堕ちた"幽霊王女"

堕ちた"幽霊王女"


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!!注意事項!!

シチュエーションのため性欲モンスターなルフィ

レ〇プ、快楽堕ちの描写がります

苦手な方は閲覧をご遠慮ください

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「はァ~……あいつを無事この島に送り届けたし、せっかくだから観光でもして帰るかな~。鷹の目には何かワインでも買って帰ればいいだろ」

 あいつ。そう、ロロノア・ゾロ。

 私が雰囲気ぴったりの(でも色々と不足してて不便で不満だった)島で過ごしていたある日、急に落ちてきたあいつ。

 モリア様の島で散々暴れたりと色々因縁はあったあいつがボロボロの姿で落ちてきたときはザマー! って思ったね。

 とはいえその時は別に争ってたわけじゃないから城に連れ帰って治療してやったけど。

 それからはそこが本拠地だったのか鷹の目が帰ってきたり、ロロノアが鷹の目の弟子になったり……二年間色々あった。

 なんでか私がロロノアの世話係みたいになってたのは納得いかないが、島自体は居心地よかったし鷹の目とついでにロロノアが居れば危険という危険もなかったからまあいいかという感じだったな。

 そしてあいつが約束の日……つまりはシャボンディ諸島で一味が再集結する日までに向かうということで島を出ることになったのだが……。

「航海術はねェけど、まあなんとかなるだろ」

 とかほざきやがったのにはさすがの私も呆れたね。

 航海術なしにシャボンディ諸島を目指す無謀さもそうだけど、こいつ自分の方向音痴さわかってんのか!? いや、わかってないからあの台詞なんだろうけど。

「お前……一人で辿りつけるのか?」

「……。なんとかする」

「いや無理だろお前ッ!」

「無理だな」

 思わず問いかけた私にそう答えるロロノアだったけど答えるまで間があったし、いつもの不敵な顔ではなくなんなら汗を浮かべてそうな微妙な表情だった。

 そんなロロノアに私と鷹の目の無理という言葉が突き刺さる。


 数日後、どういうわけか私がロロノアをシャボンディ諸島まで連れていくことになった。解せぬ。

「師匠であるお前がつれてけばいいだろ鷹の目」

「私はそこまで暇ではない。なにより畑の管理もあるからな」

「畑の管理くらい私だって……」

「駄目だ。他人には任せられん。それに」

「それに。なんだよ」

「私がロロノアを連れていくなら、お前はここでヒヒ達と過ごすことになるが?」

「……」

 ぐぬぬ。あのヒヒ達は最初と比べて気性が穏やかになったし、ある程度意思疎通もできるけれど言葉を交わせない。

 それはちょっと……いや、だいぶ嫌だった。別にヒヒ達が嫌いなわけじゃないけど、会話というコミュニケーションできないのはなあ……。

「さらに言えば、お前の能力はロロノアを無力化するのに向いている。適任だ」

「むー……それは、そうだけどさあ……」

 うーん。この二年間共に過ごしたとはいえ、かつては敵同士だったロロノアと二人旅かあ……。うう~ん……。

「決まりだな。さっさと旅支度でもするがいい」

「あ、ちょっ。私まだやるっていってないんだけど!?」

「それにロロノアの迷子の世話など面倒だ」

 こちらが悩んでいる間に結論付けた鷹の目は、言うだけ言って部屋を出ていった。私の抗議もどこ吹く風だ。

 最後何かつ呟いた気もするけど、私の台詞と被ったからかよく聞こえなかった。まあ大したことは言ってないと思うけど。

 それでまあ、そんなわけで色々あった航海も無事終わって晴れてお役御免! というわけだ。

 ほんと、ほんっと色々あった。なんなんだよあいつのあの迷走っぷりは。ちょっとでも油断するとどっか行ってるし。

 ネガティブホロウで何度足止めしたかなんてもはや思い出したくもない。

 私の案内の甲斐もあってか最初に到着したらしく、他の連中はいなかった。

 そこで別れて今は一人満喫してるってワケだが……。

「他の奴らが来るまでの間に島からいなくなるとか、そんなコトないよなあいつ……」

 あははは。まさかね。いくらなんでも、ロロノアの方向音痴が度を越してるからって島の外に行っちゃうなんて……まさかね?

 観光を楽しみつつも、どこかぬぐい切れない不安に思考を巡らせているとうっかり誰かにぶつかってしまった。

「あっ、ごめんなさい考え事を……して、いて……」

「おう、こっちこそわりい。怪我はなかったか?」

 浮いて移動してたから転びはしなかったけど、こちらの不注意でぶつかったのだから謝罪する。面倒ごとはなるべく避けたいしな。丁寧な口調なのもそのためだ。

 相手も大して気にしてないらしく、あまつさえこちらを気遣ってきた。

 それはまあ素直に嬉しいんだけど……こいつ、麦わらだよな?

