訴えてくるが、無視する。今動けばコイツが絶頂するのは確実だからだ。

「キス、してください、晴信ぅ」

「はいはい」

仕方なく口付けてやると、嬉しそうに舌を絡めてくる。同時に中がきゅんと締まったので軽く突いてやるとまた甘い声を上げる。可愛い奴だなと思いながらもキスを続ける。その間にも俺は腰の動きを再開させた。

「ん、んんっ!」

絶頂の手前で何度も止められるのは辛いだろうに、それでも必死に応えようとしてくる姿は健気で愛らしいと思う。そんな姿を見せられれば、ますますいじめたくなるというものだ。

「ふにゃっ!あぅ……ああっ」

また動き始める。今度はゆっくり焦らすように出し入れすると、もどかしそうに腰を揺らし始めた。

「ふにゃぁ……っ」

「どうした?腰が動いてるぞ?」わざと耳元で囁いてやると、顔を真っ赤にして首を振る。それでも快楽には抗えずに自ら腰を動かしている姿に嗜虐心が煽られるのを感じた。もっと苛めてやりたい衝動に駆られて激しく突き上げてしまう。景虎は背を仰け反らせて喘いだ。両足を腰に巻き付けて、俺を離すまいと必死だ。ついうっかり景虎のイイところを掠めると、同時に中がきつく締まって、びくびくと全身を痙攣させた。

「にゃ、あぁぁぁんんんっ!!」

「あ、コラ、勝手にイくなよ」

「だって……っ!」

半分近くまで減っていたカウントは、当然元に戻っていた。やり直し、だ。

「俺も、一回…」

「あぅ……ああっ!」

こうなりゃヤケだと奥をえぐる。

絶頂の余韻に浸る間もなく責め立てられて、景虎は涙を流しながら身悶えた。それでも俺は動きを止めなかった。むしろさらに激しく突き上げてやると、悲鳴じみた声を上げてしがみついてきた。

「にゃぁあっ!ま、待ってぇ……!」

構わずに抽挿を続けると、そのたびに中がきつく締まるので気持ち良すぎてたまらない。もっと味わいたくて何度も何度も奥まで穿つと、そのたびに景虎は絶頂を迎えているようだった。その度に膣内がうねって搾り取るように絡みついてくるのでたまらない。

「ふぁっ、あっ!やぁっ!」

「出すぞ、景虎」

「ふぁい……っ!きて、くださいぃ……っ!」

最奥まで突き入れて欲を放つと、同時に景虎もまた達した。

「さて、仕切り直しだ」

「晴信、これ、ムリ、ですよぅ」

そうかもしれない。快楽に弱いこの身体で108回待ては辛いだろう。

「じゃあ、後ろでやるか」

尻をくぱっと開くと、ひくつく入り口がよく見える。

「や、そっちはダメ!」

「でもナカだとイくだろうおまえ」

尻の方もしっかり仕込んだので、俺のモノでもしっかり咥えこめるようになっている。だが、なかなかそちらではさせてくれないので、これはいい口実かもしれない。

「ものは試し、だろ」

後ろの穴に指を挿し入れて動かしていると、徐々に柔らかくなってきた。

「やだぁ……っ」

いやいやと首を振る景虎を無視して、指を二本に増やして抜き差しする。最初はきつかったが、今ではすっかり慣れたようで美味しそうに指をしゃぶっている。

「ほら、こっちも欲しいってよ」

指で尻穴を広げながら言うと、景虎は泣きそうな顔で俺を見上げた。

「晴信のいじわるぅ……」

そんな顔で睨まれても可愛いだけだぞと思いながらも口には出さずに頭を撫でてやる。それからそこに自身をあてがい一気に貫いた。

「ふにゃぁっ!あ、あぁっ!」

待ちわびた刺激に歓喜の声を上げる景虎だったが、すぐにまた達してしまったらしくびくびくと震えている。

「こっちも敏感だなあ」

「誰のぉ、せぃ……っ!」

「俺だな」

笑いながら抽挿を開始する。最初はゆっくり、段々と激しくしていく。

深いところを擦ると、景虎が嫌そうにしながらも感じているのが征服欲を満たす。

(こっちだとカウント減らねえな)

途中で気づいたが、景虎はカウントを気にする余裕もないようだった。

どうせカウントが減らないのならば、思いっきりイカせたって構わない。

ぐりぐりと遠慮なく突き上げる

景虎はすぐにまた絶頂を迎えたようだった。

「あぅ……にゃぁあんっ!!いまイッてるからぁ……っ」イきっぱなしの状態になっているようで、中はずっと痙攣しているし声も甘く蕩けている。そろそろ俺も限界だったのでラストスパートをかけるべく動きを速めた。パンッ!パァン!!肌同士がぶつかり合う音が響く

