地霊媒師の性行為

地霊媒師の性行為

アウスの眼鏡


「エンディミオンから来ました、アウスといいます。よろしくお願いします」


「……こ……こちらこそ、よろしくっ……」


バイストリートの郊外、半ば手伝いという形で働いていた店に彼女が来たのは、本当に唐突なことだった。

前々から店の主人であるジェニーさんから、『ひとりで大丈夫? 大変じゃない?』というような話はされていたし、もう一人くらいいた方が気は楽だと話した記憶もあるのだが、自分としてはその返事は殆ど冗談のつもりであったし、何より女の子がやってくるなどと思いもしなかった。


黒ぶちの眼鏡に、茶色い癖っ毛の髪。肩に乗っかる使い魔と薄茶のローブ。

顔や背丈を見て、声を聴いただけなら、あるいは彼女を少年と間違えるかもしれない。


胸さえ見なければ。

その、ぎゅむっとローブに押さえつけられたあまりに大きな胸さえ見なければ。



「え、っと……じゃあ……僕は何をしたらいいでしょう?」


きょろきょろと物珍しそうに店内を見渡す彼女を前に、俺はぺしぺしと自分の頬を叩き。

彼女は同僚、仕事仲間、胸さえ意識しなければと自分に言い聞かせ。


「……とりあえず、今日届いたスクロールが沢山あるから――その整理を一緒にやろうか?」


彼女と二人で、仕事をすることになった。





「お疲れ様、アウス」


「ああ、お疲れ様」


店の施錠がされたことを確認して、アウスに手を振り返す。

もともと業務内容は複雑じゃないとはいえ、アウスが仕事を覚える速度は思っていたよりずっと早く、四苦八苦していた最初の数日がずいぶん昔のことのように思えた。今では肩を並べてカウンターに立ったり、一人が倉庫に居る間一人が客の対応をしたりと、俺一人でいたときよりずっと効率的に仕事がこなせている。


