堂々巡りがらんと欠けて
綱彌代 継家…………
私は、これから入られるであろう人達をまとめるだけ纏め。要注意とは少し言い方が悪いですが、事情がありそうな方を端に寄せる。
性格等は、事前に接触している方しか分からないのでそこら辺もろもろは省くことになりますが。
「四大貴族の派生の方、こちらも志波家の御方と………今期は、ちょっと情勢注意ですかねぇ。」
ここに入られるであろう方々は、殆んど貴族からとは言えどもその中でもパワーバランスがある。特に四大貴族の派閥は、顕著な一例の1つだ。分家でも、下手な貴族の本家よりも力をもつ。
だが本家は本家故に、プライドが高い方も多くいらっしゃる。特に四大貴族ではないが、それに匹敵すると思ってらっしゃる方とか………
ココは、霊術院といえどもそう言う世を持ち込む困った生徒もままいらっしゃいますし。
何度か、気に入らなかったのか生徒から親御さんを通じて圧力やら消されかけたこともしばしば………私が対象でまだ良かったです。本当やんちゃで元気なのは個性として良いものではありますが困ったものですね。
「後は、事情に応じて分けておけばいいですね。流魂街からいらっしゃる方は、基本としてそう言う事情を気にせず分けられるので気が楽ですね………
さて、組分けで問題が減るか増えるかかなり違いますからね。」
私はそうやって、横に自身の斬魂刀を置いてから貴族達が独自で出している伝統や歴史等の書物も広げる。大体の事は頭にはいっているが………新しい追記や、訂正もあるときにはある。油断は出来ない。
「徹夜です。」
新入の生徒の皆がいらっしゃってから、暫く月日がたった。今の所の現状は特に問題はなく、生徒の実習における負傷はあるが重度のモノや死傷は起こっていない。
年によっては、虚の気質が荒くなるのかソレとも第三者の介入か………やたらと怪我されたりする生徒が増えることがある。
それにより心的外傷により、霊術院を去るのもの少なくはない。
実際今年も虚を浄化する実習にて、四番隊や鬼道衆等の直接虚と対峙する機会が少ない進路に志望変更する方や、霊術院自体を去る方は一定数いる。
まぁ流魂街出身の方は、生活という面も強いのかやっても進路を変更なさるだけで去りはしない………生活水準の問題ですが私に出来ることは、時間がある限りしているとはいえなかなか根深いものです。
「こんにちは、綱彌代さん。」
そう言いながら、私は継家さんに声をかける。霊術院時点で花典という名で始解を目覚めさせた、流石四大貴族の血統と言いますかソレとも本人の才覚が鋭いと言いますか………
卍解までを、霊術院時点で習得される方はほぼ無いに等しいといっても始解もかなり難解ですからね。
「芦原先生、どうしたのかな?」
「いえ少しこの段階で始解を、されているという事で相談を。」
疑問に思う、彼に私は纏めた契約書等を渡す。それは虚に対する実習をするかどうかのもの、それは本来の段階としては早いと言えるものであるが…………始解に至っているのであれば通常の虚相手であれば安全に取れるであろうとの算段である。
「…………虚に対する実習における、危険の認知そして承認(依頼)」
「本当は、もう少し慣れてから行うものですが今の綱彌代さんの力量であれば問題なく履修出来ると思いまして。」
貴族の方のうちでは、私の息子が参加するものでは確実に高位の席官は、同行させてくれやら何やら五月蝿いものもあります。まぁ大事な跡取り何かあってはいけないと、そう気が立つのは分かりますがね。
「コレを取れば、早くここから死神として認められるのか。」
「えぇ直接死神として働かれている方に見られる機会として一番ですし。純粋に力量を示す機会ですから。」
綱彌代さんは、純粋に興味を示すように事前許可のための契約書の文字列を目と指でなぞりながら通常より早く卒業して死神として隊士となれるのかと確認するように呟いた。
それに私は、はいと返す。
「もしもはありますので、ちゃんとお考えの上返答を御待ちしてますね。
綱彌代 継家さん」
これ以上は、特に進められるものもないと私は最後に笑い花典さんに早く格好いいところ継家さんに見せられるといいですねと、誰に聞かれるまでもなく呟いた。