呪術師/アストレア

呪術師/アストレア


【本名】???→アストレア

【性別】秘密

【誕生日】4月2日(おひつじ座)

【年齢】17歳

【学年】高等部2年生

【所属】呪術科/保健委員会/XVII機関

【家族】死別のため天涯孤独

【恋人】アイリーン・アストライド

・ダイス

【アルコール耐性】24/100

【笑いのツボ】非常に浅い

【ホラー耐性】17/100

【ファッションセンス】貫禄の2/100

【洋楽の歌唱力】93/100

【サックスの腕前】74/100

【ダンスの腕前】29/100

・基本設定

 在籍する生徒の少ない呪術科で唯一の高等部2年生──と思われていたが、実は同級生の橙 流星も在籍していた。4月2日生まれの17歳。一人称・二人称はそれぞれ「ボク」と「キミ」、目上の人間には敬語を用いる。実は口調がかなり粗暴だった時期がある。

・隠された性別

 7年前のとある航空事故がきっかけで、本名と性別を隠して生活を送っている。普段は男子用の制服を着用しているが、パッドを詰めており服の上からでも僅かな胸の膨らみが伺える。声質も中性的で判別がつかない。

 また性別を隠すため学生寮には入らず、かつて師匠のゾーイと暮らしていた教員宿舎の一室を今でも利用している。ただし宿舎から離れているため、呪術科のベッドを借りて寝ることも頻繁にある。

 実は亡くなった双子の魂から名前と性別の情報を抽出、自身の魂に重ねることで名前と性別を曖昧にしている。「性別で対象を絞る」術式を掻い潜れるのはこのため。

・容姿と服装

 顔立ちやスタイルはそこそこ整っているものの、美男美女の多い魔法学校では目立たない。身長は当初168cmだったが、172cmまで伸びた。あまり運動をしないため、肌は白く筋肉は少ない。実は胸には大きな火傷跡があり、パッドで隠している。内巻き気味の栗色の髪を短く切り揃えている。虹彩は鮮やかな緑色。

 前髪の上には無骨なゴーグル、首から吸収缶を外したガスマスクを下げ、両手に革製の黒い手袋を嵌めている。

 またアイリーンとのスイーツパーラーに向けて、師匠も愛用していたカーキ色のトレンチコートを制服の上から羽織るようになる。〈天煌操作〉の影響で再び身長が伸びており、通販で購入したものはサイズが合わなかったため、 ユウカ・アリバール のものとなった。

 帰国後はエオスを寄生させた赤いスカーフと腕時計をそれぞれ首元と右手首に巻きつけている。

・趣味

 ジョジョの奇妙な冒険を愛読しており、1部から7部までは読破している。どのスタンドもカッコいいと思っているが、唯一エボニーデビルだけは「本体が呪術師のクセに余りにも弱すぎる」と嫌っている。

 また師匠と漫画の影響で洋楽を嗜んでおり、たまに口ずさんでいる。

登場した楽曲

Elvis PresleyのJailhouse Rock

QueenのCrazy Little Thing Called Love

Michael JacksonのThrillerとGone Too Soon

KC and The Sunshine BandのGive It Up

Led ZeppelinのStairway to Heaven

George GershwinのRhapsody in Blue

・性格

 中等部から魔法学校に在籍していたため爆発などの騒動には慣れているが、決して強靭なメンタルの持ち主ではない。一人で死地に赴くのを引き留めるためとはいえ レスト・リカーバ を騙した時には、あまりのストレスに耐え切れず嘔吐した。

 かなり短気で、呪術を貶められると口調がかつての粗暴なものに豹変し、すぐに手が出てしまう。

 「未知を切り拓く」ことに歓びを覚える、ある種の開拓精神を宿した生粋の呪術師。その一方で呪術の人気が低く、研究が遅れていることに強いコンプレックスを抱えている。

 しかし呪術に対する熱意は常軌を逸しており、相手が呪術を学んでいることを「嗅ぎ分けて」根掘り葉掘り問い詰める悪癖がある。本人も自覚はあるが一向に改善しない。

・恋慕

 去年の事故で救助されて以来、アイリーン・アストライドを「アイリ先生」と呼んで慕っている。彼女に対する認識は「ダメな社会人でカッコいい大人」。恋愛対象が同性であることや15歳で煙草に手を出した理由などは知っているが、クルトとの契約で寿命が縮んでいることは知らない。

 更に〈天煌操作〉の副作用で死の危機に瀕した際、彼女から「アストレア」の名前を貰い一命を取り留めた。二度も人生を救われたことから彼女には重い感情(100/100)を向けており、一時期は発作で倒れる度に干からびるまで号泣していた。

