大人気ゆたんぽ・ダイブちゃん争奪戦

大人気ゆたんぽ・ダイブちゃん争奪戦


※注意 だいぶギャグ多めの小説になりました。キャラ崩壊気味

    なんでも許せる人向け。




 寒い気候の海域に入ったヴィクトリアパンク号では、船長や船員、船の外見に似合わないとある戦いが早朝から行われるという…。

まずはその戦いのきっかけの話から


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【女性クルーの自室にて】

ヒップ「寒い寒い…ベットから出たくないんだけど」

 航海士の見立てによれば最高気温が10度いくかいかないかの世界なんだっけこの海域、とヒップは昨日の報告を思い出して目覚めた。キッド海賊団は船長及び幹部をはじめとして、南の海出身のクルーが多く、比較的寒さに弱い人が多い(ちなみにヒップも寒さに弱いクルーの一人である)。普段ならもう人が行き来している気配が読み取れるのだが、今日は全くその気配がしない。

ヒップ「はぁ…どうしよ」

 気持ち的にはさっさとベットを出て化粧台が空いてる時間帯に化粧やら髪やらを済ませたいのだが、寒すぎて出たくない。布団のぬくもりを逃したくないのである。布団の中で化粧しようかなとも思ったが、洗濯当番に怒られそうである。え~どうしよう、と思考が一周したような感覚にとらわれたときだった。

ヒップ「待っていいこと思いついた」

 名案中の名案。ヒップは思いついた直後、自分を頭の中でほめ倒しながら布団から飛び起き、寝間着と普段着を秒で取り換えながらとある部屋に向かった。化粧もまだだし、服も来ただけではあるがいいのだ。なんてったてここは女性クルーだけのエリアだし廊下には人の気配もしない。駆け足気味にとある部屋につき次第、バタンとドアを開けた。

ヒップ「おはよダイブ!!!…ってもういない?!」


【女性クルーエリアの共有スペース】

クインシー「あらおはよヒッ「それないってマジで!!!!」

  ヒップの悪い予感は的中した。ダイブ自身の部屋にいなかったダイブを探し、まず検討を付けたのが共有スペースだった。共有スペースになら早めに暖房はつくだろうし、ダイブをゆたんぽ代わりに暖をとろうとする輩がいるかもしれないと考え、急いでここに来たのだ。早めに起きたダイブがここに1人でいるのを期待していったものの、現実はすでに先客がゆたんぽを独占済み。おまけにコーンスープを朝から一杯たしなむなんてことをやってのけてる。

ヒップ「……せっかく…せっっっかく朝からあったまると思ったのに!!!」

クインシー「あらあなたも狙っていたのこの子?うふふ」

ヒップ「うふふじゃないわようふふじゃ!!!」

ダイブ「あ。ヒップおはよ」

ヒップ「おはよ…朝からあったかそうでいいねダイブ」

ダイブ「うん。クインシーがコーンスープ作ってくれたんだよ」

クインシー「作ったといってもインスタントだけどね(ぬくぬく)」

ヒップ「そのぬくぬくが腹立つ!!!そのぬくぬくという効果音が!!!」

 してやったりみたいな顔でゆたんぽダイブを独占するクインシーに腹が立つヒップ。ちなみにダイブと背格好が似ているハウスは今朝の朝食当番のためキッチンにいる。

ダイブ「ヒップにも後で湯たんぽしに行こうかな!」

ヒップ「えっいつでも歓迎するわまじで」

クインシー「ダイブそんなに急がなくてもいいわよ。朝食までここにいればいいのよダイブが冷えちゃうじゃない(なでなでぬくぬく)」

ヒップ「時間交代制を導入しろ!!!!」


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 クインシーの発案?によってゆたんぽダイブが女性クルーだけではなく全クルーに知れ渡るのはそう時間もかからなかった。ちなみにヒップがクインシーに言いがかりをつけている同じ時刻ぐらいキッチンでは「ハウスはカイロになるのでは?」と実験が行われ、見事に暖をとれることが判明していた。こうしてキッド海賊団では寒い海域における湯たんぽとカイロをそれぞれ手に入れたのであった。だが、この貴重な熱源を手に入れた彼らにおいても、戦いは避けられるものではなかったのである。戦いの火種であるゆたんぽはダイブとハウスのみ。そう、争奪戦が始まったのである。