吹く風は冷たく、吐く息は白くなる。

夜に溶けてなくなっていく自分の息を見つめながら、俺は確かな充実感を覚えていた。


「気の合う女の子と二人で仕事――いいもんだなあ…………」


そう、いいものだ。まるで同性のように接することができる彼女の存在は、凄くありがたい。

肩を並べてカウンターに立って、お互いの顔を見ながら談笑している時間は、本当に充実していると思う。

バイストリート育ちとエンディミオンの生徒とで話が通じるのもあるのだろう。


今の俺は本当に充実している――そう何度も言い聞かせはせど。しかしだ。



「~~~~~っっおっぱいが…………エロいんだよ……お前は…………!!!!!」


自宅に到着し、ぼんとベッドに顔を埋めて、叫ぶように独り言ちる。

勤務中に言い出せない本音、欲望、欲求というべきか。

彼女に対して抱いている思いは、決して同じ仕事をする仲間への意識だけに留まらない。


「でかいし……いい匂いするし……笑うとかわいいし……声もかわいい……」


いくら少年のようにも見えると言っても、彼女は彼女、少女である。あとおっぱいがでかい。

少年のような端正な顔立ちや立ち振る舞いが、少女としての彼女の魅力に直結している。あとおっぱいがでかい。

かわいいんだ、アウスは。その彼女と二人っきりで仕事ができる上に喋れもする、幸せだ、しかし。おっぱい。


「……ムラムラする…………!!!」


ここ最近、彼女の距離感がやけに近い気がする。物を手に取るときやかがむとき、喋るときや何かを指し示す時、いちいち彼女の体が近い。

というか触れる。腕や肩がふにっと触れる。意識しない方がおかしいだろうこんなもの、と叫びたくなることが何度もある。


普通は触った方に怒るべきだろうに、自分の胸に俺の腕が触れた時の彼女の反応は。


『っあ…………ご、ごめんね? 気にしないでいいからね?』


である。

ぎゅむっと大きな胸を押さえながら、だ。



「無理に決まってんだけど……!!?」


仕事の疲れもあって、俺の股間はがちがちに勃起していた。

普段はバイストリートで購入した道具やなんかを利用して性欲を処理しているが、ここ最近のこともあり、頭の中はアウスのおっぱいでいっぱいである。

揉みたい、触りたい、ていうか見たい。あの緑色の私服の下で、どんな下着をつけていて、どんな乳首があるんだろうか、と。


妄想するなら自由、それはそうだが、しかし相手は同僚だ。明日も一緒に仕事をする相手だ。

いくら魅力的な女の子とて、もはやよく知った仲である。そんな彼女を思い浮かべながらの自慰行為など、想像だけで罪悪感に殺されそうだった。


「……いいや、今日は大人しく寝よう……風呂入って寝よう」


屹立し、主張する股間はそのままに、さっさと寝間着を用意して風呂を沸かす準備を始める。

疲労を抜いて温まった体のままベッドシーツを被れば、さすがに寝れるだろうという魂胆だった。





「…………」


結論から言えば、寝れなかったのだが。


(アウスかわいい……アウスかわいい、アウスかわいい…………)


温まった体をベッドに閉じ込めて目を閉じると、勝手に彼女の顔が浮かんでくるのである。

恋……恋慕なのだろうか? しかし付き合いたいとか、彼女になってほしいとか、そういう気持ちより先に現れるのは決まって劣情だ。

縁のなかった異性間の関係に興味がないわけじゃないが、だからとてこんな劣情を催したままでは確実に彼女を傷つけてしまうだろう。


何より……彼女は同僚だ。関係が変わってギクシャクしては仕事に関わり、ジェニーさんにも迷惑がかかる。

だからいつも通りでいればいい――いなくてはならない。沸き立つ劣情の前に明日の仕事のことを考える。


「…………あ、そうだ」


ふと脳裏によぎったのは、その仕事のこと。明日、確か丁度店主が……ジェニーさんが視察に来る日だ。

窓枠のホコリを指で拭うようなことをする女性ではないと知ってはいるが、店主が来るなら最低限の準備は必要だろう。

店の棚に在庫はあったか、倉庫はきちんと片付いているか。気になりだして、俺の手はするすると携帯端末に伸びていた。


メッセージを送る相手は唯一の仕事仲間。アウスに、である。


起きているかどうかはわからない、というか確実に寝ているだろう。

返事は朝でいいと文に添え、仕事の内容に変更・追加すべきちょっとしたことを伝えた。


(これでいいか……)


返事は来ないものと思い、ごろんと寝転がって天井を見つめて、しばらく。

瞼が重くなりはじめたあたりで、ぴりりと通知が届いた。

アウスからだった。



『あのさ』



淡白な返事にどきりとする。

さすがに深夜に連絡を入れるのはまずかっただろうか。


続く言葉に、胸中にあった冷たい感触が消え去る。



『おっぱいみせていい?』



「………………はい?」


……何?