「……」

「ん? どうした? や、やっぱどこか怪我してんのか!?」

 大きなリュックサック、フードに髭と記憶にある麦わらとは違うところは多々あるけど、やはり麦わらだ。

 その顔を見つめていると、こちらが何も言わない事に慌てだす。いやこいつ、自分が有名人だとわかってないのか?

 一応変装っぽいことをしてるから自覚はあるのかもしれないけど……変装、できてるのかそれ?

 まあ私には関係ない事だけど。

「怪我はないけど……お前、麦わらだよな?」

「っ!? い、いや? なんのことだか?」

 わかりやすっ!?

 変装もだけど、正体に突っ込んだら目を泳がせて口笛になってない口笛吹くとか、嘘が下手にもほどがあるだろ!?

「あー……あーいや。ロロノアをこの島に送ってきたから大体の事情は知ってるよ。だから隠さなくてもいいから」

「えっ、ゾロを知ってんのか!? ……あ、今のナシ!」

 一味の名前を出した瞬間即座に反応する。そうしてしまったという顔で口に手を当ててるけど……ほんと、正体隠す気あるのかないのか。単純というか素直というか……。

「知ってるも何もお前、私の事忘れたのかっ!?」

「んー? あ、お前モリアんところの!?」

「今かよ! 今さらかよ!! ペローナだよ!!」

くそ、ロロノアと言い麦わらといいこいつらはマイペースだなほんと!

「ん? でもなんでお前がゾロと一緒にこの島に来てんだ?」

「色々あったんだよ!」

 これまでの経緯を軽く説明すると麦わらは満面の笑みで礼を言ってきた。

「そっかァ……ゾロが世話になったんだな。ありがとな!」

「……ふん。たまたまそうなっただけだ。いっとくけど、私らとお前らは敵同士だからな!」

 こうして思えばロロノアも鷹の目も素直じゃないというか、礼をいわれることはあったけどここまでストレートには感謝の気持ちを表すことはほとんどなかった。

 久しぶりに受ける素直な感謝にちょっと嬉しくなったのは秘密だ。

 だから照れ隠しで顔を背けた私は気づけなかった。敵、と言った私を見る麦わらの眼に一瞬灯った妖しい光に。


「ニッシシ。それにしても、ゾロにこんな可愛い彼女ができてるなんてびっくりしたなァ」

 ……うん?

「でよ。ゾロとは何がきっかけで付き合う事になったんだ?」

 ちょっと待て。

「……あ、わりい。こういうの聞いちゃいけないんだったっけ? でも仲間の事だから気になっちまってよ!」

「いや、そういうことじゃなくて……え、なに? 私とロロノアがなんだって?」

「いやだからよ。ゾロとお前が付き合う事になったきっかけを聞きてェなって」

 はあああああ!?

「いや、付き合ってねーよ!? なんでそんなこと聞くんだよ!?」

 一体全体どういうことなのか、なんで麦わらがその発想になったのかまるでさっぱりわからない。なんなんだこいつは。

「? だってよ、二年間も一緒にいたらそういうもんじゃねェの?」

 ほんとわけがわからない。めんどうだからネガティブホロウでもくらわして放置しようかと思ったけど、私とロロノアが付き合ってると誤解されたまま一味に共有でもされるのは癪だ。

「なんだよその理屈!? いやほんと、ロロノアと付き合ってるとかないから」

「???」

 こちらが否定してもわけがわからないという顔で頭を傾ける麦わら。いやなんでそこで考え込むんだよ。

「……そっか。おれのはやちりとりってやつか!」

「それを言うなら早とちりだろ……」

 はあ、なんか疲れた。麦わらとの会話はロロノアの迷子とは別ベクトルで疲れる。もういい、さっさと休もう……。

「なんか疲れてんなァ」

「お前のせいだよ麦わら!」

「ん? そうか?」

「あーうん、もういいよ……慣れっこだし」

「そんじゃあ"休憩"するか!」

「なにを言ってっ!?」

 話は終わった事だし別れてどこか休めるところないかな、と意識を切り替えた瞬間聞こえた麦わらの声。

 またもや何を言ってるかわからないその言葉に立ち止まったのが悪かった。

 振り返るその一瞬の隙に私の視界には麦わらの顔が大きくうつり、唇には柔らかくて暖かい感触が――。

「……? ……?!」

 え、や。なに? え、なにこれ。今私どうなってんの?