 これは、キッド海賊団の幹部・W氏が面白さ半分に航海日記に記した戦いの一部の記録である。


 〇月〇日 筆者 W

 今日は午前6時半にいつもの戦いが女性クルー内で起きた。といっても勝者はダイブと一緒に寝ていたホップ、ハウスと一緒に寝ていたエマだった。朝食当番のクインシーによると女性専用エリアの共有スペースにおいても二人をそれぞれだっこできるのはたいてい一緒に寝ていた者だけらしい。野郎なら一緒のベットで寝るとか絶対考えられねぇよ。ちなみにそのせいかヒップの機嫌がやや悪い。勘弁してくれ。

 朝飯食ったら当番のないやつは自由時間だが、ダイブとハウスにはここんところ一人で過ごす自由時間はないようにも思える。ハウスは熱源に飢えたヒップが爆速で捕まえ、ソファに座るヒップの膝の上に座らせていた。しばらくは誰も取るつもりはないのでカシラや他のクルーに牽制するのをやめてほしい。ちなみにダイブはというとキラーさんの服の中に入っていた。冷たい水を使って料理したり皿洗いするキラーさんのために、朝食後しばらくはハウスと二人で交代でキラーさんの湯たんぽ役やってるらしい。良い子。

 午後はダイブが甲板の掃除当番で他の大柄クルーに混じってバケツ運んだりしていた。バケツをある程度運んだ後は湯たんぽ役を頼まれたらしく、ひたすらに誰かの懐に入っていた。いやカンガルーかよ。ちなみに、野郎のクルーの間の中では、湯たんぽ役が嫌がらないように毎日風呂に入ったり石鹸で体洗うようにしてるんだとか。ハウスはというと女性クルーの抱っこ後はヒートに抱っこされ、3時半ぐらいには仰向けのカシラの上で寝ていた。

 夕飯食った後は風呂に各自順番に入り、風呂をを済ませた者からダイブとハウスで暖を取る。この時間帯、湯たんぽの持てる時間は5分から10分という短い時間制限があるそうだ。湯たんぽ側の二人が大変そうだなと思ったら案外そうでもないらしく、キラーさんからときどき二人だけにお礼のデザートが振舞われるらしい。キラーさんあったかいっつってたもんな。そしてカシラが風呂に入ってあがってくると湯たんぽ役の二人はカシラの太ももにそれぞれ座り、デザートをカシラにおすそ分けする。あめぇもんはそこまで食わねぇとか言いながら律儀に毎回食ってやってるカシラはどこかまんざらでもなさそうだ。

 ちなみにこの間に女性クルーの間では誰が湯たんぽ役と一緒に寝るかの仁義なき戦いが始まった。今日はハウスが不寝番なので湯たんぽ役はダイブ一人だけである。勝負はじゃんけんで行われ、クインシーが勝った。ヒップはくずおれていた。どんまい。

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ヒート「ダイブとハウスを抱っこしやすくするためにさ、大きいポケットがついてるスウェット買いたいんだけどキラーさんどうかな?(湯たんぽ役ダイブちゃんでぬくぬく)」

キラー「それは名案にちがいない(それはそうと湯たんぽ役ダイブを貸せという手)」

(タイマーを手に制限時間を計っているエマ)

(時間超過者に一撃喰らわせる用のバット持って構えているクインシー)

(ハウスを抱っこして逃げ回るクルーを鬼の形相で追っかけ回すヒップ)

キッド「(どっから突っ込むべきかか悩んでいる)」

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