何を言ってるんだろう、彼女は。


『何』

『どういうこと?』


送られてきた返事の意味を頭の中で反芻する。

おっぱい。彼女の? あるいは誰かのか? いやいやそんなわけがあるか。

意味は理解できないけれど、しかし。


『見れるなら、みたいけど』


からからに乾く喉に唾を押し込み、よくわからない緊張で震える指先でそう返事をした。



返事はすぐに来た。



「…………――ぇ…………っろ」



ベッドに仰向けになって、左右にだぷんと広がる、おっぱい。――の、写真。

ぷっくりと膨らんだ、あるいは腫れているようですらある、深いピンクをした大きな乳首。

胸の円形に沿う形で流れている濃い白色の液体は、そこからあふれているようで。

まくりあがった緑色の服と、上部にわずかに映り込んだ黒縁の眼鏡をした顔が、まぎれもなく彼女だということを表していた。


アウスの。おっぱい……というか、裸。

汗ばんでじっとりしていて、白い液体でべっとりと濡れている体。


見るだけで射精しそうなそれをしばらく見つめて、今すぐ股間に持っていきたい手で携帯端末を握る。



『ごめん』

『きゅうに』


見つめて呆けている間に来ていたメッセージに、慎重に返事を送る。


『えろい』

『やばい』

『これ母乳?』


少し待って、彼女から返事。


『そうだよ』

『体質だから、出るの』


歯止めを失って、俺から彼女へ。


『めちゃくちゃエロい』

『もっと見たい』


寝間着ごしに股間をぎゅうっと握りながら、返事を待ち。

ぴりりと通知が来て、すぐに見る。



『きみのも』


『どんなふうになってるか見たい』





………………送っちゃった送っちゃった送っちゃった送っちゃった送っちゃった……。


「やばいやばいやばいやばいおなかじりじりするやばいやばいっっ…………」


拒絶されたらどうしよう。軽蔑されたらどうしよう。困らせたら、嫌われたら。

そんな恐怖を押しのけてでも出てきてしまう、僕の欲望。

えろい。めちゃくちゃエロい。もっと見たい。


そんな言い方をされてしまったら、止まれるわけがなかった。


「……興奮……してくれたのかな……僕の体でっっ…………」


これが日の高いうちで、道行く知らない人間から向けられるものであれば嫌悪しただろう。

でも、今は深夜で、相手はよく知る男の子だ。さんざ胸を弄ってじくじくと疼くお腹は、彼からの『そういう目』を求めてやまなかった。

興奮してほしい。エッチな目で見てほしい。

僕を見てほしい。僕の体を、消費してほしい。


股間をぐちゅぐちゅと弄る手が止まらないまま、片手で端末を持って画面を見つめる。

僕に向けられた返事、『エロい』『もっと見たい』、その言葉を目で反芻している最中に。


「…………ぁ」


わずかな読み込みの時間があって、それが表示された。


がちがちに膨らんで、お腹に向かってぴんと伸びた彼の性器。

大きい。すごく大きい。生々しくて、透明な液体でてらてらとコーティングされている。

彼が、僕の体でこの上ないほど興奮してくれている、証拠。



「ぁむ゛っっ♥♥♥」



頭の中でぷつりと何かが外れて、僕は画面いっぱいに表示されているそれに向かってしゃぶりついた。

ほのかに温かい液晶の感触が唇に返ってくる。ぱっと口を離せば、目の前にはそれがある。またしゃぶりつく。


「ふーーーっっ♥♥ ふーーーーーっっ♥♥ んっっむ゛♥ ぢるるるるっっ♥♥」


うつぶせの体勢でお尻を目いっぱい持ち上げて、愛液をたっぷりと掬った指先でクリトリスを根本から何度も押し潰す。

指先がにゅるんと滑って先端をばちんと弾き、再び根本へ、先端へ、根本へ、先端へ。

溢れてくる唾液を吸い上げて、また溢れて、吸い上げて。画面ごしの彼のおちんちんに夢中でしゃぶりついた。