 彼女が年齢操作の壺で若返ったことを機に、文化祭最終日の花火大会にて遂に告白。晴れて結ばれたのだが……

・闇堕ち

 度重なる襲撃で彼女が危うく殺されかけたこと、更に神話時代に飛ばされ離れ離れになってしまったことで、抱え込んでいた独占欲が遂に爆発。「彼女を失いたくない、いつまでも添い遂げたい」という想いは、「いかなる犠牲を払ってでも、彼女を自分のものにしたい」というドス黒い願いに変貌してしまった……

・技能

 特技は10年間欠かさず鍛錬を続けていた投擲、特にナイフ投げでは百発百中の腕前を発揮する。ちなみに左利きだが、どちらの腕でも正確に標的を撃ち抜ける。

 また海外で夫人の厳しい指導の下、刀の基礎と抜刀術を習得している。

・所属

 師が生前教鞭を執っていた呪術科に在籍しており、頻繁に倉庫を掃除している。後輩からもそこそこ慕われているようだ。

 また中等部3年生の夏から保健委員として活動しており、医務室に運び込まれた生徒の治療に携わることもある。

 更にリザーヴとの一度目の戦いにて戦果を挙げたことでXVII機関に加入したが、実力では他のメンバーに大差をつけられている。本人も自覚しているが、勧誘した理事長には別の思惑があるようで……

・過去

 呪術師のルーツは先代の呪術科教授ゾーイが弟子に取っていた双子の姉弟、その片割れ。二卵性でありながら二人の外見は瓜二つで、彼女を除けば見分けがつかなかった。

 互いに「向こうの方が愛されている」と思っていたことを除けば双子の仲は良好で、師匠と三人で幸せに暮らしていた。

 しかし10歳の時に二人は航空事故に巻き込まれ雪山で遭難、一方が「受け継いで生きる」という言葉を残して凍死してしまう。生き残ったもう一方は師匠を傷つけないように、本名と性別を隠して生活するようになってしまった。

 事故から2年後の12月23日にゾーイは他界。呪術師は孤独を受け止め切れないまま魔法学校の中等部に入学し、師匠が進めていた研究を継いだ。

 入学から中等部3年生に進級するまでは寂しさを紛らわせるため、寝食すら惜しみ研究に没頭する不健全極まりない生活を送っていた。一日分の食事をチョコバー一本だけで済ませ、150時間以上を一睡もせずに研究し続けたこともある。この生活を止めてくれる友人もいなかった。

 しかし歪な生活に体が耐えられる筈もなく、中等部3年生の5月に2年間の無理が祟り入院してしまう。就任したばかりの教授に病室で諭されたことがきっかけで、その生活は徐々に健康的なものへと変わっていった。

 また後輩に怯えられたことを機に、口調を矯正したのもこの頃。

 そして高等部1年生の頃に呪術関連の資格や免許を網羅していた実績が評価され、呪術師の身でありながら6月の「異種混合魔法コンペティション」に招待される快挙を成し遂げた。

 実演では発見されたばかりの古代兵器を起動・制御してみせたが、「兵器の固定が不十分」という現場の些細なミスから制御用の術式が剥がれ暴走。間一髪でアイリーン・アストライドに救助されたが、会場のスタジアムを半壊させたことが深いトラウマになってしまう。

 しかし周囲の人間から激励を受けてトラウマを克服、受けた善意を誰かに繋ぐことを決意した。

・呪術師として

 人気のない体系「呪術」を専攻しており、呪術に関してはまごうことなき天才の部類(120/100)。14歳という若さで呪術に関連する資格・免許を網羅している8人の一人となった。

 世界各地の呪術を解析してきたために術式に対する造詣が深く、魔力量や術式の処理能力なども秀でている。

 現在の目標は「呪術の体系化」、溢れかえる規格や理論を整理し研究を円滑に進めること。しかしマルガレーテ・コラバフィッツのような「呪術とは無秩序であるべき」というスタンスの呪術師もいる。

 実は他の体系にもそれなりの素質(69/100)を持っているが、それらの知識がないため気づいていない。そしてもしその才能に気づいたとしても、呪術師が他分野に手を出すことはない。

 基礎を知らないため魔法理論の成績は著しく悪く、中等部時代からテストで40点を上回った試しがない。特に元素・属性の問題が苦手で、内心「どれも自然現象じゃないか、細分化したらキリがない」などと思っている。

 体の動かし方は心得ているが、身体能力がそこまで高くないため戦闘は不得手。しかし有事の際は卓越した投擲技術と多彩な術式・呪具を駆使して戦う。また〈天煌操作〉という自己強化を得たことで、パワーとスピードによるゴリ押しもこなせるようになった。一方でこれを封じられると一気に弱体化する。