「ふむっ……ん、むぅっ! んむゥ、んー!」

 わけのわからぬままもがいてみるけど、気づけば両腕を拘束するように抱きしめられてるし、口は相変わらず防がれているし。

 あ、そっか私今キスされてるんだ……え、キス!? なんで? なんで私が麦わらとキスを!?

 自分が陥った状況を理解した瞬間、そのあり得ない状況に混乱した私をさらに追い込むのは柔らかく滑った感触だった。

 それはこちらの唇の隙間から侵入してきて、歯や歯茎をなぞってくる。

「んぶっ、ぷァ……は、や」

 ほんの一瞬、呼吸のためか攻めの緩急かはわからないけれど、口が自由になったのでやめろと言おうとしたけどだめだった。

 まるでわざとその隙を作ったと言わんばかりに麦わらの舌が内側にも入って来て、私の舌に絡まりだした。

「は、んぶっ……ェう……ん、ぢゅ……ん、あー……」

 ままならない呼吸と口内に感じる刺激とで頭もぼーっとしてきて、口の中に送り込まれてくる生暖かいもので溺れないよう深く考えずに飲み込んでいく。

 最初は抜け出そうと動かしていた腕も、今では崩れ落ちそうになる体を支えるために麦わらの体を必死で掴んでいる状態だ。

 もしも他人が見たら、まるで仲睦まじい恋人同士の抱擁と接吻にうつった事だろう。

 実際のところ、私と麦わらは恋人同士でも何でもないんだけどな。

「っぷあ、はー……はー……」

 いったいどれだけ貪られていたのか、ようやく解放された私はキスの余韻に浸りながら息を整える。

 ……凄かったなあ。なんてまるで危機感のない感想に耽っていたのはしょうがないと思う。だって、キス自体初めてだったのにいきなりあんな凄いのされるんだもん。

「は、ァー……あェ?」

 こちらが呆然としているのをいいことに麦わらは次の行動に移っていた。

 何をしたかというと、その……こちらのドレスの、胸の部分を下げてきて揉んできたのだ。

 ……なんなんだ、なんでこんなに手馴れてるんだ?

 時間が経ってからはそう思えるけど、この時の私は頭がまともに動いていなくて麦わらのなすがままだった。

「ん、あ……やっ」

 他人に胸を触られるその感触に身動ぎするも、拘束はいまだ解かれていないのでどうにもできない。

「あっ、……んんっ、ふ、っく……」

 先程のキスが気持ちよかったのも相まって、爪の先でくすぐるように触れられたり、手のひらで包み込むように優しく揉まれたり……麦わらがこちらの胸を好きなように弄るたびに、甘い声が漏れそうになる。

 それをそのまま口に出してはまずいと頭のどこかが訴えてきていて、その警告に必死に縋り付いて声を我慢する。

 声が出そうになるたびに目をつむって必死に耐えていると二つの感触。

 口内に再び侵入してきた麦わらの舌と、私の胸の先端に感じる麦わらの指。

「ふむ゛っんぐっ……んんっ!」

 長時間のディープキスで蕩かされて敏感になったところに、焦らすように胸を優しく愛撫されて……それに必死で耐えているところにさらなるディープキスに、いつのまにか硬くなってしまっていた乳首を指で摘まむように挟まれて。

 そんな刺激に私が耐えられるはずもなくとうとう声が出てしまう。もっとも、塞がれているためくぐもった音でしかなかったけれど。

「ふぐっ、ん、んっ、んぅ……」

 一度我慢を放棄したことによって麦わらが与えてくる快感に素直に浸ってしまう。

 まだ頭の片隅でこれはおかしい、麦わらを止めて終わりにしようと訴えかけてくるが、体は快楽で弛緩して心も気持ちいいからいいかもなんて流されかけていた。

「んっ、あ……は、あ……はーっ、はーっ……」

 最初のキスと今回と。どちらが長くどちらが短かったのかなんてわからないくらい胡乱な私をみて、麦わらはようやく伸ばした腕を戻して拘束を解いた。

 その目論見通り、解放されても私は逃げ出すことができなかった。

 それどころか、体を支えるために近くの木に寄りかからなければいけない程全身に力が入らなかった。まだ立てているのが自分でも不思議なくらいに。

「……? な、に……?」

 そんな私の足元に麦わらが跪き、今度は何をするんだと視線を向けたその先でスカートの中に麦わらが入って来ていた。

「や、ばっ……なにんんっ!?」

 唇を奪われ、胸を露出させられて弄ばれて。これまでさんざん恥ずかしい事をされたけれど、それでもスカートの中に顔を突っ込まれるのはとても恥ずかしい。

 脚と手で麦わらの侵入を拒もうとするが、ろくに力が入らないためそれも叶わず。だからといって諦めるわけにもいかないので必死に抵抗しているとまたも異質な感触。

 下着越しではあるが、麦わらが私の……アソコを舐めているとわかるその感じ。

「ひァっ……あ、やだっ……なんっで……」

 なんで? なんで、なんで???