「ん゛っっ!!♥♥ んぅ゛っっ!!!♥♥ ~~~~~~~っっ!!!♥♥♥」


その内、数十秒ともたずに僕の体は絶頂して。声にならない甲高い嬌声が、鼻の奥から搾り出た。

射精でもするようにびゅくびゅくと両の乳首から母乳が吹き出ているのがわかる。柔らかなベッドに押しつぶされる感触だけでも、僕のおっぱいはどうにかなりそうだった。



「…………んっぶぁ…………はーっ……はーっ……」


涙と母乳でべとべとの眼鏡をぎゅっとシーツで拭い、かけ直して端末の画面を見る。おちんちん。お腹がきゅっとなる。そうじゃなく。

液晶にたっぷりと乗っかった唾液を眼鏡と同じように拭うと、彼からの返信が来ていた。



『アウスは』

『こういうこと、好きなの?』



「…………ん」


好きか嫌いかと聞かれれば、きっと、好きなんだと思う。

判断はつかない。こんなことをしたのは彼が初めてだから。


『経験、あんのかなって』


…………。

その問いかけから、ふと思いついたことに対し、とくんと胸が高鳴る。

経験の有無。これが僕から彼への質問なら、きっといくらでもごまかせるだろうけど。


『ちょっと、まってて』


するすると下着ごとズボンを脱いで、ぱさっと床にやり。

服は上にまくりあげているから、ほとんど完全に裸になって。

すこし難しい体勢だけど、心臓がとてもうるさいけれど、挑戦してみる。


「………っ……♥」


両の膝を立てて、股を開いて、人差し指と中指で押さえたソコを拡げる。

自慰行為をするときは決まってほったらかしのソコを、ぱしゃりと撮影。

撮れた写真を確認すれば、普段僕がソコに指を入れない理由がちゃんと映っていた。


彼のソレよりもずっと生々しくて、どろどろに濡れてて、だくだくと涎を垂らしてぱくぱくと疼いてる、ソコ。

精一杯口を拡げても、指の一本も入りそうもない狭苦しい穴の奥に張った膜。


おまんこと、処女膜。


『これ』

『返事』


簡潔な返事と一緒に、写真を送る。

頭はぼやぼやしてどうにかなってて、お腹はずくんずくんと疼いて爆発しそうだった。

彼のことしか考えられなくなって、突然彼が家にやってきて、僕を犯してくれないかと本気で思った。


ごろんと仰向けになって、切なさともどかしさでどうにかなりそうなおまんこをやっぱり放置して、時々びくびくと腰を跳ねさせていたところに。

ぴりりり、と長めの通知音。メッセージじゃない、着信。


「…………どう、したの?」


指先でタップして、通話に応える。


『アウス、その』



『……今から、そっち行っていいか?』


「…………」


真っ白になったおっぱいを、着崩れていた服の中に押し込んで。

脱いだ下着とズボンはもういいや、ぎゅっと服の裾を伸ばして隠す。


「……いいよ」



「なにしても、いいよ」



通話を終えて、彼の到着を待っている時ほど、時間の流れが遅く感じたことはなかった。





『鍵、開けてあるから』


通話でそう伝えられた通り、アウスの部屋の戸はかちゃりと開いた。

開けた途端、するりと鼻腔に侵入してくる甘い香り。まるでお菓子でも作っていたかのような、ふわりとした香りだった。


「ぁ」


扉が閉まると同時に、内鍵を閉める。

部屋の奥、くちゃくちゃになったベッドの上にアウスは腰かけていて。

真っ赤に火照った顔で深く息をついている彼女のもとに歩み寄れば、ぎしぎしと床が小さく鳴った。


甘い香りがだんだんと強くなる。

見慣れた彼女の服がべっとりと染みて濡れていて、香りの元がそれだとわかる。


「ぁと……その……」


間近で彼女を見下ろせば本当に可愛らしくて、ついさっき見たばかりの写真を思い出す。

ばくばくと鳴る心臓のやかましさに喉が詰まり、とにかく喋ろうと発した声を、アウスが遮った。


「ぉ、遅くに、ごめ――」


