執事のお仕事

執事のお仕事


昼食の後片づけを終えるとちょうど郵便物が届いている時間になる。

いつも通りの平和な一日。手紙の束を抱え、自分用の書き物机に運ぶ。

ちょっと質の良い紙を使った大判の封筒が今日も数封。中身を見なくてもわかる。これはお嬢様へのお見合いの申し込み状だ。

軽くため息をつき“保留”と書かれた箱の、封筒の山の一番上に放り込む。

あとは事務関係の手紙と、催促状。え?催促状??

何か自分に手落ちがあったのかと焦り急いで封を開ける。

『……したいと思いますので、先日お送りした結婚申込について早めのお返事を…』

「~~~~~~~💢」

勝手に送り付けてきておいてあまつさえ催促の手紙とは。

最後まで読むこともなくこれも保留の箱に投げ入れる。

そもそもお嬢様はお忙くてこんなことに構っている時間もないのだ。今日もこれからお勉強の為に外出なさる予定だ。

…おや、これは?

最後に残った数枚の紙を検めると、それを手に席を立ち部屋のドアを開ける。

「お嬢様ーー!いらっしゃいますかー!?新しい指名手配書が出ましたよーー!!」

そしてメリーは大きな声でカヤを呼びながら足早に廊下へと出て行った。

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