壊滅
一味のみんなは強い、七武海で元社長のクロコダイルやゲッコー・モリアだって倒したんだから…思えばそこから油断や現実を甘く見ていた部分があったんだと思う。どんな相手が来てもみんなでなら勝てると…
「とにかく全員、ここから逃げろ!!!あとは助かってから考えろ!!!」
叫び声が聞こえる。まさか、あんなに大将黄猿と暴君くまが強いなんて…どんどんみんなが消されていく、呆然としてる暇なんてない。呆然としていたらその間にも一人また一人と仲間が消されていってしまう。
「ナミが危ない…ロビン、ルフィを守って!私がナミを…!」
ロビンなら私よりずっと強い。だからルフィを任せてナミを助けるために走り出す、ルフィの制止する声が後ろから聞こえる、当然だろう私なんかが行っても死ににいくようなものだ。だけどただ皆がやられているのを見ているだけなんて嫌だ。仲間を見捨てれない、私だって麦わらの一味なんだ!
だがそんな覚悟を嘲笑うかのように非情な現実は押し寄せてくる。目の前でまた仲間が消された、私は…間に合わなかったんだ。もう残ってるのはルフィとロビンに私だけ、あんなに強いみんなが為す術もなく消されていった絶望的な現実に押し潰されそうになる。…その時私は一瞬動きを止めてしまった、その隙を逃さず暴君くまの魔の手が迫ってくる。…逃げられない
(ごめんねみんな、ルフィ…)
そう一瞬諦めてしまったとき私はなにかに引っ張られて、なんとか暴君くまの魔の手から逃れられた、ロビンがハナハナの能力で既のところを助けてくれたんだ、けれど…そのせいでロビンが消されてしまった。私のせいだ、私が一瞬でも諦めたから…涙が溢れそうになる。…だけど泣いてる場合じゃない、このままじゃルフィまで消されてしまう。そんなのは嫌だ、絶対に嫌だ!
「…ルフィ!時間を稼ぐ! 逃げて!」
絵の具と筆を構える、どこまでカラーズトラップが通用するかはわからないけれどやるしかない。せめて…ルフィだけでも、大好きな人だけでも助けたい!
「よせ!マリアンヌ!!」
……その言葉が最後に聞いたルフィの声だった。
ーーーー二年後
「ふぅ、やっと着いた。みんな元気にしてるかな…」
私はまたシャボンディ諸島に足を踏み入れる。今でも多少くまに飛ばされたトラウマは残っているがみんなが殺されたわけじゃなく飛ばされただけとわかってからは幾分か楽にはなった。……それとは別に新聞読んでてルフィが死んだと思ったときは何もかもがどうでも良くなったが…すぐ生きてることがわかってよかったけども…
「さてと…サニー号は…確かあっちだっけ?まぁ行けばわかるかな、わっぷ…ごめんなさい」
久々にみんなと会える、そう思って浮足立ってしまっていたのか余所見をして人にぶつかってしまった、シャボンディ諸島には海賊が多い、たちの悪い海賊にぶつかって難癖つけられたら面倒くさいな…そう思っていたらぶつかってしまった相手から声をかけられる。
「おぅわりぃな、俺もちょっと急いで…ん?」
とても良く知っているこのニ年間ずっと恋焦がれて聞きたかった声だった。
「…ひさしぶりだね、ルフィ!」