 どうしてこうなってるのかずっと理解できていなかったが、これまで以上に不可解なこの事態について出てきた疑問の言葉。

 これまで無言でこちらを貪っていた麦わらが初めて反応を見せた。

「なんふぇっれ……おまへ、はひめてらろ?」

 こちらのを舐め、時には唇で挟むように食みながら。

「んァ゛っ、その、まま……しゃべっ、る、なァ……」

 麦わらが喋ることで生じる唇の動きと、声による振動でまたもや味わったことの無い 感覚に襲われながらも抗議する。

 それ素直に聞き入れ口を離して再び答える。いや、素直になるなら行為自体やめろよ……。

「わりいわりい。んでよ、おまえ初めてだろ?」

「っ。そ、そうだよ……悪いかよ……」

 確かにそういった経験は知識はあれどしたことはない。というかする相手がいなかったんだから初めてで当然だ。

 見透かされたことが悔しいやら恥ずかしいやら、なんでこいつはこんなに手馴れてるんだとなんとも言えない気持ちがわきあがってくるが、次の言葉にそれも霧散する。

「だからよ! 初めてならちゃんと"準備"しねェとな」

「や、いいっ、しなくていいからっ」

 そういうが否や再び舌を蠢かせる。

 それ気づいた時にはもう手遅れだとわかってしまっているが、それでも止めざるを得ない。

 準備。そう言ったってことはつまり、この先をする気であるという事で……。

「ふ、ァっ、あんっ……!?」

 その声が耳に響いた瞬間、咄嗟に手で口を覆う。

 うそ。今の、ほんとに私が……?

