品田家の朝
モテパニ作者拓海「ふわぁ…」
早朝起きたばかりの大きなあくびをする。
ダークドリーム「あら拓海、遅かったわね」
彼女はダークドリーム、つい先日から品田宅に住み始めた少女だ。
男子のいる家に置くのはどうかという意見もあったが、戸籍の無い彼女を引き取れるのが品田宅くらいしか無かったため仕方ないのだ。
一応虹ヶ丘宅という選択肢もあったが、そちらにも男子はいるし、予想以上の健啖家である彼女的にはおいし〜なタウンの方がよかったとのこと。
それに万が一などそうそう起こらないからこそ万が一なのだ。
現にすでにそれなりの期間過ごして何も起こっていない。
あん「おはようたっくん。今日の朝ごはんはダークドリームちゃんがつくってくれたのよ〜」
拓海「へえ」
ダークドリーム「大して凝ったものじゃ無いし、これはもう習ったから。この子も手伝ってくれたし」
ましろ(妖精)『少し照れている』
拓海「この虹ヶ丘また来てたのか」
妖精姿のましろ、ダークドリームと一緒に現れたましろだ。
どうもこのましろはよくダークドリームについていろいろ教えているようだ。
あん「う〜ん♪いいわね〜こういうの。もうダークドリームちゃんもうちの子同然よね〜。うちに娘ができるなんてたっくんがお嫁さん連れてきた時だって思ってたから嬉しいわ〜、いっそのことダークドリームちゃんほんとにたっくんのお嫁さんになってみる?私は歓迎よ〜♪」
拓海「はぁっ!?」
ダークドリーム「ふぅん?」
ましろ(妖精)「///」
あんの突然の爆弾発言に場がざわつく。
そしてダークドリームは拓海の方を見て。
ダークドリーム「確かに悪く無いわね」
拓海「!?」
思いの外前向きな意見を出してくるダークドリーム。だが、
ダークドリーム「私は遠慮しておくわ。他の子に悪いから」
あっけらかんとした様子でそう答えた。
ダークドリーム「他の子がいなければ狙ったかもね」
拓海「っ!」
恋愛対象にはしない、しかし満更でも無い。
そんな事を親しい相手から言われたら年頃の男子な拓海は少し照れる。
ましろ(まし拓)「ありがとうダークドリームちゃん、わたしのために譲ってくれるんだね。幸せになろうね拓♪」
拓海「いやいつの間にいるんだよ!?」
ましろ(まし拓)「あれ、言ってなかったかな?わたしは他のわたしがいる場所の近くに直接出られるんだよ?」
拓海「どういう仕組みなんだお前ら!?」
ダークドリーム「え、まさかそのためにここにいたの?」
ましろ(妖精)『全力で首を横に振っている』
あん「あらあら〜」
こうして品田家の朝は過ぎていく