・〈天煌操作〉

 呪術師の体内に様々なエネルギーを発生させる未知の術式。フィールドワークの最中に崖から転落し、谷底で発見された呪術師の体に刻まれていた。当初は不完全で青白い〈活雷〉しか扱えなかったが、研究が進むにつれて他のエネルギーも利用できるようになった。

 その正体は「かつて天空神が振るっていた権能の一端」。崖下に封印されていた名もなき天空神から継承したが、呪術師の素質が低いためその全てを扱うことは不可能。

 〈白い苗木〉に感染したことで喪失してしまった。

・〈拡風〉

『LOAD-TEAL』

 青緑の「拡張する風」、その効果は空間の拡張によるポータルの生成。

 〈拡風〉の描く軌跡に沿って空間に隙間が生じ、この隙間に飛び込むことで瞬時に別の場所へと移動できる。ただし隙間の内部には上下左右が存在しないため、平衡感覚が麻痺する。更に隙間の発生には硬度を無視した破壊が伴うため、〈拡風〉を流し込むことで対象を内側から爆散させることも可能。

 本来の出力であれば半径20kmに渡り、大地を意のままに拡縮・歪曲させることが可能。

・〈増雲〉

『LOAD-NAVY』

 〈拡風〉から派生する紺色の「増強する雲」、その効果は物質の侵食による分解・再構築。

 周囲の物質を取り込むことで瞬時に増殖し、紺色の武装や壁・足場を形成する。吸収した物質を限界まで圧縮しているために桁外れの硬度と重量を誇り、呪術師本人でも〈充雨〉や〈活雷〉なしには動かせない。また「喰らい尽くす」ことで敵の再生を封じることも可能。

 本来の出力であれば山一つを侵食し、巨大な要塞を瞬時に築き上げることが可能。

・〈累雨〉

『LOAD-CYAN』

 〈増雲〉から派生する水色の「累積する雨」、その効果はエネルギーの蓄積による増幅・破壊。

 外部から受けたエネルギーを数倍まで増幅した状態で固定、解放することで爆発的な威力を叩き出すことが可能。ただし〈活雷〉と同様に耐久力は据え置きのため、刀に流して振れば爆散する。

 本来の出力であれば都市一つを一瞬で木端微塵に吹き飛ばす爆撃が可能。

・〈活雷〉

『LOAD-VIOLET』

 〈増雲〉から派生する紫色の「賦活する雷」、その効果は生命力の増幅による強化・再生。未分化状態では青白い。

 筋力の強化は使用したい部位に力を込めることで発動し、使用中は紫電が迸る。術者に桁外れのパワーとスピードを齎し、最大まで強化すれば「大気を殴る」ことで衝撃波を繰り出せる。

 しかし肉体の耐久力は据え置きのため、何かにぶつかるだけでも反動により重傷を負う。衝撃波を出す場合は腕が千切れかける。後に〈増雲〉のプロテクターを纏うことで、反動を軽減できるようになった。

 肉体の再生は負傷した瞬間から発動し、傷口は〈増雲〉で覆われる。内蔵の破裂や複雑骨折すら数秒で完治するが、正気を失いかねない壮絶な痒みが伴う。また傷口から完全に切り離されても〈増雲〉が自動で繋ぎ合わせる。

 当初は肉体が再生する度に呪術師の体内で不完全な〈増雲〉が増殖しており、これが許容量を超えれば全身が爆散して死に至る危険性があった。

 しかしマヤ・ツォルキンから教わった術式を基に、エネルギーを体外に排出する術式を開発。唯一の問題点もアイリーン・アストライドに「アストレア」の名を貰ったことで解決し、呪術師は一命を取り留めた。

 本来の出力であれば進化の系統樹から外れた生命を無尽蔵に産み出すことが可能。

・〈チューニンブレラ〉

『OPEN』

『CLOSE』

『LOAD』

『FULL-BURST』

 〈天煌操作〉の射程を伸ばすべく呪術師が制作した、特殊な火薬を用いて特殊な銃弾を発射する呪具。

 傘とポンプアクション式のショットガンを組み合わせ、そこから布を剥ぎ取ったような奇妙な見た目をしている。シャフトに備えたポンプを奥にスライドさせることで、X字に配置された四本の骨を開閉できる。骨には〈増雲〉を放出する機能があり、盾の形成や銃身の補強が可能。

 射出する銃弾は呪術師の骨を素材に用いており、〈天煌操作〉のエネルギーを発生させる起点となる。

 また呪術師の血を加工した火薬は〈累雨〉を利用し、少量でありながら初速500m/sの弾速と最長800mの射程を成立させている。この火薬を全て消費すれば絶大な威力を叩き出せるが、その場合〈増雲〉で補強しても大破は免れない。