「も、だめ、またイク……っ!」

「俺もだ」

最奥まで突き上げて、そのまま欲を放つ。同時に景虎も達したようで体を仰け反らせて痙攣していた。しばらく余韻に浸ってから自身を引き抜くと、どろりとした白濁液が溢れ出してきた。

「あぅ……」

それすらも感じるのか小さく喘ぐので少し心配になる。大丈夫か?こいつ壊れたりしないよな? そんな俺の心配をよそに、景虎は幸せそうな表情を浮かべていた。そしてそのまま気を失ったのだった。

「……おい?」

びくびくと痙攣する体を抱きしめてやると、安心したようにしがみついてきた。

「にゃぅ……」

甘えるような鳴き声を上げる景虎の髪を優しく撫でてやる。すると気持ち良さそうに目を細めた。まるで猫みたいだ。

「おい、起きろ。ノルマ終わらないぞ」

ゆすってみてもすりすりとすりよるばかりで、目を覚ます気配はない。困ったなと思いかけて、閃いた。

「いや、待てよ?」

このまますれば、景虎もイかないだろう。後は俺が出さないよう気をつければいい。

「よしよし、いいぞ。そのまま寝てろ」

意識のない景虎の中に逸物を刺し挿れる。きゅうん、と締め付けてくるが構わずに抽挿を始めた。

「ん……っ」

少し苦しそうな声を上げるものの起きる気配はない。そのまま奥まで突き入れてぐりっと回すように動かすと、また甘い声が上がった。同時に中もきゅっと締まるので気持ちいい。思わず出してしまいそうになるのを堪えて腰を動かす。

「にゃぁ……あぅ……」

景虎は眠っているにもかかわらず感じているようだった。無意識の状態で快楽に溺れる姿は淫らで可愛らしいと思うと同時に嗜虐心が煽られるのを感じた。もっともっと苛めてやりたい。そんな衝動に駆られてさらに激しく突き上げる。

「にゃ、あぅ……っ」

景虎はびくびくと身体を震わせている。眠っているのに俺を逃すまいと食らいつく膣は、淫らに吸い付いてくる。

何も知らない生娘をこうしたのは、俺だ。

そう思うと堪えきれなくなって、加減を忘れて激しく抜き差しをしてしまう。

達してはいけないのは、俺も同じだ。

分かっているが、止まらない。

「にゃ、ひゃぅん…っ」

寝ているはずなのに、景虎は、両の乳頭も陰部の突起も固く立ち上がらせて、全身で俺を感じている。これはもう俺のための女だ。そう思うと、ますます愛おしくなる。

「にゃぁ……っ」

景虎は甘く鳴いて、俺の背に爪を立てた。無意識の行動だろうに、それがまた愛おしいと思う。

(ああ、もうダメだ)

もう我慢できないし、止める気もない。俺はラストスパートをかけるべく抽挿を早めた。同時に胸と陰核に手を伸ばすと両方を同時に責め立てる。すると中がさらにきつく締まったので最奥に欲を放つ。

「やらかした…」

ミッション達成までもうすぐだったのに。また最初からやり直しだ。

「クソ、負けねぇぞ」

負けず嫌いは生前からの性分だ。

今度こそ理性の紐をしっかり結んでゆっくりと抜き差しを開始する。

100、90、80…

俺の下で感じる景虎は見ない。見るとうっかり激しくしたくなる。

70、60、50…まだるっこしい。早く出したい。思いっきり鳴かせたい。

40、30、20…

「ふにゃぁ……っ」

景虎が甘い声を上げる。その声でまた興奮してしまう。

15、10、

まずいなと思う。このままだとまた理性の紐が緩むかもしれない。

あとちょっとなのに、と少し焦りながら腰を動かす。

「にゃ…んっ、はぅのぶ…やあん」

最大級に蕩けた目で見つめられて、一瞬理性の紐が緩んだ。

(ああもう!)

「にゃぁあんっ、ナニコレぇ?」

訳がわかっていない景虎に説明する余裕はない。眠っている間ずっと感じさせられ続けた景虎もおそらく限界だろう。急げ。

987654321、0

鍵が開く音がした。

「っ、後は好きに動いていいな?おまえも辛かったろ?死ぬほどイけ」

遠慮も容赦も手加減も忘れて、突き上げる。

「に゛ゃああんんっ♡♡♡」

絶叫を上げる景虎を抱きしめながらラストスパートをかける。もはや自分がどんな顔をしているのかさえ分からないが、とにかく目の前の女を善がらせて、鳴かせることしか考えられない。

(たまらねぇなあ)

どちゅどちゅと腰を打ちつけながら考えるのはそればかりだ。自分のものにしたいという独占欲と征服欲が入り混じる中、俺は景虎の中に欲を放ったのだった。


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