「ふ、くう……んっ、あ、やっ……んくっ……」

 信じられない。というよりは信じたくない気持ちでいっぱいだけれど、ソコを麦わらの舌が這うたびに声が漏れ出そうになる。

 麦わらはこちらが必死に声を抑えているのに、それを知ってか知らずか執拗に攻め続けてくる。

 表面をなぞったり、舌先を尖らせて中を擦ったり、時折啜るように吸ってきたり。必要以上に大きな水音をたててくるのは、こちらを煽るためにわざとそうしているのだろう。

「っふ、う……あ、ふっ……!……んっ、ぐ……ふゥっ、ふうゥー……」

 正直なところとても気持ちいい。自分の指でしてた時よりも遥かに。

 なんでこんなことになってるのか、いきなりこんなことをする麦わらになんてという気持ちで必死に抗ってはいるが、いつまでも耐えきれないというのも理解してしまっている。

 脚にはもう力が入らなくて何度も腰が抜けかけるが、その度に麦わらの顔に跨る形になるためその刺激から少しでも逃れるため、脚に喝を入れて無理やり立ち上がる。

 後ろに倒れられれば逃げられただろうけど、背中には木。最初こそ背中を預けられて頼もしかったが、今となっては私を閉じ込める壁だ。

「い、ひっ……んあっ!? あ、やあァ……」

 また大きい波が来て力が抜けて腰が落ち、そこから逃れるために震える脚で必死に身体を持ち上げる。

 何度それを繰り返しただろうか。とうとうその時がやってきた。やってきてしまった。

「はひっ、ひ……は、あ? ……ああ゛ァっ!? や、だめっ、も、やめっイっ」

 これまで感じてきたものよりも大きな快楽がやってくる。

 そう予感した私は必死に麦わらの頭を引き剥がそうと腕を突っ張るがびくともしない。

「やだっやだやだや゛っだァ……!いやっ、やめっえ゛っ~~あ゛っ」

 イカされたくないという必死の思いで抗うけれど、自分でも半ばわかっていた通り無意味な抵抗だった。

 連呼していた懇願の声が唐突に途切れると同時に私の意識も途切れる。

 快感のあまりの大きさに体を硬直させ、それは今まで押しのけようとしていた麦わらの頭を抱え込むように手も脚も縮こまる。

「ヒッい、ア゛~~」

 こちらの反応を見れば絶頂したことがわかるだろうに、刺激は止まるどころかさらに快感を流し込んでくる。

 自分の意志とは関係なく体が跳ねて視界も明滅する。ほんと、コレいじょ、やバ……。

「~~あっ、っィぎ……ひっ?」

 もう意識がトぶ。その今際の際まで追い込まれたところで唐突に解放された。

「あ゛っ、は……ひゅっう、ふゥ……はあァ~~……」

 助かった。

 乱れる呼吸を必死に整えながらそんなことが頭に浮かぶ。状況的には何も助かってなどいなかったが。

「さすがに今トんじまったら色々もったいねェし……よっ、と」

「う゛あ……?」

 独り言なのか私へ向けての言葉なのか。

 どちらともとれる感じで麦わらが喋り、力が抜けてへたり込む私の身体を持ち上げる。

 朦朧としている私は息を整えることだけを考えており、されるがままに麦わらに背を向け正面に来た木に手を付ける。

「あ゛ー……」

 もう、なんでもいいからちょっと休ませてほしい。

息はちょっとずつ整ってきたけれど、全身が怠くて今すぐ眠りたいくらい疲れた。


「そんじゃ、いれるぞ?」

「?」

 もういいやいっそこのまま寝ちゃおうかな。と目を瞑った私の耳に声が響いて、その意味を理解する前に感じる異物感。

「あ? はっ、あ、はあァ~~あっ゛……」

「ゆっくり、ゆっ……く、り……」

 私の身体の中を押しのけ少しずつ入ってくるそれ。

 侵入者は自らに言い聞かせるようにゆっくりと声に出しながら進んでくる。

「ひいっ、ィ゛、あ゛~~」

 いれられた。と脳が理解すると同時に強烈な快楽が襲ってくる。

 麦わらのソレがじり、じり、と歩を進めるたびに肩や背中が跳ねるほどに気持ちいい。

「な? やっぱ準備した甲斐があったろ!」

「しっイ!? らなっ、いィ~~」

「うーん、そっかァ」

 ゆっくり入れられてるだけでこんなにも気持ちいいのは、そりゃあんだけ執拗に前戯されたからだろうなと今では理解できる。

 でも、この時の私はそんなこと到底受け入れられないし、その事実や強烈な快楽から逃れるように否定するしかできなかった。

 そしてこれまた唐突に麦わらの進行が止まる。麦わらが自主的に止まったというわけではなく、こちらの体内のどこかにぶつかって止まったような感覚。

「お、ここまでかァ。……ほんじゃ、いくぞ?」

「ェあ……? な」

 なに?と聞くことはできなかった。

 正常な思考などとっくにできなくなっていた私は、それが処女膜であり麦わらが突き破る気だという事に考えが及ばなかった。……及んでいたところで結果は何も変わらなかっただろうけど。