「ん」


両手をこちらに差し出して、うるんだ瞳に自分の顔が映る。

アウスはその小さな顔をふるふると横に振り、茶色い癖っ毛がふわふわと踊った。


「……話す、よりっ…………んぃ――っ!♥」


気づけば両手が彼女の肩を掴んでいて、自分の体ごとベッドに倒れ込んでいた。


「……はーっ、はーっ、はーーーっ…………♥」


アウスの顔や髪、荒々しい息遣いが目の前に来て、ようやく気付いたのは、彼女の香り。

髪や肌からのものに加え、普段からほのかに甘い香りが漂っていたのは、この――。


「ん゛――――っっ!!♥♥」


ベッドの上で彼女に覆いかぶさりながら、彼女の両の胸に手を埋める。

香りの元。彼女の特徴。普段から見もしない触れもしないようにと意識してきたそれに、今は意識のすべてを向けている。

見たくてたまらなかった、触りたくてたまらなかった彼女のおっぱいを、両手全部を使って堪能する。


「ぁ゛――――っっ♥♥ ぅ、あ゛っ……!♥ ぁ――っ!♥」


柔らかい――というより、弾力とハリのある、本当に独特な感触。

あまりに大きくて、手に収まりきらずに指の端から乳肉がむにゅりとこぼれるほどのおっぱい。

人肌のぬくもりと服の向こうからじわりと溢れる母乳の熱さが手のひらに伝わってきて、感触と相まって、妙な落ち着きすら覚えてしまう。


「ど、ぅ……かな……っ?♥ っ、僕の、おっぱい……きもち、いいっ…………?♥ ――ん゛むっ!!?♥♥」


聞いたこともない嬌声を放つ唇から、聞きなれた声色が聞こえてきて、堪えきれずに吸い付いた。

アウスのおっぱいの片方を押し潰し、片方を引っ張るようにしながら、抱え込んできた劣情の全部をアウスに押し付ける。

抵抗はなかった――どころか。


「ん゛ん゛んんんんぅぅぅぅっっ!!!♥♥ ぢゅるっ、ぢぅぅうぅ…………っっ!!♥♥ ~~~~~~~ッッ!!♥♥♥」


後頭部に思い切り腕を回されて、抱き寄せられる……あるいは、貪り返される。

必然的に両手が彼女の胸に圧迫され、彼女の体がびくびくと強く痙攣するのと、服の内側から温かい母乳が搾り出されるのがはっきりとわかった。


――痙攣がようやく収まって、口が離れ。眼鏡の奥で涙を溜め込んだアウスが、うらめしそうにきゅっと口を結んでいた。

機嫌を損ねたと一瞬思ったが、つんと張った胸の先端からぷくっと白い母乳が溢れ続けているのを見て、そうでないと気づく。


「キス……」


荒れた息を整えながら、途切れ途切れにアウスは話す。


「……もっと、してほしかった……っっ」


じくりとこちらの胸に突き刺さり、それからじわりと溶けて混ざるような、彼女の要求。

してほしかった。つまり、されて嬉しかったのだと示す言葉。

彼女は体を許してくれている、というかシたいと思っている、その九割の確信があっても、一割残る疑念が寸でのところで自分を留めていたが。


「…………っ? ……ぁ」


するりと自分の下半身を彼女の前に晒し。

彼女の服の裾を、ぎゅっと掴み。


「ぁ――っ♥ あ、あっ、あっっ♥♥」


ぎりぎりで隠れていた股間も、苦しそうにしていた胸も、全部まくり上げて露わにする。

見ることなどないと思っていた彼女の素肌。汗ばんだ体に、愛液でぐしょ濡れのおまんこ、自分の母乳にまみれたおっぱい。

ぶるんっっと揺れて、ぱたたっと母乳のしずくを散らすおっぱいに、もう何の遠慮もなくしゃぶりついた。


「ひっっぎぅっっ!!?!?♥♥ ぁ゛っあ゛っお゛っっ、ぁ゛――――ッッ!!♥♥」


反射的に背中を反らし、ぎゅむぅっと顔全体がアウスのおっぱいに包まれる。

構うことなく乳首をねぶり、半ば咀嚼しながら吸い上げ、なだれ込んでくる母乳をごきゅごきゅと喉を鳴らして飲めば飲むほど、アウスの嬌声はより大きく甲高くなっていって、呼吸も忘れて乳肉に溺れてしまいそうになる。