 海外で習得した抜刀術を使用するべくグリップを捻ることで銃弾を刀身に加工、刀として扱えるように改良された。

 更にアナスタシア・ヴェルコットによって銃身に様々な機能が追加されたが、使いこなせなかったためにアナスタシウスによって取り外された。

・魔導剣技〈抜嵐〉

 〈天煌操作〉と夫人の指導の下に習得した抜刀術を組み合わせた魔導剣技。

 〈拡風〉で間合いを一歩分まで縮め、〈増雲〉で刀身と大地を補強、〈累雨〉と〈活雷〉でエネルギーを増幅して斬り伏せる神速の居合。更に傷口から〈活雷〉が注ぎ込まれ、全身の筋繊維をズタズタに引き裂く。

 〈天煌操作〉を全力で稼働させて繰り出すために発動後は10秒ほど動けなくなり、エネルギーを外部に放出できない。あくまでも放出できないだけで、〈活雷〉の強化と再生は使用可能。

 〈白い苗木〉に感染し、技の要である〈天煌操作〉を喪失したため使用不能となった。

・〈天煌操作・セカンドステージ〉

 海外の遺跡で覚醒した〈天煌操作〉の新たな段階。コンセプトは「飽和」。

 肉体を起点に大量の呪詛や穢れ、瘴気を放出して周囲を無差別に汚染する。呪詛を放出するだけで制御できない上に、解除すると一気に反動が雪崩れ込む欠陥品。

 しかし放出する呪詛を互いに反発させることで無効化、周囲に被害を出すことなく運用できるようになった。

 こちらも〈白い苗木〉に感染したために喪失してしまった。

・〈地澱顕現〉

 マルガレーテ・コラバフィッツの「死因を偽装する術式」を参考に開発した、「呪術師アストレア」の到達点。土地に蓄積された「死因」を引き出し、結界か使い魔として顕現させる。

 現在のバリエーションは可燃性の黒い液体を生み出す〈焼死〉、極寒の風を繰り出す〈凍死〉、高圧電流が駆け巡るワイヤーを張り巡らせる〈感電死〉の三種類。

・仕込み短機関銃〈白亜〉

  アナスタシウス・ヴェルコット に開発を依頼した、まるで新雪のように白く塗装された短機関銃。マガジンは打刀の柄を想起させる握りやすい形状となっている。

 軽量かつ反動を抑える機構を内蔵しているため、非常に扱いやすい。また〈チューニンブレラ〉よりも頑丈に設計されており、冷熱のどちらにも耐えられる。

 この銃が撃ち出す弾丸は〈白い苗木〉で生み出した白い結晶であり、被弾した物体を侵食する。弾速はそこまで速くないものの、弾道をある程度曲げることができるため、油断した敵は瞬く間に結晶の像に変えられるだろう。

 更にマガジンを柄として結晶の刀身を形成、打刀としても運用できる。この刀身から爆風を発生させ、神速の居合を繰り出すことも可能。

 デザインの元ネタはKRISS Vector。

・関連設定

・呪術

 魔法体系の一つとして登録されているが、その実態は「どの体系にも属さない術式をかき集めただけ」というもの。一部の魔術師からは蔑視されており、規格の統一が進んでいないことも相まって研究が非常に遅れている。

 〈贄〉や〈影踏〉、〈首狩〉などの様々な理論が氾濫しているが、その大半は突き詰めれば〈感染〉と〈類感〉の二つに収束する。このことから「呪術師は全員キレながら研究を纏めてる」と揶揄されている。

・ホテル呪術科

 呪術科に在籍する高等部1年生の2人が主導し大改造を施した、恐らく世界最速の三階建てホテル。かつては繁盛していたが、怨霊の巣窟と化したことで廃業に追い込まれたホテルを素材としている。

 レースでも他のマシンに引けを取らない性能を誇るが、操縦士5人が心を合わせることでようやく動き始める。なお4人までは外部から遠隔で操縦できる。

・〈白い苗木〉

 神話時代に生み出され、数多の都市を滅ぼした兵器。まるでウイルスのように生物に感染し、宿主の精神を乗っ取り破壊活動を行う。同じ神話時代の存在を優先して襲う性質がある。

 感染者の精神を蝕むだけでなく、感染者が触れた物体を超低温の「白い結晶」に置き換えてしまう。アストレアに〈天煌操作〉を与えた天空神もまた、これに感染していたようだ。

 この兵器の最大の特徴は、宿主に合わせて進化する性質にある。剣士であれば刀剣の扱いに、多彩な魔法を操る魔術師であれば魔法の強化に特化していく。では、天空神の力を持つ呪術師であれば……?

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