堕天使の楽園

堕天使の楽園


いつからここにいるのだろうか。記憶がない。

私はベッドの上で目が覚めた。

一つだけ残っている記憶は、頭に銃弾が当たったということだけだ。

「あっ、やっと起きたんですね。」

"ここは一体…。君は…誰なんだ?"

「戦闘に巻き込まれて…銃弾があなたに…」

「あなたのことは知りませんが、見捨てる訳にはいきませんでした。」

そしてここがアリウスという自治区、そして助けてくれた少女はそこの学生だった。

"詳しい話を聞かせてくれないか。"

銃声が鳴り響く

「ああ、またあいつら」

"何があったんだ"

「あなたのためにいろいろと…その…パクってきたので…」

"(溜息)今ある武器は?"

「ええっと、M4カービン2丁にグレネードが9個、弾薬は5.56mmNATOが600ほど…」

銃を掴み取り、マガジンをセットし、チャージングハンドルを引く。

「まさかあなたも戦うつもりですか!?怪我しているので私だけで…」

"いや、いいんだ。指揮に従ってほしい。"

「?まあ、あなたがどうしてもというのであれば…」


ダダダダダッッ

「さっさとおとなしく投降しろ!」

「ま、投降しても命の保証はできないからね。だから必死の抵抗をしてるんじゃない?」

「だとしても逃げないということはあそこに何かあるということだ。」

バババババッ

「なんだ!?」

ぐあぁ

「何かいる!」

体が軽い。自身で何をすべきかわかる。体に刻み込まれているようだ。

「普段より戦闘がしやすい…あなたは…」

"6時の方向に敵発見!"

…………


"これで全員か?"

「ええ、でもなんで倒した人たちを治療したんですか?」

"私とあんた二人では心元ないからね。"

"起きたか。"

「ううっ、あんたは一体…」

"話は聞かせてもらった。ここは崩壊しかけてるってな"

「何を…」

"エデン条約の一件。ベアトリーチェとやらに従う必要は本当に、あるのか?"

「…」

"あなた達は、戦場でしか生きられないだろう。だから開放したい。"

"そして作ろうではないか。戦士たちの天国、いや天使たちから見放された楽園を。"


アリウススクワットは現在、逃亡中らしい。コンタクトを取ろうと諜報員たちに捜索をさせているが、難航しているそうだ。武器弾薬はいくらかの拠点から生徒とともに収穫できた。生徒たちは私の理念に従うようだ。

「報告です。アリウススクワットのリーダーの位置が判明しました。先生とやらにコンタクトをしていた模様です。」

"そうか…。わかった、コンタクトを取ろう。"


"あんたが"先生"か。"

「クソッ追手か!」

"落ち着いてほしい。追手ではない。私達は共闘したいんだ。"

「…あの大人…先生と似ている…?」

先生「何のために?」

"ベアトリーチェから生徒たちを解放したい"

「!!」



"てぇ!"

ダダダダダダ チュドーン

先生「やはり…あの能力…それに顔…もしかしてあの人は…」

"終わりだ。"

異形と化したベアトリーチェに銃弾をぶち込む。

そしてゲマトリア達が現れ…

「さすがですね、先生。そしてあなたは一体…誰なのでしょうか。いくら考えても同一人物としか思えないのです。」

"!!"

先生「……」

"私はただ、戦士たちの楽園を作るだけだ…。"

"さようなら、先生。"

先生「やはり…私と一緒のコピー。だからアリウスを解放したのか?」


"さあ、始めるぞ。堕天使たちの楽園を"

end

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