「嬉じっっ♥♥ 飲んでもらえてるっっ♥♥ 僕のおっぱいっっ、はじめて飲んでもらえ、だっっ――――♥♥ ぉ゛っっ!!♥♥」


ぢぅるるるるるっと口の端から空気を漏らしながら吸い上げて、ぢゅぽんと乳首を解放し、もう片方の乳首にもしゃぶりつき。

わずかな呼吸を挟んでからしゃぶって、飲んで、飲んで、吸い上げて、呼吸を挟んでまた飲むを繰り返し――ながら。


「もっどっっ、もっど飲んでっっ♥♥ 僕のおっぱいっっ、からっぽになるまで飲んでいいがらぁっっ!!!♥♥ ――――あ」


見せつけ合った股間と股間を、先端と入り口をぐっと押し付け合い。

力を込めたり、腰を落としたり、おっぱいを弄びながら少しずつ調整をして。


「~~っ♥ っっ♥♥」


ある一点に先端がたどり着き、ぐっと押し込んで――ぶんぶんと激しくうなずき、肯定の意を示すアウスの顔を見つめながら。


ぐっと腰を突き出した瞬間――突き刺したのか、飲み込まれたのかもわからない感触が、一瞬の内にあって。

『ばぢゅっっ!!!♥♥♥』と、水気を帯びた肉と肉が激しくぶつかった音がした。


「ぁ゛ぎぅッッ!!!♥♥♥」


腰が砕けるような快楽があって、それでも無意識に腰が動いて。

肉と肉がかき混ざって、溶けあって、快感の芯だけ残してぐちゃぐちゃに融けていくような錯覚に襲われる。

ばちゅん、ばちゅん、ずっちゅ、ぐっちゅと絡み合う粘液と粘液の音と、ぎしぎしと歪むベッドの音を聴く。


「あっっぁっあっあ゛っィっっぐっっ!!!♥♥ ィぐの止まんな゛いぃっっぎもぢぃっ嬉じっすきっだいすきっっイぎぅっっ!!!!♥♥♥」


思いの丈を子宮の底から押し出すような声で喘ぐアウスの体を前後に揺らし、何度も何度も腰を叩きつける。

ばるんっっぶるんっっと円を描いて揺れるおっぱいの先端からは絶えず母乳が漏れていて、白いベッドシーツの上に散らばるそれが放つ香りに、脳髄をどろどろに融かされそうになりながら――自分の頭上でベッドシーツをぎゅううっと掴み、絶頂の最中にあるらしいアウスの体を、それでも犯す。

打ち付ける腰の速度がどんどん速まって、彼女を犯す以外の動作と思考に余裕を残せなくなって、股間の奥から立ち上る気配を待ち望む。

それは、彼女も、同じようで。


「出してっっ!!♥♥ 全っっ部、僕にぶちまけてっっ!!!♥♥ せーえきでもおしっこでもぜんぶぜんぶぜんぶおまんこに吐き出してっっ!!!♥♥ 僕のおっぱいもおまんこも全部っっ、君の、君の――ッッ♥♥♥」


