塩試合
「じゃあ、勝負の内容ね。殺し以外は何でもアリ……以上」
余りにも簡素、足りない
だが五条悟は笑いながら少しだけ補足を入れるだけだった。
「大丈夫、二人共反転術式使えるし」
「まぁ、五条がそういうのならそれで良いの……かな?」
「お前、呼び捨て何だな任務中は先生って言ってなかったか?」
「オレは公私を分けてるの昔ね……まぁ良いでしょさっさと始めようか」
人間無骨を構える呪力が鋭敏に成る近づくだけ針山に突っ込む様な相手の間合い、不用意に近づけば四肢のどれかは飛びかね無い死の予感。
「そうだな、やるか
「んじゃまぁ、試合開始〜」
領域展開 坐殺博徒」
気の抜けた五条悟の声とともに領域が展開される即座に簡易領域をした為にクソみたいな情報は流し込まれなかったものの周りの状況から少しだけ領域の内容を把握するが。
「簡易領域で術式の開示を受けなかったか、まぁ良い簡単に言えばこのスロットの出目が揃えば俺にバフがかかる良いな?」
「そう、大体把握した。で、無防備でいいの?」
簡易領域を貼りながら飛んでくる玉や電車の改札から飛び出るシャッターの攻撃を弾きながら近づき、消える
「!!何処にi
「後ろ、先ずは腕から行こうか」
縮地による移動、領域内ですら簡易領域と展延と同等の効果もあり呪力の探知はしづらく相手の死角をつく為、探知は不可能に近いそこから繰り出される、最速にて致命的な初撃。
抜刀剣
ザン
「まだ続ける?」
転がった腕を一瞥もせずに秤金次を見つめている岩戸那岐。
「逆に効くがココで決めなくて良かったのか?」
それに対し秤金次は不敵に笑う
それも、その筈彼の術式、領域、呪力何より強力なのは此処一番にツキを手繰り寄せられる『豪運』
3 3 3
「揃ったぜ、滾るな」
溢れる呪力でトぶぜ
「当たりは無限の呪力、けど呪力出力はそのまま。でも100のMPを消費して大技を放っても次のターンには100は補填されるその上、ダメージは」
「溢れる呪力による反射の反転術式によって回復ってわけだッ!」
「で、それが何?」
結界 「草薙」
数え切れないほどの斬撃が秤金次を斬り刻む、100や200ではない腕、足、胴体、頭全てが容赦無く斬り飛ばされる
無限の呪力とは言っても、そんなチートが永久に許される筈がない、ならば那岐が取った選択肢は人の知覚速度、五感の速度より相手を刻み動きを封じる。
呪力が切れるタイミングの0.01秒前で斬撃を止めれば死ぬことは無い。
4分10.99秒が経過する
コレで死んでいない事に少し驚きつつ、目で継戦の意思を確認するどうやらまだ彼は諦める気は無いようだ。
「まだ、やるんだ……」
「たりまえだろ
領域展開 坐殺博徒」
再び領域が展開される
「焼き切れの弱点すら封じてるのか隙の無い術式だね……」
「そうでもないな、お前が俺の負けを確かめずに腕を切り飛ばされてたら危なかった、そして
「また、大当たりを引くんだね」
殺せないというルールがある以上ココで秤金次の首を落とすということは出来ないなら
絶刀 「無明三段突き」
領域の内側からの領域の外殻への攻撃は強く硬いだが無明三段突きは汎ゆる防御を貫通する魔剣、領域の外殻を内側から破壊する事すら可能であるとは言っても必中必殺の領域なら話は別だ絶え間の無い必殺の攻撃の殴打により外殻に近づくより本体を狙った方が速い何より相手が呪詛師の場合は逃げる可能性が上がる。
「おいおい、「継続」中だ」
「!?コレは……」
「疑似連……いや知らないかまぁ良い領域を破壊何て冷めた事するなよ」
「オレは勝ちたいのそれが熱く無いの?滾ら無いの?そして、何より負けたらこの薙刀の技が否定された気がする」
「なら知らねぇ、から俺に教えてくれよお前の『熱』を!!」
「はぁ、殺す技を打つから
死なないでね」
薙刀の技、その極致
ただの一閃されど相手の因果を見通し
それを断つ正真正銘の絶技
「んぁ……」
「まぁ死なないよ、多分ね」
が、またしても
「当たり前だ」
この男は手繰り寄せた
確率を超えた、大当たりを
6 6 6
「またか………」
「あぁまただ」
呪力が溢れるだが、同時に薙刀の斬撃もまた彼を襲う
再び4分10.99秒が経過する
人間無骨には持ち主の呪力を増やす効果が有るがやはり十分近くの全力の呪力行使、無限の呪力を持つ人間を刻み続けるには労力が有った
しかし、その呪力の壁が僅かにでも取り払われた瞬間。秤金次は気づく
彼女は名も無き剛の者
天上天下並ぶ者、無き薙刀使い
されど全て視、全てを薙ぐため
研鑽を続ける求道者(アウトロー)
そして、呪力等の関係の無い
薙刀を持った彼女の
表面から溢れる出るのは
圧倒的なまでの殺傷能力!!
ゾクッ
「フゥ……オレの負けで良いや呪力切れて来たし君は強いよ完敗だ」
「なっ」
「ヨシ、那岐の負けで」
塩試合、それもその筈
彼女の本領はその先に有ったと彼は強く感じ取ったからだ、それにあの呪具が有るならば呪力が完全に尽きる事など有り得ない。
「熱がないな……アイツ」
有るのは全てを薙がんとする狂気に似た求道心……それ故に勝ちを求めはすれど勝ちには拘ることはない。
(………次は倒すよ秤金次)
そして、過大評価を嫌う彼女とのすれ違いが彼女の熱を感じる機会を奪っていた。