「っ!? いぎっ、い゛だっ、いだい゛ィ~~~……」

「うーん、あんだけ濡らしたのになァ」

 体の内側を引き裂かれる痛みは、これまで感じていた快楽も何もかも吹っ飛ばした。

 少しでもその痛みを和らげようと、言葉でも頭の中でも痛いと反芻する。実際の痛みはかわらないけれど、そうすることで少しでも気を紛らわせる。

 準備が足りなかったかーといった感じの、能天気な麦わらの声。聞こえていたけど構ってる余裕なんて当然ない。

 早く終わってほしい。それだけだった。それなのに……。

「ほんじゃァこっち……」

「や、もう、やあっ、あ? いあっ」

 痛みですっかり心が弱っていた私は、肌の上を滑る麦わらの手の動きに反射的に拒絶を示す。

 その直後、激痛と異物感の元となるその場所のすぐ近く、つまりは私のクリトリスへと触れてきた。

 破瓜の痛みとは関係ない、けれども非常に敏感なところを刺激される。

 そこを弄られたところで痛みは和らがないが、快感は否応なく高まってしまう。痛みのみだった感覚に快楽が混じってしまうくらいには。

「あ゛、はっ……? や、なん、でえっ……~~」

 麦わらは丹念にクリを擦ったり摘まんだりしてきて、その度に非常に強い刺激を感じて肩や腰が跳ねる。

 もうやだ、これ以上私をおかしくしないでほしい。そんな願いはどこにも届かないまま凌辱は続き、痛いのよりはもういいかななんて諦めの気持ちすら芽生えていた。

「まだ痛いだろうけど、動くぞ」

「いぎっ、あ゛っ、が……あ、ゔっ~~!」

 現実逃避をするようにそんな事を考えていた私を現実に引き戻す声。

 突然再開された麦わらの腰の動きに静まりかけていた痛みがぶり返し、それに体を強張らせたがそれ以上に感じた快楽に驚き硬直する。

「いっ、あ……? は、ァいぎっ、ひっ、あっ? あぁ……? や、っ~~!」

「お、やっぱハジメテだとこっちのが反応イイなァ!」

 痛い。気持いい。痛い、でも気持ちいい。痛気持ちいい。……気持ち、イイ。

 初めてを奪われて間もないのに、身を裂かれたばかりで痛みの方が強いはずなのに気持ちいい。

 自分の意識とは裏腹に、麦わらが中を行き来するたび、合間合間にクリを弄ばれる度に強い快感が体と頭を駆け巡る。

「ひ、ゥっ……あ、は、ァ~~やっ、やめっ、ん゛ィぎ……あ」

 一定のリズムで抜き差しをして間断なく攻め続けたり。

「ふ、ゥっ~~、あっ、やっ~~、うっ……、ふゥ、ひィ……ん、ぐっ」

 ゆっくりと引き抜いて、一息で突く。抜くときは一定で、突き入れる時のタイミングはバラバラに。

「あがっ、あ……? あっ、あっ、あっ」

 かと思いきやねじ込むように一際強く奥まで挿入し、私の指じゃ到底届かないところを細かく小刻みに突いてきたり。

「はあっ、やっ、いイっ、いいよォ……ん、ひっイィ~~」

 緩急自在の麦わらの手練手管に翻弄され、私はもうすっかりと快楽を受け入れてしまっていた。

 私のアソコから溢れた蜜は腿を伝わるだけではおさまらず、麦わらの抜き差しに合わせて漏れ出たそれが小さな水たまりを作るほど。

 水気を纏った肉と肉がぶつかり、擦れあう音が耳から入って来て脳を犯していく。

 最初と比べて強くなっている麦わらの腰使い。それによってもたらされる衝撃も、体を揺すられる感触も気持ちいい。

「っ……ァや、ま、またっ……」

「おう、いいぞ。遠慮すんな!」

「い、ひい~~いっ、ク……イク、イっクイク、い、イキ、いっあっ~~~~」

 もう何度目かわからない絶頂に全身を震わせる。

 こちらがイクタイミングに合わせるように麦わらは動きを止め、こちらが落ち着くまで待ってくれている。

 もっとも、逃がすつもりはないとこちらの腰をガッチリつかんでいる麦わらの手や、止まっているとはいえこちらの中で自己主張する麦わらのアレの存在だけでも気持ちよさを感じているのだけど。