目の前の、この女の子を、自分だけのものにしたい。

溜め込んでいた劣情も、絶えず湧き出てくる欲求も、全部押し付け合って、受け止め合って。

果てる瞬間、ばぢゅっっ!!! と強く彼女の子宮を押し上げると同時に。


根元をわし掴み、くっつけた乳首を二つとも、いっぺんに頬張った。


「ん゛っっぃぃ゛ぃいぃい゛ぃいいいィいいイぁあ゛ああ゛ああァああああッッ!!!!♥♥♥」


一際強く締め付ける膣内に、どぼどぼと精液を流し込む。

流し込みながら、彼女の母乳を吸い上げて、飲み込んでいく。


「あ゛ーーーーーーッッ!!!♥♥ ぁ゛ーーーーーッッ…………!!♥♥♥」


ほとんど残っていない母乳を吸いつくし、わずかに口の中に残して。

絶えず濁った嬌声をあげる彼女の口を、母乳を頬張った口で塞ぐ。


「んぶっっ!!?!?♥♥ ん、んっ、ん゛っっ、んく、ん゛んんんっ――!!♥♥」


唾液の混ざった、自分が噴き出した母乳を流し込まれ、懸命にそれを飲み込むアウス。

母乳が絡んだ互いの舌をぶつけ合い、押し付け合い、長い長い絶頂を二人で味わい続け、味わい続け、味わい続けて――。



「っ………………ぷは…………」



息が苦しくなり、ようやく頭が冴えてきたところで、口を離した。


「ぁ…………♥ あ゛っっ…………んぅっっ…………♥♥」


堪え続けて、ようやく達した快楽の反動で、少しだけ頭が冷静になるものの。

目の前で蕩け切った顔を見せるアウスと、ぎぅぅぅっと締め付けてくる膣内の感触に、萎えることも行為を終えることも許されず。


「…………アウス」


「……ん…………?♥」


「その」


「いいよ」


こちらが切り出す前に、アウスが喋る。


「君の……カノジョに、なってあげる――から」


口を挟む余裕も、体を離す余裕もなく。いつのまにか彼女の両腕は、こちらを抱き寄せていて。

両脚は腰のうしろに回り、完全に彼女にホールドされていた。


「ぃや、え、あ、アウスっ……??」


「……条件」


「じょ……ぅ、けん?」


「うん。約束して。まもって」



真っ赤な顔で、ハートの浮かんだ瞳を細めて、にぃ――とアウスは微笑んで。



「今後一切――ひとりでオナニーしちゃ、駄目」


「……するなら絶対、僕の体で、シてくれる……?♥」



剥き出しの好意。というよりも、独占欲。

それを受け止めて、ゆっくり深く頷いて。



夜が明けるまで。

お互いの体と、お互いに我慢し続けた欲望を、劣情を、ただただぶつけ合って、堪能し合った。





「よし、よし――うん、うん。大丈夫そうね……ありがと、お二人さん」


昼過ぎ、差し込む陽光が店内をほのかに暖めてくれる時刻。

ジェニーさんは手際よく自分の仕事を済ませた後、店内の様子を軽く見て回り、オーケーサインを出してくれた。

やったことと言えば軽い清掃と棚の整理くらいで、まずダメ出しをくらうことはないとわかってはいたものの……にこりと微笑む彼女の顔を見て、ようやく一息ついた。


「どう? アウスちゃん、もう慣れた?」


「ぁ――はいっ。おかげさまで……」


突然声をかけられたアウスがぴくりと驚きつつも返事をし、小さく頷く。

ジェニーさんは、よかったよかった――と嬉しそうに呟きながら、こちらに近づいてきて。


「…………え……っと?」


にこにこにこにこ。

静かな微笑みが、逆に恐ろしく。

片手を添えて、こそりと耳打ちをされる。


「――バイストリートの女の子は、みんなとある魔法をお腹にかけてるのは知ってる?」


「ぁ……はい……一応、知識としては――」


ジェニーさんが問いかけてきたのは恐らく……ホルモンバランスの乱れや、それに伴う体調の変化を抑える魔法。

それには予定外の妊娠を防ぐ効果もある――と、知識にはある。

ある、が。


「そ、ならよかった。……でも」



「『限界』ってものはあるから…………ほどほどにね?」



にっっ…………こりと。

見たこともない蠱惑的な声色と表情で、彼女はそうこちらに伝えてから――ささっと離れた。


「それじゃ、私は次の仕事があるからもう行くけれど――引き続き、この店をよろしくね、二人ともっ」


「はい――はいっ、ジェニーさん!!」


「………………」


ぴしっと背筋をまっすぐにして、返事をした。



からん、とドアベルが鳴って、店にはアウスと二人っきりになる。

へたりと体から力が抜けて、壁に体がもたれかかった。


「あー……えっと。……アウス――も゛っ!?」


ふわっと右手が持ち上がって、むにゅぅぅっ…………と柔らかいものにその手が埋まる。

感触に驚いて自分の手を見ると、アウスがそれを手に取って、自分の胸に押し当てていた。


「何、話してたの、さっき」


「いやさっきのはほんとなんでもないことというかその!! あのッ気持ちいいから離してくれないか!!? アウス!!?」


「へえええええ…………」


ぱっと胸から手が離れ、ぐらっと重心が傾きかける。

ぷいっと前を向き、カウンターに突っ伏すアウス。


「ならいいけど……ならいいけどさ? なんでもないことならいいんだけどさぁ?」


「なんでも……なくはないけどな。大事なことだけどさ。俺もちょっと考えなきゃというかー……」


「あ、今日仕事終わったら君の家に行くからね。一緒に帰ろうか」


「急」



地霊媒師アウスは、どうも。

性欲も、独占欲も、並みの男よりもずっとずっと強いらしかった。


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