🖤✕大王

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※何でもアリな方のみ読んでください!

※いちよう事後

※ステゴさん出てこないよ。

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※

「………。」

隣で静かに寝息を立てる褐色の男をタバコをふかしながら見つめる。

少しウエーブのかかった髪を指で退けると、薄っすら涙の跡が見えた。

（………やり過ぎたか。）

我ながら今日は乱暴に抱きすぎたと反省する。

しかし、それには理由があった。

息子（ドウデゥース）に俺のダービーが見たいとせがまれた。

俺は断りたかったが、いっこうに引かない息子に根負けして見せることになった。

「パパも見ようよ〜」

「………は？」

一人で勝手に見ててほしかったのに、空気の読めない……いや、悪意の無い誘いを断れなかった。

そして再生される2004年ダービー。

あまりのハイラップで多くの戦友がレコードとなった。

しかし、それは文字通り多くの代償を支払う羽目になった“死のダービー”

そんな中でも一際輝く褐色の大王（キングカメハメハ）

「スゲぇ！キンカメさんカッコイイ！」

………やめろ。

「俺もレコードでダービー勝ちたいな〜」

（………チッ。）

どす黒い何かが溢れてきて、忘れていた……いや、見てみぬふりしてきた醜いソレが再び囁く。

“オレヲ…オイテイキヤガッテ…”

「ゴメン、ハーツ。もう……キミと走れないんだ。」

「またタバコ吸ってるの？」

眠気まなこでムクリと起き上がると、咥えていたタバコを奪おうとする。

「うるせぇ。俺はいつもシタ後は一服するんだよ。」

「だ〜め〜で〜す〜ぅ。キミ喉なりで引退したんだから、吸ったら悪化するでしょ〜」

「………」

「なに？ジーっと見て。」

「………別に。」

吸っていたタバコを灰皿に押し付けると、布団に深く身体を埋める。

「あれ？もう寝ちゃうの？」

「朝イチで帰らねぇとガキ共がうるせぇからな。」

「そ。じゃあ……」

そう言うと、俺の唇に自分の唇を軽く重ねる。

「おやすみ。僕のハーツ。」

「……………。」

そう言うと、布団に潜り再び目を閉じるキンカメ。

触れられた唇を軽く触る。

（………本当にムカツク野郎だ。）