「はァっ、は、はっあ……はひ、ふう、ふゥ~~……」

 絶頂してから落ち着くまでの間隔がどんどん長くなってきている。

 このまま続けられたらいつかおさまらなくなってしまうのでは……なんて不安がチラリと頭をよぎり、それは正解だったというように麦わらが嘯く。

「ほんじゃァ、おれもそろそろイきたいからよっ! ペローナもすっかり慣れたみてェだし、最後まで止まらねェから!」

「は、え? なに、なん゛っ!? あっ? は、ああっ、ァ……っ!? ひァ、やあ、や、やだヤっあ~~!?」

 その宣言と共に向き合うように抱きかかえられ、強烈なピストンが始まった。まるで、私が初めてだから手加減していたんだぞ、とでもいうかのように。

 これまでも強めの抽挿はあったが、そのどれもがこちらがより気持ちよくなれるかを探り試すかのような優しさも感じられた。

 事実、そのせいで私は何度も何度もイカされたのだから。

「ひいっ!? やっ、つよっ……つよィひっいゥあっうゔ~……あ゛っ、っか、ひ……」

 でも、今のこれは違う。

 麦わら自身が快楽を得るための、こちらの許容値を考慮しない無遠慮な、雄が雌を貪るためだけの行為。

「っぐ、う……? あ゛っ~~イ゛、っった、い゛ま゛、イ゛」

「ありゃァ……もうか?」

「ひァ゛っ!? や゛、とめ゛っ、イ゛やっ、どま゛、でっ」

「止まらねェっていったろ。わりいな、このまま……!」

「や゛ア゛ァ~~! いぎ、いグっのォ、とま、らっ、あ゛~~~」

 その激しさにあっという間に追い詰められてあっけなく絶頂する。

 こちらが一度イケば止まるはずの麦わらが止まらない。

 そのせいで快感は高まり続けていき、一度目よりも二度目、二度目よりもその次とより大きな絶頂が襲い掛かってくる。

「ひ、い……あァは……うっく、ふゥっ、う~……」

 体も心も頭も快楽でぐちゃぐちゃに溶かされ、わけもわからず涙があふれてきて嗚咽する。

 このまま、与えられるままに快感を受け続けたら壊される、おかしくなるという本能的な恐怖からだったのかもしれない。

 事実、なんとか意識を保ってはいるものの、それがジリジリと端から削られ小さくなっていくのを実感していた。

 そんな私の不安と恐怖を察知してか、麦わらが優しく私に触れる。悔しいけれど、たったそれだけのことで妙な安らぎを覚えて不安が薄くなる。

「はむ゛っ、んぶェっ……おぐっ、ん……」

「大丈夫! その先にいっても、お前はちゃんとお前だかんなっ!」

 こちらの口へ指を入れながら、私は私だと保証する麦わら。

 あっという間に私の唾液で濡れる指を思わず噛んでしまうが、特に何もいってこなかった。きっとゴム人間だから平気だったのだろう。

「ほんっ、と、お? わた、しぃっ~~、私っ、きえ、ィえなァっ、い……?」

 大丈夫だと諭されても、奥底から湧き上がってくる恐怖はなくならない。だから、確認する。

「ああ、だいじょうぶだ!」

「ほ、んろォ、にっ? わらひっ、い、るっ?」

「おう! おれはちゃんとわかってるから!」

「アは、あっ……は、それっェ、ナら……」

 このまま行きついてしまっても。イキ果ててしまっても。

 私が私であるのなら、わたしのままでいられるのなら。

 もう、いいかな。いいかも。うん、いいやもう。このおとこに、麦わらにすべてゆだねてしまっても、いいや。

「ア゛アッ、あっ、はぎっ、ひィ、う、あ~~~あっ、あっあっ、ゔァ~~」

「うっ……あ……すご、締まっ……」

 受け入れると心で納得した瞬間より一層快感が高まる。

 心も体も合致して全身全霊で受け止めるために膣内が蠢き、その刺激に麦わらが呻く。

 やった。わたしでむぎわらがきもちよくなってる。ざまーみろ……。

なんて、反骨心のあるわたしがほんのちょっぴり勝ち誇る。

「っ……ふゥっ、そろそろ……出す、ぞ……!」

「はひっ、ひっ~~、いひっ、ははっ、アッ~~、ひゃっイっ」

 終わりが来る。

 麦わらの様子と中を抉る動きと、両方からそれがわかる。

 麦わらが限界に達して、私の中でソレが解き放たれたら私も終わる。

 終わるとわかっていても、その強烈な快感を期待してしまっている私がいる。

 だからなのか、喘ぎ声に紛れテ私の笑い声が聞こえてクる。

 あァああ……もうすぐ、もうすぐで……。

「イク、ぞ……っう、ぐ……うぐっ、うゥ……」

「あっ! が、ア゛……? オ゛ァ……」

 麦わらのが一際大きく膨らんだかと思うと、脈打ちながら私の中に精を放つ。

熱さすら感じるそれが私の奥底に出現し、あっというまに満たしていく。

「あァ……はァっ……あっ、ひっ、いヒッ……あ……」

 跳ねるような大きな脈動と共に放たれる、叩きつけるような勢いの射精。

 塊が吐き出される度に強烈な快感が生じ、笑みの混ざった喘ぎで口が歪む。

 それだけではなく、膣内を満たされる感覚がとてつもなく心地よくて幸福感に満たされる。

「あゥ……ふっ~~~あ、はァ……ひっ……お゛っぐ!? ふァ゛っ、~~あァ゛っ」

 心は幸福感で、体は麦わらに、頭は快楽と全てを満たされていた私に、さらなる衝撃が襲う。

 もっと奥へ、もっと奥にと、これ以上入らないと思っていたソレをより強く深く押し付けてくる。

「ア゛がっ、や゛、そレ゛っ、お゛ぐっ、そごっ、ムリ゛ィ」

 比較対象がないから、麦わらのソレが大きいかどうかはわからない。

 けれど、それぞれの体格から考えると十分以上な大きさだったと思うし、実際私の中を埋め尽くしても麦わらの方は余裕があったように思う。

 そんなソレを、こちらが飲み込める限界以上にいれようとしてるのがその動きと強さからわかる。

いやいやいやいや無理無理無理無理!!!!

 疲労のためか幾度も限界を超えた快楽のためか、途絶えそうになる意識を必死に繋ぎ止めて訴える。

「ム゛リっ、それっ、イじょ、ォ゛ッ、イレ、はい、ら゛なっ」

 扉を激しくノックするかのような突き刺しに声が途切れ途切れになるけれど、それでも必死に声を出す。ここで何も言わずにいたら壊される。

 どんな快楽を受けようと私は私だと言った麦わら自身に壊される。だから必死に懇願する。

 おねがいだから、わたしをけさないでと。

「っふ、ゔっ! ……? ァ……?」

 その願いが聞き入れられるなら、そもそもこんなことにはなっていなかった。ただ、それだけの事。

 私の懇願も虚しく、最後まで侵入を拒んでいた私の身体の奥底を何かが通り抜け、その先の際まで到達した感覚。

 さっきまでの強烈な快楽と焦燥とが一瞬で消え去ってしまったかのような、空白の時間。

「ア゛!? ひぎっ、い、アっ!? ア゛、や、あァっ、ア゛~~」

 その一瞬の静寂の後、これまでの快楽はお遊びだったと言わんばかりのものが生じた。

 入っちゃいけない、入れられちゃいけない部分にまではいりこまれ、そこでも放たれる精液の熱さと肉の硬さに圧倒されて。

「~~~~っ!? ア゛ア゛ァッ!? やあァっ、ア゛ッっんぶっ」

 ギリギリで耐えていた私には到底抱えきれるものでなく、狂乱したかのように叫び頭を振る。

 ここが人通りの少ない箇所だとはいえ、このまま叫び続けていたら遠くからでも誰かがやってくるであろうほどの絶叫。

 それを危惧したのか単に本人が貪りたかったのかはわからないが、麦わらの口が叫び声を上げる私の唇を塞いだ。

 私がこうなっている原因は麦わらのせいだけれど、叫び声を止めるように動いてくれたのは正直感謝している。あんな声を誰かに聞かれるのは嫌だったし、してる時の姿を見られるなんてもってのほかだ。

「~~っむぐ、ん、ぶァ……」

 逃げ場を求めるように、きえかかっている私以外の確かなよりどころを求めて麦わらに抱き着く。

 より密着して体重がかかる事で生じる物事は些細な問題だった。麦わらがそこにいるなら、わたしもまだここにいる。

「ふァ、ァ゛~……」

 どれだけの時間射精していたのか、ようやく吐き終えた麦わらが私の中から己を引き抜く。

 引き抜かれると同時に、私の膣内を満たしてせき止められていた精子が逆流して零れ落ちていく。

 それだけでもとてつもなく気持ちよかったけれど、それに対して反応する力は私には残っていなかった。せいぜい喉から空気を漏らす程度だ。

 ああ……気持ちよかった……私も、きえてない……。

 心地よい疲労感と、壊れずに済んだ安心感のまま意識を手放し眠ろうとした私に、無慈悲な宣言が下される。

「っふゥー! そんじゃ、次な!」

「ェあ……? お゛っ!?」

 逸物を引き抜いたとはいえ、私はいまだ麦わらに抱えられていた。

そんな私をちょっとだけ持ち上げたかと思うと、出したばかりなのにそそり立っている麦わらのソレの上に私を落とすように引き入れる。

「ア゛ガッ……なんっ、れ゛……?」

 長い長い時間が終わってようやく解放される。微睡の中に逃げられる。そう思っていた私は現実が認識できず、問いただす。

 そんな私に麦わらは笑顔で答える。何の邪気も感じさせない表情で、さも当然というように。

「いや、こんだけイイ身体してんのに一回だけとかもったいねェだろ?」

「そんっ、な゛っ!? さっぎ、だしっ」

 出だしは最初のようにゆっくりと浅く。

「おう、だから二回戦目な!」

「ひやっ、やだっ、だめ゛、お゛が、おかしっ、ぐっう!?」

だんだんとスピードを上げ、擦り上げる範囲も広がって。

「やめっ、たえ、せっがぐっ、たえ゛っ」

 速度を抑えたかと思うとより強い突き入れに合わせてこちらの体を沈み込ませて。

「~イ、やあ~~あっアっアァッ~~~」

かと思えば固定するかのように抱えこんでは高速で抜き差しをして。

「ごれ゛っいじょっは、こわれ゛っごわれ゛ゥ……」

 視界は涙に濡れ、それ以上に途切れ途切れの意識のせいでぼやけて何も見えない。見えていたとしても知覚できない。

 これ以上はと訴える口も請われたレコードのように同じことしか奏でない。とっくに壊れているけど、自覚できていないだけ。

「やっぱ……おまえ、もっ……すげェな……!」

「……ふ、ゥ……ヤァ゛ア……コワれ……こっ」

「……ん? あァ、落ちちまったか」

 獲物を骨の髄までむしゃぶり尽くそうとする捕食者が何事か呟くが、もはや私の耳に届くそれに意識を向けることはできない。

 とうとうというか、ようやくというべきか。あるいは、幸いというべきか。

 何の前触れもなく、張り詰めてもなお引っ張られた意図が唐突に千切れるように私は意識を失っていた。

 口をついて出る言葉は私の意志で紡がれたものではなく、直前までの言動を繰り返すいわば譫言のようなもの。

 それと気付いた麦わらは、それでも止まることなくこちらの体を貪り続ける。

「まァこうなってもまだまだヤれるってのはわかってるしよ。とことん付き合ってもらうからな!」


 この後いったいどれだけ犯され、何度中に出されたのか。

 途中で目が覚めてはまたイキ飛ばされて気を失ってはまた覚醒してを繰り返した私にはわからない。

 麦わらの性欲と精力はまるで底なし沼のようで、それに飲み込まれた私は抜け出すことも叶わないまま時間だけが過ぎていった……。

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